早慶戦直前特集 第4回 長嶋勇斗×高山康太×安藤健志×中野智博

柔道

  第4回は男子部から長嶋勇斗(スポ3=山梨・東海大甲府)、高山康太(スポ3=神奈川・桐蔭学園)、安藤健志(スポ2=神奈川・桐蔭学園)、中野智博(スポ1=神奈川・桐蔭学園)が登場。次代の早大柔道部を引っ張っていく存在で、各学年の象徴ともいえる4選手に柔道のことから各学年の特徴、趣味についてなど、さまざまな話をお伺いしました!

※この取材は11月28日に行われたものです。

他己紹介をしてください!

――3年生同士で他己紹介お願いします。

高山 湘南を代表する柔道家といえば、長嶋勇斗ですね。彼はとてもしぶとい柔道をして、僕の記憶している限りでは彼の足の裏以外が畳に着いているのを見た事がないです。彼が延長戦に入ったら無限に立ち続けていますよ。こんな見た目ですけど、誰よりも優しくて、頼りになる次期キャプテンです。

長嶋 こんな感じでずっと喋っていて、チームのムードメーカーですね。とても頼もしいです。試合では、チームの先陣を切ってポイントを取ってくれるので、すばらしいです。

――下級生もお願いします

安藤 僕のひとつ下の後輩にはなりますが、どの場面でも決めてきてくれるポイントゲッターで、流れに関係なくガツガツした自分の柔道をすることができる選手です。

中野 安藤さんはいつもかっこよくて、女の子にモテモテですね。それでいて柔道も超一流です。過去に3回対戦したことがあるのですが、全て負けてしまっています。とても尊敬しています。

――なぜ早大柔道部を選んだのですか

高山 将来を考えた時に、部活だけではなく勉学に関しても名のある大学なので、柔道以外の自分の可能性を広げることができると思って選びました。

長嶋 先輩方の情熱や熱意にすばらしいものがあったのと、監督やコーチの方達の早稲田に対する考え方に感銘を受けたので、早大柔道部を選びました。

安藤 早大柔道部は、ただただ柔道をやる他の大学とは違って、日本トップクラスのスポーツ科学を用いて練習を工夫しながら行っているので、そこにひかれました。

中野 僕は高校の時もそうだったのですが、直感で選ぶことが多いというか、「ここなら強くなれそう」と思ったところを選んでいて。本当なら柔道以外のことも考えないといけないのかもしれませんが、僕は柔道のことだけを考えて練習に参加させてもらった時に、ここなら強くなれそうと思って選びました。

――今までの柔道人生において、なにかターニングポイントはありましたか

高山 高校の時ですかね。高校の柔道の先生が、団体戦を勝つための指導ではなくて、個々の力を伸ばすような指導をしてくれたので、自分のいい所を伸ばしながら強くなることができたのかなと思います。

長嶋 高校も大学も、柔道だけではなくて他の勉学や社会勉強もしていかなくてはいけないというところで、中学までは柔道のことしか考えていなかったので、高校と大学でそのことについて教えてくださったのがターニングポイントになっているかなと思います。

安藤 高校に入るまでに柔道を単純に楽しむ場所にいて、高校に入ってから一気に勝つための練習をするような場所になったので、そこから柔道をのめり込めるようになったのは大きかったかなと思います。いきなり高校のような環境に入っていたら続かなかったと思います。

中野 高校の柔道部の先生が自分の柔道と似ていた部分があって、そういった先生に指導をしてもらえたことが大きかったのかなと思います。

「今シーズンはとても楽しかった」(中野)

――現時点で、今シーズンを振り返ってもらっていかがですか

高山 コロナ前にやってきていたことが、試合ができるようになってからできなくなっていて、まだまだ自分の柔道がいい方向に向かっていってないのですが、年明けて休みを挟んでから自分を見つめ直してから、年明けにその気持ちをぶつけて、ラストイヤーをいい形で終えることができるようにしたいです。

長嶋 久しぶりの大会ということをあり、なかなか自分の思うような結果を出すことができなかったのですが、前の団体戦(全日本学生優勝大会)で久しぶりに投げて勝つことができたのは僕にとって大きな収穫でした。とはいえ今シーズンは不甲斐ない結果が続いているなと思います。

安藤 僕は昔から団体戦が苦手で、プレッシャーを感じてしまうところがあるのですが、今シーズンもそれを克服することができずにチームに迷惑をかけてしまったので、残された団体戦でしっかり結果を残せるようにしたいです。個人戦に関しては惜しいようで惜しくないというか、あと一歩というところの壁を痛感したので、さらにレベルアップできるようにもっと自分を追い込んでいきたいです。

中野 今シーズンは1年生ということもあって、のびのびとできたかなと思います。とても楽しかったです。

――自分の学年の紹介をお願いします

高山 3年生は非常に個性豊かな学年で、それぞれが自分の好きなことだったり趣味だったりに没頭しているイメージがありますね。

長嶋 3年生は普段は個性豊かでバラバラなところがあるのですが、試合になると同じ目標に向かって一丸となって突き進めるいい学年かなと思います。

安藤 2年生は人数が多いのですが、かといって意見が割れるようなことも無くて。とにかく仲がいいですね(笑)

長嶋 一枚岩。そして、それを統べる安藤さんですから。

安藤 やめてください(笑)

中野 松崎くん(松崎渡、スポ1=埼玉栄)っていう子がいるのですが、その子が先頭に立ってグループを作ってくれている感じですね。僕はわりと陰気なほうなので、静かに聞いているだけなのですが、楽しい学年だなと思います。

――先日の4年生対談で、下級生対談のメンバーは早大柔道部を引っ張っていく存在だという話が出ました。チームにおける自分の役割など、考えることはありますか

長嶋 僕は次期キャプテンということで、みんなからの信頼を築いて、どんなピンチな時でも僕がいれば大丈夫という安心感を与えていける存在になりたいです。

中野 僕は先頭に立ってみんなをまとめていくというよりは、一人で黙々と練習して、その姿をみて刺激を受けてくれる人がいればいいかなと思っています。

――今年の早慶戦は他の大会が続くなかで行われますが、意気込みをお願いします

高山 やるからには勝ちたいですね。

長嶋 早慶戦は早大か慶大に入らないとできないという特別な大会なので、他の大会とは比べられないような特別感のある大会ですね。

「キーマンは俺だ!」(高山)

――早慶戦のキーマンをあげるとするなら誰になりますか

安藤 キーマンは長嶋さんですね。並び順は分からないのですが、次の主将ということでみんな慕っているので。長嶋さんに繋げられればみたいなところがあるので、みんながつないで長嶋さんがしっかり決めてくれたらなと思います。

――それを受けていかがですか

長嶋 主力メンバーが欠けている中で、自分がキーマンとなって頑張らなければいけないなという自覚はあるので、

高山 ちょっと待った。キーマンは俺だ!というか3年生です。怪我人等の都合で主力選手が出られない中で、3年生が全員出場するので、3年生がいい背中を見せて引っ張って行けたらなと思います。

――柔道以外で、好きなスポーツとかありますか

高山 めちゃくちゃ野球を見ます。東京ヤクルトスワローズのファンです。

長嶋 自分はこのスポーツをよく見るというのはあまりないのですが、実際に会場に行って生でいろんなスポーツを見るのが好きです。

安藤 ラグビーですかね。高校の時に授業を一緒に受けていた伊藤大祐選手がこの前の早慶戦でも活躍していたのを見て、とても刺激になりました。

中野 僕も野球ですね。福岡ソフトバンクホークスのファンです。

高山 あと僕もう1つありました。相撲めっちゃ好きです。

長嶋 僕も高山くんの影響で相撲が好きになりました。高山くんがモンゴル出身の力士の本名をずっと教えてくれます。

高山 ムンフバト?

長嶋 ダヴァジャルガル(元白鵬・間垣親方)。みたいな感じで。

――高山選手は相撲を見るのが好きなのですか

高山 見るのもやるのも好きですね。過去にやっていました。相撲の方が実績をのこせていたのかもなって思う時もあります(笑)。以前、相撲部の試合に誘われたことがあるのですが、減量が厳しくて断念しました。機会があったらチャレンジしようと思います。

――柔道をしていなかったら、やりたかったスポーツや習い事などありますか

高山 ピアノですね。1つ夢があって、都庁のストリートピアノのところにさらって行って、さらっとトルコ行進曲を弾いて帰るのが夢です。

長嶋 柔道以外は考えられないですが、なにかしらスポーツはしていたと思います。強いて言うなら水泳だと思います。小学生の頃は毎日泳いでいました。

安藤 自分はラグビーですね。高校の時に1年間ラグビーの授業があって、それがおもしろかったです。ラグビーの試合ならではのあの大歓声の中でプレーすることに憧れがありますね。

中野 僕は野球ですね。もし野球をしていたら、甲子園を沸かせていたのではないかと思います。それで6球団くらいから指名されていたと思います。冗談ですけど。ホームランは打ってみたいです。

――趣味とかありますか

高山 最近は料理をよくしますね。

――それは何かきっかけがあったのですか

高山 僕の中の「かっこいい」の定義があって。決められたいい食材を使っておいしい料理を作ることももちろんかっこいいのですが、僕の中で1番かっこいいなと思うのは、誰かが家に来たときに冷蔵庫の中にあるようなものでチャチャっとおいしいものを作れる男子がかっこいいなと思います。それ目指して料理をしていたら料理が好きになりました。

――得意料理は何かありますか

高山 和食ですね。煮物とか。見た目重視で作るので、例えば鯛の姿造りとかも作ります。

――まるごと1匹鯛が冷蔵庫にあることありますかね(笑)

安藤 自分の中の「かっこいい」守ってないじゃん(笑)

高山 両方できるのが一番かっこいいんだよ!

長嶋 僕の趣味はランニングですね。何も考えずに、音楽を聴きながら走るのが気持ちいいですね。

安藤 洋服を見るのが好きですね。時間があるときに何かを買うというわけでもなく見に行って、気づいたらこんな時間になってた、みたいなことがよくありますね。

中野 買い物行きますね。僕も安藤さんと一緒で何かを買うと決めてから行くというよりは、ふらっと行く感じです。あと料理もします。珍しい食材を求めて買い物に行って、それを買って家でどんな調理法があるのかを調べて料理して自画自賛をするっていうのが好きです。あとはこれにこれをいれたらおいしいんじゃないかっていうのを探求するのも好きです。

――今後の試合への意気込みや、具体的な目標をお願いします

高山 講道館杯に出場したいです。

長嶋 僕は来年がラストイヤーということで、とにかく勝つということを目標にやっていきます。

安藤 コロナの影響であっという間に2年が過ぎてしまい、あと2年しか残されていないので、1戦1戦を全力で戦っていきたいですね。目標を決めると自分はかたくなってしまうので、目の前の1戦1戦に集中してやっていきたいです。

中野 僕自身優勝に縁がなくて。高校の時から県大会でも優勝というのはできなくて。

高山 (高校の時は同じ階級の)安藤さんが立ちはだかったからね。

中野 どんな大会でも優勝したいです。小さい大会でもいいので。

「人生で1番の情熱と時間をかけてきたのが柔道」(長嶋)

――最後に、みなさんにとって柔道とは

高山 大好きでもあり、大嫌いでもある!

――大嫌いというのはなぜですか

高山 なんでこんなキツいことを毎日毎日しているのかなって思います(笑)。でも柔道がなければ今ここにいることはできてないし、柔道がなければ今の自分はないですね。

長嶋 僕にとって柔道とは欠かせないものかなと思います。人生で1番の情熱と時間をかけてきたのが柔道ですし、四六時中柔道のことを考えてこれまでやってきたので。

安藤 柔道は自分にとって、

高山 恋人だろ。

安藤 恋人、いや、欠かせないもの。

長嶋 それだと俺と一緒じゃん!

高山 もう少しスパイス欲しいな。「人生」にしよう。

安藤 人生そのものですね。自分は2歳から柔道を始めて、柔道をしている人の中には柔道が嫌いでやっている人もいたりするのですが、自分は柔道が本当に好きで。柔道がなかったらここまで情熱を注ぎ込めていたものも見つかっていなかったと思うし、

高山 俺と勇斗のやつ混ぜてない?

長嶋 もっとオリジナリティ出せよ。

安藤 でも本当にそうなので(笑)。柔道をしていたからこそ気づけた自分の一面もありました。

中野 僕にとって柔道は味噌汁です。

高山 深いな。

――それはどういう意味ですか

中野 定食においてご飯と味噌汁は必ずセットだと思いますが、僕の柔道以外の人生をご飯だとすると、柔道が味噌汁になりますね。僕は小さい頃味噌汁が大嫌いだったのですが、歳を重ねるにつれて味噌汁が好きになっていって、今では自分で作って飲むほどになりました。味噌って発酵させるほどいい味が出て個性的になってくると思うのですが、まさに自分の柔道と同じだなと思っていて。小学校、中学校、高校といろんな経験を積んだ上で、大学でそれらが合わさったのが今の僕の柔道になっていると思っています。

安藤 合わせ味噌だ。

中野 そうですね。大学に入って合わせ味噌が完成したのかなと思います。それが僕の「柔道は味噌汁」という真意です。

――ありがとうございました!

高山 最後に、あなたにとって取材とは。

――なかなか出てこないですね。難しいことを聞いてしまってごめんなさい(笑)

個性豊かな4人

(取材・編集  安齋健)

◆長嶋勇斗(ながしま・はやと)(※写真中央右)

2000(平12)年5月6日生まれ。174センチ。山梨・東海大甲府高出身。スポーツ科学部3年。今回の対談で早慶戦のキーマンとして名前が上がった長嶋選手。「特別な大会」と語った早慶戦で勝利し、チームに勢いをつけてください!

◆高山康太(たかやま・こうた)(※写真中央左)

2000(平12)年5月27日生まれ。180センチ。神奈川・桐蔭学園高出身。スポーツ科学部3年。対談中は終始笑顔で話してくださった高山選手。得意料理はガパオライスで、素を使わずに1から本格的に作れるそうです。早慶戦で勝利し、ラストイヤーに弾みをつけます!

◆安藤健志(あんどう・けんし)(※写真右)

2002(平14)年2月23日生まれ。176センチ。神奈川・桐蔭学園高出身。 スポーツ科学部2年。対談中は質問に明るく丁寧に応じてくださった安藤選手。昨年は悔しい結果に終わった早慶戦でのリベンジに期待です!

◆中野智博(なかの・ともひろ)(※写真左)

2003(平15)年1月26日生まれ。170センチ。神奈川・桐蔭学園高出身。 スポーツ科学部1年。趣味は料理で、食材や調味料の組み合わせを探究することが好きな中野選手。柔道でもその探究心を生かし、大会で優勝することを目指します!