早慶柔道対抗戦（早慶戦）が講道館にて開催された。今年は３人点取り方式の試合となり、早大女子部からは吉田さくら（スポ３＝北海道・札幌北斗）、黒田亜紀（スポ３＝山梨・富士学苑）、大森恵花（スポ１＝東京・渋谷教育学園渋谷）の３選手が出場。昨年は惜しくも敗れた女子部だったが、今年度は拮抗（きっこう）した試合を制し、見事に白星を飾った。
試合に臨んだ３選手
試合は、まず先鋒の吉田が登場。吉田は自身の身軽さを生かしてテンポの速い戦いを見せ、果敢に足技を仕掛けていく。試合中盤には相手の大外刈りにバランスを崩して危うい場面もあったが、粘りを見せていた吉田。しかしその後、相手に足技を仕掛けるも掛からず、足を戻した直後に体制を崩され、そのまま上四方固で技ありを決められてしまう。なんとか体制を戻そうとするも相手にきっちりと押さえ込まれ、そのまま一本勝ちを許した。
先鋒を務めた吉田
続いて登場したのは、１年生ルーキーの大森。初の早慶戦を迎え、試合前には緊張していたと語った大森だが、開始序盤から攻めの姿勢で相手に主導権を握らせない。そして開始から約１分後の場面、大森は足技を仕掛けられるもこれを踏ん張り、逆に軸足一本に体重が乗ってバランスが不安定な相手を押し切って、体勢を崩すことに成功。そのまま袈裟固めで技ありを獲得、その後もしっかりと技を維持して一本勝ちを収め、１－１と試合を振り出しに戻した。
袈裟固めを決める大森
最後には、大将を務める黒田が登場。試合結果がチームの勝敗を決する重要な一戦となったが、黒田は動きが素早く、頻繁に足技を仕掛けてくる相手にも自身のペースを崩されない。試合は両者ともに技あり、一本は出なかったが、中盤に相手が受けた警告により黒田が優勢勝ちを収め、同時に早大が慶大を相手に勝利を飾った。
大将を務めた黒田
試合後の閉会式では、大森が最優秀選手賞、黒田が優秀選手賞を獲得した早大女子部。見事に試合を制した選手たちは、この試合を区切りに引退を迎え、大森も「本当に頼もしい存在だった」と語る４年生へ優秀の美を飾ったはずだ。さまざまな経験を積んだ今季を経て、今後は私たちにどんな活躍を見せてくれるのだろうか。来季もその躍動から目が離せそうにない。
最優秀選手賞を獲得した大森
（記事・写真 安齋健、宮下幸、今村奎太、湊紗希）
結果
女子 ○２－１（３人制点取り方式）
コメント
大森恵花（スポ１＝渋谷教育学園渋谷）
――どのような気持ちで試合に臨まれましたか
すごく緊張する試合というのは聞いていたので緊張感が結構あったのですが、同時に楽しみたいというワクワク感もありました。
――実際に緊張などはされましたか
試合前には結構しましたね…（笑）。
――ご自身の試合を振り返っていかがですか
返しで勝ったようなかたちなので、ちゃんとした技で勝ちたかったという思いが少しありますね。
――引退される４年生はどのような存在でしたか
短い間しか関わっていませんが、本当に頼もしい存在だったなと思います。
――最後に、来季への意気込みをお願いします
今後も日々努力を怠らないで、もっと勝てるように頑張りたいと思います！