団体戦が終わって早2ヶ月、東京都学生体重別選手権(東京都学生)が開催された。全日本学生体重別選手権(全日本学生)への出場権をかけた個人戦の幕開けだ。早大からは男子16名、女子5名が出場。東京都の強豪相手に早大の各選手が苦戦を強いられる中、男子90キロ級の高波勁佑(社4=富山・小杉)、空辰乃輔(スポ3=広島・崇徳)、男子100キロ超級の清水祐希(スポ3=愛知・大成)の3名が全日本学生への出場権を獲得した。
16名の実力者たちが出場した男子部。その中でも一際、高波がこの大会にかける想いは強かった。「なにがなんでも(全日本学生の)出場権を取る」(高波)と決意して臨んだ今大会。その言葉通り、序盤からテンポ良く攻めていき、2回戦を勝利した。次の3回戦は、勝てば全日本学生の代表枠であるベスト16に入ることができる試合。ここで勝つために相手の研究を念入りにして、練習を積んできた。高波は持ち味である投げ技を披露し、最後は腕挫十字固で一本勝ち。見事念願の全日本学生初出場を決めた。
2回戦、技をかける高波
同じく90キロ級の空も順調に勝ち上がっていく。全体的にスローペースだったと自身のプレーを振り返るが、それでも確実に得点を挙げ、ベスト16をクリアした。4回戦は早い攻撃で技ありを奪い、そのまま勝利。しかし、準々決勝では終始相手にペースを握られ一本負けし、表彰台にはあと一歩及ばなかった。男子100キロ超級の清水は3回戦、一進一退の攻防がつづきGSにもつれ込んだが、惜しくも敗退。しかし、代表決定戦で勝ち上がり、全日本学生の出場権を手にした。一方の女子部は全員が2、3回戦で敗戦し、全日本学生へと駒を進めることはできなかった。
得意の寝技に持ち込む空
「本当にいい試合だった」と自信をもって試合を振り返った高波。団体戦で活躍した3選手が個人戦でも結果を残した。全日本学生は9月末に秋田県立武道館で開催される。全国から実力者が集まり、さらに講道館杯全日本体重別選手権(講道館杯)という大舞台にもつながる。この1ヶ月間でどれだけレベルアップして臨めるか。今後も選手たちの活躍から目が離せない。
(記事 瀧上恵利、写真 栗林真子)
結果
男子
▽60kg級
伊藤史弥(スポ2=神奈川・桐蔭学園) 2回戦敗退
▽66kg級
仲島聖悟(スポ2=東京・修徳) 1回戦敗退
▽73kg級
柳川昴平(社3=三重・四日市中央工業) 3回戦敗退
川島聡太(先理2=三重・四日市) 3回戦敗退
坂上伶(社2=長崎南山) 3回戦敗退
佐藤虎太郎(スポ2=神奈川・桐蔭学園) 3回戦敗退
▽81kg級
佐藤竜(スポ4=東京・修徳) 2回戦敗退
間瀬勇希(スポ4=神奈川・相洋) 3回戦敗退
▽男子90kg級
高波 4回戦敗退 全日本学生出場権獲得
空 準々決勝敗退 全日本学生出場権獲得
百瀬敦也(社2=長野第一) 1回戦敗退
長嶋勇斗(スポ1=山梨・東海大甲府) 2回戦敗退
▽男子100kg級
瀨川勇気(スポ4=北海道・東海大四) 2回戦敗退
高山康太(スポ1=神奈川・桐蔭学園) 2回戦敗退
▽男子100kg超級
清水 3回戦敗退 全日本学生出場権獲得
布目王雅(社1=石川・津幡) 3回戦敗退
女子
▽女子48kg級
中野愛巳(社2=福岡・南筑) 2回戦敗退
▽女子57kg級
木村萌乃(社2=群馬・前橋育英) 3回戦敗退
▽女子63kg級
尾崎美玲(スポ1=愛知・大成) 2回戦敗退
▽女子70kg級
岡田蛍(スポ3=) 2回戦敗退
▽女子78kg超級
佐藤美裕(スポ4) 2回戦敗退
コメント
高波勁佑(社4=富山・小杉)
――全日本学生への出場権を得た今のお気持ちを教えてください
本当にずっとインカレの出場権を取りたいと思っていました。4年生の最後の大会でインカレの出場権を取ることができたということは良かったです。
――どのような気持ちでこの大会に臨まれましたか
インカレの出場権を取ろうと決めて、相手の研究も念入りに行なってしっかりと練習を積んできました。なにがなんでも出場権を取るんだという気持ちで臨みましたね。
――ご自身の試合を振り返っていかがですか
きょうは本当に調子が良かったです。自分の持ち味である投げ技の威力を発揮できました。きょうは本当にいい試合でした。
――団体戦からこの個人戦まではどのような練習に取り組まれてきましたか
自分の柔道は投げてかつ柔道なので、そこを突き詰めてきました。普段の練習から投げることを意識して練習してきました。
――全日本学生に向けての意気込みをお願いします
厳しい戦いになると思いますが、ベスト8に進出して講道館杯(講道館杯全日本体重別選手権)に出場できるように頑張ります。
空辰乃輔(スポ3=広島・崇徳)
――2年連続で全日本への出場権を獲得した今のお気持ちを教えてください
最低でも出場権を得なきゃいけないという気持ちがあったので、そこを乗り越えた時にとりあえず安心しましたね。あとはもうちょっと自分なりにできたのではないかなと思う部分もありました。出場権を獲得できたことと課題が見つかったことは良かったかなとポジティブに捉えています。
――ご自身の戦い振りを振り返って
全体的にスローペース過ぎました。受けに回ってしまったのですが、それでもうまく勝てたなとは感じています。でも上のレベルに上がっていくにつれて、その隙を見逃してくれないと思います。勝てたとしてもそういった課題が出てくるんだなと感じました。
――団体戦からこの個人戦まで時間があったと思いますが、どのようなことに取り組んでこられましたか
一番大きかったのは減量ですね。団体戦に向けて体重を増やしていたのですが、この階級に出場するために7キロほど減量しました。ウエイトをコントロールしないと試合に出られないので、そこを一番気にしていました。あとは苦しくなってきた時に決め技がないとしんどいと思っていて、投げなきゃ勝てないというのは大前提としてあるので、そういった技を確実に身につけようと思って練習をしていました。寝技が得意なので、そこの関節技を突き詰めてやっていました。
――全日本学生への意気込みをお願いします
今回最低限の出場権を得て、頑張れば表彰台は見えてくると思うので、頑張りたいです。来年は4年生であとがない状況で戦うのはしんどいと思うので、3年生のうちに勝ってしまいたいと思います。