奮闘及ばず絶対王者に完敗 プール戦2位でリーグ4強入り

女子ホッケー
結果
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大
山梨学院大

 3日前(4月30日)の関東学生春季リーグ(春季リーグ)第1戦で宿敵・慶大を撃破し、勢いに乗る早大。この日はリーグ56連覇中の山梨学院大との第2戦に臨んだ。試合は山梨学院大ペースで進み、早大は防戦一方となる。前半こそ3失点に抑え、攻撃でもカウンターで見せ場を作るも、後半は押し切られる展開が増え5失点。絶対王者を相手に完敗を喫し、1勝1敗のプールA2位で順位決定戦へ進むこととなった。

 山梨学院大ボールから始まった1クオーター(Q)、開始1分で早くも最初のPCを献上する。しかし、これを守備陣が連携してブロックすると、続く2分に与えたペナルティコーナー(PC)でもシュートをしっかり防ぐと、こぼれ球もMF小川紗知副将(スポ4=東京・日比谷)が体を入れてかき出し、シュートを打たせない。4分にはPCから2度の決定機を招くが、いずれもDF鈴木悠(スポ3=愛知・向陽)が摘み取る。5分にPCから強烈なシュートをゴール左隅に打ち込まれ、先制を許したものの、早大はしぶとくチェックにつき相手にパスをつながせない。「守りの時間が長くなる」という慶大戦後の安岡裕美子監督(平16人卒=山形・米沢商)の予想通りの展開が続いたが、1Qを1失点でしのいだ。2Qでも2失点はあったものの、早大がボールを持つ機会も少しずつ増加する。13分にはDF吉野真啓主将(スポ4=富山・石動)がドリブルで相手守備を突破し、MF野中ほなみ(教2=宮崎・高鍋)にパス。野中は右サイドから中央に切り込み、相手サークルへの侵入に成功する。野中のパスはタイミングが合わずシュートとはならなかったものの、直後にMF山下天海副将(スポ3=京都・須知)がパスカットからドリブルでチャンスメイク。FW山下遥(社4=東京・国際基督教大高)へのパスはわずかに届かなかったがゴールに迫り、得点への期待感を持てる中で前半を終えた。

 

ボールを運ぶ吉野主将

  前半終盤の流れのまま、ゴールを奪い、山梨学院大との差を縮めていきたい後半。パス回しはつながり始めるも、前線が厳しくマークにつかれなかなかシュートまでは持ち込めない。早大が攻めあぐねている間にも、3Qでは2ゴールを決められ、じわじわと山梨学院大の背中が遠のいていく。そして4Q、序盤から守備に奔走していた早大メンバーも疲れが隠せなくなってきた。次々に交代カードを切り、体力が十分ある山梨学院大の攻撃に翻弄され始める。6分、PCから6点目を決められると、その後もシュートの雨が降り注ぐ。GK坂本智美(文構3=福岡・小倉)は好セーブを連発して必死に防ぐも、角度がないところからも枠内を捉えてくる脅威的な技術を持つ山梨学院大の攻撃陣のシュートからさらに2失点を許す。後半は計5失点を喫し、0-8でこの試合を終えた。

 

今季から守護神として活躍する坂本

 守勢を強いられ踏ん張ったものの、まだまだ絶対王者の壁は高かった。それでも、春季リーグ第1戦で慶大を完封した守備は確かに山梨学院大を苦しめる局面があり、今後の向けての充実した課題と収穫を得られたこの試合には、結果以上の価値があるだろう。次戦となる順位決定戦準決勝で対戦するのはプールB1位の駿河台大。こちらも高校時代の実績がある選手が並ぶ手強いチームだ。駿河台大戦までは2週間あり、慶大戦から中2日で臨んだこの日より守備の持続性は高まるはずだ。「しっかりサークル内のプレーの精度を上げていかないといけない」(安岡監督)、「上手く決めきれなかった」(吉野主将)と課題となっているゴール前の精度を上げ、堅守速攻で強敵を打破したい。

(記事 星野有哉、写真 帖佐梨帆、水平櫻子、吉本朱里)

コメント

安岡裕美子監督(平16人卒=山形・米沢商)

――今日の試合を振り返って

 もう少し失点は抑えたかったんですのが、しっかりダブルでディフェンスができて、(ボールを)取れるシーンもあったので、よかったなという感じです。

――山梨学院大相手にどのような対策を練られましたか

 守備がメインになるというので、しっかりダブルディフェンスができるようにということを意識しました。マークを離さないように、マークチェンジをうまくできるように声掛けすることを徹底しました。

――0-8という結果に対してはどのように評価されますか

 もうちょっと抑えたかった部分はありますし、得点を取りたかったっていうのが目標にあったので、一応サークルインできた部分とかあったのですが、コーナー取るなり、シュートを打つなりできればよかったかなと思います。

――今日得られた収穫と課題を教えてください

 守備の部分は、しっかりダブルディエンスできるところで、2人で(プレッシャーを)かけて取り切れてた部分はあるので、その辺は収穫かなと思います。 課題はやっぱり得点力のところですね。少ないチャンスでもモノにするというところがまだできてないので、しっかりサークル内のプレーの精度を上げていかないといけないと思います

――次戦となる順位決定戦への意気込みをお願いします

 次戦が順位決定戦で決勝に行けるかっていうところで、決勝に最近女子部はずっと行けていないので、 チャンスを見つけて、しっかり得点して勝つというところを意識してやっていきたいなと思います。

 

吉野真啓主将(スポ4=富山・石動)

――守備で意識したことをお願いします

 相手は自分達に対して一枚多く人数をかけてくるので、その間に立ってどちらにも良い距離感で詰めることを意識してディフェンスしました。

――早大の攻撃を振り返って

 一回大きいチャンスがあって、最後本当にボールを浮かすだけで決められた場面があったのですが、そこで上手く決めきれなかったところで、もう少し声かけができていたら決めきれていたのかなと思います。

――山梨学院大との差はどのようなところに感じましたか

 まず、経験の差で相手と自分達の間にボールが落ちた時、山学(山梨学院大)の方が先にボールを読んで飛び出してくるのが上手くて、早稲田にはその読みが足りなくて、もう少しボールを読みながら動いてカットできる力が山学との差かなと思っています。

――手応えを感じた部分はありましたか

 普段だったら、一発で抜かれてしまう部分を1枚目の守備の人がしっかりついて行って、2枚目でスティックを下ろして、そこで取り切るもしくは反則で止めるということができていた部分が良かったと思います。

――次戦への意気込みをお願いします

 次も私たちより経験年数が浅い、全員が小学生からホッケーを始めたようなチームと当たるので、技術でどうこうなる部分がないと思うので、全速力で走る粘りの部分を強みに頑張っていきたいと思います。

 

坂本智美(文構3=福岡・小倉)

――山梨学院大の攻撃の印象はいかがでしたか

 格上なので、守りの時間が多くなるとは思っていたのですが、早稲田側も攻める時間を確保できていたので、もう少し頑張っていたら目標である5-1で終わることができたのではないかと思います。

――得点を決められた時と止めることができた時を振り返って

 ペナルティコーナーでの失点が結構あったと思うのですが、山梨学院大学の分析をしっかり出来ていなかったことが原因だと思うので、今回の失敗を活かしたいです。また止めることができた時は練習どおりにプレーができた結果だと思っているので、もっと自信を持ってプレーできるように練習に励みたいと思います。

――今日得られた課題と収穫を教えてください

 試合の前半の組み立ては良かったのですが、試合の日程が近かったので後半ディフェンスの乱れが目立っていたと思います。なので、最後まで粘る力を養えたら良いなと思いました。

――次戦への意気込みをお願いします

 次の試合は(順位決定戦の)決勝に進めるか進めないかがかかっている大事な試合なので、自分たちができることを精いっぱいやり、14日までに調整を完璧にして、しっかり勝ちたいと思います。