強豪・環太平洋大に惜敗 入賞まであと一歩及ばず 

柔道

 団体戦で学生日本一を決める全日本学生優勝大会(全日本学生)が日本武道館で開催された。3年ぶりに有観客となった今大会で、女子部は昨年度と同様に5人制にエントリーして臨んだ。初戦の金沢学院大で難なく勝利を収めると、続く2回戦の東北福祉大戦もオール一本で勝利。3回戦は昨年の同大会で敗れた環太平洋大との一戦となり、一進一退の攻防を繰り広げる。5人で決着つかず、代表戦までもつれこんだが、あと一歩及ばず敗戦。ベスト16で今大会を終えた。

今年度も5人制に出場した早大柔道部

 1回戦の金沢学院大戦、先鋒の池田海実(スポ2=東京・帝京)は今月初めに開催されたシニアの国際大会で優勝を収めた早大のポイントゲッター。序盤から試合の主導権を握り、相手に指導を累積させるも引き分け。続く次鋒の出口華(スポ2=兵庫・夙川)も引き分けて臨んだ中水流りり(スポ3=東京・渋谷教育渋谷)の中堅戦。試合序盤に小外刈りで技ありを獲得して優勢勝ちを収めると、副将戦にはルーキーの大森恵花(スポ1=東京・渋谷教育渋谷)が登場。序盤から優位に試合を進め、最後は大外刈りから抑え込んで一本勝ち。2回戦進出を決めた。

内股を決める黒田

 2回戦は東北福祉大と対戦。池田と出口の2年生コンビが一本勝ちを収めると、下村咲乃(文構3=福岡・修猷館)、大森、黒田亜紀(スポ3=山梨・富士学苑)も勢いそのままにオール一本勝ち。3回戦は中国・四国地方の強豪で昨年度の同大会でも3回戦で敗れている環太平洋大との一戦。先鋒の池田の相手は全日本柔道連盟B強化指定選手の白石。序盤からペースを握られ指導を2つ受けるも、なんとか引き分けに持ち込んだ。次鋒の出口は階級が上の相手に押されながらも踏ん張り切って価値ある引き分けをもぎ取り、後につなげた。中堅の大森は主将でエースの古賀を相手に一進一退の攻防を繰り広げて引き分けるも、副将の下村が惜しくもポイントの差で敗れ、後がなくなった早大柔道部。勝利が絶対条件の中、早大のエース黒田が魅せる。組手争いを有利に進めた試合中盤、得意技の内股が決まって惜しくも一本とはならなかったが貴重な技ありを獲得。そのまま試合は終了し、1―1のまま代表戦へ。くじ引きの結果、早大の命運は1年生の大森に託された。息詰まる攻防が続いていたが、徐々に相手のペースで試合が進む。果敢に攻め続けるも最後は一本背負いを決められて敗北。目標としていた入賞にあと一歩及ばなかったが、確かな手応えを感じさせる大会となった。

    代表選で惜敗するも、今後の活躍が楽しみなルーキー大森

 個々の力を存分に発揮した早大柔道部。昨年度は全国の壁を痛感する結果となったが、今年度は全国トップクラスのチームをあと一歩のところまで追い込んだ。昨年度からエースとしてチームを牽(けん)引している黒田の活躍や、代表戦で敗れはしたものの1年生の大森が見せた奮闘など、次戦以降に繋がる好材料が多くあった。今夏で鍛錬を重ね、今後の試合での快進撃に期待したい。

(記事 安齋健、写真 湊紗希)

結果

▽1回戦 対金沢学院大 2−0

▽2回戦 対東北福祉大 5−0

▽3回戦 対環太平洋大 1−1代

コメント

黒田亜紀(スポ3=山梨・富士学苑高)

――チームを引っ張っていく立場だったと思います。今日の試合はどんな目標で望まれましたか

 チームとしては一つでも多く勝つということを目標にしていました。個人としては、大将なので引き分けとかで回ってきたら自分が取らなければいけないなということを思っていました。

――代表戦に繋げた3回戦のご自身の試合を振り返っていかがですか

 0―1で回ってきて、自分が取らないと終わってしまう展開だったので、絶対に取るという気持ちで臨みました。

――今大会の収穫と課題について教えてください

 チームとしてはIPU(環太平洋大)というレベルの高い大学にここまで戦えたということは大きな収穫だったと思います。とは言っても負けてしまったので、一人一人反省や課題はあると思いますし、今後に向けて改善していけたらいいなと思います。個人としては立場的にも負けられない部分があったので、自分がしっかり勝ちきれたのは良かったです。

――今後の意気込みをお願いします

 個人戦では優勝したいです。団体戦ではみんなで一つになって一つでも多く勝ち上がって入賞していけるチームになれたらいいなと思います。

大森恵花(スポ1=東京・渋谷教育渋谷)

――入学後初の全国大会での団体戦となりましたが、どのような気持ちで臨まれましたか

 まず「自分の柔道を貫こう」と考えていました。あとは団体戦ということで周りに先輩たちがいてくださるので、大丈夫だろうと信じて大会に臨みました。

――今日の試合を振り返っていかがですか

 少し前にも団体戦の試合があったのですが、その時よりも自分の柔道をすることができて、今後につなげていけるような結果になったのかなと思います。

――3回戦で環太平洋大と対戦しましたが、相手の強さを感じた部分はありますか

 組み手において負けている部分があり、また相手と比べて自分は最後の技の決めなどが甘かったので、そういった点で差を感じました。

――今大会で得た収穫は何かありますか

 自分から前へ前へと攻めていくことで相手が嫌がるというのが実感できたので、これからもそれを続けて、自分の柔道をしていきたいと思います。

――反対に、課題や反省点はありますか

 他大学の選手と戦ってみて、やはり相手は組手が上手いなと思いました。自分を振り返ると、肩入れだけで相手を最後まで投げきれないことがあったので、引き手をしっかり持って、最後までしっかり相手の背中をつけるというのを意識して、これからやっていきたいです。

――今後へ意気込みをお願いします

 7月に東京都ジュニア(東京都ジュニア体重別選手権大会)があるので、その試合で優勝したいです!