大森が3位入賞! 講道館杯出場を決める

柔道

 ベスト8以上で講道館杯全日本体重別選手権(以下、講道館杯)の出場権を得られる、全日本学生体重別選手権。大会は2日間にわたって行われ、女子部からは計4選手が出場した。70キロ級で大森恵花(スポ2=東京・渋谷教育学園渋谷)が3位に入り、講道館杯への出場権を獲得。目標の優勝には届かなかったが「成長を感じるところもある」と大会を振り返った。

メダルを授与される大森

 1日目には78キロ級で黒田亜紀主将(スポ4=山梨・富士学苑)、70キロ級で渡邉天海(スポ1=北海道・北海)と大森が出場。黒田は初戦の2回戦で相手の素早い大外刈などに辛抱するも、本戦4分の間に消極的姿勢など2つの指導を受ける。試合は両者ポイントが入らないまま、延長のGS(ゴールデンスコア)に突入。疲労もたまる中で寝技や大外刈を仕掛けにいった黒田だったが、GS1分4秒頃に3つ目の指導を受け、反則負けを喫した。渡邉は昨年の全日本ジュニア体重別選手権で3位に入った、帝京平成大の田嶋海佳(3年)と対戦。背負投などを仕掛けるも、両者ともにポイントはなく、延長戦となった。手技や足技の掛け合いが続くも、なかなかポイントが遠い展開となったこの一戦。しかし、試合開始から約7分半の場面、渡邉は相手の引き手によって重心を崩されると、そのまま大外刈を決められて一本負けを喫した。

2回戦に臨む黒田(写真右)

延長戦の末に敗れた渡邉

 渡邉と同じく70キロ級で出場した大森は、初戦を袈裟固、続く2回戦を大内刈による一本勝ちで突破し、準々決勝へと駒を進める。準々決勝では互いに足技の掛け合いが続く中、開始から約1分半後に大外刈で技ありを奪った大森。その後、足技でバランスを崩した相手を仰向けに返し、上四方固で合わせ技一本勝ちを収めた。迎えた準決勝は、後に優勝を果たした龍谷大の溝口葵(3年)と対戦。試合は大森が果敢に大内刈などを仕掛け、先に相手が2つの指導を受ける。大森に有利な展開かと思われたが、本戦終了間際で体勢を崩したところを寝技に持ち込まれ、後袈裟固により一本負け。決勝進出とはならなかったが、3位に入って昨年に続く講道館杯への切符を手にした。

準々決勝で上四方固を決める大森(青道着)

 2日目には、52キロ級で出口華(スポ3=兵庫・凪川)が出場。初戦の2回戦では開始から積極的な攻めを見せると、相手が直立状態になった隙を突き、袖釣込腰を決めて一本勝ちを収めた。勝てば講道館杯という3回戦は、先に相手が2つの指導を受け、出口にとって有利な試合運びとなる。しかし、試合中盤で自身の足を相手の足に内側から巻き付ける河津掛の判定を受け、反則負けで悔しい黒星を喫した。

初戦で袖釣込腰を決める出口

 今大会では、新たに大森が講道館杯への出場権を獲得。女子部としては選手たちの成長を感じつつ、渡邉や出口、3位に入った大森も含めて、各々の目標にあとわずか及ばなかった大会となったかもしれない。11月の講道館杯に出場するのは大森と黒田、姥琳子(スポ1=福岡・修猷館)の3選手。高校生から実業団の選手までが競い合うハイレベルな戦いとなるが、是非とも個々の力を存分に発揮し、強敵相手に善戦を見せてほしい。

3位入賞した大森(写真中央)

(記事・写真 湊紗希)

結果

▽女子52キロ級

出口華(スポ3=兵庫・凪川) 3回戦敗退

 

▽女子70キロ級

大森恵花(スポ2=東京・渋谷教育学園渋谷) 3位 講道館杯出場権獲得

渡邉天海(スポ1=北海道・北海) 1回戦敗退

 

▽女子78キロ級

黒田亜紀(スポ4=山梨・富士学苑) 2回戦敗退

 

コメント

大森恵花(スポ2=東京・渋谷教育学園渋谷)

――どのような目標で今大会に臨まれましたか

 優勝を目指しつつも、それだけに縛られないように、一試合一試合勝とうと思って臨みました。

――大会の感想をお願いします

 結果的には負けてしまったんですが、一戦一戦の内容を振り返ると前より本戦中に取り切ることができたり、寝技で抑え込めたりしたので、成長を感じるところもあるなと思います。

――試合を通じて、自身の調子はどのように感じていましたか

 今までだと、一戦目からGSに入って指導などで勝つことが多くて試合が長かったんですが、全部本戦の中で決められたので、一戦目から調子はよかったと思います。

――最終戦となった準決勝の振り返りをお願いします

 寝技の受けのところがまだまだと実感したので、しっかり受けの部分も強化していきたいなと思います。

――最後に、今後へ意気込みをお願いします

 この大会で講道館杯への出場権を取れたので、とりあえず一カ月後に控えている講道館杯に向けて、一戦一戦頑張っていきたいと思っています。