来月に行われる全日本学生体重別選手権(全日本)出場を懸けて、日本武道館で東京学生体重別選手権が行われた。早大からは男子18名、女子8名の総勢26名が今大会に出場。そのうち、男子は4名、女子は1名が全日本への切符を手に入れた。
昨年の同大会では初戦で涙をのんだ男子66kg級の高橋龍大朗(社4=福島・若松商)は、4回戦まで相手に指導を取らせるなど自分に優位なかたちで試合を運び、着実に駒を進める。迎えた準々決勝では払い腰で一本負けを喫するも、「自分の柔道ができるようになった」と振り返った。東京都ジュニア体重別選手権で敗れた西園航太(明大)に勝つことも目標にしていたという73kg級の伊藤悦輝(スポ2=福井・藤島)。4回戦での西園との対戦では序盤から積極的に技をかけてチャンスをつくり、抑え込みに入るも相手に解かれてしまう。その後もさまざまな技を繰り出したが、決定的な瞬間をつくることはできず指導1で敗れる悔しい結果となった。また、昨年のこの大会で8強入りを果たした60kg級古川凌(社4=愛知産大三河)はことしもベスト8に輝いた。林孝樹主将(スポ4=富山・小杉)も4回戦では敗れたが、代表決定戦で勢いのある小内刈りで優勢勝ち。来週に全日本ジュニア体重別選手権が控えているルーキーの佐藤竜(スポ1=東京・修徳)は惜しくも2回戦敗退となった。
前回敗れた相手と再選する伊藤悦
一方の女子は、78kg級の小林真実子女子主将(社4=群馬・常磐)が1、2回戦を一本勝ちで突破し全日本への出場権を獲得。目標としていた決勝進出を懸けて準決勝に臨んだが、試合中盤に有効、残り2秒で技ありを取られてしまう。「自分では絶対勝つという気持ちだったのですごく悔しい」と振り返りながらも、「これからの自分の現役生活にいい教訓になった試合だった」と前向きな姿勢も見せた。70kg級の小野華菜恵(スポ2=長野・松商学園)は、3回戦で昨年のこの大会で敗れた相手と再戦。延長戦までもつれるが、4分過ぎに小外掛を掛けられて優勢負けを喫する。臨んだ代表決定戦では積極的に仕掛けていくが、またも延長戦に突入。指導1を取られ、全日本出場という目標はかなわなかった。
2年連続で全日本へ進む小林女子主将
前年度優勝者としてすでに推薦を受けている渡邊聖未(スポ2=山梨・富士学苑)を含めると、早大からは6名が全日本へ出場することになった。強豪が待ち受ける戦いで、早大柔道部の力を存分に発揮してほしい。
(記事 熊木玲佳、高橋里沙、写真 松富リサ)
結果
▽男子60kg級
古川 ベスト8
加藤眞也 1回戦敗退
▽男子66kg級
中嶋颯 3回戦敗退
高橋 ベスト8
▽男子73kg級
佐藤竜 2回戦敗退
伊藤悦 ベスト16
矢野雄大 1回戦敗退
▽男子81kg級
浅賀慎太郎 3回戦敗退
中上駿 3回戦敗退
下田将大 3回戦敗退
▽男子90kg級
林 ベスト16
田中大勝 3回戦敗退
齋藤光星 2回戦敗退
▽男子100kg級
井上昂亮 2回戦敗退
熊田耕成 2回戦敗退
圓山泰雄 2回戦敗退
▽男子100kg超級
瀨川勇気 3回戦敗退
長谷川公輝 2回戦敗退
▽女子48kg級
上領悠月 2回戦敗退
▽女子52kg級
斉藤裕里子 2回戦敗退
▽女子63kg級
松岡優子 1回戦敗退
▽女子70kg級
滝澤美咲 2回戦敗退
小野 代表決定戦1回戦敗退
佐々木碧衣 1回戦敗退
▽女子78kg級
小林 準決勝敗退
▽女子78kg超級
佐藤美裕 2回戦敗退
コメント
高橋龍大朗(社3=福島・若松商)
――今大会はどのような目標を持って臨まれましたか
勝てればいいかなと(笑)。
――きょうの試合を振り返っていかがですか
いつもの練習通りできたかなという感じです。
――昨年の同大会は初戦敗退でしたが、どのような点が成長しましたか
自分の柔道ができるようになったというのが大きいと思います。
――準々決勝の敗因はなんだとお考えですか
相手の力がすごく強くて、自分の肉体の甘さを痛感させられました。
――他のメンバーも含め、チーム全体の結果はどう思われますか
自分よりも強い選手がたくさんいたので、そういった人たちが負けたのが衝撃的でした。
――最後に全日本に向けて意気込みをお願いします
自分の柔道ができるように頑張ります。
伊藤悦輝(スポ2=福井・藤島)
――きょうの目標はどこにありましたか
ベスト16です。あと、前の大会で負けた西園選手(航太、明大)に勝つことも目標にしていたのですが、勝ってベスト8を決めることは達成できませんでした。
――きょうの試合を振り返っていかがでしたか
序盤から技が出て、積極的な柔道が出来たことが勝ちに繋がったと思います。
――いろいろな技をかけられている印象があったのですが
練習で出している技がそのまま出たという試合でした。
――先ほどおっしゃっていた4回戦での西園選手との戦いは指導1の差という惜しい結果になりました
前回の大会では有効でポイントを取られて負けたのでその差は縮まったかなと思いますが、勝つことはできなかったので悔しいです。
――全日本選手権への出場が決定しましたが、次に向けてどのようにしていきたいですか
積極的な柔道をどんどん活かしていけるような練習をしていきたいです。
小林真実子女子主将(社4=群馬・常磐)
――今大会は昨年と同じベスト4という成績でした。どう受け止めていますか
目標としては決勝戦に出るということだったので、消化不良なところがあります。ただ、四年間最後の東京学生(東京学生体重別選手権)で3位という結果を出して全日本(全日本学生体重別選手権)に出られるということはとてもありがたいといいますか、みんなの支えがあってできたことなので。現状に満足はしないですが、これから頑張っていこうという気持ちになりました。
――一本勝ちを収めた1、2回戦をどう振り返りますか
自分の得意技が決まったのはとてもうれしかったのですが、その前の段階の自分の組手であったり技であったりがしっかりできていなかったので、そこは少し悔しいです。
――準決勝を振り返っていかがですか
準決勝は有効と技ありを取られてしまいまして、自分では絶対勝つという気持ちだったのですごく悔しいのですが、これからの自分の現役生活にいい教訓になった試合でした。
――主将として、チームの皆さんの結果をどうご覧になりますか
今回ケガも多かったと思うのですが、全日本に出られないというのは残念だったと思います。ただ、それはこれからの自分たちの糧といいますか、負けた悔しさ、負けたときの教訓を生かすことができると思うので、無駄ではなかったと思います。
――全日本に向けて意気込みをお聞かせください
全日本では優勝、講道館杯出場を目指して頑張っていきたいと思います。四年間最後の自分の成果を発揮していきたいです。