早大はこの日、慶大との関東学生春季リーグ開幕戦に臨んだ。1クオーター(Q)からFW安藤桜(政経4=東京・早実)のゴールで先制すると、その後も効果的に得点を重ねる。守備陣も慶大を零封し、新チーム初陣を白星で飾った。
応援部を中心とした大声援がスタンドから鳴り響く中、早大ボールで試合は始まった。積極的にボールを前線へ運んだ早大は1Q4分、DF吉野真啓主将(スポ4=富山・石動) がドリブル突破からペナルティーコーナー(PC)を獲得。1度は相手GKに阻まれたものの、そのこぼれ球を安藤が押し込み早大が先制に成功した。さらに12分には右サイドから中に切り込んだFW野中ほなみ(教2=宮崎・高鍋)がゴール右隅に一閃。2Qにも8分、右サイドを突破した吉野のパスを受けたFW長谷川柚希(政経2=埼玉・早大本庄)がしっかりと決めて、1点を追加する。3点をリードし前半を折り返した。
ドリブルするMF小川紗知(スポ4=東京・日比谷)
後半に入っても早大は攻撃の手を緩めない。3Q6分、MF山下天海副将(スポ3=京都・須知)が鋭いドリブルでペナルティーサークルに入ると、そのままリバースヒットでゴール。さらに4Q4分には吉野主将からのパスを野中が流し込み、この日2点目となるゴールで試合を決定づけた。早大は守備でも山下を中心に中盤で相手のパスを摘み取り、慶大に決定機を許さない。終始早大が優勢で試合を進め、5-0で見事完勝した。
得点した山下。今季は副将としてもチームを引っ張る
宿敵相手に快勝し、最高のスタートを切った早大。攻守が噛み合った磐石の試合運びを見せたが、「得点力の面でまだ足りてない」と吉野主将は慢心なく上を見据えた。次戦に迎えるのはリーグ戦56連覇中の山梨学院大だ。慶大戦とは一転、守勢を強いられる展開が予想されるが、この日見せた手堅い守備からワンチャンスをつかみ、絶対王者相手に一矢を報いたい。
(記事、写真 星野有哉、取材 水平櫻子)
結果
TEAM | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | TOTAL |
早大 | 2 | 1 | 1 | 1 | 5 |
慶大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
コメント
安岡裕美子監督(平16人卒=山形・米沢商)
――今日の試合を振り返って
得点も取れましたし、しっかり勝ててよかったと思います。
――今日の試合の位置づけはどのようなものでしたか
この試合に勝てたらリーグ戦上位に入ってこれると思っていました。落とせない試合だということはわかっていたので、しっかり対策をして、ミーティングを重ねて臨みました。
――どういった対策やゲームプランを組まれましたか
前から(プレッシャーを)かけて、ボールを奪って攻めて、シュート数を増やしていこうというものです。
――今日得られた収穫や課題を教えてください
勝たなきゃいけない試合で点数を早めに取れたというのは収穫かなと思います。ただ、得点を取れるシーンはまだあったと思うので、そのあたりのパスとシュートの精度は上げていかないとけないなと思います。
――次戦への意気込みをお願いします
次はリーグ戦でも1位を取っている格上になるので、守りの時間が長くなると思うのですが、しっかり守れる対策をしていきたいです。そこから得点を取れるようやっていきたいなと思います。
吉野真啓主将(スポ4=富山・石動)
――今回の試合を振り返っていかがですか
本当は前半で5-0以上で勝ち切ることを目標としていたんですけど、やはり得点力の面でまだ足りてないなという印象です。
――早稲田ペースでしたが、その点についていかがでしたか
ボールを持ってる時間が多くて、攻めれたかなとは思っていたんですけど、ずっと同じ形で単調に攻めていたので、一度後に返してディフェンスで落ち着いてから組み立てることができたら良かったかなと思いました。
――無失点で終えましたが、その点に関してはいかがですか
ディフェンスでサークルに相手を入れないということを目標としていたので、すごく良かったと思いますが最後4Qで一度相手に侵入されてしまったので、次は改善していけたら良いなと思います。
――ご自身のプレーを振り返ってみていかがでしたか
サークルトップのところで相手に囲まれた後のプレーが雑になってしまったので、そこをシュートまで決め切ることができたらより良かったのではないかと思います。
――この試合の収穫と課題を教えてください
新しい一年生が入った状態で迎える初の公式戦だったので、そこの感覚を掴めたところが収穫の一つだったと思います。そして、ゴール前で低い姿勢を保ったまま決めきることがチームの課題だと思います。
――次戦への意気込みをお願いします
山梨学院は日本一のチームで、皆さん小学生ぐらいから始めた経験者で構成されてるチームで経験の差では負けてしまうと思うので、総力と声の大きさで負けないチームで頑張っていきたいと思います。