昨年の雪辱果たせず――女子部は鍛錬の夏へ

女子ホッケー

春シーズンの締めくくりとなる早関交流戦が行われた。対戦相手の関学大は強豪がひしめく関西学生リーグ戦で、大学女子ホッケー界の『4強』の一角である立命館大、天理大に次いで3位に入る、実力者ぞろいのチームだ。また、先日行われた全日本大学王座決定戦では早大と同じく、ベスト8まで進出している。試合は早大に得点の機が多くあったものの、後半関学大に1点を献上し惜しくも敗戦。昨年の雪辱は果たせずに終わった。

試合は早大の得点のチャンスで幕を開けた。前半3分、MF的場朱音(教2=滋賀・伊吹)のボールをDF瀧澤璃菜(スポ3=岩手・沼宮内)が合わせるも、枠の右に外れる。変わって11分には関学大にサークル内に攻め込まれたが、関東春季リーグ戦でGK王を獲得した早大の守護神・GK南有紗(スポ4=埼玉・飯能)の守備が光った。早大は前半に2回のペナルティコーナー(PC)を奪取したが、いずれも相手の堅守に阻まれ、先制点をあげることはできなかった。試合はドローのまま、後半へと突入する。

果敢に攻め込む的場

 早大、関学大ともに攻勢を強めるも、互いの守備を崩せないまま進んでいく後半。終了間際、試合が動いた。29分に早大がこの試合4度目のPCを獲得。FW稲田くるみ(スポ4=佐賀・東明館)のシュートが阻まれ、FW井上燦(スポ4=福岡・玄海)がリバウンドを拾ったものの、ゴールの左に外れた。関学大がボールを前線に運び、左からふわりと押し込んだ。残り時間10分を切ったところで痛い失点。その瞬間を「早大が有利な試合だったからこそ、油断となった」(DF安達里奈、スポ4=神奈川・洗足学園)と振り返る。必死の反撃は実らず、昨年のリベンジは果たせなかった。

安定した守備をみせる安達

直後に行われたフレンドリーマッチでは3年生以下のフレッシュな顔ぶれがそろった。FW中村咲(教3=東京・成城学園)は試合後、「4年生がいないと難しい」と語った。現在の主力メンバーである4年生が早大のユニフォームをまとって戦う時間は、もう半年を切っている。今試合で各々の意識に訴えるものがあったのならば、秋季リーグ戦、インカレに向けてはもとより、来年の早大女子ホッケー部にとっても大きな収穫となっただろう。

敵陣に攻め込む井上

今試合をもって春シーズンは終了となり、鍛錬の夏へと突入する。厳しい練習を積み、一回りも二回りも大きくたくましくなった早大女子ホッケー部を待ち受けるのは秋季リーグ戦、インカレ。4年生にとっては大学ホッケーの集大成となる。『4強』を倒した先を見るために、この夏は1分1秒も無駄にできない。

(記事 榎本透子、写真 成瀬允、喜柳純平)

早関交流戦
早大 0-0
0-1
関学大
コメント

DF片柳陽加主将(スポ4=栃木・今市)

――今回が春シーズン最後の試合でしたが、意気込みなどはありましたか

やはり、最後というのもあったので勝って終わりたいということを思っておりまた去年負けてしまっているので勝ちたいという気持ちがありました。今回はビデを見るなど全体ですることはなく、トレーニングなどのやってきたことをしっかり出し切ろうという意気込みで試合に臨みました。

――戦ってみて、関西学院大学のフォワード陣はいかがでしたか

結構フォワードの方からディフェンスに指示を出しているなと思って、私たちのチームは井上のように指示する人もいるのですが全体的にみて上の方から下の方に向けての指示というのがあまりないと思うので、そういった相手の点はいいなと思いました。ボールをもらう側の指示ということで自分の欲しいところにボールを要求したりする指示は大切だなと思いました。

――全体的に春の試合を振り返っていかがですか

全体的にはやはり今年になってトレーナーの方が練習メニューのトレーニングを考えてくださったりしたことによって選手たちの体力は強化されたというのは実感しています。ただやはり、4強とかと戦うとなった時にはまだ技術力が足りないと思いました。

――最後にこれからに向けて強化すべき点や改善点があれば教えてください

やはり、変わらず体力はこれからも強化していきたいと思っています。前回は風邪の人などがいましたが今日は全員揃って試合に出ることができたので、誰が選手として出てもいいように技術力を皆同じレベルにして戦えるチームになりたいと思います。

FB安達里奈(スポ4=神奈川・洗足学園)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

きょうは前半は早大が結構おしていてたとみんなが思っていたと思うのですが、それが油断となってしまって最後の残り10分で1点を決められてしまって、悔しいです。

――1失点の要因は油断以外にありましたか

タイミングが悪いとことでメンバーチェンジがあり、そこから相手のマークがずれてしまい、最終的にゴール前でいいところで抜かれてしまったのも一つの要因だったと思います。

――相手の攻め方はいかがでしたか

スピードのある選手が多く、ドリブルもそうですし足も速いので、スピードに長けるチームだったと思います。空間に上手く走ったりと、スピードが速かったです。

――シーズン前半戦を振り返っていかがですか

きょねんのチームと比べて、きょねんの4年生に強い選手が多かったので、不安な年でもあったのですが、結構まとまりのあるチームと言いますか、全員ホッケーということを意識して、誰が出ても同じプレーが出来るようと臨んだ春リーグだったので、全員でもぎ取ってこの結果を出せたと思います。

――夏へ向けて、強化ポイントはありますか

体力面を強化していくことと、ひとりひとりが自分の課題に気づいて、それを克服していく時期だと思うので、ひとりひとりのモチベーションが大切だと思います。

――秋への意気込みをお願いします

今回『4強』を倒すという目標が達成出来なかったので、それを目指して頑張っていこうと思います。

FW中村咲(教3=東京・成城学園)

――今試合を振り返って

センタリングで点を決めるのが、春シーズンの強みだったと思うんですけど、長いパスを(関学大に)狙われていたんで、全部カットされてゴール前での攻め方がうまくいかなかったと思います。

――連続で行われたフレンドリーマッチについてはいかがですか

今主力となっている4年生が抜けて不安な部分が正直大きかったです。最上級生になるので自分が引っ張っていかなきゃ、って思う気持ちと、指示とかがうまくいかなくて引っ張れない状況がせめぎ合いみたいな感じで、難しかったです。

――暑さは堪えましたか

自分的にも暑さで最初の方全然動けなくて、でもそれはみんな同じで言い訳にできないなと思いました。

――早大のFW陣の動きについてはいかがでしたか

後ろの人たちがドリブルすることが多くて、FWにうまくつながらなかったかな、という印象がありました。

――後列との連係がとれなかった、ということですか

そうですね。FWがもっともらいに行かなきゃ、というのもあると思うんですけど、もらいに行けなかった分MFとかがドリブルして、そこで詰められてカットされて、相手に攻められることが多かったと思うので、FWはもっともらいに行く動きが必要だと思いました。

――関学大のDFはいかがでしたか

打ち込みを読んでカットしてくるので、私たちとしてはすごくやりづらかったです。あとフィジカルが強くて、体で当てられて負けるっていうのがありました。そういうところは見習いたいなと思います。

――春シーズンを振り返っていかがでしたか

個人的には成城大戦で1得点決められたのがすごく大きくて、自分が頑張ってきたことが実ったなって思いました。

――夏の目標をお聞かせください

今のチーム的に、DFのほうが固まってきているので、課題はFWの得点力だと思ってます。自分としても得点力だとか、ドリブル力だとかを上げて秋に臨みたいです。

的場朱音(教2=滋賀・伊吹)

――きょうの試合の位置づけを教えてください

春シーズンの最後の試合ですので自分達の良い形で終われたらなと思っていました。勝てたら良かったのですが、負けてしまったので悔しさがありました。

――試合を振り返って

結構目的のない試合になり、こなしているだけになってしまいました。自分ももっと前にいけたら良かったのですが、1人抜いたら他の人に任せるといった雑なプレーが多かったです。フリンドリーマッチの時にフォアードにいって得点を入れるチャンスがあったのに決めきれなかったことも反省点です。

――相手の印象について

パスワークが優れていてパスを出してからも次もらいにいく動きがあって、自分達にはないプレーだなと思いました。

――改善点などは見つかりましたか

自分の役割しかこなさないことが多くて、あとは自分の役割以外のところは任せるというプレーが多いのが気になりました。もっとそれ以外のところでもサポートにつけたら良いのかなと思います。

――春シーズンを振り返って

2年生になってハーセンをやるようになって、チームの中心にならなければいけないという意識があり、全体をみるようにしていました。でも、パスを出してばかりで自分で勝負できなくて、もっと自分でおもいっきり勝負にいけたら良かったです。

―― 夏に向けて

もっと積極的なプレーを増やして得点にからめるような選手になりたいと思います。