新布陣で勝利 連係課題も決勝リーグへ好発進

女子ホッケー

 全日本大学王座決定戦から約2ヶ月、関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)がついに開幕した。初戦の対戦相手は学習院大。2年生の留学組3名の離脱により早大はメンバーチェンジやフォーメーションの変更を余儀なくされ、関東学生春季リーグ(春季リーグ)時よりも接戦が予想された。試合前半、学習院大に攻め込まれる展開が続き不安な立ち上がりとなったが、早大は第3クオーター(Q)から調子を取り戻す。0-0で迎えた第4Q、FW古屋萌杏(スポ3=埼玉・飯能)が待望の先制ゴールを決め1-0で勝利。接戦を制し秋季リーグ白星スタートを切った。

 試合は早大のセンターパスで開始した。第1Q、早大は不安定なパスワークで相手にボールを献上すると、学習院大にオフェンスのペースを握られてしまう。ゴールこそ破られなかったものの、相手の強烈なヒットからゴール前にボールを運ばれるシーンも多く、ヒヤリとする場面が続いた。第2Qには初のペナルティコーナー(PC)を獲得したがこれを決めることはできず、前半は苦しい展開となった。

ボールをトラップするFW國岡。攻守で存在感を見せた

 試合後半の第3Q、得点こそならなかったものの計4回のPCを獲得した早大は、オフェンスの主導権をつかみ出す。そして第4Qの開始7分、MF的場朱音副将(教4=滋賀・伊吹)が一気に相手サークル内にボールを運ぶと、パスを受けた古屋がゴールへボールを押し込み、均衡を破る先制点を挙げた。その後は相手にオフェンスの流れを作らせることなく、1-0で試合終了のホーンが響いた。

DF橋本(左)とMF的場(右)。的場は決勝点をアシストした

 初戦で勝利を収めた早大。しかし今季のリーグ戦は、今まで試合経験が少ない選手が出場しなければならないことに加え、リザーブメンバーの人数も少なく、体力的にも選手に負担がかかるはずだ。やはり、春季リーグ戦でも出場していた留学組3名が離脱したことによる穴は大きいだろう。しかし、春季リーグ同様「3位以上を狙いたい」とGK高橋詩帆主将(スポ4=栃木・今市)は意気込む。安岡裕美子監督(平16人卒=山形・米沢商)は「2年生の堀山夏帆(FW、教2=東京・早実)のドリブルが上達してきたので、攻撃の起点になれれば」と、成長する選手への期待も語った。次戦は昨季2部から昇格した上智大との対戦となる。決勝リーグにつながる次戦を、一戦必勝の気持ちで臨んでほしい。

(記事 細井万里男、写真 新藤綾佳、小出萌々香)

結果
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大
学習院大
コメント

安岡裕美子監督(平16人卒=山形・米沢商)

――リーグ戦初戦でしたが、きょうの試合を振り返っていかがですか

なかなか得点が取れなくて、ちょっと苦しい試合になったかなと思います。

――きょうの試合で見つかった課題はありますか

もうちょっとボールの受け手が積極的にリードして、全体的に連動して動けたら良かったかなと思います。

――夏の期間ではどのような練習をしてきましたか

留学組3人が抜けてだいぶメンバーが変わったのもあるので、そこのコミュニケーションやポジショニングを中心に練習をしてきました。

――夏の期間で成長した選手や、秋リーグで特に期待している選手はいますか

2年生の堀山夏帆(FW、教2=東京・早実)のドリブルが上達してきたので、攻撃の起点になれればいいかなと思います。

――関東学生春季リーグでは3位という結果でしたが、今大会での目標はどの位置でしょうか

春は3位を取れたので、それ以上に行けるようにしたいです。

――来週は2部から昇格した上智大と対戦します。最後に次戦への意気込みをお願いします

早めに得点が取れるようにもうちょっと得点パターンを練習して、大量得点が取れるように頑張りたいと思います。

GK高橋詩帆主将(スポ4=栃木・今市)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

メンバーが変わって結構良い勝負になるというか、あまり点数が取りにくくなるかなと思っていて、ちょっと苦しい展開になるかと思ってたんですけど、その通りになってしまいました。

――苦しい戦いの中で、課題は見つかりましたか

課題は得点力と基礎的なことかなと思います。あれだけ攻めててPCとかも結構本数は取ってたんですけど、点数に繋げることができなくて。あと2、3点欲しかったです。

――留学でメンバーが減ったことによる影響はありましたか

そうですね、今まで試合にあまりメインで出ていなかった子たちが夏に基礎から始めて入るということになって、まずはちょっとトラップとかヒットとか基礎的なことを教えることから始まったので。今まで上げてきたやつがちょっと下がったところからスタートだったので、そこをどうやって埋めていくかがちょっと大変でした。

――夏からは基礎練習を中心に行っていたのですか

基礎の練習はやっぱり新しく入る子だけじゃなくて、今やってるメンバーにも足りないところかなと思っていたので、まずは基礎的な練習をするのと、あとはプレスの練習とかを色々やっていて、どうやったら前でカットできるかとかをチームで色々話し合いながらやってますね。

――春季リーグでは3位という目標を見事達成しましたが、秋季リーグでのチーム目標は何ですか

3位以上を狙いたいと思っていて、春よりももっと厳しい戦いになると思うんですけど、目標を高く持ってやっていきたいと思います。

――高橋選手個人の目標はありますか

春は失点がチームによって重なってしまうことがあったので、まずはゴールをしっかり守るということ、なるべく最小失点でリーグを終えたいなと思います。

――次の試合に向けての意気込みをお願いします

次は上智大学さんで、あまりやったことないチームなんですけど、しっかり自分たちのやるべきことをやってしっかり勝ちたいと思います。

FW古屋萌杏(スポ3=埼玉・飯能)

――きょうの試合を振り返ってみていかがでしょうか

チーム全体は最初調子が悪かったというわけではないのですが、初戦ということもあって自分たちのペースが上手く作れなかったのかなというのが反省点だと思っています。また個人としては練習のなかで右にドリブルする練習をしていたのですが、本番では結構左に左にと簡単な方にドリブルしてしまい相手のスティックに引っかかることが多くあったので、そこが個人的には反省点かなと思っています。他にもPCの練習もしていたのですが、PCで一本も決められなかったというのも反省点かなと思います。

――夏の間はチームとしてどのようなポイントを強化してきたのでしょうか

夏の間は基礎的なトラップとパス、パスを合わせる練習を主にしてきました。あとはその応用としてかなり試合を想定した3対3やコート全体を大きく使った練習をしました。また練習試合などもやりました。

――何人かの選手が留学なので抜けられましたが、それによってポジションの変更などはありましたか

留学に行ってしまった選手たちは初心者だったのですが、結構上達していてチームにすごく必要な存在だったので抜けたことは大きいと思います。彼女たちが抜けてしまった分、早大の主力となる選手が上がるのではなく守りに徹するようになってしまい、攻撃力が下がっているかなと。いまも新しく初心者の子が入ってきてくれたのでその子たちと経験者と一緒に切磋琢磨しながらやっています。頑張ってはいるのですが、留学の子たちがいた時よりはまだレベルが低いかなと思っています。

――決勝点を決められましたが、得点シーンを振り返ってみてはいかがでしょうか

先輩がずっとボールを持ってきてくれて最後に自分が押し込んだかたちなのですが、結構周りの声が聞こえて動けたというのはあります。また先ほども言ったように練習の時に敵より前にでるという練習も行っていたので、得点をできたというのは練習の成果だと思いますが全体を通してはまだ反省点が多いかなと思います。

――秋季リーグが開幕しましたが、チームや個人の目標がありましたら教えてください

個人としては結構留学に行ってしまった選手の分も頑張りたいなと思っています。おそらく来年はゴールキーパーに戻ると思うので、秋がフィールドとして最後なので悔いのないように頑張りたいなと思っています。チームとしてはまだ大々的には言われてないのですが、春で3位になったので秋も3位を継続できるように頑張りたいです。

――次戦は2部から昇格した上智大ですが、意気込みをお願いします

また点が入らず苦しい場面も多くなると思うのですが、一週間練習して詰められるところは詰めてもっと1クオーター目や2クオーター目など早めに得点できるように頑張りたいと思います。