体重別の個人戦として学生日本一を争う、全日本学生体重別選手権(以下、全日本)への切符を懸けた今大会。早大女子柔道部からは9人が出場した。その内、52キロ級の出口華(スポ3=兵庫・夙川)がベスト8、70キロ級の大森恵花(スポ2=東京・渋谷教育学園渋谷)・渡邉天海(スポ1=北海道・北海)、78キロ級の黒田亜紀(スポ4=山梨・富士学苑)が3位の結果で、計4名が全日本への出場を勝ち取った。上級生の意地と実力を改めて見せつける試合であったものの、初出場の1年生が全日本進出を決めるなど、ホープの台頭を感じさせる結果となった。
初出場ながら全日本出場を決めた渡邉
70キロ級の渡邉は、無差別級日本一を決める皇后杯での出場経験もある、今大会初出場のホープだ。二回戦、三回戦共にGS(ゴールデンスコア)に突入するも、それぞれ一本を決め勝ち上がった。同じく70キロ級の大森は、全ての試合でGSに入る激戦を繰り広げた。二回戦では、大森が得意技とする大外刈で技ありを取った。迎えた準決勝では、今大会で優勝となる、強豪東海大・佐藤と戦った。大森も積極的に攻撃を仕掛けたが、GS5分で小外刈を取られ、技ありを献上となった。
大森は昨年度に続く全日本出場
78キロ級の主将・黒田は、4年生として「大学生活最後の試合の覚悟」の意志で臨んだ。一回戦、二回戦共に一本で試合を制するも、準決勝では積極的に技をかけてきた相手に、小外刈で技ありを決められた。全国に進む事の出来るのは3名。残り1つの枠を懸け挑んだ最終戦、一進一退の攻防を繰り広げ、互いに譲らない展開となった。遂にGS突入9分が過ぎた時、黒田の大内刈が入り、技ありで全国大会の切符を掴み取った。
長いGSを制した黒田
昨年度の倍である4名の全日本出場を決める好成績であった今大会。続く全日本は9月30日、10月1日に再び日本武道館にて行われる。今回は一試合一試合を大切にし、諦めない姿勢が躍進に向けた足がかりとなった。全国の舞台での表彰台に期待したい。
(記事 今村奎太 写真 今村奎太、湊紗季)
結果
▽女子48kg級
吉田さくら(スポ4=北海道・札幌北斗) 二回戦敗退
▽女子52kg級
出口華(スポ3=兵庫・夙川) ベスト8 全日本出場権獲得
高木由有(スポ1=東京・淑徳) 準々決勝敗退
▽女子57kg級
姥琳子(スポ1=福岡・修猷館) 初戦敗退
中水流りり(スポ4=東京・渋谷教育学園渋谷) 三回戦敗退
▽女子70kg級
大森恵花(スポ2=東京・渋谷教育学園渋谷) 3位 全日本出場権獲得
渡邊天海(スポ1=北海道・北海) 3位 全日本出場権獲得
▽女子78kg級
黒田亜紀(スポ4=山梨・富士学苑) 3位 全日本出場権獲得
下村咲乃(文3=福岡・修猷館) 初戦敗退
コメント
黒田亜紀(スポ4=山梨・富士学苑)
――今日はどんな目標で試合に臨まれましたか
大学生最後の学生の試合なので、まずは全学に出ることを最低ラインとして、優勝を目指して臨みました。
――大会全体を振り返って、調子などはいかがでしたか
今日はあまり調子が良くなくて、あまり自分っぽくないなと思うところがありました。その中で、最後は気持ちで負けないようにと思ってやっていました。
――準決勝の振り返りをお願いします
延長戦になるだろうなと思っていたので、きついときもあったのですが、最後まで絶対勝つという気持ちをずっと持って戦っていました。
――次は全日本選手権となります。意気込みをお願いします
とにかく自分のベストを尽くして、いい結果を得ることができたらいいなと思います。
その中でも、7月の東京都ジュニア選手権でも優勝を果たした笠井が勢いを見せ、100キロ級で優勝を掴み取った。
渡邉天海(スポ1=北海道・北海)
――今日はどんな目標で試合に臨まれましたか
1試合を大切にして、自分の力を出し切って最後まで諦めずに戦うことを目標としていました。
――大会全体を振り返って、調子などはいかがでしたか
延長戦になる事が多かったのですが、調子もよく、最後までやりきることができました。
――準決勝の振り返りをお願いします
私の苦手なタイプで、対応しきれず負けてしまったので、また日々の練習で対策したいと思います。
――次は全日本学生となりますが、意気込みをお願いします!
大学生になって初めての全日本の大会なので、1試合を大切に頑張ります。