目標遠く、4季連続の4位フィニッシュ 東農大に5失点完敗

女子ホッケー
結果
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大
東農大

 関東大学秋季リーグ(秋季リーグ)は3日、大詰めを迎えた。3位決定戦に臨んだ早大は1クオーター(Q)、10分に先制点を献上。前半は拮抗(きっこう)した展開となったが、3Qに追加点、4Qには3失点で0-5とされた。早大は、昨年春から4回連続となる4位フィニッシュ。リーグ戦決勝進出の夢は来季に託された。

 

ドリブルするFW長谷川柚希(政経2=埼玉・早大本庄)

 東農大ボールで始まった1Q、4分にMF山下天海(スポ3=京都・須知)の長いパスから攻撃のかたちを作ったが、シュートを打ち切れない。8分には逆に右サイドから攻め込まれたが、GK坂本智美(文構3=福岡・小倉)が抑えた。均衡が破れたのは10分、相手のペナルティコーナー(PC)からの流れで失点を許す。13分、FW内田透子(政経3=埼玉・早大本庄)から山下がパスを受け、サークル内に鋭いボールを送ったが、逆サイドに走りこんできたFW三宅美由紀(スポ3=埼玉・川越女)には合わず。2Qの5分には早大がPCを獲得したが、これもわずかに呼吸が合わずシュートを打ち切れない。東農大に主導権を握られながらも、連続でチャンスを作った早大。前半を0-1で折り返した。

 後半に入っても、依然としてゲームは東農大ペース。少ないチャンスを生かしたい早大は、3Qの3分にはカウンターでFW野中ほなみ(教2=宮崎・高鍋)が運んだがゴールまではいけない。4分、逆にカウンターを食らうと2点目を決められてしまう。4Qに入ると8分、連続で相手のPCのピンチを迎えるが、坂本が落ち着いて防ぐ。しかし9分には波状攻撃から、10分にはPCから連続で失点。13分にはダイナミックな攻撃から失点し0-5。最終盤にはケガにより東農大が10人になるなど有利な展開になったが、一矢報いることはできず、試合は終了となった。

 

シュートする山下。さすがのドリブルで輝きを放ったが、ゴールは遠かった

 「後半は足が止まってしまっていた」と振り返ったのは坂本。前半は押されながらもPCを取り、失点も1点に抑えていただけに悔しい結果だ。春季リーグには同じく3位決定戦で東農大と対戦し、4-5の好ゲームを演じた早大。本戦においては同じ失点を食らいながら無得点と、シーズンを通して掲げる「得点力」の課題が浮き彫りとなった。リーグ戦は終わったものの、早大のシーズンはまだ終わっていない。女子全日本学生ホッケー選手権(インカレ)という、成長と意地を見せる舞台が残っている。「胸を借りるつもりで」(安岡裕美子監督、平16人卒=山形・米沢商)、「強い相手に対しても絶対に最後まで諦めずに」(坂本)。まずは内容面で、今季の集大成を体現したいところだ。

(記事 大幡拓登、写真 星野有哉)

コメント

安岡裕美子監督(平16人卒=山形・米沢商)

――試合を振り返っていかがですか

 やはり相手の個人技にやられて、失点が多くなってしまったという印象です。

――前半はまだ戦えているシーンが多かったと思うのですが、流れをもっていかれた要因はどのあたりにあるとお考えですか

 失点が1Qにあって、そこから取り返そうとはしていたのですが、どこで(得点を)取り切るかというところが難しくなってしまったかなと思います。

――ハーフタイムにはどのような声掛けをしましたか

 やることは決まっていたので、しっかりと相手のロングボールに対して、しっかりとマークにつくことを徹底しましょうと伝えました。

――課題として見つかったのはどのあたりですか

 個人技のある選手をどうやって止めに行くか、タイミングとか、その辺りはこのチームはまだ改善できると思うので、そこは課題かなと思います。

――個というよりはチームで守るということですか

 そうですね、個で守備をしてしまうと向こうは経験者で難しくなってしまうと思います。チームとしてどうやって(ボールを)奪って、攻めに行くかというところですね。

――リーグ戦全体を振り返って、どんなシーズンでしたか

 本当は決勝に進出したかったというところはあって、やっぱり経験者のいるチームに勝つことがうちの代々の目標なので、そこが今日達成できれば良かったかなと思います。

――インカレに向けてどのような準備をしていきたいですか

 対戦相手は立命館大ですが、胸を借りるつもりで、夏合宿も一緒にやらせていただいたので、その時より上手くハマるように準備していきたいです。

 

坂本智美(文構3=福岡・小倉)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 悔しいです。この前の試合から時間は無かったのですが、そこまでにかなり詰めてきていたので、その流れでいけば農大には良い試合ができると思っていたんですけど。最終的に0-5で、春リーグ対戦時も同じく5失点だったので、何も結果として変えられなかったのが、私個人としてもチームとしても悔しいなという感想です。

――前半はPCもあって戦えていた時間も長かったと思いますが、流れをもっていかれた要因はどの辺りにあるとお考えですか

 前半はなんとか戦えていたと思うんですが、後半は後ろから見ていても足が止まってしまったなと思います。やっぱり声を出す人もいつも限られているし、あと一歩というところをいつも言っているのにできていなかったのと、私自身も個人技に簡単に負けてしまっていたなと反省しています。

――終盤には良いセーブもありました。ご自身のプレーを振り返っていかがですか

 私は昨年の春、農大に負けたことが泣くほど悔しくて、それを繰り返さないためにずっと練習してきました。相手に怯まずに出られた時は出られたし、止めることもできたと思うんですけど、その後のリバウンドへの詰めが私もチームのみんなも甘かったことで結局失点してしまっているシーンは多くありました。そこが次の私の課題だなと思いました。

――チームとして、インカレ、来シーズンに向けて見つかった課題を教えてください

 今回守備が上手くいかなかった要因として、出るのが遅いというのがあると思います。1人目が抜かれてしまった時に出る人が中途半端で、結局みんな抜かれて1人で打たれるシーンが多かったです。そこはもっと私からも声をかけていきたいですし、加えてずっと真啓さん(吉野主将)が得点力ということを課題として言っていたのですが、結局大事な順位決定戦の2戦で得点を取ることができませんでした。来シーズンは決定戦でちゃんと得点を決めて、4位で終わらないようにしたいと思います。

――来週のインカレに向けて意気込みをお願いします

 立命館大との試合ですが、私たちはちょうど夏休みに立命館大と戦うことができたので、そのビデオを見て立命館大がどのようなプレーをしてくるか予想を立てて、強い相手に対しても絶対に最後まで諦めずに勝てるよう、準備したいと思います。