8月10日から14日にかけて、世界ジュニア柔道選手権がエクアドル・グアヤキルで開催され、早大からは黒田亜紀(スポ3=山梨・富士学苑)と中野智博(スポ2=神奈川・桐蔭学園)が出場。個人戦で黒田は優勝、中野は2位の好成績で大会を終えた。
金メダルを獲得した黒田(中央左、写真:国際柔道連盟)
2019年にも出場経験があり、当時2回戦敗退を喫した黒田は個人戦女子78キロ級で2回戦から登場。3年越しのリベンジへ向け大会に臨むが、初戦でいきなり昨年度優勝者のアナ=モンタ・オレク(ドイツ)との一戦を迎える。後に「初戦はとても厳しい戦いでした」と振り返ったように、試合は指導を2つ失い追い込まれる展開となる。しかし延長戦で先に疲労の見えた相手に腕緘を決め、見事に一本勝ちを収めた。
決勝を含め全試合で一本勝ちを収めた(写真:国際柔道連盟)
2019年大会で敗退した2回戦でも黒田は腕緘で一本勝ちを収め、続く準々決勝では大外刈、準決勝では内股と袈裟固の合わせ技を決めて、順調に決勝戦へと駒を進める。ここまで全試合で一本勝ちを収めている黒田は、ベアトリス・フレイタス(ブラジル)を相手に内股からの崩れ上四方固の合わせ技を決め、決勝でも見事な一本勝ち。金メダルを獲得し、今大会4試合を全て一本勝ちで勝利するという絶対的な実力を見せた。
1回戦で左足車を決める中野(写真:国際柔道連盟)
個人戦男子100キロ級に出場した中野は、開始8秒で左足車を決めて試合開始早々に一本勝ちを収めると、2回戦では左大内刈の技ありで優勢勝ち。続く準々決勝では試合序盤に相手のキリアン・カッペルマイ(ドイツ)に技ありを取られるも、内股透かしにて逆転の一本勝ち、準決勝では左内股(技あり)からの崩袈裟固の合せ技で一本勝ちを収め、決勝進出を決めた。しかし迎えた決勝戦、相手のケニー・リヴェズ(フランス)に開始22秒で浮技により一本負けを喫し、惜しくも銀メダルに終わった。
個人戦で銀メダルを獲得した中野(左、写真:国際柔道連盟)
また中野は男女混合団体戦にも出場し、準決勝を除いた全ての試合に出場。決勝戦では試合前に勝敗が決まり出番はなかったものの、残りの試合では全て一本勝ちで勝利を収め、日本の団体戦優勝に大きく貢献した。この国際大会においても、海外選手を相手に躍動した黒田と中野。今後も早大柔道部をけん引していくであろう両選手への期待は、ますます高まるばかりだ。
(記事 湊紗希)
黒田亜紀(スポ3=山梨・富士学苑)
結果
○個人戦女子78キロ級
▽2回戦 対アナ=モンタ・オレク(ドイツ):GS腕緘
▽準々決勝 対ザネト・ミカエリドゥ(キプロス):大外刈
▽準決勝 対リーケ・デルクス(オランダ):合技[内股・袈裟固]
▽決勝 対ベアトリス・フレイタス(ブラジル):合技[内股・崩上四方固]
コメント
この度柔道世界ジュニア選手権、−78kg級で優勝することができました。2019年大会で2回戦敗退に終わった際の悔しい気持ちを忘れず、今大会は絶対に優勝するという強い気持ちをもって試合に臨みました。2、3回戦ととても良いかたちでつなげることができ、決勝戦は得意の投げ技から寝技でつなぎ優勝することができました。この舞台に立てたことは当たり前のことではなく、多くの方の支えやサポートがあるからこそのものだと思います。また、(優勝は)多くの方が応援してくださったからこその結果だと感じています、本当にありがとうございました。今後も感謝の気持ちを忘れず、努力していきたいと思います。
中野智博(スポ2=神奈川・桐蔭学園)
結果
○個人戦男子100キロ級
▽1回戦 対ダルウィン・メルカド(エクアドル):足車
▽2回戦 対ジュルカミルザ・シュクルベコフ(カザフスタン):優勢[技有・大内刈]
▽準々決勝 対キリアン・カッペルマイアー(ドイツ):内股透
▽準決勝 対ベンヤミン・マタセイエ(スロバキア):合技[内股・崩袈裟固]
▽決勝 対ケニー・リヴェズ(フランス):浮技
コメント
(決勝で敗れ)悔しかったです。もうあんな思いはしたくないです。