早大女子ホッケー部の秋の戦いが4日、幕を開けた。ホームグラウンドの東伏見に立大を迎えた開幕戦。早大は終始攻撃の手を緩めず、前半4点、後半8点の計12得点で圧勝。チームで取り組んできたという右からの攻撃も見られ、幸先の良いスタートになった。
試合開始直後から積極的な動きを見せた早大は、相手陣地でのプレーを続ける。前半7分、MF小澤眞帆主将(教4=埼玉・飯能)のパスから、ゴール前で高く上がったボールにFW井上燦(スポ3=福岡・玄海)がスティックを振り上げて合わせ、先制ゴール。14分には、ゴール前の密集の中でFW瀧澤育未(スポ4=滋賀・伊吹)が倒れこむようにゴールに押し込み、2点目を奪う。その後も、24分には再び井上が得点。27分には瀧澤育が、相手守備をするりとかわしながら自らサークル内に持ち込み、鮮やかなシュートを見せて4点目を奪った。ここで前半が終了。前半を通して、終始攻めの姿勢を見せてはいたが、5度のペナルティーコーナー(PC)のチャンスに得点が奪えなかったことなど、決定機を逃す場面も見られた。4点を奪ったとはいえ、試合後に各選手が前半に弱いという課題を挙げたのは、いま一つ決めきれなかったという印象が残ったからであろう。
3得点でチームを勢いづけた井上
しかし、後半に入ると、早大は勢いを増し、好機で確実に得点できるようになる。後半11分、井上と瀧澤育が立て続けにゴールを決めると、16分にはDF藤本晴菜(スポ4=栃木・今市)の右からのクロスボールをMF梅村雅子(人3=岐阜・可児)が押し込みゴール。重点的に練習してきたという右からの攻めが成功した。その直後、再び梅村がゴールを決め、瀧澤育とDF片倉優季(スポ1=山形・米沢商)にも得点が生まれてついに二桁10得点。さらに、ここから前半では決めきれなかったPCでの得点に成功する。30分には、PCのチャンスで瀧澤育がこぼれ球を押し込み、終了間際のPCでもDF瀧澤璃菜(スポ2=岩手・沼宮内)が鋭いシュートでゴールを叩き、試合を締めた。結果は12-0の完勝。早大は、相手陣地でのプレーを続け、立大に最後まで得点を許さなかった。
大量得点に笑顔がこぼれた
春季リーグでは4位に終わり、涙を呑んだ早大。秋季リーグ初戦は、積極的な攻撃の姿勢を見せて立大を圧倒、最高のスタートになった。強豪・山梨学院大と同じブロックに入ったが、小澤主将は「山梨学院大を倒して優勝する」と意気込む。次は早稲田を強く意識する慶大との一戦。早大女子ホッケー部の挑戦は続く。
(記事 元田蒼、写真 成瀬允)
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秋季関東学生リーグ | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | 12 | 4-0 8-0 |
0 | 立大 |
コメント
MF小澤眞帆(教4=埼玉・飯能)
――開幕戦への意気込みは
最後の秋季リーグなので、まず1戦目しっかり勝てるように、というのと、夏合宿で点をとることを意識してやってきたので、得点を多くとろうと意気込んできました。
――秋季リーグ戦の目標は
全体の目標は関東で山梨学院大を倒して優勝することです。
――12得点という結果ですが、前半が4得点にとどまった要因はどのようにお考えですか
チーム自体がスロースターターなところがあって、前半結構足が動かないっていうのと、ゴール前で押し込む力がないですね。後半で相手に少しずつ慣れてくるのと、足が動き始めるっていうので多分とれるんだと思います。前半に弱いんですね。
――では後半8得点にのびたのはエンジンがかかったということですか
そうですね。あとは相手の足が止まってきたのもあると思います。相手よりは走りきれたのが理由としてあったのかなと思います。
――PCから得点につなげることがあまりできていませんでしたが、要因についてはどのようにお考えですか
夏合宿では攻められることが多くて、守りの練習ばかりしていたので攻める練習が足りなかったので、決めきれないことが多かったかなと思います。練習不足ですね。
――次戦、慶大戦への意気込みは
慶大はきょう戦った立大よりもガツガツ攻めてくると思うので、それに負けずに落ち着いて、いつも通りのホッケーをして勝てればと思います。
FW瀧澤育未(スポ4=滋賀・伊吹)
――開幕戦の意気込みは
人生最後のホッケーなので、楽しんで自分に悔いのないような終わり方ができるようにという気持ちで試合に臨みました。
――得点を多く重ねチームに貢献されてましたが、振り返ってみていかがですか?
最初の方はすごく緊張していて、もっと決めるところを決めたかったのですが、後半に入ってくると声掛けもどんどん出てきて、最初は厳しい声掛けだったんですけど最後のあたりは明るい指示の声になっていて雰囲気がとてもよくなっていて、自分の緊張が取れていつも通りのプレーができたので得点につながったと思います。
――前半に4点にとどまってしまった要因はどうお考えですか
4年間通して全部の試合で前半が弱いというのが自分たちの課題で、いつもだったら4点もとれないくらいなので今季は4点スタートなので、まだまだなんですけどいいスタートだと思いました。
――8得点の後半でよかったところは
ずっと右からの攻撃を練習してきて、その攻撃が何回かうまくつながったときに、チームの流れができたところで、みんなが練習してきたことができたという顔をしていて、最後の後輩が決めたシュートはずっと練習してきたシュートで、タイミングもあわせていて、最後に本当にいいかたちで終われたと思います。
――きょうはPCが決まらない印象がありましたが、いかがですか
きょうは、私たちはリバウンドが上手くなくて、キーパーに当ててからリバウンドを決めようという目標だったので、そこに関しては試合で上手く使うことができていたし、2本くらいは決めることができたのですが、強いチームが相手だと1本しかとれないので、次の試合に向けて精度を上げていきたいと思います。
――この秋季リーグへの意気込みをお願いします
人生最後のホッケーなので、自分自身もたくさん点を取って、得点王になれるように頑張りたいです。
――最後に次戦の慶應戦への意気込みをお願いします
慶應は早稲田と試合するときは、すごく死にもの狂いで来るので全然あなどってはいけない相手で、次の試合でも早稲田ホッケーらしいプレーをして勝ちきりたいと思います。
FW井上燦(スポ3=福岡・玄海)
――きょうが開幕戦でしたが、どういった意気込みで臨まれましたか
パンフレットに得点ランキングというものがあり、これまで載ったことがなかったのですが、春リーグで初めて載ることができました。きょうは、得点にこだわっていくということを念頭に置いていました。また、自分の強みである走るホッケーや、ポジションが右なので、右から得点を演出するということを明確にやっていければいいなと思って入りました。
――得点でチームに貢献されていましたね
きょうは3点ですが、決定的なシーンで決めきれないこともありました。最後に詰めきったという場面しかなかったです。長い距離を自分で持って自分で決めきるというところまではできていません。そこを今ずっと練習しているので、練習がしっかり実るように来週もやっていきたいと思います。
――前半は後半と比べると4点にとどまってしまいましたが
ことしのチームはスロースターターと呼ばれていて、前半は点数が入りにくくなっています。秋リーグもそこは課題として残っているかなと思います。しっかりとアップを早めから始めて身体の状態を上げておきたいです。また、後半にゴールが入った理由として、ゴール前を固めていたことがあると思うので、前半からもっと詰め切れるようにすれば点数が前半から入りやすくなると思います。
――後半得点が伸びましたが、特に良くなったポイントはありますか
チームとして、右からの攻撃をしようとしています。前半は、右からボールをゴール前に入れたときに、逆サイドに味方がいない場面が多かったです。しかし後半は、入って行ったときに逆サイドにしっかりと味方がいて、そこから詰め切って入れるという、自分たちがやりたいホッケーの形ができました。それが8点という大量得点につながったのかなと思います。
――秋季リーグ、チームとしての目標はありますか
春からやってきた右攻めや、得点力を上げること、また、山梨学院大と同じという厳しいリーグですが、得点力を上げることは大切だと思うので、しっかり点を決め切れるようにしていくということが目標に挙げられると思います。
――次戦の慶大戦への意気込みをお願いします
慶應は早稲田を強く意識していて、ガツガツしたチームです。フェアプレーを意識し、相手に引っかからないように、パスを回してシュートを決められるようにしたいです。早稲田らしいプレーをすれば点数を取れるチームだと思うので、そこをこの1週間で意識して練習して、こだわっていきたいと思います。