強豪・山梨学院大に10失点敗戦 駿河台大との3位決定戦へ

女子ホッケー

 強い日差しが降り注ぐ中、関東学生春季リーグ準決勝が行われた。相手は強豪、山梨学院大。序盤は集中した守備で善戦するが、けが人、また交代要員の少なさからじりじりと押されていく。各Q(クオーター)で終盤になると疲れが見え始め、失点を重ねる展開に。結果的に10失点を喫し、実力の差を見せつけられる大敗となった。この結果により早大は次週、駿河台大学との3位決定戦に臨むことになる。

 

MF野中ほなみ(教1=宮崎・高鍋)は一年生ながら開幕戦からスタメンに名を連ねる

 1Qから山梨学院大は、スピード感あふれる攻撃で早大ゴールに迫ってきた。3分には連続で2本のPC(ペナルティコーナー)を与えてしまうが、ここは集中した守備でゴールを許さない。しかし7分、早大ボールになった直後の接触でFW原崎ひかり(創理4=早大本庄)が倒れこんでしまう。少ない交代枠からの選手交代を余儀なくされた早大は、この後ペースを崩し、サイドから立て続けに3失点を喫した。2Qに入っても山梨学院大ペースは変わらず、2分、5分、8分、とPCを献上してしまう。9分には再びPCを取られ、ゴール左隅への見事なシュートで失点。しかし、早大はDF高橋佑瑠(教4=早大本庄)、DF吉野真啓(スポ3=富山・石動)を中心とした堅い守備で流れからのゴールを一切許さず、このクオーターを1失点に抑えた。

 

右サイドで奮闘したFW矢澤花奈(国教2=東京・成蹊)

 後半に入り、なんとか反撃の狼煙(のろし)を上げたい早大。4分には自陣内からのスクープにエースMF山下天海(スポ2=京都・須知)が飛び出すが、相手DFの守備に阻まれてしまう。すると直後の5分、相手フリーヒットから右、左と揺さぶられピンチに。一度はGK山口永恋主将(国教4=神奈川・洗足)が見事にセーブするが、こぼれ球を押し込まれ5点目。続く8分、ここも山口のセーブが光ったが、再びゴール前の混戦を押し込まれ失点。12分には早大ディフェンスにディフレクションしたボールが、そのまま山口の頭上を越えてゴール。連続で3失点を食らい、厳しい展開になる。14分には山下が個人技で相手二人をかわし、光明が差したかと思われたがそれもつかの間。疲れも見え始めた早大は、山梨学院大の素早い攻撃になかなかついていくことができなくなっていた。

 交代選手の少なさや強い日差しも手伝い、4Qに入っても早大にとって苦しい時間が続く。13分にはFW三宅美由紀(スポ2=埼玉・川越女)が足をつってしまい交代。厳しい状況の中でも最後まで走り続けたがゆえに、早大は満身創痍だった。14分に取られた1点がこの日の10点目となり、試合終了。0-10での悔しい敗戦となった。

 

相手のPCの場面、果敢に飛び出す早大

 相手は関東一の強豪、少ない交代選手に強い日差し。大量失点は致し方なかったと言っていいかもしれない。ただ選手たちはミーティング後、一切下を向くことなくピッチを後にした。次週に控える駿河台大との3位決定戦に、気持ちを切り替えているからだ。「十分に勝つ見込みのある相手だと思っている」と山口が語るように、一度負けた駿河台大との再戦には、期するものがあるに違いない。この日測ったトップとの差は、確かに大きなものだった。ただ得るものが大きかったのもまた確かだ。またとないリベンジの機会。ホーム東伏見で駿河台大を迎え撃ち、何としても3位の座を手にしよう。

(記事、写真 大幡拓登)

結果
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大
山梨学院大 10

安岡裕美子監督(平16人卒=山形・米沢商)

――今日の試合を振り返ってください

 プレイヤーの人数がぎりぎりな状態ではあったのですが、守れるところはしっかりと守れたということは良かったと思います。

――選手たちにどんな言葉をかけて試合に臨みましたか

 強敵であるのは間違いないので、守備であったりプレスであったり、自分たちにできることややってきたことを試そうと声をかけました。

――山梨学院大にはどのような印象を持ちましたか

 交代人数も多かったですし、スピードもあったので失点も多く重ねられてしまいました。

――今日の試合で得た収穫や課題はありますか

 収穫は先ほども言ったように、守れるところを守れた、というところです。課題としては、得点能力がまだあまり高くないので、今日は相手が強敵で仕方なかった部分もありますが、今後は1点を取る術を模索していきたいと思います。

――次戦に向けての意気込みをお願いします

 次戦は駿河台大に決定したので、予選リーグのリベンジという意味でもしっかりと作戦を練って、3位を取れるように準備していきたいです。

GK山口永恋主将(国教4=神奈川・洗足)

――今日の試合を振り返ってください

 強豪の山梨学院大が相手だったので、失点は仕方ない部分があると思うのですが、二桁失点になってしまったことに関しては悔しさがあります。

――チームの中でどういう意識をもって試合に入りましたか

 自分たちがおされることは分かっていたので、ミーティングで確認したとおりに守備ができればある程度は大丈夫、という意識を共有して試合に入りました。また、もしひとつでもチャンスがあればボールに食らいついて1点でも取りにいこう、という気持ちは忘れずにプレーしていました。

――守備に関してはチーム内で決めていることがあるのですか

 強い大学なので、日本リーグなど多くの試合のビデオを見て研究していました。そこでよく相手がやる攻撃パターンをいくつか確認し、場合に応じたこちらの守備のパターンを決める、という準備をして試合に臨みました。

――相手の山梨学院大にはどのような印象を持ちましたか

 (強さに関しては)予想通りと言えば予想通りです。昨年は春季リーグでは11点、秋季リーグでは7点を取られました。昨年このように差が縮まったのは、半年間で自分たちが成長したからだったと思っています。秋季リーグで再び山梨学院大と試合をすることになれば、去年のように自分たちも成長してもっと良い結果が出せるように頑張っていきたいです。

――どういったところを伸ばしていきたいですか

 やはり自分たちはそもそも交代選手が少なく、今日途中で入った選手もまだ経験が浅い選手でした。秋までにはシンプルに基本のできた戦力になる選手が増えてくると思いますし、それだけでチームとして大きな成長になると思うので、そういった細かいところから積み上げていきたいです。

――次戦、駿河台大戦への意気込みをお願いします

 正直相手が駿河台大になると思っていなかったので驚いています。先週のリベンジ戦として頑張っていきたいですし、先週自分たちも負けはしましたが1失点で、可能性のある試合ができていました。相手もこちらの対策をしてくるでしょうし、先週の駿河台大よりさらにパワーアップしていると思いますが、十分に勝つ見込みのある相手だと思っているので、しっかりと対策を練っていきたいです。