講道館で、全国体育系学生体重別選手権が行われた。4年生が引退し、新体制となった早大柔道部にとって初の公式戦だ。出場した13名中、佐野安大(社2=静岡学園)が準々決勝敗退、佐藤竜(スポ1=東京・修徳)が2位という結果になった。
66kg級、73kg級、81kg級の試合が行われた大会1日目。81kg級に出場した佐野は1回戦、上四方固めで一本勝ちを獲得。序盤から積極的に技をかけていく姿勢が目立った。しかし、迎えた準々決勝ではなかなか試合の主導権を握れず敗退。「投げられてから攻めるなど惜しいところも決めきれなかった」と試合を振り返った。快進撃を見せたのは佐藤竜だ。1回戦から3回戦までを全て一本勝ちで突破。特に2回戦は、相手に一瞬の隙も与えず奥襟絞で圧倒した。迎えた決勝戦では、試合の序盤から気合いの入った攻めを続けるも、相手も譲らない。しかし、一進一退の攻防の中で、相手に技ありをとられた瞬間に負傷。無念の途中棄権となった。
初出場にして2位の座についた佐藤竜
2日目、早大からは60kg級、90kg級、100kg級の選手が出場した。増田将也(法1=東京・海城)、加藤眞也(社1=三重・四日市中央工)が続けて1回戦敗退。瀬川勇気(スポ1=北海道・東海大四)は1回戦を突破するが、2回戦では相手に奥襟を取られると、終始相手のペースに。小外掛での一本負けを喫した。また、高波勁佑(社1=富山・小杉)の2回戦では両者が攻防を繰り広げ一歩も引かない展開となるが、偽装的攻撃で指導1を取られ悔しい優勢負けという結果になった。
果敢に攻める高波
下級生の活躍が目立つ結果となった今大会。下田将大主将(スポ3=三重・四日市中央工)は「最高学年である私たちが結果を残せなくて情けないのと申し訳ない気持ちだ」と振り返った。チームとしてはまず東京学生優勝大会でのベスト8入りを目指す。新生早大柔道部の道のりは始まったばかりだ。春にはきっと一回り成長した姿を見せてくれるだろう。
(記事 下長根沙羅、高橋里沙、写真 松富リサ、熊木玲佳)
結果
▽60kg級
加藤 1回戦敗退
▽66kg級
中嶋2回戦敗退
▽73kg級
佐藤竜 2位
矢野 3回戦敗退
伊藤悦 2回戦敗退
▽81kg級
佐野 ベスト8
下田 3回戦敗退
間瀬 3回戦敗退
河田 1回戦敗退
▽90kg級
西山 2回戦敗退
高波 2回戦敗退
▽100kg級
増田 1回戦敗退
瀬川 2回戦敗退
コメント
下田将大主将(スポ3=三重・四日市中央工)
――まずご自身の試合を振り返っていただけますか
いまいち体が動かなくて、1試合、2試合目とも厳しい戦いをして。3回戦で指導を取られて焦ってしまって、(残り時間が)1分過ぎていたので勝負にいこうとした瞬間に相手の方が力が強くて、取られてしまいました。
――結果についてはどう振り返りますか
昨年はベスト8で、ことしはベスト4以上は取れると思っていたので結構残念ですね。
――主将として早大全体の結果はどうご覧になりますか
2年生の佐野(安大、社2=静岡学園)がベスト8と、1年生の佐藤(竜、スポ1=東京・修徳)が2位になってくれて。結果は出たのですが、最高学年である私たちが結果を残せなくて情けないのと申し訳ない気持ちですね。
――4年生が抜けて新体制が始動していますが、チームの雰囲気はいかがですか
非常にいいと思います。でもケガ人が何名かいるので、早く復帰して万全の態勢で練習したいなと思います。
――先日は3年生が海外遠征に行っていましたね
シンガポールとマレーシアに行きました。柔道自体は私たちの方が強かったのですが、ハングリー精神というか、自分たちの技術を少しでも盗もうと必死で。早大はこれだけ設備も整っていて海外の人たちよりも恵まれた環境にいるのに、それを生かし切れていないというのが現状なので、今後もっと頑張ろうといういい刺激を受けました。
――新たな1年が始まりますが、チームとしての目標と下田選手の個人的な目標を教えてください
チームとしては毎年同じ目標を掲げていて、団体戦の東京学生(優勝大会)ベスト8、全日本学生の優勝大会でベスト8、体重別団体(優勝大会)でベスト8、早慶戦(早慶対抗戦)優勝という四つの目標を掲げています。昨年は強いチームだったのですが、その中でも東京学生と早慶戦しか達成できなかったので、全日本で結果を残して四つの目標を達成するのが私たち柔道部の目標です。個人としては、まだインカレ(全日本学生体重別選手権)に出ていないので、ことしは出て結果を残したいと思います。
佐野安大(社2=静岡学園)
――きょうの目標はどこにありましたか
試合はしていていないのですが、上の方に高校時代負けた人がいたのでその人に勝って、またその上に行けたらなと思っていました。
――試合の結果について全体的にはいかがでしたか
あまり自分の思った通りに行きませんでした。特に最後の試合がうまく行きませんでした。勝ったところは良かったのですが、最後まで徹底した方が良かったと思います
――準々決勝は惜しくも敗れましたが、どのようなところがうまくいかなかったと思われますか
受けの部分でもともと課題があったのですが、そこで落ち着いてやるというのがテーマにありました。そこで焦って自分でミスをしたり、投げられてから攻めるなど惜しいところも決め切れなかったので、そこら辺が課題かなと思います
――これからの意気込みをお聞かせください
春に団体戦があるのでまだ団体戦メンバー決まっていないので、団体戦の7人に選ばれるようになりたいです。個人ではまた全国大会に出られるようにしていきたいです