男女ともに全日本進出!東海大に敗れるも5位入賞果たす

柔道

東京学生柔道優勝大会 5月26日 東京・日本武道館

 今シーズンの幕開けとなる東京都学生柔道優勝大会が26日、日本武道館にて開催され、熱戦が繰り広げられた。今大会は来月22日、23日に予定される全日本学生柔道優勝大会(以下、全日本)の切符を巡る争いであり、早大は昨年に続き男女共に全日本への出場を目標に掲げた。男子部は一回戦、二回戦と快勝した後、三回戦において本大会3年連続の優勝を果たした強豪・東海大と激突し敗戦を喫したが、今大会5位の好成績で全日本の舞台へ駒を進めた。また女子部も一回戦において代表戦にまでもつれ込む大激戦を制し、男子部女子部共に目標の達成を果たした。

東海大戦にて内股で一本収める笠井

 男子部初戦の相手は、日本文化大学。遊川葵羽(スポ1=兵庫・修徳)や石濱慧将(社2=東京・早実)などの1年生・2年生を起用しつつ先鋒に主将・飯田健介(社4=福岡・南筑)や次鋒・笠井雄太(スポ3=愛知・桜丘)で臨む安定感のある布陣で挑んだ。6-0で圧勝、好スタートを切った。続く東京学芸大戦は、先鋒・中島瑞貴(スポ4=福岡・西日本短大附属)、次鋒・長澤篤希(スポ3=静岡学園)がそれぞれ送足払、肩車で一本勝ちを収める。続く五将戦では激しい拮抗の末引き分けに終わるが、早大は流れを再び掴み、最後は大将戦に挑んだ松崎渡(スポ4=埼玉栄)が試合開始30秒で巴投を決め、勝利。ベスト8へと着実に駒を進めた早大が続いて臨んだ相手は強豪・東海大。東海大は今回優勝すればこの大会において30度目の優勝を控えており、早大も強い意識を持って本試合を睨みチームとして試合に挑んだ。

主将として早慶戦まで半年間チームを率いる飯田

 先鋒が相手に一本取られた後に続いたのは、次鋒・中島竜生(文構3=東京・早実)。中島竜は序盤から必死に食らいつき積極的に攻撃を仕掛けるが、相手も果敢に攻撃を仕掛けた。最後は耐え忍び、自身より上の体重別の相手に引き分けに持ち込み、試合を終えた。続く五将・中堅戦と連続して東海大に敗れ、ここで流れを取り戻したい早大。三将・笠井は試合開始直後から疲れを一切見せずに積極的に攻撃を仕掛け、相手のスキを突く機会を伺った。残り時間一分を切ったタイミング、素早い動きで内股を決めた。この笠井の一本が東海大との試合で初の勝ち点をもたらした。だが強豪相手にこの勢いをそのままという訳にはいかず、続いての副将・大将戦で早大は連続で一本負けを喫し、大会を終えた。

全日本出場をかけ大会に挑む早大女子柔道部

 女子部が初戦でぶつかった相手は東京女子体育大。先鋒から中堅まで、激しい拮抗した勝負を見せるがいずれも引き分けに終わる。続く副将の大森恵花(スポ3=東京・渋谷学園渋谷)。ここで得点が欲しい早大は、序盤から早速仕掛けにむかい、内股、大外刈と攻め続ける。相手が消極的により指導二回まで取られた後、最後に大森は大内刈を決め技あり獲得。大森の技ありが早大初の得点となった。だが、続く大将戦で相手に払い巻き込みをきめられ、技ありを取られる。足技で惜しい場面が見られたもの、取り返すまでには至らず、優勢負けとなった。共に技ありの1-1で代表戦に臨み、早大からは中堅・木村優花(スポ1=徳島・生光学園)が出場する運びとなった。相手側が技を次々と繰り出すが、木村も大内刈など積極的に仕掛けにいき一進一退の攻防を見せる。互いの粘りが続きGS(ゴールデンスコア)15分弱の長丁場の展開となるが、最後は木村の粘りが実り、相手に指導が与えられ反則勝ち。全日本への出場権を獲得し、二回戦へと駒を進めた。 

5位入賞を果たし笑顔の早大柔道部

 2回戦で迎える相手は帝京大。先鋒・次鋒共に勢いのある相手に対し応戦し攻め込むが、相手に抑え込まれたタイミングで一本収められ、敗退となる。続く中堅・副将戦は効果的に技を繰り出し、展開のペースを引き付けていった。技を次々仕掛け、指導2つまで相手に与える展開となったが最後は相手の粘りが強く共に引き分けとなった。ここまで勝ち点のない早大は、最後の大将戦でなんとか勝ちたいが、体格の大きい相手に抑え込まれ一本負けを喫し大会を終えた。

 男女共に全日本への出場権を獲得し、男子はベスト5に入賞した早大。一方で強豪相手との試合では勝ち切ることのできない場面も見られ、成長の余地も伺える。「練習でやってきたことしか、試合で発揮できない」(飯田)と語ったように今後これまで以上の努力と邁進を強く誓った。そして、何より早大の強みはどんな状況でも明るい雰囲気で共に粘り続けるチーム力だろう。今回の大会で得た収穫を糧とし、6月の全日本では更なる躍進を成し遂げてほしい。

(記事、写真 今村奎太)

結果

男子

三回戦敗退 5位入賞 全日本ジュニア出場権獲得

女子

二回戦敗退 全日本ジュニア出場権獲得

コメント

笠井雄太(スポ3=愛知・桜丘)

――今日の試合を振り返っていかがでしたか

 3回戦でほぼ確実に東海大学と当たるのはわかっていて、1、2回戦でどういう動きができるかっていうのは、今日チーム全体として意識してたことですけど、自分だけの活躍じゃなくて、1年生がどういう動きするかっていうのも先輩として見て、指示出したりしないといけないなって思いました。1、2年生とはまた違った感覚の試合でしたね。

――今回は後輩の方も多く出場されていましたがいかがでしたか

 今回の大会だけじゃなくても、普段の練習とかでも良いですね。1年生も本当によく頑張ってて、それこそ今回のメンバー選ばれたりもして試合の経験詰めることは本当にいいことだと思いますし、実際1年生の頃自分自身もあんま結果残せるタイプじゃなかったんで負けの経験とか積んで、来年とか再来年になって早稲田柔道を盛り上げられる存在になってほしいなって思います。

――大会に向けて全体を通して意識されたことはありますか

 気楽にやっていこうって感じで、萎縮しちゃってプレッシャーに押し負けたりしてもダメだなって思いてました。 あとはチームの雰囲気作りですね。勝ちにこだわりすぎても、みんな萎縮しちゃうかな、と感じて雰囲気作りとかメリハリつけてやるところを意識してやりました。

――今年の個人としての目標をお願いします!

 日本代表目指して頑張ります!!

主将・飯田健介(社4=福岡・南筑)

――今日の試合を振り返っていかがでしたか

 試合に向けて、結構怪我とかあったんですけど、その怪我と向き合いながらやれることを最大限やってきて、まずは試合に出られたことっていうのはすごく良かったです。ですが、主将としてチームを引っ張っていかないといけない立場で、そういった中で今日もしっかり試合できたのも満足でした。ただ、最終的には東海大戦では負けてしまったのは反省があります。

――東海大戦に向けた作戦があれば教えてください

 オーダーで言うと監督と話していく中で、本当に成長してきた選手っていうのはすごくいて、その年下で言うと長澤も中島竜も笠井も、本当に千葉オープン(=千葉オープン柔道大会)とか大会もあって自信もついて、実力も伸びているなっていうのは感じていました。そういった選手をどう配置するかっていうのは少し考えたんですけど、直感で決めた上で監督と話して決めました。

――今後に向けての意気込みをお願いします!

 最後の東海大戦で寝技で技を取られた際に、正直練習で経験したことのない技をされて防ぐ方法もわからない中で、やっぱり練習でやってきたことしか試合で発揮できないなっていうのはすごく学びました。 そして、6月に向けて厳しい戦いになると思います。ですが、練習中に意識しながら課題を克服して最終的には全国大会3位になれるように頑張りたいと思います。