春季リーグ初戦、慶大を相手に白星スタートを切った早大女子ホッケー部が23日、今季の2戦目に臨んだ。ホームグラウンドの東伏見に成城大を迎えた一戦。慶大戦では勝ちはしたものの3得点に終わり、選手たちは得点力の課題を口にしていたが、1週間で見事な修正を見せた。前半を3ー0で折り返すと、後半はさらに激しい攻撃を見せ、7得点。FW井上燦(スポ4=福岡・玄海)の4得点をはじめ、攻撃陣が躍動した。終わってみれば10ー0の圧勝で、力の差を見せつけた試合となった。
試合開始直後から、早大が相手陣地へ攻め込む展開が続く。ルーキーのMF南家未来(教1=京都・立命館)が右サイドから切り込みゴールに迫ったほか、FB片倉優季(スポ2=山形・米沢商)もスピードを活かし一気の前進でサークルに入り、チャンスを演出する。そして前半14分、2度目のPC(ペナルティーコーナー)のチャンスで、MF梅村雅子(人4=岐阜・可児)がこぼれ球を逃さず押し込み、ついに先制。さらに、24分、PCの獲得から続いていたチャンスで、FW福井更彩(法3=東京・早実)がゴールを叩く。直後の25分にも、井上のシュートが決まり、3点目。試合の流れを支配したまま、前半を折り返した。
得点を決めチームを勢いづけた福井
後半に入ると、早大の攻撃がさらに火を噴いた。4分、この試合6度目のPCを獲得すると、リバウンドを梅村が再びゴールへ押し込んで、後半最初の得点。さらに、片倉が後方からのドリブルでの前進を見せ、チャンスを演出する。9分、ゴール前の密集からMF的場朱音(教2=滋賀・伊吹)が決めると、12分にはFW稲田くるみ(スポ4=佐賀・東明館)も得点。流れは完全に早大にあると見た矢先だった。パスがカットされ成城大にボールが渡ると、この試合最大のピンチに。しかし、運動量が豊富な片倉を中心に、自陣への戻りが速かった早大。落ち着いた対応で相手に十分なシュートの機会を与えず、ピンチを凌いだ。そして、再び試合の主導権を握り、21分、25分と井上が得点。27分にもPCを獲得し、井上がこの試合4点目のゴールを決めた。これで9ー0。さらに、終了間際の34分、この試合で何度も体を張ったプレーを見せていたFW中村咲(教3=東京・成城学園)が執念でゴールに叩き込み、2ケタ10点目。多彩な攻撃で終始成城大を圧倒した早大が、開幕2連勝を飾った。
大量得点に笑顔がこぼれた
得点が伸びなかった慶大戦から修正し、10得点での大勝となった早大。次戦は29日、敵地に乗り込み、強豪・駿河台大に挑む。厚みを増す攻撃陣がチャンスをものにして、全勝で5月の順位決定予選に臨みたいところだ。DF片柳陽加主将(スポ4=栃木・今市)は「攻められる時間は少なくなる。しっかり攻めきれるホッケーをしたい」と意気込む。東伏見ホッケー場の脇に咲いた桜は散ってしまったが、早大女子ホッケー部の春の戦いは、まだまだ始まったばかりだ。
(記事 元田蒼、写真 喜柳純平)
春季関東学生リーグ | ||||
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早大 | 10 | 3-0 7-0 |
0 | 成城大 |
コメント
片柳陽加主将(スポ4=栃木・今市)
――試合前の戦術はありましたか
前回の試合と変えずにえぐり(ライン際のエンドを使った攻撃)と外からの打ち込みを中でタッチするっていうのをやろうと話していました。また自分達のボールになったときにすぐに初めて、相手がセットできない状態からのスタートで攻めやすくすることを目標としていました。
――試合を振り返って
前回点が決まらないという部分が課題となったので、今回はちゃんと決めたいなというのが私自身思っててチームでも目標はありました。ちゃんと10点取れてて良い形で攻めれてた部分もあり、練習でやったところもしっかり使えていたかなと思うので、今までの練習が出た試合かなと思います。
――大量得点で勝つことが出来ました
練習などでフォアードとディフエンスでしっかりポジションを分けて、ポジションをどこで取るかというのカラーコンで示して固定しながらやりました。それでポジション取りをしっかり理解して動けてた思うので、得点につながったのかなと思います。そんなにすぐに相手ゴールにせずにキーパーに蹴られたり、相手に取られたりしてもその後しっかりマイボールで続けることが出来ていたので、それも点数につながったのかなと思います。
――王座出場を決めました
王座はですね4強に当たったときにしっかり倒すという目標があるので、目標を高く持ってしっかり練習に励んでいけたら大丈夫かなと思うので楽しみです。
――次戦の駿河台戦に向けて
得失点差では勝つことが出来ないので、やはり点を決めないといけません。今までやってきたことの成果をもう少しあげて、きょうや前回の試合よりも攻められる時間が少なく、シュートが打てるタイミングもないと思うのでその1回1回の精度をあげて、しっかり攻めきれるホッケーをしてやりたいなと思います。
FW井上燦(スポ4=福岡・玄海)
――今日の目標はどこに置いていましたか
FWとしては、これから格上とやっていくにあたって得点力を上げることが目標でした。FWが点数を決めきることを目標にしてやっていました。
――4得点でしたが、ご自身の動きはどうでしたか
まだまだですね。その倍ぐらい、外しているものが多いです。自分の中でも、決めるべきところで決められていません。決められないんじゃないかというところで決められたところもありましたが、決められるべきところで決めていかないといけないと感じています。
――チームとしては先週の試合に比べて得点が伸びました。その要因は何でしょうか
前回は、相手のキーパーの好セーブもあってなかなか決めきれなかったのですが、この1週間で、ゴール前で決めきる、リバウンドもしっかりやるというところに集中して練習をしたので、ゴール前の厚みが増しました。1度弾き返されても、もう1人が入り、さらにもう1人入るという形で、決めきるという点を全員で意識してできた結果かなと思います。
――4年生になられて、気持ちの変化はどうですか
上でやってこられた先輩方がいなくて、自分たちで引っ張っていかなければいけない立場です。私は口で強く言うことはできないので、プレーで後輩たちに何か見せられればいいかなと思っています。
――次の駿河台大戦へ向けて、意気込みをお願いします
FWというポジションを任せられているので、得点という形で結果を残したいです。駿河台大に勝っていかないと上位には入っていけないと思うので、FWからしっかり守る、またMFもDFも全員攻めるという「全員ホッケー」を徹底してやっていきたいと思っています。
FW福井更彩(法3=東京・早実)
――今日の試合を振り返っていかがですか
前回の慶応戦で、10得点を取るという目標があったのですが、3点しか取れなかったので、今回は決めきるということをやってきました。特にフォワードを重視した練習をしてきたので、試合の最後でもなにがなんでも決める、という思いをみんなで持ってやりました。
――前回に比べて得点力が上がった要因は
前回は相手のディフェンス側が、べったりマークについていたのですが、今回は相手のディフェンスのマークをフォワードが空間を使いながら生かすことを意識してやったので、そういった面でみんなの共通理解というのが変わってきたと思います。
――ご自身の得点を振り返っていかがですか
周りからの声がしっかりあって、MFやDFからの声がFWにしっかりと聞こえていたので、その声かけのおかげで空間に走っていくことができたので、空間を上手く使えたので良かったと思います。
――空間を使うために意識されていることは
声かけを今年は特に意識をしているので、今日の試合は前回の試合よりも、全員声も出ていたし、共通理解も多かったので空間を上手く使えることができたと思います。
――次戦への意気込みをお願いします
次戦は駿河台で、永遠のライバルというかここで勝たないといけなくて、今回よりもFWがボール持つ回数もチャンスも減って、そのチャンスをいかに使えるかが大事になるので、この1週間でしっかりと話し合って、共通理解を増やしていきたいと思います。