結果
TEAM | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | TOTAL |
早大 | 0 | 2 | 2 | 0 | 4 |
慶大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
早大は23日、早慶定期戦に臨んだ。終始主導権を握った中でも、1クオーター(Q)は無得点。2QにDF吉野真啓主将(スポ4=富山・石動)がペナルティストローク(PS)を決めて先制に成功すると、MF山下天海(スポ3=京都・須知)が個人技で追加点を決める。3Qに入ると、4分にはペナルティコーナー(PC)をMF小川紗知(スポ4=東京・日比谷)が押し込み、7分にもPCで追加点。合計4点を決め慶大を圧倒し続けた早大が、今年も伝統の一戦の勝者となった。
ドリブルする小川
試合は序盤から早大が主導権を握った。4分には厚みのある波状攻撃を繰り出すとFW内田透子(政経3=埼玉・早大本庄)がゴール前で詰め、MF山下天海(スポ3=京都・須知)の前にこぼれたもののシュートは打てず。繰り返し相手陣地に攻め込む中でも、DF吉野真啓主将(スポ4=富山・石動)、DF鈴木悠(スポ3=愛知・向陽)ら守備陣のリスク管理が機能し、慶大のカウンターを許さない。すると2Qの10分、FW野中ほなみ(教2=宮崎・高鍋)のドリブルからPSを獲得。これを吉野が落ち着いて決め、先制に成功した。頼れる主将の一撃に沸いた会場に熱せられるように、早大はさらに攻撃のペースを上げる。15分には山下(天)がドリブルでサークル内に切り込み、自ら決めて2点目。圧巻の個人技で慶大を突き放し、前半を2-0で折り返す。
パスコースを探る吉野主将
後半に入ってもペースは変わらず。3Q4分にはPCのシーン、鈴木(悠)のシュートがこぼれたところを、FW鈴木千心(社4=東京・東学大付国際中教校)が押し込んで3-0。さらには7分、再びPCから山下が直接決めて4-0とする。10分には慶大にこの試合初のPCを与えたが、GK坂本智美(文構3=福岡・小倉)がしっかりと抑えてピンチを脱した。4Qに入っても早大が主導権を握る展開。3分には連続でPCのチャンスを得るが、いずれも相手ディフェンスに防がれる。得点こそなかったが、終始試合をコントロールした早大が、見事伝統の一戦の勝利を手にした。
味方に指示を出すDF安藤桜(政経4=東京・早実)
試合終了のホーンが鳴った後、ピッチには1人、また1人と早大の選手が集まり、肩を抱き合い歓喜の輪を作った。笑顔いっぱいの円陣の中心には、4年生たちの姿。今年を締めくくる、笑顔の大輪が咲いた。2023シーズン、リーグ戦では3位という目標を果たせなかったものの、最後は最高の結果で締めた早大。これが今年のチームの強さであり、『常笑常勝』というスローガンの実践でもあった。「ホッケーを心から楽しみながら、勝利を目指すことができる明るいチームだった」と吉野主将。来シーズンの早大の活躍にも期待したい。
(記事、写真 大幡拓登)
※掲載が遅くなり、大変申し訳ありません。
コメント
DF吉野真啓主将(スポ4=富山・石動)
――早慶戦という最後の大舞台、今日の試合を振り返っていかがですか
最高です。皆とこの舞台に立てたことそして勝利できたこと本当に嬉しく思います。
――結果にも表れていますが、秋の慶大戦と比較して具体的にどの辺りが成長していたと感じますか
私達が相手を分析し、全員で連携し、完璧なプレスができたことが成長した部分だと思います。
――1年間を振り返って、今年はどんなチームでしたか
ホッケーを心から楽しみながら、勝利を目指すことができる明るいチームだった思います。
――主将として過ごした1年間、難しかったこと、良かったと思うことを教えてください
難しかったことは目標を定め続けることで、良かったことは悩みを抱える部員と向き合えたことです。
――早大ホッケー部での4年間を総括してどんな思いですか
4年間苦しい思いのほうが多かったですが、今は心から早稲田にきて良かったと思っています。チームの皆に本当にありがとうという思いでいっぱいです。
FW安藤桜(政経4=早実)
――今日の試合を振り返っていかがですか
勝てる相手ですし、勝たなければいけない相手でした。プレッシャーはあった中でもしっかり早稲田らしく勝ち切ることができたので、今シーズンで1番良い試合になったと思います。
――秋季リーグでの対戦時は点差が開かなかった中で、今日は4得点と圧勝でした。振り返っていかがですか
秋リーグの試合の後で、点が決まらなかった原因をしっかりと分析し、ミーティングを重ねたことが今回の4-0という結果につながったと思います。自分たちの努力が少しでも実った結果ですし、とても嬉しいです。
――課題を修正した中で今日、どういったところをチームのテーマとして臨みましたか
やっぱり23ヤード内の攻め方がパターン化できていないという課題があったので、それを改善して個人個人がパターンを認識できるようにしたことで、クリアに攻めることができたのが良かったかなと思います。
――ホッケー部としてのご自身の4年間を振り返っていかがですか
私は大学からホッケーを始めて、ホッケーという団体競技自体に触れることができたのは良かったです。ただやっぱりホッケー部での活動を通して、同期や先輩や後輩、OB・OGと出会うことができたのが一番の成長で、嬉しかったことかなと思います。
FW小川紗知(スポ4=東京・日比谷)
――今日の試合を振り返っていかがですか
今日は本当に立ち上がりが良かったことが、この結果につながったと思います。それぞれがお互いを生かすプレーをしていたのが、すごく良かったと思います。個人的にはディフェンスの選手が前に上がってきてサークルインしたりとか、PCを取ったりとか、全員で攻めて全員で守るという早稲田らしいホッケーができたと思います。
――ご自身の得点シーンを振り返っていかがですか
PCのヒッターの選手が打ったボールが自分のところに転がってきたので、スティックを出したらそれが浮いて、決められたという感じでした。
――終始攻め込んでいましたが、1Qは得点がありませんでした。焦りは感じなかったですか
勢いがあって流れは早稲田にきていたので、流れを切らさないようにこのまま丁寧に攻め続けようという感じでした。私もみんなも焦りはなかったと思います。
――1年間振り返っていかがですか
春はちゃんと点が取れていたのですが、秋は中々点が取れなくて、強豪校にも負けてしまいました。苦しい時期もありましたがしっかりと改善しながら、一つ一つ無駄にしないように最後につなげられたので、1年間を通して良かったなと思います。
――ホッケー部での4年間を振り返っていかがですか
今思うとあっという間だったんですが、2、3年生の時は長かったり辛かったりすることも沢山ありました。本当にその積み重ねで今日ができていると思うと、感慨深いです。
FW鈴木千心(社4=東京・東学大付国際中教校)
――今日の試合を振り返っていかがですか
4年生として、ラストの早慶戦になりました。秋リーグの時は1-0でやっと勝てたという感じで、今日は早い時間に先制点を取ることを目標にしていたので、それを達成して自分たちのペースで試合を進めることができたので、すごく良かったです。
――秋リーグ対戦時の点差が開かなかった試合から、どのようなことをテーマとしてもって今日の試合に臨みましたか
秋リーグを振り返ってみて、自分たちはどこで点を取りたいのかという共通認識をチーム内で詰めて、何回もミーティングを繰り返して試合直前にもミーティングしたので、全員の意識を一致させることができました。それが今日の点差につながったのかなと思います。
――今年1年間を振り返っていかがですか
勝てない試合が沢山あって、(リーグ戦の)目標を3位にしていた中で4位に終わってしまいました。ただそれがつながって最後は早慶戦で4点差で勝つことができたので、振り返ってみると良かったなと思います。
――個人として1番成長したところはありますか
自分はホッケー未経験者として入部して、しかも1年生の後期からの途中入部でした。3年生の時からフォワードを引っ張っていく立場として、自分は未経験者だけど後輩に教えていかなければならないという葛藤もある中で、なにより後輩とのコミュニケーションや自分の伝えたいことを伝えるという部分が、1番成長した部分かなと思います。
――ホッケー部での4年間を振り返っていかがですか
週に5日間ホッケーをしていて、ホッケーが自分の生活の一部、当たり前になりましたし、チームメイトとも週5で会うので家族のような存在になりました。自分としてはやり切ることができたと思います。
FW山下遥(社4=東京・東京国際基督教大校)
――早慶戦という最後の大舞台、今日の試合を振り返っていかがですか
全員で一丸となって勝利を掴むことができた、TEAM2023史上最高の試合でした。この1年間必死に頑張ってきた成果が、勝利へとつながったと思います。最高のかたちで引退を迎えられて、同期と後輩、スタッフ陣には感謝の気持ちでいっぱいです。
――個人として、今年どのように成長したと感じますか
特にこの半年間は、自分の弱みであった守備力に注力して練習をしました。今年の夏練前の時点では4年生でありながらも全く試合に出られず、チームの戦力になるどころか足を引っ張っている気がして、辛くて苦しい時期が続きました。でもそこで見捨てることなく、コーチの翼さん(山下翼コーチ、令3スポ卒=滋賀・伊吹)や監督の裕美子さん(安岡裕美子監督、平16人卒=山形・米沢商)を始め同期や先輩、後輩にも沢山アドバイスをいただけて、結果的にはミッドフィルダーとして大きく成長することができたと思っています。温かいチームメイトに恵まれて本当に感謝しています。また、技術面で教えてあげられることが少ない分、メンタルサポート面で後輩に寄り添い、同じ目線になって話を聞くことでチームに貢献し、部活の風通しを良くしようと努力してきたつもりです。少しでも後輩たちのよりどころになれていたら嬉しいです。
――1年間を振り返って、今年はどんなチームでしたか
キャッキャと楽しむ雰囲気がありながらも、実は全員すごく負けず嫌いで、熱い情熱を秘めている魅力的なチームでした。1年間関わっていく中で、本当に部員全員から日々いい刺激をもらっていましたし、沢山学ばせていただきました。練習の雰囲気も良く、特に早慶戦では心から楽しみながらホッケーをできて、チーム目標としていた「常笑常勝」を達成できたと思います。ホッケーを通じて、これだけ素敵なメンバーに出会えて幸せです。
――早大ホッケー部での4年間を総括してどんな思いですか
周りの支えがあったからこそ、今日ここまでやってこられたと強く実感しています。自分が伸び伸びと毎日ホッケーをできていたのは、間違いなくプレー面でもそれ以外でも寄り添ってくれる仲間がいてくれたおかげです。長期留学や怪我など様々な試練はありましたが、4年間最後まで諦めずに最高なメンバーと駆け抜けることができた事を誇りに思います。早大ホッケー部での経験を糧にして、今後も挑戦を続けていきたいです。また、この4年間支え続けてきてくれた人たちに恩返しができるよう、常に感謝に気持ちを忘れずに、人として更に成長していきたいです。
MF山下天海(スポ3=京都・須知)
――今日の試合を振り返っていかがですか
今日で4年生が最後ということでいつも以上に雰囲気も良かったですし、4年生が引っ張ろうという気持ちと、私たちが最後だから頑張ろうという気持ちが合わさって、試合を戦うことができたと思います。
――得点シーンをそれぞれ振り返っていかがですか
1点目に関しては自分が決めたいという思いと、自分が決めることでチームの流れをもってこられるな、エースとして決め切ろうと思っていました。2点目は私が決めたというよりはバリエーションでいこうとしていて、結果的にポンポンとこぼれて決まったという感じでした。ただ練習の成果が出て良かったと思います。
――秋季リーグ対戦時は1-0でひたが、どこが一番改善したところですか
最初に言ったような気持ちの部分が大きかったのと、秋で1-0で追いつかれているな、とみんな感じていたと思うので、その中で今日までの練習は「チャレンジャーの気持ちでやろう」というふうに話していたので、そこがこの結果につながったのかなと思います。
――今季1年間振り返ってどんなチームでしたか
副将という立場で1年間やらせてもらったのですが、主将が本当に絶対的で頼れる方だったので、そこについていこうという私自身の思いと、チームを引っ張っていこうという目標でやってきました。最終的には早慶戦で勝利という成績を納められましたし、本当に良いチームでシーズンを終われて良かったと思います。
――4年生にどんなことを伝えたいですか
4年生は経験者が1人であとは大学から始めた選手だった中で、それでも引っ張ろうという気持ちを出してくれていたのと、4年生だからと上からくるのではなく、一緒に頑張ろうという感じで引っ張ってくれました。それが良い結果にもつながりましたし、感謝しかないです。