秋季リーグは4位で完結 高橋主将「悔いはないです」

女子ホッケー

 「自分たちにできることはやったと思うので、悔いはないです」(GK高橋詩帆主将、スポ4=栃木・今市)。女子部の引退試合となる3位決定戦の相手は、関東学生春季リーグ(春季リーグ)の3位決定戦と同じ東農大。春、早大はSO戦で劇的勝利を果たし、悲願だった関東3位の座を勝ち取った。だが、秋の東農大は一枚上手だった。相手の力強いドリブルや的確なパスに対応できず前半に3失点すると、後半でも攻撃の糸口をつかめず0ー5で敗戦。順位を1つ落とし、関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)を4位で終えた。しかし、最終戦を終えた彼女たちの顔には悔し涙はなく、晴れやかな笑顔が広がっていた。

 早大のセンターパスで開始した第1クオーター(Q)は序盤、一進一退の攻防に。だが、夏を経て成長した東農大のパスやドリブルは精度を増しており、試合のペースは東農大がつかんでいく。開始8分、サークル内に侵入を許すとゴール右前からシュートを放たれ、東農大が先制。早大は9分にペナルティーコーナー(PC)を獲得したがMF南家未来(教3=京都・立命館)のシュートは相手ディフェンスに阻まれ、得点できない。第2Qでも悪い流れが断ち切れず、9分と13分に失点し0-3で前半を折り返した。

試合前、円陣を組む早大イレブン

 後半も開始間もなくサークルまでボールを運び、プレッシャーを掛ける東農大。早大はMF南家やFW古屋萌杏(スポ3=埼玉・飯能) 、MF的場朱音副将(教4=滋賀・伊吹) らFW陣のパスでつなぎサークルまで運びたいところだったが、東農大の堅いディフェンスがゴール前へのルートを阻む。攻撃のチャンスはほぼ作ることができないまま、後半でもさらに2点を献上し、試合終了のホーンが鳴り響いた。「予想以上に農大が強くなっていました」とDF有賀瞳(スポ4=東京・成城学園) 。春季リーグの劇的勝利から約6か月、この日の結果はまさに完敗だった。

ボールをトラップするDF村山

 ホッケー部女子部は今シーズン、苦境に立ち続けた。シーズン開始前には留学組3選手が離脱。ピッチには今まで出場機会がほとんどなかった選手らが立つことになった。さらに、全日本学生選手権(インカレ)前にはFW古屋がけが、秋季リーグの山梨学院大戦ではFW堀山夏帆(教2=東京・早実) がけがをし、人数は限りなく厳しい状況だった。だが、苦境だからこそ下級生の成長、そしてチームとしての成長スピードは著しかった。インカレの聖泉大戦ではSO戦に持ち込み劇的逆転勝利を果たし、全国の舞台で8強入りを収めた。早慶定期戦では見事に13連覇を達成し、連勝記録をしっかりと守ってみせた。苦境の中でつかんだこれらの勝利は、間違いなく彼女たちの成長の証だ。「全員やれるだけやり切った」(DF村山陽香副将、創理4=東京・東学大付)。秋季リーグは4位という結果に終わり、最終戦を終えた4年生はこれで引退となる。「最後まで笑顔でホッケーをできたので、感謝の気持ちでいっぱいです 」とMF的場副将。激動の秋を乗り越え全員で成長してきた彼女たちに、悔し涙は不要だった。

(記事 細井万里男、写真 新藤綾佳、小出萌々香、七澤拓未)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

賞状を持つホッケー部女子部の選手たち

★GK高橋主将がGK王&ベストイレブン、MF的場副将がベストイレブンを獲得!

個人賞を受賞したGK高橋主将(左)とMF的場副将(右)

 GK高橋主将は春秋連続でGK王&ベストイレブンを獲得。さらに今季はMF的場副将もベストイレブンに選出された。GK高橋主将は今季も、幾度となく早大のピンチを救った。今年の『守りの早稲田』にはGK高橋主将のセービングが必要不可欠だった。またMF的場副将は持ち味の瞬発力のあるドリブルでチャンスを生み出し早大の勝利に大きく貢献。山梨学院大の選手らと並びベストイレブンに選出された。春季リーグ時はGK高橋主将が早大から唯一の選出だったが、今季のベストイレブンは早大から2名選出された。

(記事、写真 細井万里男)

結果
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大
東農大
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コメント

安岡裕美子監督(平16人卒=山形・米沢商)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

思ったように噛み合わなくて、早い段階で失点してしまったのが悔しいです。

――春にも対戦した東農大でしたが、春と比べて印象はいかがでしたか

しっかり前で(ボールを)取り切って、攻め上がるというのを(東農大が)引き続きやってきたというのがあると思うのですが、それに私たちが対応し切れませんでした。

――秋リーグの結果は4位となりました。この結果をどう感じていますか

きょうは勝ちたかったのですが、全体的には秋から留学のメンバーも抜けましたし、けが人も実際のところ多かったので、良くやってくれたなと思います。

――留学やけがで選手が入れ替わり、秋は特に難しいシーズンになったと思います。監督としてこの1年間を振り返っていかがですか

大量失点で負けた試合や、1部昇格の上智との試合で得点を入れられた試合などもあったのですが、そこで崩れずにポイントポイントでは勝ってくれたのが、チーム力が上がった証拠なのかなと思います。

――来年のチーム作りにおいての目標や課題は、今の時点で見えているものはあるでしょうか

4年生がだいぶ抜けてしまってその点は明らかに違うと思うので、現時点でも人数が少ないですがより少なくなるので、(ホッケー部に)入ってくる子も含めて、技術的なところのベースを上げて次の代が引っ張ってくれるようにしたいと思います。

――引退となる4年生へのメッセージと、下級生の来年への期待のメッセージをそれぞれお願いします

4年生は、1年生の頃からチーム構成が変わる中で良く中心になって引っ張ってくれてありがとうと伝えたいと思います。下級生については人数が少ないのですが、一人一人早稲田のプライドを持って戦っていけるようにしていきたいと思います。

GK高橋詩帆主将(スポ4=栃木・今市)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

相手の作戦にはまってしまったことと、相手のプレイが一枚上手だったので、やられちゃったなという感じです。

――春にも対戦した東農大でしたが、春と比べて印象はいかがでしたか

以前よりも一人一人がドリブルでキープしてくるようになっていて、足も速かったので、それに付いていけなかったなという印象があります。

――秋リーグの結果は4位となりました。この結果についてはいかがですか

3位で終わりたかったというのはあるのですが、自分たちにできることはやったと思うので、悔いはないです。

――主将を務めてきたこの1年間を振り返っていかがですか

最初新チームが発表された時に「女子部は相当頑張らないと大変だぞ」と周りの人たちに言われてきた中で、正直焦りもあったし、1部になんとしても残らなければいけないと言う思いもあって、最初は大変でした。ですが後輩が本当にホッケーを頑張ろうとしてくれて、実際努力も重ねてくれたので、これまでのような結果が出ていたんじゃないかなと思います。

――ホッケー部で過ごした4年間を振り返っていかがですか

私はホッケーを10年やってきたのですが、早稲田でやったこの4年間が一番楽しかったです。1年生の頃は上手い先輩たちの下でプレイできたことが幸せだし、学年上がるにつれて苦しいことも増えてきたんですけど、貴重な経験ができたなと、すごく早稲田に入って良かったと思います。

――同期と後輩へ、それぞれメッセージをお願いします

同期はほんとにありがとうという一言しかありません。たくさん苦しい状況があったのにもかかわらず支えてくれて、自分一人でチームを引っ張ったと言う感覚はなくて、同期の支えがあったからこの1年やってこれたと思います。後輩に向けては、この1年でたくさんの努力を重ねてくれて成長してくれたなというか感動というか、うれしかったです。何度も怒っちゃったりもしたのですが、一生懸命付いてきてくれて学ぼうとしてくれる姿勢がすごく私はうれしかったです。来年のチームはかなり大変だと思うのですが、練習をたくさん積み重ねていけば自信は自然に付いて、結果も自ずと付いてくると思うので、頑張ってほしいです。

MF的場朱音副将(教4=滋賀・伊吹)

――きょうの試合を振り返っての感想をお願いします

春(春季リーグ)は勝てたのに点差をすごく離されたということに対してショックもありますが、相手の方が一枚上手だったなというのがあって。自分たちの実力がはっきりわかったというのもありますが、引退なのでどうしようもないけど、これを機にホッケーをもっと続けたいという気持ちになりました。

――春季リーグで対戦した時との差はどういったところだと思いますか

相手の方が攻撃にすごく勢いがあったというのに対して、自分たちはそれを守備面で引いてしまった部分があったので、相手の勢いにやられてしまったのかなと思いました。

――秋季リーグ4位という結果についてはいかがですか

最後だったのでやっぱり3位というかたちで終わりたいとは思ったのですが、悔しいというよりも「これで終わりなんだな」という気持ちです。

――この一年間、選手の入れ替えなどもありました。振り返っていかがですか

自分の中では同じような感じで小さい頃から続けてきて経験者というかたちでプレー面でも合う部分があった(メンバーがいた)ので、その子がいるから自分も頑張れてるんだなと思っていたのですが、その子が抜けてしまってからは自分がどういった気持ちでホッケーをしていいのかわからなくなった時期もあったのですが、周りが頑張っているということで自分も頑張れたのかなと思います。

――早大での四年間を振り返っていかがですか

結構自分はわがままなプレーも多くなってしまったのですが、それに対して皆が何も言わずに付いてきてくれたというのもありますし、一番は裕美子さん(安岡監督)が色々後押ししてくださったからこそ、自分らしさというのが早稲田で出せたと思います。

――同期の皆さんへのメッセージをお願いします

四年間一緒にやってきた人もいるし、そうではない人もいるのですが、この同期だからこそ自分らしさというものが発揮できたと思って、最後まで笑顔でホッケーをできたので、感謝の気持ちでいっぱいです。

――最後に、後輩の方々へのメッセージをお願いします

頼りない先輩だったと思うのですが、一緒にホッケーを(できて)後輩たちと色々な人たちと出会えて楽しく過ごすことができたので、これからもずっと応援したいと思っているので頑張ってほしいです。

DF村山陽香副将(創理4=東京・東学大付)

――今日の試合を振り返ってみていかがですか

勝つ気で来たのですが、最終的には5点も入れられて負けてしまって悔しい気持ちはあるのですが、全員やれるだけやり切ったかなと思います。

――東農大に勝った春と比べて、きょうの試合の感触はどうでしたか

春もたくさん攻められてなんとか守り切ったという感じはあったのですが、今回は春よりも最後の詰めがちょっと甘くて、取り切りたいところで取り切れずに、ぼろぼろこぼれてきてシュートを打たれてゴールに入ってしまうシーンが多かったかなと思います。

――秋リーグ4位という結果についていかがですか

答え

――選手がたくさん入れ替わって難しい一年間だったと思いますが、この一年間を振り返ってみていかがですか

人数も少なくて、一人一人が持つ目標とかも結構違って、練習メニューとか少ない人数でどのレベルに合わせてやるのかなどすごく難しかったのですが、結果としては初心者の子たちも経験者に負けないぐらいのドリブル力とかキープ力とかもついてきているし、経験者のほうももっと周りを見られるようになってきていたので、結果として全体が一回りレベルアップできたので良かったかなと思います。

――ホッケー部での4年間を振り返ってみていかがですか

自分が1年生で入ってきた時はほとんど経験者メインで、そういった環境から今の初心者メインのチームになって大きく変わったり、同期が入れ替わったり後輩が入れ替わった りいろいろして、いろいろな種類の楽しみ方というか、経験者に揉まれながらやるホッケーと、 一からやるホッケーとかいろいろできて、充実した4年間だったかなと思います。

――同期と後輩にそれぞれメッセージをお願いします

同期は、4年間ありがとうございましたという気持ちです。スイーパーとしてもっと攻めに貢献したかったのですが、自分なりに冷静なプレーで、同期で力を合わせて頑張ってこれて良かったなと思います。後輩へのメッセージは、自分達4人が抜けてもっと人数が少なくなって厳しいとは思いますが、自分たちのやりたいことを信じて、最終的に笑って引退できるように、一人一人が頑張ってほしいなと思います。

DF有賀瞳(スポ4=東京・成城学園)

――きょうの試合を振り返っていかがでしょうか

上手く相手の策にはまってしまったというか、相手が押さえこむのが上手くて全然プレーが通用しなかったです。また緊張もあったのかもしれないですが、ミスが続いて不完全燃焼で終わってしまった面が多かったです。ですが、最後(の試合)だったので最後はみんな思いっきりプレーをしようと言っていました。悔しかったですが、みんなで最後まで全員揃って終われたのは良かったなと思います。

――春季リーグ3位決定戦でも対戦した相手でしたが、その時と比べていかがでしたでしょうか

春と比べて農大(東農大)の方が一枚上手だったという感じです。PCやコーナー対策はしたのですが、予想以上に農大が強くなっていました。上から目線になってしまうかもしれないのですが、全部はめられていた感がすごかったなと思いました。

――秋季リーグ4位という結果についてはどうでしょうか

秋リーグ自体で見たら3位を取れなかったので悔しい結果となってしまいました。ですが、この代としてはまあまあ良いところまで行けたのかなと思います。

――この1年間はメンバーが入れ替わるなど難しい時もあったと思いますが、どのような1年間だったでしょうか

留学組がいなくなってしまったのも大きかったのですが、それでもインカレ(全日本学生選手権)でベスト8に入ることができました。確実に力がついてきていたチームだったと思います。目に見えた成長がわかる1年間だったので、とても気持ちの良い1年間でした。

――早大での4年間を振り返ってみていかがでしょうか

私はもともと初心者レベルで入ったので、まさか自分がここまで出場できるとは思っていませんでした。この大舞台に出させてもらえるようになって過去の先輩や裕美子さん(安岡裕美子監督)がいつも支えてくださいました。大きくのびのびと成長させてもらえた環境だったなと思います。

――同期や後輩の選手の方々へのメッセージをお願いします

同期は4年間本当にありがとうという気持ちです。これからまだまだ会えると思うのでまあ同期はいいとして(笑)。後輩はこれからもっと経験者が少なくなるし、人数も少なくなってきて辛い場面もたくさんあるかと思いますが、そういう同じような状況を乗り越えてきた過去があるということを自信にして、もっともっとのしあがっていけるような、初心者の子を含め全員が強くなっていけるようなチームになってくれたら良いなと思います。