体重別の個人戦として学生日本一を争う、全日本学生体重別選手権(以下、全日本)への切符を懸けた今大会。早大男子柔道部からは18人が出場した。結果は、100キロ超級で笠井雄太(スポ2=愛知・桜丘)が優勝、園田陸斗(スポ4=熊本・九州学院)が3位、また、81キロ級で長澤篤希(スポ2=静岡学園)が3位となり表彰台へと立った。そして、66キロ級で中島瑞貴(スポ3=福岡・西日本短大附属)がベスト8、73キロ級で南出健槙(スポ1=石川・鶴来) 、81キロ級で飯田健介(社3=福岡・南筑)、90キロ級で道下新大(スポ4=東京・国士舘)がベスト16で入賞し、計7名が全日本への出場を果たした。昨年の全日本出場者5名を上回る好成績となり、昨年の大会で涙を飲む事になった選手達も雪辱を晴らす結果となった。
東京都ジュニアに続き優勝を果たした笠井
100キロ超級の笠井は、7月の東京都ジュニア体重別選手権でも優勝しており、勢いに乗る選手だ。「大会前に病気にかかり、試合中も体調が優れなかった」との言葉とは裏腹に、一回戦、二回戦とそれぞれ一本を決め、順調に勝ち進んでいく。結局今大会では、笠井の相手選手が二回棄権したため、準決勝がクライマックスとなった。準決勝での相手は191センチの恵まれた体格である東海大・森田。自身を上回る体格の相手であっても、試合ではペースを握らせることなく、果敢に技を仕掛けていった。先に小内刈を取り、そして試合開始2分半、笠井の小外刈を決め、合わせ技で一本、優勝を掴み取った。また、昨年度も全日本選手権に出場している園田も、早い試合展開で勝ち進んでいった。準々決勝では開始わずか数秒で大外刈りを決め、一本勝ちを収めた。準決勝ではGS(ゴールデンスコア)にもつれ込む攻防となった。先に園田が技ありを一つ取ったものの、相手の反転攻勢を受け、大外刈で一本を取られ敗退となった。
園田は二年連続の全日本出場となった
81キロ級の長澤は、昨年度に1年生ながら唯一全日本に出場しており、今年も期待がかかっていた。初戦から、相手が体勢を崩した瞬間に肩固を決め、勝ち進んだ。続く二回戦でも、内股返を試合開始まもなく決め、その後隅返による合わせ技で一本勝ちを収める。その後も勝ち進み、準々決勝へと臨んだ。準々決勝は、積極的に攻めたものの相手も譲らず、長澤の試合で唯一のGSに突入した。しかし、長澤らしい粘りの柔道を発揮し、送襟締で最後は一本を勝ち取った。
送襟締で一本勝ちを決める長澤
今大会では昨年度を上回る7名の全日本出場を決める好成績を残した。続く全日本は9月30日、10月1日に再び日本武道館にて行われる。目標は講道館杯への出場、そして表彰台だ。特に100キロ超級の二人はコンディションが万全でない中での試合となったが、結果としては表彰台へと上がるものとなった。全日本では万全の体制で挑み、悔いの無い様優勝を掴み取って欲しい。
(記事 今村奎太 写真 今村奎太、湊紗希)
結果
▽男子60kg級
工藤大輝 (法3=福岡・小倉) 二回戦敗退
渋田凱 (スポ2=福岡・嘉穂) 初戦不戦敗
▽男子66kg級
中島瑞貴(スポ3=福岡・西日本短大附属) ベスト8 全日本出場権獲得
笠康介(スポ3=神奈川・東海大相模) 二回戦敗退
橋本虎弥(社2=北海道・東海大札幌) 二回戦敗退
▽男子73kg級
松崎渡(スポ4=埼玉栄) 初戦敗退
中島竜生(文構2=東京・早実) 三回戦敗退
南出健槙(スポ1=石川・鶴来) ベスト16 全日本出場権獲得
▽男子81kg級
横山景一(文構4=長崎南山) 二回戦敗退
飯田健介(社3=福岡・南筑) ベスト16 全日本出場権獲得
長澤篤希(スポ2=静岡学園) 3位 全日本出場権獲得
板東新(スポ1=静岡・加藤学園) 初戦敗退
▽男子90kg級
道下新大(スポ4=東京・国士舘) ベスト16 全日本出場権獲得
安藤健志(スポ4=神奈川・桐蔭学園) 初戦敗退
▽男子100kg級
西中康平(スポ4=東京・早実) 二回戦敗退
角田壮琉(文4=群馬・高崎) 初戦敗退
中野智博(スポ3=神奈川・桐蔭学園) 二回戦敗退
▽男子100kg超級
園田陸斗(スポ4=熊本・九州学院) 3位 全日本出場権獲得
笠井雄太(スポ2=愛知・桜丘) 優勝 全日本出場権獲得
コメント
笠井雄太(スポ2=愛知・桜丘)
――今日はどんな目標で試合に臨まれましたか
全学に出られればいいなと思ってました。なので、ベスト8を目標にしてました。というのも昨日の夜にカンピロバクターになってしまって、緊急で病院に行ってたんです。これはもう勝てそうにないなと感じで、それでも全学にはとにかく出ようと。
――大会全体を振り返って、調子などはいかがでしたか
試合への取組がまだ足りないなと思いました。来週には全ジュニがありますが、今日みたいに気が抜けたようなことやっていると足元すくわれると思っています。
――収穫や改善点はありましたか
今回は体調悪い中でもなんとか優勝することが出来ましたが、二度とこういうことにならないよう健康管理を今後しっかりしていきます。
――今後に向けての意気込みをお願いします
日本代表内定に向けて、頑張ります!
園田陸斗(スポ4=熊本・九州学院)
――今日はどんな目標で試合に臨まれましたか
全学出場を大きい目標にしていました。実際、数日体調を壊していたのですが、そこまでいけないと駄目かなと思っていました。
――大会全体を振り返って、調子などはいかがでしたか
体調不良だったので早く仕留めたいなというのはあったのですが(笑)、2回戦の国士舘大の相手は気持ちの勝負になったのかなと思います。そこで勝ちきれて、次の東海大の相手にも勝てたと思うので、そこは良かったなと思います。
――準決勝の振り返りをお願いします
自分が技ありを取って、相手が出てきたところを捌(さば)き切れなかった点がまだまだ課題だなと感じます。全学までに、その点を取られないという部分を鍛えていければなと思います。
――次は全日本選手権となります。目指すものと意気込みをお願いします
目指すものは一つでも多く勝つことと、ベスト8が講道館杯の出場圏内なので、そこまで最低いって、上位に行けるなら行きたいなと思います。次はちょっと体調不良がないようにして(笑)、トラブルがないように試合に臨みたいと思います。