田中が3位入賞!ハイレベルな大会で課題も

柔道

 地区大会を勝ち抜いた15~20歳までの若き精鋭たちが集う全日本ジュニア体重別選手権(全日本ジュニア)が、ことしも埼玉県立武道館で開催された。早大からは、73kg級に佐藤竜(スポ1=東京・修徳)、90kg級に田中大勝(社2=青森北)が出場。佐藤竜はベスト8、田中は3位という結果で大会を終えた。

 大会1日目に登場した佐藤竜は、積極的に試合を展開して初戦を突破。「ヤマ場だと思っていた」(佐藤竜)という2回戦でも、昨年のこの大会で3位入賞を果たした強敵・五十嵐純平(筑波大)を相手に合わせ技で一本勝ちを収める。しかし、準決勝進出を懸けて臨んだ3回戦では「指導の早さなどが自分の思った通りにいかず、焦ってしまった」と佐藤竜。相手に隙を突かれ、残り30秒ほどで上四方固を決められた。目標の3位入賞を果たすために敗者復活戦へ回るが、体落での技ありを取られて優勢負け。試合後には「全然納得がいっていない」と悔しげな表情を見せた。

敗者復活戦に敗れ、悔しげな表情を浮かべる佐藤竜

 大会2日目には、補欠から出場資格を得た田中が登場した。初戦から強敵との対戦となったが、序盤から仕掛けていくことで優位な試合運びをし、優勢勝ち。次の3回戦では延長戦に突入するも、送襟絞を決めて制するなど勝負強さを見せる。迎えた準決勝では、国学院大の二見省吾を相手に押され気味に。田中も技を繰り出そうとするが、「相手の方がうまさで勝っていた」と指導差で敗れてしまった。目標としていた決勝進出はならず、3位決定戦に回る。高校生を相手に「大学2年生としての意地を見せたいと思った」という田中が中盤からたたみ掛け、指導2の優勢勝ちで3位入賞を決めた。「(3位入賞は)うれしかったけれど、(準決勝は)勝ちにいって負けてしまったので悔しい」(田中)。わずかながら悔しさが上回る結果となったようだ。

準決勝に臨む田中

 レベルの高い選手たちと戦う中で、「トップクラスの試合に出ている選手と比べて体ができていない」(佐藤竜)、「左組みに対して技が決まらない」(田中)とそれぞれの課題を再確認した両選手。次なる戦いは10月末の全日本学生体重別団体優勝大会だ。公式戦では4年生の引退試合となるこの大会へ向けて、さらに稽古を重ねていく。

(記事、写真 熊木玲佳)

3位入賞を果たした田中

結果

▽男子73kg級

佐藤竜 ベスト8



▽男子90kg級

田中 3位

コメント

田中大勝(社2=青森北)

――今回の全日本ジュニア体重別選手権(全日本ジュニア)にはどのような意気込みで臨みましたか

ことしでラストのジュニアだったので、思い切りやって悔いなく終わろうと思って今大会に挑みました。

――東京学生体重別選手権(東京学生)から1週間空きましたが、修正してきた点などはありましたか

東京学生では想定外の指導を取られて焦ってしまって自分の柔道ができなかったことがあったので、想定外のことも考えながら練習をしてきたことがジュニアの結果につながったのかなと思います。

――今大会の目標は

決勝まで行きたいなと思っていましたが、入賞できたことはとてもうれしいです。ずっと目標にしていたので。

――初戦から筑波大の田嶋剛希選手と当たりましたが、振り返っていかがでしたか

相手が選手権のチャンピオンで、実力は自分より全然上だったので、先に自分の柔道ができれば勝機はあるのかなと思ってどんどん自分から攻めていきました。

――2試合目はいかがでしたか

同じ東北の後輩だったので、負けるわけにはいかないなという気持ちで挑んだ結果で。たまたま締めが入ったので偶然の結果だったのですが、自分の課題も見つかったのでいい試合でした。

――その課題とは

左組みに対して技がかけられないというか、決まらないというのが大きな課題だったのですが、きょうの試合でまた浮き彫りになったので、これからまた稽古して鍛えたいと思います。

――準決勝を振り返っていかがでしたか

全員の選手が格上なので自分はチャレンジャーという気持ちで挑んで、でもやはり相手の方がうまさで勝っていたので。勝ちにいって負けてしまったので悔しかったですね。

――3位決定戦を振り返って

相手が高校生だったので、大学2年生としての意地を見せたいなと思って試合に挑んで。今大会は全て指導差だったのですが、粘り強く戦えたのは自分のいいところが出たのかなと思います。

――今大会を3位という結果で終えましたが、講道館杯の出場はもう決まったのでしょうか

それはちょっとよく分からないのですが、出られるのであれば全力を出して頑張っていきたいと思います。

――準決勝で敗れた悔しさと3位入賞したうれしさではどちらが大きいですか

うれしかったのですが、やはり勝ちにいって負けてしまったので、そちらの方が悔しかったですね。

――今後の試合に向けて意気込みをお聞かせください

これからは相手も研究してきてもっと自分の柔道ができなくなると思うので、その上をいけるような稽古をしていきたいです。

佐藤竜(スポ1=東京・修成)

――今大会は「どうしても出たかった大会」とおっしゃっていましたが、緊張などはありましたか

いや、緊張はなかったです。

――東京学生体重別選手権(東京学生)から1週間空きましたが、修正してきた点などはありましたか

東京学生前にけがをして、準備期間がどたばたして。その中で精一杯の準備はしてきたのですが、足りない部分もあって。今回勝ち上がることができなかったのは悔しいです。

――今回の目標は

3位には入って全日本強化選手とかに選ばれるのを目標にしていたので、そこまでいけなかったのは悔しいです。

――1、2回戦は序盤から積極的に試合をしていた印象でした

2回戦がヤマ場だと思っていたので、そこを勝ててきょう調子がいいなと思ったのですが。その後勝ち切れなかったです。

――3回戦を振り返っていかがでしたか

指導の早さとかが自分の思った通りにいかなくて焦ってしまって、バテてきたところで相手に寝技を合わされてしまったので、戦い方が雑になってきてしまったかなと。

――前回の取材の際に「組手の技術を上げたい」とおっしゃっていましたが、その点はどう振り返りますか

組手は一緒についてもらった先輩にもうまくはなっていると言われたのですが、今回思ったのはこういうトップクラスの試合に出ている選手は自分と比べて体ができあがっていて、自分は体ができていないので、らいねんのこの試合でしっかり体をつくってウエイト、稽古を積んで、優勝できるようにしたいと思います。

――これからはフィジカル面に重点を置いていくということですか

そうですね、まあ全体的に、フィジカルも技術も。勝ち上がれる選手になりたいです。

――初めての全日本ジュニアでベスト8という成績で終えましたが、悔しい結果になってしまいましたか

全然納得がいっていない試合でしたね。

――次は10月末の全日本学生体重別団体優勝大会になりますか

そうですね。4年生と組む試合がもう最後になっていくので、しっかり貢献して4年生にいい思いをさせて終わりたいなと思います。