新チームの初戦で快勝!

準硬式野球
TEAM
立正大
早大 2× 10

 ついにこの日がやってきた。松本憲太郎主将(スポ4=福岡・筑紫丘)率いる新チームにとって初の公式戦。早大はシード校のため、今大会3回戦からのスタートとなった。結果は投打共に立正大を圧倒し、10-0で快勝。また、ことし1月から新たに就任した池田訓久監督(昭60教卒=静岡・浜松商)にとっても初勝利となった。

 経験豊富な4年生投手が相手打線を封じ込めた。先発は、エースナンバー『18』を背負った向江洋光(人4=大分上野丘)。この日は、冬場の投げ込みで強化した直球が冴えわたった。向江は初回こそ一、三塁のピンチを招いたものの、その後は安定感を取り戻し、得点圏に走者を置くことさえ許さない投球を披露。シーズン開幕前のオープン戦では不調に苦しんだものの、エースとして臨んだ初戦で、見事にその役目を成し遂げた。続く沼座翔平(スポ4=広島なぎさ)も、勢いそのままに3回をほぼ完璧に抑える好投。結局この試合は、向江、沼座両投手で立正大打線を3安打無失点に抑え込んだ。

好投を見せた先発・向江

 打線も開幕戦からその本領を発揮した。初回、2死から死球で走者を出すと、すかさず笹井健佑(社2=東京・早実)が適時打で先制点を挙げる。その後、4回には四死球が重なり無死満塁の場面で、打席には松本。追い込まれながらもボールをセンターに弾き返し、追加点。この回一挙に5得点を挙げた。点差が開いても早大打線は攻撃の手を緩めることはない。そして8回、相手の失策で出た走者をまたしても松本が適時打で返し、コールド勝ち。大量得点で今季初勝利をつかんだ。しかし、攻撃で目立ったのは打撃だけではない。この試合では冬に鍛え上げた走塁も光った。この日早大は4盗塁を決めるなど、機動力を発揮。相手のミスを誘い、それを逃さずに好機を広げる走塁も大量得点の大きな要因であった。

4回適時打を放つ松本

 「相手のミスをついて先の塁を取る攻撃や、守備では1つも失策を出さずに終えることができました」(池田監督)。シーズン初戦の緊張感の中に包まれながらも、新チームは自分たちの野球を見事に体現した。4回戦の相手は、ライバル慶大。東京六大学春季リーグ戦の前哨戦ともなるこの試合で、再び早大らしい野球を見せることができるのか――。絶対に負けられない早慶戦で、新チームの真価が問われる。

(記事 杉田陵也、写真 進藤翔太)

※記事中の学年は新年度のものです。

コメント

池田訓久監督(昭60教卒=静岡・浜松商)

――きょうの試合を振り返ってみていかがですか

私が監督になったのがことしの1月なのですが、その時から「細かい野球、丁寧な野球をしていきなさい」と言ってきました。きょうの試合はそれが随所に出たのかなと思います。相手のミスをついて先の塁を取る攻撃や、守備では1つも失策を出さずに終えることができました。なので言ってきたことがだいぶ徹底されてきたのかなという印象ですね。

――新チームの初戦ということで緊張感もあったと思いますが、選手たちの様子はいかがでしたか

やはり打者は硬かったですね。1巡目は非常に硬かったのですが、2巡目以降はだんだんほぐれてきて、いつも通りの打撃ができるようになってきたなという印象を持ちました。

――池田監督から見て、ことしのチームの特徴は何ですか

個々の能力は非常に良いものがありますが、野球というのはゲームの中でその能力を生かしていかなければなりません。なので意識をしっかり持ってやっていけば、非常に良い形で試合ができるのかなと思います。ことしのチームは『粘り強い野球』ができればと思っていますし、それができる素質があると思います。これからどんどん強いチームと対戦することになりますが、そこのチームと対抗できるような力を持っています。ただ、その力を出せなければ負けてしまうので、その力を出せるように続けてくれればなと思います。

――池田監督が就任されてからどのような練習を強化していましたか

やはり、守備と走塁がメインですね。野球は守り(が重要)だと思うので、その練習をしっかりする。そして、打撃練習をやっている時でも走塁に意識を置いてやってきました。 細かい所への意識付けができる練習を積み上げるようにしていました。そして、体力を付けることですね。特に投手はスタミナがないといけないですし、基本は9回を投げてもらうというのが理想です。また、投手だけではなく野手も夏場の暑い時期に自分のパフォーマンスをずっと維持できるような体力を付けるように要求をしていました。

――あしたは早慶戦となりますが、そこに向けて一言お願いします

やはり慶大は早大にとって特別な存在なので、どんな形であっても勝ちたいですね。

松本憲太郎主将(スポ4=福岡・筑紫丘)

――きょうの試合を振り返ってみていかがでしたか

初戦ということでとりあえず勝てて良かったなというのが一番です。その中で0点にしっかり抑えて、点数もある程度取れたというのはすごく良かったんじゃないかなと思います。

――新チームとして臨む初の公式戦でしたが、どういった気持ちで試合に臨みましたか

正直けっこう緊張している選手もいたと思いますが、そういう中で、特にあまり試合経験のない新2年生たちが緊張しながらもしっかり思い切ってやってくれたのが一番良かったかなと思います。

――新チームの雰囲気はいかがですか

試合に出る下級生も多くて、それを試合に出ていない4年生がしっかり声を出して盛り立ててという感じでうまく(学年が)下の選手も出てきて、上の選手もそれをしっかりサポートするっていう良い雰囲気ができていると思います。いい雰囲気だと思います。

――今季のチームの強みというのはそういったところなのでしょうか

そうですね。そういう一体感と、みんなで力を合わせてというか、総合力で勝っていこうというのがことしのチームなので、そういうスローガンの下、そういう雰囲気ができているのはすごくいいかなと思います。

――今季から新しく池田訓久監督(昭60教卒=静岡・浜松商)がチームに入られましたが、その点に関してはいかがですか

監督も明るく元気な人なので、一緒に盛り上げてくれてすごくベンチの雰囲気は良いと思います。

――松本選手はどういった経緯で主将になられたのでしょうか

簡単にいうと、僕の学年にほかにやる人がいなかったので(笑)。あとは監督とかOBの方とかから言われてという感じなので、すごく責任がある仕事ですがしっかり務めあげたいなと思っています。

――主将を務めるにあたって、何か前主将の南貴文さん(平27スポ卒)から伝えられたことなどはありますか

いや、あまりないですけど、頑張れよ、と。きょうもLINEをいただきました(笑)。

――次の試合で早くも早慶戦ということになりましたが、それに向けてはいかがですか

こんなに早く公式戦で慶大とやると思っていなかったので、東京六大学春季リーグ戦の前にしっかり慶大に勝っておきたいなと思います。

向江洋光(人4=大分上野丘)

――きょうの試合を振り返ってみていかがですか

オープン戦でずっと調子が悪くてあまりいい結果が出せていなかったのですが、(試合に)使っていただいたので、その期待に応えようと頑張りました。

――新チームの初戦ということで緊張感もあったと思いますが、試合前の心境はどうでしたか

シーズン最初の試合は毎年緊張しているので、ことしも同じように緊張していました。

――エースナンバー『18』を着けての初試合でしたが、やはり試合に対する意気込みというのは違うものがありますか

頼れるエースだった河合さん(亮太、平27スポ卒)が引退して、自分が着けることになりましたが、ワセダの18番を背負っているという責任を持ってことし1年頑張っていきたいです。

――秋から冬にかけて重点的に練習したことはありますか

ことしは池田監督(訓久、昭60教卒=静岡・浜松商)から「投げ込みをしなさい」と言われて、例年投げ込みはしていなかったのですが、ことしはそこにテーマを持って練習をしました。

――向江選手から見てことしの投手陣はいかがでしょうか

河合さんという大きな存在が抜けて、正直戦力ダウンは否めないところはありますが、下級生もだんだん良くなってきているので、そこに期待していきたいです。

――あしたは早慶戦となりますが、そこに向けて一言お願いします

慶大との試合はやはり特別な試合なので、負けないように気合いを入れて頑張りたいと思います。