新体制始動!3名がベスト8入り

柔道

 早大柔道部は、講道館で開催された全国体育系学生体重別選手権に臨んだ。全日本学生体重別選手権大会ベスト16以上の者に出場制限がかかる今大会には、これからの早大を担う3年生以下の選手が出場。全14選手中3名が準々決勝敗退、2名が3回戦敗退という結果で、新体制となって初の公式戦を終えた。

 大会1日目には81kg級以下の試合が行われた。81kg級の下田将大(スポ2=三重・四日市中央工)は、「きょうは自分の得意なかたちで柔道ができた」と1回戦から持ち技である寝技を積極的に仕掛け、2回戦では残り5秒で有効を取るなど序盤から集中して力を発揮。しかし3回戦での怪我の影響もあり、惜しくも準々決勝で敗退した。2、4回戦で一本勝ちを収めた66kg級の高橋龍大朗(社3=福島・若松商)は、緊張のため動きが鈍くなって攻めあぐねた準々決勝で優勢負け。副将としてチームを勢いづけたかった81kg級の浅賀慎太郎(社3=静岡学園)は準々決勝まで全て優勢勝ちと粘り強く勝ち進んだが、残り30秒で一本負けを喫し、ベスト8で戦いを終えた。「自分のリーダーシップの無さでチームを引っ張れなかった」(浅賀)。個人の結果だけでなく、この日のチーム全体に対して悔しさをにじませた。

準々決勝で敗れた下田

 2日目には重量級の選手が登場。90kg級の斎藤光星(スポ2=静岡・加藤学園)は1回戦で開始後40秒での一本勝ちを収め、2回戦も判定勝ちで突破する。しかし迎えた3回戦、中盤に技が決まりかけるも、「いけると思ってかけたところを返された」と小外刈を決められ一本負け。ベスト16の成績で大会を終えた。同じく90kg級で出場した林孝樹(スポ3=富山・小杉)は1、2回戦を「いつもと違う試合時間と会場の中で試合に適応できていない部分もあった」と分析したが、それでも積極的に攻めて有効や技ありを奪っていく。2戦ともに優勢勝ちで勝ち進むも、3回戦では開始直後に内股を掛けられて敗退。「完全に力不足」と苦い顔を見せた。

積極的に技を仕掛けた斎藤

 昨年度より結果を残した選手が多かったものの、新主将の林は今大会における早大全体の結果を「もっと上を目指せたのではないかなと思う。納得できていない」と振り返る。今年度の早大柔道部が目標として掲げるは、東京学生優勝大会と全日本学生優勝大会でのベスト8以上進出。まずは5月の東京学生優勝大会に向けて走り出した新生柔道部に期待したい。

(記事 小川由梨香、熊木玲佳、写真 菖蒲貴司、千葉大輝)

結果

▽66kg級

古川、中嶋 1回戦敗退

高橋 準々決勝敗退

▽73kg級

矢野、伊藤 1回戦敗退

▽81kg級
佐野 1回戦敗退

浅賀、下田 準々決勝敗退

▽90kg級

西山 1回戦敗退

林、齋藤 3回戦敗退

▽100kg級

井上 1回戦敗退

▽100kg超級

長谷川、坂田 1回戦敗退

コメント

林孝樹(スポ3=富山・小杉)

――今大会どのような目標を持っていましたか

一つでも上を目指せるようにはやったのですが、結果が残っていないぶんまだまだ取り組みが甘いのかなと考えました。

――今回の結果はどのように捉えていらっしゃいますか

内容も結果も全然納得できないです。

――1、2回戦はどのように振り返りますか

いつもと違う試合時間と会場の中で、試合に適応できていない部分もあったのですが、そのなかで終盤ポイントを取って勝てたというのは少しは良かったのかなと思います。

――3回戦はいかがでしたか

もう完全に力不足だなと。

――きょう良かった点は

足技でポイントを取れたのは良かったのかなと思います。

――悪かった点としては何が挙げられますか

ほか全部なんですが、強いて言うなら体がまだその階級に適していないのかなと思います。階級を変えたわけではないのですが、もともとフィジカル的な面で弱い部分があるので、それをまだ克服できていないのかなと。

――今大会の早大全体の結果をどうお考えですか

もっと上を目指せたのではないかなと思うので、納得はできていないですね。

――新体制になって初めての公式戦でしたが、チームの雰囲気としてはいかがですか

そこまで悪い雰囲気ではないのですが、ふたを開けてみるとまだまだなのかなと思いました。

――主将として今年度の抱負をお聞かせください

きょうの無念を胸に、東京団体(東京学生優勝大会)と全日本団体(全日本学生優勝大会)でしっかりとベスト8以上を目指せるように頑張っていきたいと思います。

浅賀慎太郎(社3=静岡学園)

――今大会の位置づけはどのようなものでしたか

今年度新体制になって初めての大会というのもあって、勢いづけるためにも個人戦ではありますが成績を残さなければならない試合でした。

――具体的な目標は

個人的には優勝を目指していて、全体的にも入賞者が何人も出てくれればいいかなというイメージでした。

――きょうの試合を部全体的に振り返っていかがでしたか

最初のアップが、自分のリーダーシップの無さでチームを引っ張れなくて、全体的にアップ不足ということに陥ってしまいました。結果的に1回戦負けの選手が何人も出てきてしまったので、もう少し自分がリーダーシップを発揮してアップをできていれば結果は出たかなと。

――アップというのはけさのアップのことですか

朝の最初のアップで。トレーナーに任せきりになってしまって、自分で引っ張っていこうという気持ちになれなかったので、そこが全体的な敗因でもあると思います。

――ご自身の試合について、4回戦は一本負けでした

気持ち的には頑張ろうと思っていました。それもアップ不足につながるのですが、1、2回戦で手こずってしまって、スタミナも無くなってしまって、結果的に気持ちが切れて負けてしまいました。完敗ですね。

――新体制になって初めての公式戦ですが、副将としてチームの雰囲気をどうご覧になりますか

きょうの雰囲気の悪さは完全に自分の責任で、あすにこれがつながらないように声を掛けていきたいと思います。

――次の試合に向けて意気込みをお聞かせください

落ちるところまで落ちたので、完全に切り替えます。次の試合は団体戦の東京学生(東京学生優勝大会)を控えているので、そこで目標を絶対に達成するためにも、また切り替えて頑張っていきたいと思います。

高橋龍大朗(社3=福島・若松商)

――今大会はどのような目標を持って臨まれましたか

あまり高望みはしないで、一試合一試合勝とうとだけ思っていました。

――一本勝ちを収めた試合もありましたが、きょうの試合を全体的に振り返っていかがでしたか

有名な選手と当たったときに、肝心なところで勝ち切れなかったという部分がありました。

――準々決勝は国士舘大の選手が相手でしたが、どのような印象でしたか

正直勝てない相手ではなかったかなと思います。

――具体的な敗因は何だと考えていますか

準々決勝だったので、少し緊張してしまったのかなと思います。

――体が硬くなってしまった部分もあったのでしょうか

そうですね。動きが鈍くなってしまったという感じです。

――チームの皆さんも声援を送っていらっしゃいました

逆に緊張してしまいましたね。

――新体制になって初めての公式戦でしたが、チームの雰囲気はいかがですか

いいと思います。自分たちが最上級生になったので、責任感が強まって試合に臨む態度とかも良くなっていっていると思います。

――次の大会に向けて意気込みをお聞かせください

個人戦最後の大会になると思うので、まずはインカレ(全日本学生体重別選手権)に絶対に出ることを目標に頑張りたいと思います。

斎藤光星(スポ2=静岡・加藤学園)

――今大会はどのような目標を持って臨まれましたか

上位入賞するためにやってきたのですが、体調不良が重なってあまりうまく調整できませんでした。

――コンディションとしてはあまり良くなかったのですか

そうですね。一週間くらい前にも体調を崩して3日間くらい練習を休んで、大会の前々日にもおなかを壊してしまってコンディションがあまり良くなかったです。

――きょうの結果をどうお考えですか

(3回戦は)勝てる試合だったので、逃したというのは気持ち的な面が足りなかったのかなと思います。監督にも柔道がきれいすぎるというか、もう少しガツガツ負けん気を出していけと言われたので、気持ちの面からまた改め直していかないといけないなと思いました。

――最後は国士舘大の選手が相手でしたが、どのような印象でしたか

自分は小さい方なので、90kg級という体重で自分より小さい選手とはやらないのですが、今回は相手が小さかったので、慣れていなかったのかなと感じます。国士舘大の選手は際がうまいですね、(技を)掛けたあととか。あとは場外指導といって、場外に出そうになったときには指導が来るのですが、自分が場外を背にしてずっと立っていたので、相手にうまく試合を進められてしまって。試合のうまさで上回れたという感じでした。

――流れは簡単につかませてもらえなかったという印象でしょうか

一回内股という技が決まりそうになってこれいけるんじゃないかと思ったんですが、いけると思って掛けたところを返されたので。

――きょう良かったところは

2年生の4月に肩を怪我してから、一回個人戦に出たのですが1回戦で負けてしまい、それから試合に出ていませんでした。久しぶりの個人戦ですごく緊張したのですが、自分的には試合勘が衰えていなかったのかなと思います。技に入るタイミングは結構良かったと思うので、あとは投げ切るというところができなかったのかな、足りなかったのかなと。

――悪かったところとしては、あと一歩押し切れなかったというところですか

押し切れないというところと、メンタル面ですかね。

――今後に向けて意気込みをお聞かせください

1年生のときに東京(東京学生体重別選手権)2位という記録を残してしまったのですが(笑)、肩を怪我して全然調子が取り戻せていないので、調子をちゃんと取り戻して東京大会で自分の1年生で残した成績をまた3、4年で上回れるようにしたいです。

下田将大(スポ2=三重・四日市中央工)

――きょうの試合全体を振り返って、またきょうのご自身の結果についての感想を教えていただけますか

自分は寝技が得意で、1、2、3回戦はその自分の持ち味を出せた試合ができたのでよかったんですけど、3回戦の途中で肋骨を怪我してそこからあまり力が入らなくなってしまって。準々決勝はもう少しいい試合ができたと思うんですけど怪我のせいでできませんでした。

――この大会は初出場でしたが、目標は何でしたか

優勝を目指していました。

――怪我をするまでのきょうのコンディションはいかがでしたか

コンディションは結構良かったです。

――怪我が無ければもっと上位にいけたのではないかという感じでしょうか

それは分からないですけど、痛くて力が入りませんでした。

――きょうの4試合(1、2、3回戦と準々決勝)で一番印象に残っている試合はどの試合ですか

2回戦ですかね。残り5秒で有効を取ったんですけど、うちの監督たちが意識している際、場外際というのを決めることができて、集中できていました。

――きょうの試合で良かったと思う点は何でしょうか

1回戦から集中して自分の持ち味である寝技を多く取り入れて、なかなか決めることができないところも多かったんですけど、きょうは自分の得意なかたちで柔道ができました。

――逆にこれから改善していきたいと思う点は何ですか

階級変更をして2回目の試合なんですけど、90kg級から81kg級に階級を落としてからまだ81kg級のスピードについていけていないので、自分のスピードを上げていきたいと思います。

――次に向けての目標や意気込みを教えてください

次の個人戦はたぶん秋になるんですけど、まだ入学してから個人戦で結果を残せていないので、個人戦で東京、そして全国で結果を残せるように頑張りたいです。