現チームでの集大成 伝統の一戦で見事な勝利

女子ホッケー

 多くの人が見守る中、駒沢オリンピック公園総合運動場で第29回早慶戦が行われた。4年生の引退試合、会場が熱気に包まれる中で、両チーム譲らぬ熱い戦いが繰り広げられた。序盤から果敢に攻め込む早大。慶大も負けじと対抗し接戦が続く中で、流れを変えたのは早大だった。第1Q7分にPCを獲得し、それをMF山下天海(スポ1=京都・須知)が決めきり待望の先制。その後は慶大の猛反撃により劣勢な状況も多く見受けられたが、全員で必死にゴールを守りきる。そして第3Qでは、山下の華麗なパスからのFW加藤清香(法4=東京・早実)のシュートが見事決まり、2点目を獲得。そのままの勢いで最後まで失点を0に抑え、2−0で感動の勝利を収めた。

 

 慶大のセンターパスで試合が開始され、直後に早大がPCを獲得するもここは決まらず。互いに攻防を繰り返す熱戦が続く中で、危ない場面が何度か見受けられたが、山下をはじめとする選手のナイスカットで何とか凌ぐ。そして均衡を破ったのは早大。7分に再びPCを獲得し、またもや得点のチャンス。これをシューターの山下がしっかり決めきり先制点を挙げ、会場を沸かせた。勢いに乗った早大は、その後も果敢に攻め続け、3度目のPCを獲得するも、ここは得点には繋がらず。それでも失点は許さずに1ー0で第1Qを終えた。続く第2Qでは、慶大の反撃に少し苦しむ場面が見受けられ、早大陣地での攻防が続く。だが、「引退というのもあり、この試合にかける思いがみんな強かった」(堀山夏帆主将、教4=東京・早実)というように、勝利に向かって皆が一丸となり、全力でゴールを守り続ける。何とか失点を抑え、得点に変動がないまま前半が終了した。

先制点を挙げ笑顔を見せる早大

 

 勝ち切りたい早大は、再び勢いをつけ、ゴール前へ幾度もボールを運んでいく。だが中々チャンスを生かしきれず、苦戦を強いられる。だがこのまま第3Qの終わりを迎えようとしていた矢先に、転機が訪れた。14分、またもやチャンスは早大。「もう1点取っておかないといけないなと思っていた」と後ほど振り返った加藤。山下のサークル内へのパスを押し込んだ加藤のシュートが決定弾となり、見事2点目を奪った。第4Qの序盤、ゲームメーカーであるDF吉野真啓が負傷で一時離脱し、早大側に緊張が走った場面もあったが、最後まで皆で慶大の反撃を防ぎ切り、失点を0に抑えたまま無事試合終了を迎え、2−0で勝利を収めた。

慶大選手と競り合う國岡千乃副将(政経4=神奈川・桐蔭学園)

 昨年の早慶戦は引き分けにより連勝が止まっていた早大。そして今季の春季リーグは敗北、秋季リーグでは引き分けと、ここ最近苦戦していた相手であったが、今回見事な勝利を手にし、より感慨深い試合となった。4年生が全員未経験スタートだった今季のチームだが、試合を重ねるごとにパワーアップした姿を見せ、秋季リーグ3位、早慶戦単独優勝と、目標を見事有言実行した。今回の試合後、輝かしい笑顔を見せていた早大。4年生は悔いのない形での引退となったであろう。新体制で迎える来季も、どんな功績を残してくれるのか楽しみだ。

(記事 坂田真彩、写真 伊勢崎晃 湯口賢人)

結果
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大
慶大
コメント

安岡裕美子監督(平16人卒=山形・米沢商)

――本日の試合を振り返ってみていかがですか

得点を取ってスッキリ勝てたので本当に良かったと思います。

――今日の試合はどのようなお気持ちで望まれましたか

しっかり力を出せれば勝てる、と選手と一緒に話していました。

――今季を振り返ってみていかがでしたか

春は下位リーグにいって5位になってしまったんですけど、そこから選手たちが巻き返して、王座を経て秋は良い結果に終われたので良かったです。

――今日で引退となる4年生に向けてのメッセージをお願いします

初心者ばかりの4年生だったんで、最初はどうなるかなと思っていたんですけど、しっかりまとめる力もあり、良いチームになったと思うので、今後も後輩と関わっていただけると嬉しいです。そして自分たちも活躍していってほしいなと思います。

――来季への意気込みをお願いします

4年生が抜けてしまう分、チーム編成も変わってくるので、もう1回しっかり立て直して、来期も上位にいけたらいいなと思います

MF堀山夏帆主将(教4=東京・早実)

――今日の試合を振り返ってみていかがですか

1クオーターめの初っ端から点を取ってくれたので、そのままの流れで勝ちきれたかなと思います

――見事な勝利でしたが、今の心境を

ここで勝たないといけない試合だし、引退試合というのもあってとても思いは強かったので、ほっとしています

――最後の試合、どのような気持ちで望まれましたか

泣いても笑っても1時間しかなかったので、最後はみんなで笑顔でやろうと話していました

――引退となりますが、4年間を振り返ってみていかがですか

楽しいことだけでなく、大変なことも多かったんですけど、4年目になって最高の形で終われたのかなというふうに思っていて、みんなの笑顔がとても嬉しいです。

――後輩へメッセージをお願いします

私たちが居ない状態でも後輩だけで充分成り立つな、と思っているので、自分たちで工夫を凝らして、自分たちらしく頑張っていってほしいなとおもいます。応援しています!

FW加藤清香(法4=東京・早実)

――見事なシュートでしたが、得点して今の率直なお気持ちをお聞かせください

1点目決まったあと、結構慶応の勢いがあったので、もう1点取っておかないとちょっとやばいかなという気持ちだったので、点を決めた瞬間ホッとしました。

――試合の展開を振り返ってみていかがでしたか

最初は勢いがあったんですけど、第2、3Qで、慶應が勢いづいてきてちょっと不安定だったので、1回落ち着かせないといけないなと思い、プレスとかも全部安定させる方向にもっていったんですけど、それが良かったのかなと思います。

――本日で引退だと思いますが、どのようなお気持ちですか

私自身2年入部でかつ9月卒業なので、まだ私は引退ではなくて、王座くらいまでは残れるので、ちょっと今日は後味が悪かったので、来年のリーグ戦ではもう少し頑張りたいなと思います。