若き精鋭たちが集い、己の実力を試す東京都ジュニア体重別選手権が講道館で開催された。ことし15~20歳を迎える選手に参加資格が与えられる今大会。ワセダからは男子15人、女子4人の計19人が出場した。各選手が健闘を見せたが、中でも男子100kg級の圓山泰雄(社2=島根・作陽)がベスト4入り、女子78kg級の小林真美子(社2=埼玉・常盤)が準優勝を果たし、全日本ジュニア体重別選手権に東京都代表選手として出場することが決定した。
2回戦を順当に突破した圓山は、3回戦で駒大の選手と激突。「粘り強く戦ってポイントを取れれば」と、強敵を相手に気後れすることなく挑む。試合の序盤に指導を奪うと、相手の猛攻をしのぎ優勢勝ち。最大の山場を乗り越えた。続く準々決勝も指導4の反則勝ちを収め、準決勝に駒を進める。最後は慶大の選手に袖釣込腰による一本負けを喫し、「一本取られて負けたというのは悔しかった」と語ったが、自身の目標であったベスト4入りを達成。見事、全日本への挑戦権を獲得した。
強敵相手に粘り強く戦った圓山
怪我から復帰し、不安を抱えつつ今大会に臨んだ小林。1回戦を上四方固による一本勝ち、2回戦を不戦勝で突破すると、準々決勝に進出した。互いに一歩も譲らず有効を重ねる展開が続くが、最後はパワーで押し切り優勢勝ちを収める。いよいよ迎えた決勝戦は、以前対戦し負けた相手との再戦となった。激しい攻防を繰り広げるが、「関節と見せかけての押さえ込みに入られた」と、縦四方固による一本負けで敗退。惜しくも優勝は逃したが、「思ったよりも試合ができた」と、今後に繋がる確かな手応えをつかんだ。
相手に技をかける小林
今回の大会では、全日本ジュニア体重別選手権への切符を手にした2選手に加え、補欠決定戦を勝ち抜き5位となった男子66kg級の蛯沢敏生(スポ3=埼玉・蕨)、女子57kg級でベスト8入りを果たした長山実樹(社3=國學院栃木)らの活躍も光った。今季初の全国大会である全日本学生優勝大会まで、あと1週間。着実に力をつけたワセダの、大舞台での躍進に期待がかかる。
(記事 山本葵、写真 三尾和寛、山本葵)
結果
男子
▽60kg級
古川 三回戦敗退
▽66kg級
蛯沢 5位
高橋 三回戦敗退
▽73kg級
佐藤 一回戦敗退
矢野 三回戦敗退
山本 一回戦敗退
▽81kg級
浅賀 三回戦敗退
中上 二回戦敗退
▽90kg級
井上 三回戦敗退
下田、斎藤 二回戦敗退
林 一回戦敗退
▽100kg級
木浪 一回戦敗退
圓山 ベスト4
▽100kg超級
長谷川 一回戦敗退
女子
▽52kg級
斎藤 二回戦敗退
▽57kg級
長山 ベスト8
▽70kg級
佐々木 一回戦敗退
▽78kg級
小林 準優勝
コメント
蛯沢敏生(スポ2=埼玉・蕨)
――きょうの試合を振り返って
ちゃんとした選手として全日本ジュニア(全日本ジュニア体重別選手権)を狙っていたのですが、補欠という形になって悔いは残っています。
――内容には満足いっていないですか
そうですね。全日本ジュニアにちゃんとした形で出られなかったということは残念です。
――負けた後の切り替えは
最初は切り替えるのが難しかったのですが、トレーナーや周りの人の「頑張れよ」という声があったのでそこでしっかり切り替えられました。
――その中でも最後2試合をきれいに決めたのは収穫だったかと思います
そうですね。最後に戦った相手はきょねんのこの大会で負けているのでリベンジもできて良かったです。
――全日本ジュニアに出場できたら目標は
出場できたら棚からぼた餅なのですがしっかり優勝目指してやりたいです。
圓山泰雄(社2=島根・作陽)
――きょうの試合はどのような気持ちで臨みましたか
全日本ジュニアに出場できるよう、ベスト4を目指していました。
――各試合を振り返って
2回戦は絶対勝とうと思っていたので。指導3でポイントは取れていないのですが、勝つことができてよかったです。自分としてはその次の3回戦が今回の大会の山場だと思っていたので、そこでポイントを取って勝てたことがきょうの調子に繋がりました。準々決勝は今回初めて対戦した選手だったのですが、いい試合ができたと思います。最後の慶応の後藤選手との対戦は、一本取られて負けたというのが悔しかったです。
――3回戦の駒大の選手との対戦が山場だったということですが、戦略はありましたか
(相手は)とても体格が良く、キレのある技をもつ選手なので、粘り強く戦ってポイントを取れればいいなと考えていました。
――全日本ジュニアへの出場が決定しました
東京都ジュニア(東京都ジュニア体重別選手権)では優勝できなかったので、全日本ジュニアでは一つひとつの試合を大事にして勝ち上がりたいです。
――1週間後に全日本学生優勝大会が控えています
今回は階級別の大会だったのでやりやすい部分があったのですが、全日本学生ではどんな相手と対戦するか分からないので。あと1週間、しっかり練り直していかなければならないと思っています。
小林真美子(社2=埼玉・常盤)
――きょうの試合を振り返って
今回の試合は失敗の連続で、波のある柔道も多く、自分の柔道ができる時とできない時がありました。特に初戦では大きな失敗をしてしまったため、柔道部の皆に多大な迷惑をかけてしまいました。
――準決勝は力勝負に出たという印象でしたが
左組で自分より大きな選手が普段周りにあまりいないため慌ててしまい、自分の柔道をすることができずにパワーに頼ってしまいました。今回は相手が自分よりもパワーが弱かったので力押しできましたが、自分より強い相手には通用しないので、次からは背の高い相手の研究もしていきたいと思っています。
――決勝で対戦した相手にはどのような印象を抱きましたか
寝技が上手でした。関節とみせかけての押さえ込みに入られた時はやられたと思いました。実は決勝で戦った相手とは以前に一度試合をして負けてしまっています。リベンジを目標に試合をしたのですがこのような結果に終わってしまったので、目標がまた一つ増えました。
――全日本ジュニアへの出場が決定しました
全日本ジュニアの出場は初めてなのですが、入賞を目標に、挑戦者として全身全霊で試合に臨みたいと思います。
――1週間後に全日本学生優勝大会が控えています
今回は怪我をしてから初めての試合だったので不安が大きかったのですが、思ったよりも試合ができたので来週の自信につながりました。少しでもチームに貢献できるよう全力で、一本を取りにいく柔道を心がけて試合に臨みます。