全日本学生優勝大会から僅か2週間しか経たない中、東京武道館にて熱戦が繰り広げられた。高校生を含む、15歳〜20歳までの選手が参加する今大会は各階級上位3〜5名に全日本ジュニア体重別選手権(全日本ジュニア)への出場資格が与えられる。早大からは男子9名、女子4名の計13名が出場した。男子100キロ超級の笠井雄太(スポ2=愛知・桜丘)が優勝を勝ち取り、男子81キロ級の板東新(スポ1=静岡・加藤学園)も入賞し、全日本ジュニアへの出場を決めた。また、女子52キロ級の出口華(スポ3=兵庫・夙川)が同じ早大の高木由有(スポ1=東京・淑徳)との3位決定戦を制し、女子で唯一の全日本ジュニアへの出場権を獲得した。
男子部では各選手が健闘する中、特に破竹の勢いで進んでいったのが笠井だ。「今日はコンディションが良くない」(笠井)と試合前、言葉少なげに語っていた笠井だが、その言葉と裏腹に順調に勝ち上がっていった。準々決勝、準決勝でそれぞれ小外掛け、小外刈りで一本勝ちを収め、決勝進出を決めた。特に、準決勝戦での相手は入来院大樹(国士舘大2年)。二週間前には全日本学生柔道優勝大会で16年ぶりの悲願の優勝を果たした国士舘のメンバーであり、全国中学校柔道大会では優勝経験を持つ強敵であった。そんな強敵との戦いを終え、迎えた決勝。再び相手は高校時代ベスト4の経験を持つ難敵、日大の村瀬であった。そんな難敵をもろともせず、序盤から積極的に攻めの姿勢を見せ、開始1分程の技ありで優勢勝ちを決めた笠井。今大会唯一の早稲田の優勝を掴み取った。
決勝戦で優勝を決めた笠井
また81キロ級の板東も快進撃を見せた。大学入学後初の個人戦となった板東。袈裟固めで一本勝ちを決めるなど準決勝まで着実に勝ち進み、準決勝では中央大の青井との対戦となった。激しい攻防を繰り広げ、技の掛け合いとなったが、技ありで優勢負け。だが、初出場ながら全国ジュニアへの出場権を勝ち取る大健闘となった。
板東は寝技で積極的に攻め、出場権を獲得した
女子部では出口、高木がそれぞれ52キロ級で準決勝まで勝ち進むも、双方強豪・学芸大の選手と戦い一本負けとなった。同じ早大同士の選手による3位決定戦という異例の展開となり、先輩後輩による激しい技の掛け合いとなった。最後には、反則勝ちにより出口が勝利を収め「先輩として勝ち切りたい」(出口)の言葉通り、2年連続で全国ジュニアへの出場権を勝ち取った。
女子52キロ級、3位決定戦では出場権をかけ早大同士の対戦となった
今大会で男子部で笠井・板東、女子部では出口が全日本ジュニアへの切符を手に入れた。選手全員が強い意気込みを持ち、目指す先はそれぞれ全日本ジュニアの優勝だ。9月に迫る全日本ジュニアまで残り2ヶ月である。今大会で見つかった多くの収穫と課題を生かし、早大の次なる大会での活躍を期待したい。
(記事 今村奎太 写真 今村奎太、丸山勝央)
結果
男子
▽男子60kg級
渋田凱(スポ2=福岡・嘉穂) 3回戦敗退
▽男子66kg級
高倉慎生(社学2=三重・四日市中央) 1回戦敗退
橋本虎弥(社学2=北海道・東海大札幌) 3回戦敗退
▽男子73kg級
中島竜生(文構2=東京・早実) 3回戦敗退
南出健槙(スポ1=石川・鶴来) 2回戦敗退
▽男子81kg級
板東新(スポ1=静岡・加藤学園) 3位 全日本ジュニア出場権獲得
長澤篤希(スポ2=静岡学園) 7位
▽男子90kg級
池田尚悟(社学2=東京・早実) 1回戦敗退
▽男子100kg超級
笠井雄太(スポ2=愛知・桜丘) 優勝 全日本ジュニア出場権獲得
女子
▽女子52kg級
出口華(スポ3=兵庫・夙川) 3位 全日本ジュニア出場権獲得
高木由有(スポ1=東京・淑徳) 4位
村松美直(基幹理工1=新潟) 2回戦敗退
▽女子70kg級
渡邊天海(スポ1=北海道・北海) 1回戦敗退
コメント
笠井雄太(スポ2=愛知・桜丘)
――今回の大会はどういった目標で臨まれましたか
まずは全日本ジュニアに出るために、3位入賞を目標でやってました。一人一人勝ち進んでいく内に、これは勝てるんじゃないかって活力が湧いてきました。
――試合前にはコンディションが良くないと仰っていましたが、振り返ってみていかがですか
今日は一本で決める展開が多かったですね、実際試合してみると調子良かったですね(笑)
――全学大会団体から二週間という中で、調整はどうされましたか
睡眠時間を凄く長くしました(笑)。あと、柔道のみに専念してました。普段は筋トレもするんですけど、この期間は柔道と睡眠のみにフォーカスしてやってました。
――最後に、今後の目標と意気込みを教えてください
目標は全国優勝です。頑張っていきます!
出口華(スポ3=兵庫・夙川)
――今回の大会はどういった目標で臨まれましたか
去年も全ジュニに出場したんですが、結果を出すことが出来なかったので、今回も必ず出場して全国に向けて弾みを付けて良い結果を出せるように頑張りました!
――その上で試合振り返ってみていかがですか
最初や前半の試合は技ありも取れて良い結果になったんですけど、後半は集中力も切れてだらだらしているような試合になってしまったので、全国では改善して投げる試合にしていきたいと思います。
――全学大会団体から二週間という中で、どのような準備をされましたか
いつも通りで、気楽でいけたらいいなという気持ちで臨んでました(笑)
――今大会での収穫はありましたか
全国でも高校生は多いので、組み手をしっかり練習していこうと思います。
――3位決定戦では同じ早大の部員同士で戦う展開になりましたが、振り返ってみていかがでしたか
後輩というのもあるし、相手(高木)も強いので、先輩として勝ち切りたいプライドもやっぱりあったので良かったです。ただ結果が反則勝ちだったので、投げたかったというのもあります。
――最後に、今後の目標と意気込みを教えてください
全ジュニでは必ず優勝して、親や今お世話になっている人に恩返しできるように頑張りたいと思います!