まさかの2回戦敗退、最後の団体戦は悔い残る試合に

柔道

 4年生にとって早大を背負って戦う最後の舞台が幕を開けた。60kg級〜100kg超級の7階級の団体戦で行われた今大会。1回戦・北陸大を順当に撃破するも、次に対戦した関大相手に思わぬ苦戦を強いられた。勝数2—2と並んだものの、一本勝ちで2つの勝利を挙げた関大に得点差で敗れる。2回戦敗退と苦味の残る最後の戦いとなった。

 現メンバーで挑む最後の団体戦が始まった。1回戦の相手は北陸大。先鋒の古川が幸先良く裏投で開幕勝利を収めると、講道館杯への出場を決めている中上駿(社3=大阪・清風)も相手の隙をついた美しい背負投げを披露。五将、中堅でも果敢な攻めで相手を圧倒し、一本勝ちで試合をものにする。早大は4連勝と、早くも2回戦進出を決めた。三将、副将こそ敗れたものの、早大の積極的な姿勢が光り1回戦では常に早大が試合を先導。この試合、5—2と順当に駒を進めた。

講道館杯へ良い流れをつかんだ中上

 早慶対抗戦で8年ぶりの2連覇を達成した早大。「みんな浮ついているから気を引き締め直そう」(吉野拓馬(社4=石川県立工業)。1回戦の試合の様子からチーム内では技術面だけでなく精神面についても声を掛け合った。これで慢心は満身へと変わった、はずだった。相手に合わせメンバーを変更して臨んだ2回戦・関大戦。古川凌(社3=愛知産業大三河)は序盤から思うような攻めができず。中上こそ2つの有効を奪い優勢勝ちを奪うも、勝利しておきたかった続く2試合で引き分けに終わる。1勝1敗で5人目に出場したのは三将・吉野。互いに技を掛け合うも試合は拮抗(きっこう)する。雌雄を決したのは残り27秒、一瞬の隙を攻めた吉野が払い腰で一本勝ちを収め2勝1敗とした。副将が引き分けに終わり、勝負は大将対決へともつれ込む。引き分け以上で勝利――。しかし、開始早々に相手に片手締を決められる。まさかの敗戦。この瞬間、2回戦敗退とともに4年生の引退が決まった。

現体制で臨む最後の団体戦が終わった

 「もっと華やかな雰囲気で終わると思っていたのですが、あっけなく終わってしまった」と4年生の吉野は試合後、このように振り返る。目標のベスト8はおろかベスト16のカベをも突破できず、不完全燃焼のままに最後の団体戦は終わった。「どんな状況でも粘り強く戦うという癖をつけないとこれからワセダが勝っていくのは難しい」(吉野)。この悔しさを晴らすことができるのは後輩のみ。先輩の思いを引き継ぎ、早大柔道部はよりいっそう強くなることだろう

(記事、写真 三上雄大)

結果

1回戦 早大5-2北陸大

2回戦 早大2-2関大

コメント

吉野拓馬(社4=石川県立工業)

――きょうは2試合目の出場でしたが、まずは早大の1試合目の戦いぶりを振り返ってください

本来の粘る強い今回はあまりできていなかったのかなと思っています。早慶戦で勝っていてふわふわではないですが浮かれていた部分が試合に出たのだと思います。

――それでは1試合目と2試合目の間でどのような声掛けをされましたか

第1試合目が終わって、みんな浮ついているから気を引き締め直そうという話をしていました。ですが、短い時間ではそう簡単にはいきませんでした。

――メンバー変更などもありましたが

相手のメンバーを予想して、その相手に対して一番得意そうな人を当てました。

――1勝1敗で吉野選手に回ってきましたが

1—1で内容で負けている状況で、あとの二人がどう考えても取れる相手ではなくて。自分が唯一相手が穴だったので、ポイントを挙げないと思い必死になって戦った結果ラスト25秒くらいのところで投げることができました。

――2回戦敗退という結果については

本来ベスト8を狙っていました。しっかりといつでもどんな状況でも粘り強く戦うという癖をつけないとこれからワセダが勝っていくのは難しいと思います。

――ご自身にとって最後の戦いとなりましたが

もっと華やかな雰囲気で終わると思っていたのですが、あっけなく終わってしまったなと思います。これからは早大柔道部を応援する立場として支えていきたいです。

――後輩へ伝えたいメッセージは

ワセダの持ち味はチーム力で、いい意味で和気あいあいとしているので、そういったところをうまく受け継いで試合につなげていってもらえたらいいなと思います。