女子部からは3選手が講道館杯へ 入賞逃すも強敵相手に奮闘見せる

柔道

 昨年は新型コロナウイルスの影響で中止となった講道館杯全日本体重別選手権(講道館杯)が、千葉ポートアリーナで行われた。大会で上位成績を残すなど、強化委員会から選出された高校生から社会人までの選手が集い、体重別で日本一を争うこの大会。早大女子部からは野澤知莉主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)と黒田亜紀(スポ3=山梨・富士学苑)、そして大森恵花(スポ1=東京・渋谷教育学園渋谷)の3選手が出場した。

 70キロ級に出場した大森は、初戦で強豪・環太平洋大の選手と対戦。隙を見せず、試合序盤から積極的な姿勢を見せる相手になかなか技を掛けられず、極端な防御姿勢・消極的指導が先に大森に2つ与えられる。その後も両者ポイントを奪えず、試合は4分を超えて延長戦のGS(ゴールデンスコア)へ突入。先に追い詰められていた大森だったが、守りに入った相手にも指導が重なり、互いに反則負けの迫る指導2となる。両者ともに相手の様子を伺う試合展開となったが、大森に標準的でない組手、故意に取り組まないことによる3つ目の指導が与えられ、悔しい反則負けを喫した。

悔しい反則負けとなった大森

 全日本学生体重別選手権で準優勝を収めた野澤は、大森と同じく70キロ級に出場。初戦は試合開始2分頃に相手の背後に回ると、後方から抱え込むような動きを見せる。そのまま片手を相手のあごの下から回して反対側の横襟を握り、相手の頸(けい)部を絞める送襟絞を決めた野澤。見事に一本勝ちを収め、2回戦へ進出した。続く2回戦は、先に野澤に指導が2つ与えられるも、GSへ突入後に相手にも2つ指導が重なり、両者とも後が無い試合展開となる。前半よりも積極的に技を仕掛ける野澤だったが、相手に押さえ込まれた際に逃れようとした右腕を取られ、そのまま腕挫腕固で一本勝ちを許した。

2回戦敗退も奮闘を見せた野澤

 女子78キロ級に出場した黒田は、初戦を相手の反則負けで突破し、2回戦へと駒を進める。後に「自分のかたちになることができなかった」と振り返ったように、黒田は攻守で隙のない社会人を相手に試合の主導権を握れず、2回戦は苦しい試合展開となる。そして試合中盤で、釣り手を上げられた後に相手の腰へと乗せられ、そのまま前方に投げられる袖釣込腰で技ありを許した黒田。続けて横四方固でも技ありを決められ、相手の合わせ技一本勝ちで3回戦進出とはならなかった。

力闘も3回戦進出を逃した黒田

 早大から入賞者は出なかったものの、限られた選手しか出場できない講道館杯。その狭き門を突破し、ハイレベルの選手たちをその肌で感じたことは今後の成長の糧となるはずだ。残る試合は早慶柔道対抗戦(早慶戦)のみとなり、女子部の試合は3人制の点取方式で行われる。4年生にとって集大成となるこの試合を制し、笑顔で今シーズンを終えてほしい。

(記事・写真 湊紗希)

結果

▽女子70キロ級

大森 恵花(スポ1=東京・渋谷教育学園渋谷)1回戦敗退

野澤 知莉主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園) 2回戦敗退

▽女子78キロ級

黒田 亜紀(スポ3=山梨・富士学苑) 2回戦敗退

コメント

黒田 亜紀(スポ3=山梨・富士学苑)

――どのような目標で今大会に臨まれましたか

 入賞を目標としていました。

――ご自身の2試合を振り返っていかがですか

 1試合目は落ち着いて自分の柔道ができましたが、2試合目は自分のかたちになることができず、いいところを出せなかったように思います。

――試合を通して感じた反省点は何かありますか

 組み手の部分をもっと徹底したいと思います。

――今後は早慶戦が控えています。最後に意気込みをお願いします

 勝てるように頑張ります!