ことし15~20歳を迎える若き精鋭に参加資格が与えられる東京都ジュニア体重別選手権が2日間にわたって行われた。今大会は9月に行われる全日本ジュニア体重別選手権(全日本)の東京都代表選手の選考も兼ねている。ワセダからは男子12人、女子3人の計15人が出場した。女子78kgではきょねんに続き、小林真美子(社3=埼玉・常盤)がベスト4入りを果たし、全日本への出場権を獲得した。一方の男子は90kg級の田中大勝(社1=青森北)が健闘したものの、準々決勝で敗れ、全日本出場権獲得には一歩及ばなかった。
初日の女子戦で初戦、2回戦ともに順当に勝ち進んだ小林。しかし、準決勝では拮抗(きっこう)した戦いとなった。攻撃をしかけるも互いに隙を与えず4分間が終わり、そのまま延長戦に突入。ポイントを先に取った方が勝利という後がない状況の中、先に技をかけられてしまい優勢負けとなった。2年連続で全日本への出場権得たものの、小林は「自分の得意な組み手が出来なかった試合が多かった」と今大会を振り返る。「1回でも多く勝って入賞したい」と全日本へ向け更なる躍進を目指す。
全日本出場権を獲得した小林
続く2日目には、男子戦が行われた。きょねんの全日本出場者であるルーキーの田中大勝(社1=青森北)は初戦、2回戦と一本勝ちを収めて勝ち進んだ。3回戦では序盤押され気味の展開となったが、中盤で袈裟固めを決め勝利。しかし、準々決勝では果敢に攻めるも指導差で負けてしまい、惜しくも全日本代表権獲得にはならなかった。試合後、「パワーの違いを感じた」と悔しさをにじませた田中。「来年は必ず全日本に出場して、勝っていきたい」と今大会での悔しさを来年にぶつける。
惜しくも敗戦を喫した田中
全日本への出場権は逃したものの、女子70kg級では滝澤美咲(社1=群馬・前橋育英)がベスト4を果たし入賞。また、男子66kg級では古川凌(社3=愛知産業大三河)がベスト16と健闘を見せた。1週間後には今季初の全国大会である全日本学生優勝大会が控えている。大会で得た課題を克服し、全国の舞台で飛躍するワセダの姿に期待がかかる。
(記事 笹澤桜、写真 山本葵、井口裕太)
入賞を果たした小林(右)と滝澤(左)
結果
男子
▽60kg級
中嶋 1回戦敗退
▽66kg級
高橋 2回戦敗退
古川 ベスト16
▽73kg級
徳堂 1回戦敗退
矢野 1回戦敗退
山本 2回戦敗退
▽81kg級
佐野 2回戦敗退
平沼 1回戦敗退
星野 1回戦敗退
▽90kg級
下田 2回戦敗退
田中 ベスト8
▽100越kg級
坂田 1回戦敗退
女子
▽48kg級
上領 1回戦敗退
▽70kg級
滝澤 ベスト4
▽78kg級
小林 ベスト4 全日本出場権獲得
コメント
小林真実子(社3=埼玉・常盤)
――今日の試合を振り返って
最後の試合が延長戦まで行ったのに負けてしまいとても悔しいです。
――準決勝は延長戦までもつれ込みましたが、延長戦に特有の緊張感はありましたか
そうですね。延長戦は取られたら終わりなので後がないという緊張感はすごくあります。
――延長戦に入る前は気持ちの切り替えなどはできましたか
気持ちの切り替えはそこまでないです。やはり、疲れていたのもあります。そういう面では体力が足りなかったとも感じます。
――今日の課題を全日本ジュニアではどう生かしていきたいですか
自分の得意な組み手が出来なかった試合が多かったので、今回の失敗を全日本では繰り返さないようにしたいです。
――自分の得意な組み手とは
相手の奥襟を持って頭を下げさせるのが得意です。
――全日本ジュニアにはきょねんに引き続き2年連続の出場となりますが、目標や豊富は
一回でも多く勝って入賞することです。
――具体的にはどのようなトレーニングをしていきたいですか
私は、実戦経験が少ないのでトレーニングというよりも実戦経験を積みたいです。あとは、夏休みの間の出稽古や合宿を精いっぱいやって、少しでも実力を向上させていきたいです。
――1週間後に控えている全日本学生優勝大会にむけての目標は
優勝することです。
滝澤美咲(社1=群馬・前橋育英)
――今大会での目標は
私は高校の時に全日本の大会に出場できなかったので、今大会では全日本の出場権を獲得できればいいなと思っていました。
――初戦は抑え込みで勝利しましたが、振り返っていかがでしたか
最初の試合は指導を取られて相手に押され気味だったので、途中から胸を張ったりして強気でいきました。そのおかげで相手の技が入ったところで返せたのだと思います。
――2回戦では中盤から相手の選手も積極的に攻めてきましたね
そうですね。集中して、組手をしっかり組むことを意識して何とかしのぎました。
――敗者復活戦は指導差で敗れてしまいましたが、敗因は
やはり、技を決め切れなかったことが敗因だったと思います。
――早大に入学されて、高校との違いを感じる点は
大学の方が精神的なつらさがあると思います。あと、練習に関しては高校の時の方がハードでしたが、大学は乱取りなどが多いので持久力の面などがきついです。
――1週間後に全日本学生優勝大会が控えていますが、個人としての目標は
きょうできなかったことをこの一週間でできるようにして、試合に出場させていただけるように、そしてチームに貢献できるよう頑張りたいと思います。
――きょうできなかったことというのは、決め切るといったことでしょうか
そうですね。最後まで決め切るというのが一番の課題なので、その点をしっかり意識して練習していきたいです。
田中大勝(社1=青森北)
――今大会での目標は
全日本への出場権を獲得することです。きょねんも出場しているので今年も出場したいと思い挑みましたが負けてしまいました。
――初戦から3回戦まで一本勝ちでしたが、いかがでしたか
きょねん(全日本に)出場していたので、ベスト8までは普通に勝ち進まなければならないと思っていました。
――準々決勝は指導差で敗れてしまいましたが、敗因は
日々の練習でもう少し追い込んでいればもっといい動きが出来たのではないかなと思います。特に、パワーの違いを感じました。トレーニングの量をもっと増やして、基本的な力を鍛えていきたいです。
――早大に入学されて、環境や気持ちの変化はありますか
環境は、高校のときよりも良いです。自分を追い込みながら練習に取り組めているとは思います。ただ、青森出身なので東京は暑いです(笑)。
――今日の結果を今後にどう生かしていきたいですか
来年も出場権利があるので、来年は必ず全日本に出場して、勝っていきたいです。そのためには、今から頑張っていきたいです。