全国の強豪相手に課題残る惜敗

柔道

 厳しい地区予選を勝ち抜いた精鋭たちが集う全日本学生体重別選手権(全日本)。個人戦での全国大会というこの貴重な大舞台に、早大からは、蛯沢敏生(スポ2=埼玉・蕨)と井上昂亮(社1=山形工)が挑んだ。男子66kg級に出場した蛯沢は、1回戦を優勢勝ちで突破するも、2回戦では送襟締めで一本負け。目標のベスト8入りはならなかった。大会2日目には、1年生ながらに全日本の畳を踏むこととなった井上が男子90kg級2回戦に登場。接戦を繰り広げるも、悔しい逆転負けで、全日本初勝利はならなかった。

健闘を見せるも2回戦で敗れた蛯沢

 蛯沢にとって、大学柔道2年目にして初の出場となった全日本。「緊張で体が動いていなかった」という1回戦だったが、優勢勝ちで順調に突破を果たした。続く2回戦では、序盤相手に押されながらも、徐々にペースをつかむ。しかし、「最後の最後に油断して絞められた」と、終盤の隙を突かれ、一本負け。試合の主導権を握りかけていただけに悔やまれる惜敗で、2回戦敗退となった。上位8人に与えられる講道館杯出場権獲得という目標には届かず、「自分の力不足が手に取るようにわかった」と語った蛯沢。技の精度やスタミナの向上を課題に挙げ、今後の飛躍を誓った。

健闘を見せるも2回戦で敗れた蛯沢

 一方の井上は、「悔いの残らないように戦おう」と気を引き締め、男子90kg級2回戦に挑んだ。蛯沢と同じく自身初の全日本。それでも、「気持ちはしっかり作って臨んだ」という言葉のとおり、序盤から普段通りの攻めの柔道を見せ、先手となるポイントを奪う。しかし、そこから粘る相手に対し集中力を保てない。「自分の甘いところが出た」と、終盤に技ありをとられ、優勢負けを喫した。「勝てる試合を落としてしまった」と試合後肩を落とした井上。それでも、「きょう負けたことをしっかり振り返りたい」と前を向いた。再挑戦の機会に向け、この敗戦を必ず糧にするつもりだ。

 10月中旬には、ついに早慶対抗戦が控える。きょねん慶大に僅差で敗れた悔しさは部員誰一人として忘れていない。今大会を経て、「もっと精進したい」(蛯沢)、「課題を必ず克服していきたい」(井上)と、それぞれ決意を新たにした蛯沢、井上の両者。来る雪辱の一戦では、一回り成長した彼らが、闘志に燃える早大を勝利に導くに違いない。

(記事、写真 平岡櫻子)

結果

▽男子66kg級
蛯沢 2回戦敗退
▽男子90kg級
井上 2回戦敗退

コメント

蛯沢敏生(スポ2=埼玉・蕨)

――1回戦を振り返ってみて

結果的に勝てて良かったんですけど、緊張とかアップ不足とかでまだ体が動いていない部分があったので、次からの試合に向けて反省にしていきたいと思います。

――2回戦を振り返ってみて

2回戦は最後本当に油断してしまったところで負けたのでそういうのをなくしていこうと。

――途中までは良かったということですか

前半押されて途中から盛り返せていたんですけど、最後の最後に油断して絞められたので、そういうささいなミスをなくしていこうと思います。

――今大会の目標はどこまで進むことでしたか

今回の大会では、ベスト8まで進むと~杯に出場できるのでそこを目指していたんですけどちょっと力が及ばなかったです。

――初めての全日本の大会を振り返ってみて

会場の雰囲気なども知れて、まだまだ力不足だなと思ったのでもっと精進していきたいです。

――今大会での収穫と課題は

収穫としては全国のレベルの高さとか自分の力不足が手に取るように分かったことで、課題としてもっと技の制度を上げたりスタミナをつけたりしていこうかなと思います。

――次の大会への意気込みをお願いします

次はすぐ早慶戦(早慶対抗柔道戦)があるので活躍できるように頑張ります。

井上昂亮(社1=山形工)

――きょうの試合を振り返って

勝てる試合を落としてしまって悔しいです。

――試合展開は

最初に自分がポイントを取って油断してしまったところがありました。そこが自分の甘いところです。

――最後までもつれる展開となりましたが

集中力の面で相手の方が上でしたね。

――目標は

悔いの残らないように戦おうということです。

――初めての全日本でしたが

東京の予選とあまり規模は変わらないと思いますが、気持ちの面はしっかり作ってやろうと思っていました。

――課題は

90キロ級なんですが、自分は体が全然作れていません。体づくりをしっかりやっていかないと上の方では戦っていけないのでしっかりやりたいです。

――早慶戦、全日本体重別団体と試合が続きます。意気込みをお願いします

きょう負けたことをしっかり振り返りながら課題を克服していきたいです。