待望の春がやってきた。男子部から遅れること1週間。女子ホッケー部の春季関東学生リーグがついに開幕した。注目の開幕戦は『早慶戦』。慶大を東伏見に迎えた一戦は、地力で勝る早大が終始ボールを支配した。しかし決め手に欠け、理想の試合展開へ持ち込むことができない。結果は3-0と嬉しい開幕戦勝利にはなったものの、課題も残る内容だった。
試合は前半から早大ペースで進んだ。攻撃、守備とも慶大を上回った早大が常に敵陣でボールを保持。敵の攻撃は中盤でその芽を摘み、再び早大の攻撃に転じる試合運びを見せた。そして最初の得点は前半8分。敵サークル内へ持ち込んだルーキーのMF南家未来(教1=京都・立命館)が獲得したPC(ペナルティーコーナー)から最終的にPS(ペナルティーストローク)を得て、FW井上燦(スポ4=福岡・玄界)が冷静にゴール左隅へ叩き込んだ。早い段階で流れ良く先取点を獲得した早大。ここから流れに乗って得点を重ねていきたいところだったが、それ以降は敵ゴールを破ることができない。ピンチの場面はほとんど無く、サイドを中心に何度も好機はつくるものの、あと一歩のプレーが届かず。敵GKの好セーブも光った。結局前半はPSでの1点のみと寂しい結果で試合を折り返す。
デビュー戦ながら存在感を見せた南家
後半も南家やDF片倉優季(スポ2=山形・米沢商)を中心に攻撃の手は緩めず、次々と敵サークル内へ侵入しPCを獲得する。しかしやはり決めきれず、試合開始から後半20分まで8度のPCを獲得しながらもそこからの得点は生まれなかった。待望の追加点は後半22分。中央から片倉が敵の守備をかいくぐってサークル内に切り込み、ゴール左手前から右隅へ流し込んだ。すると後半26分に獲得した9度目のPCでは、井上がリバウンドをしぶとく押し込んで3点目。慶大を突き放し、そのまま白星をつかんだ。
2得点の活躍でチームに貢献した井上
見事開幕戦勝利を挙げた早大。しかし選手たちが「得点は伸びなかった」(DF片柳陽加主将(スポ4=栃木・今市))「決められなかった」(南家)と口にしたように、圧倒的なボール支配率の一方で、サークル内で好機をつくる場面が少なかったのも事実だ。早大女子ホッケー部の目標は1部残留でも王座出場でもなく、関東優勝、そして全国で4強を倒すこと。攻守とも良い形はできているだけに、最後の決定力を高めてその目標へと近づきたい。次戦の相手は成城大。実績は勝るが、油断無く、その次に控える難敵・駿河台大との試合へ弾みをつける勝ち方を見せてほしいところだ。
(記事 安本捷人、写真 成瀬允)
春季関東学生リーグ | ||||
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早大 | 3 | 1-0 2-0 |
0 | 慶大 |
コメント
安岡裕美子監督(平16卒)
――今日の試合を振り返っていかがですか
思ったよりは攻めることができて、得点も取れて勝つことができたので良かったと思います。
――開幕戦に向けて取り組まれたことは
主力のメンバーが大分抜けてしまったので、新たなチームとして連携がとれるように、コミュニケーションを取れるような練習をやって来ました。
――1年生の印象はいかがですか
U18といった高いレベルではないのですが、これから鍛えていけば主軸になれると思います。
――今年のチームの目標は
関東は優勝。全国ではベスト4を倒すという目標でやっています。
――昨年と今年のチームの相違点は
突出した選手がいないので、チームワークで戦おうということ雰囲気を、片柳主将を中心に作っていければなと思います。全員でいかないと今年のチームは難しいと思うので、レベルアップしていきたいと思います。
――次戦への意気込みをお願いします。
来週に試合がありますので、得点を取るということと、コミュニケーションをしっかりと取れるようにしていきたいと思います。
DF片柳陽加主将(スポ4=栃木・今市)
――今日の試合を振り返っていかがですか
去年は得失点差で悔しい思いをしたので、点を取っていくことを目標にしています。目標は10点だったんですが、3点しか取れなかったので、得点は伸びなかったという印象です。ただ、ライン側からの攻撃をしようと決めていて、そこはしっかりできていたので、共通の意識を持って取り組めたと思います。また、体力的にも、冬の間走りこんできたので、走り負けしなかったと思います。
――主将に就いての初戦になりましたが、チームを引っ張っていく上で意識されたことはありますか
チームの中心になるので、私が落ち込んでいたらチームも落ち込んでしまうと思います。気持ちの上下を作らず、毎回ポジティブに取り組めるように、私からチームを持ち上げて行こうと思っているので、声出しやコミュニケーションで、雰囲気から高めて行こうと思っています。
――今年のチームの色は、どういったものですか
虹色です。私は虹色が好きというのもあるのですが(笑)。みんなそれぞれ持ち味が違って、それを活かしていきたいというのが今年のチームです。個人を活かして、勝てるチームにしていきたいです。それを練習中から一人一人出せるようにという点で、虹色です。
――今年のチームの目標は、どのようなものですか
春季リーグは2位以上、前年度を上回る順位で終えることです。その後の全国でも4強を倒すのが目標です。秋にも、優勝という目標があります。大会ごとに目標がありますが、最終的な目標は全国で4強を倒すことです。
――次の試合への意気込みをお願いします
今回は得点があまりできなかったので、得点力を上げたいです。また目標を立てるので、それをしっかり達成することと、楽しくやることです。
MF南家未来(教1=京都・立命館)
――今日迎えたデビュー戦。どういった心境ですか
チームの目標が10点取るという目標で、私自身も点を取りに行ったのですがなかなか決められなくて。緊張はしていたのですが、試合の中で先輩たちが声をかけてくださったので、自分の力を出し切ろうとしたんですけど。結果的に見ると出しきれずに終わったかなと思います。
――好機をつくる場面が多くありました。チームに入って数ヶ月ですが、周囲との連携はコミュニケーションはいかがですか
練習中から、1個1個のプレーに対して、「こうしたほうがよかった」「ああしたほうがよかった」と先輩が積極的にコミュニケーションを取ってくださるので、誰がドコを狙っているかとか、どんなプレーが得意なのかっていうのが数ヶ月だけでも少しわかってきたので、先輩方のおかげでそこは出来たかなと思います。
――色々な大学があるなかで、早稲田大学を選んだ理由はありますか
勉強とスポーツが両立できる点と、高校の頃に活躍されていた先輩がたくさんいるので、憧れて入りました
――実際入ってみて、どんなチームだと感じましたか
主将の陽加さん(片柳)が明るくてチームをまとめてくださっていて、4年生の先輩方を筆頭にチームがまとまっていて、とてもいい雰囲気だと思います。
――次戦への意気込みをお願い致します。
絶対3得点決めたいと思います。