宿敵相手に健闘、チームの成長を感じる試合に

女子ホッケー

 ここまで予選リーグで2勝を挙げている早大は、同じく2勝で並ぶ宿敵・駿河台大との戦いに臨んだ。試合は開始早々に先制を許す苦しい展開に。しかし、前半のうちに同点に追いつき試合を振り出しに戻す。後半は相手の素早い攻撃を受けるが、必死の守備で応戦してゴールを死守。少ないチャンスを決め切ることができず引き分けとなったが、ここ数年敗北を喫していた相手に対して健闘した。

 開始早々に試合は動いた。早大が課題としている立ち上がりに失点。その後も素早いパスで前線へと攻め込まれ、苦戦を強いられる。それでもDF片倉優季(スポ1=山形・米沢商)を中心に集中した守備を見せ、ゴールは割らせない。すると25分、パスを受けたDF瀧澤璃菜(スポ2=岩手・沼宮内)が中央から狙いをすましてシュート。これが決まり、試合を振り出しに戻す。その後は立て続けにペナルティーコーナー(PC)を奪われたが、DF陣の固いブロックによりピンチを切り抜け、1-1で前半を折り返す。

得点を決めた瀧澤

 迎えた後半は一進一退の攻防が続いた。GK南有紗(スポ3=埼玉・飯能)がファインセーブを見せると、DF村山侑季副将(スポ4=栃木・今市)もゴール前でパスカット。相手のキーマンをマークするという考えを全員で共有し、守りを固めた。一方で攻撃ではFW井上燦(スポ3=福岡・玄界)やDF藤本晴菜(スポ4=栃木・今市)が前線へと駆け上がって好機を演出。攻守がめまぐるしく入れ替わる中で、早大はハードワークを続けた。すると終了間際、ゴール前で絶好のチャンスを迎える。しかし混戦の中で決め切ることはできず、惜しくも同点で試合を終えた。

守備で活躍を見せた村山副将

 「しっかりと戦えるということがわかったゲームでした」とMF小澤眞帆主将(教4=埼玉・飯能)が語るように、駿河台大との差は確実に縮まってきている。一対一の場面でも決して負けておらず、勝機があっただけに少ないチャンスを決め切ることができなかった点が悔やまれる試合となった。この結果、早大の予選リーグの成績は2勝1引き分け。得失点差でBプール2位となり、次はAプール1位通過の山梨学院大との戦いに挑む。「きょうのゲームでできたところは引き続きやって、課題は次の試合で克服して絶対に勝ちたい」(南)。絶対女王相手にどこまで食らいつけるか。成長したチームの姿を次週も見せてほしい。

(記事 大森葵、写真 中村ちひろ)

春季関東学生リーグ
早大 1-1
0-0
駿河台大
コメント

安岡裕美子監督(平16卒)

――引き分けという結果となりましたが、この結果をどのように受け止めていますか

リーグ戦の上位に入るためには勝たなければいけなかったのですが、勝てるチャンスもあったので悔しい試合になったかなと思います。

――序盤に先制をされてから追いつくという展開でしたが試合を振り返っていかがでしょうか

点を取り返すことができた点はとても大きかったと思うのですが、後半にも得点チャンスがあったので、そこで決められたらよかったですね。

――守備に関しては集中をして守っている印象でした

そうですね。全体的に集中してやっていたと思うのですが、カウンターを受けて人数が少ない時に難しかったのかなと思います。

――次は強豪の山梨学院大戦となりますがどのような対策をしていきますか

守備を固めて、右サイドからの攻めはうちの強みとしてやっているので、カウンターを狙っていきたいと思います。

MF小澤眞帆主将(教4=埼玉・飯能)

――引き分けという結果をどのように受け止めていますか

得失点差の関係で絶対に勝たなければいけないというゲームだったので、満足はできていないですね。

――試合を全体的に振り返ってみていかがですか

最初に点を取られてしまったのですが、しっかりと前半のうちに追いつくことができたと思います。(駿河台大相手に)しっかりと戦えるということがわかったというゲームだったと思います。

――きょうの駿河台大戦のためにどのような対策をしてきましたか

みんなでビデオをしっかりと見て研究をしてきました。また、相手のキープレーヤーを抑えようという考えはみんなで共有できていたと思います。

――相手は個の力も強かったと思いますが、実際戦ってみて手ごたえも感じたのではないでしょうか

そうですね。一対一で負けるというシーンもきょうはあまり見られなかったと思うので、こっちも個人の力が上がってきているなと感じます。全員が勝てているわけではありませんが、みんなが成長しているなというのがわかりました。

――守備の面ではしっかりと集中をして、はじき返している印象がありました

最初の5分はとりあえず落ち着くという意味で、すぐカットでいいよということを決めていたので、落ち着いてみんなできていたと思います。

――攻撃に関しては最後に惜しいシーンもありましたね

ちょっと決め切りたいところがあったのですが、決め切ることができなくて申し訳ない気持ちでいっぱいです。

――次の試合に向けての意気込みをお願いします

次は山梨学院大で、やはりまたスピードがある試合になると思います。この一週間でしっかりビデオを見て研究して、その相手チームに適応したゲームができるようにしたいと思います。

GK南有紗(スポ3=埼玉・飯能)

――きょうの試合全体を振り返ってみていかがですか

きのうのミーティングで、立ち上がりの失点というのがワセダの課題と言っていたのですが、前半5分以内に失点してしまったので、そこはダメだった点です。全体としては、そのあと1点を取り返せたことがすごく大きかったと思っています。

――序盤の失点シーンを振り返ってみていかがですか

自分の中で一番課題としていた時間帯だったのですが、自分の一瞬の油断で入ってしまったので、申し訳ないという気持ちと、この後は絶対に失点しないということは思いました。

――その後はファインセーブをたくさん見せていました

危ない場面をつくって、自分がぎりぎり防いでというのが結構あったと思うので、もっと安定したプレーができたらいいなというのはあります。

――今回の駿河台大戦に向けた対策を練っていたと伺いました。どれくらいできましたか

本当は点を取って、自分たちは無失点で抑えて勝ちたかったのですが、それができなかったので、作戦がうまくいったのは7割とか6割くらいかなという感じです。

――個の力が強い駿河台大相手に引き分けたことに関してはどのように捉えますか

今まで自分が試合をした中で引き分けたことがなかったので、それはすごくうれしかったし、チームが成長したのかなと思った点です。次は無失点に抑えて勝つということを考えて、それを目標にしたいなと思います。

――次の山梨学院大戦に向けての意気込みをお願いします

昨年の春もぎりぎり1点差で負けてという相手だったので、ことしはきょうのゲームでできたいいところは引き続きやって、課題は次の試合で克服できるように絶対に勝ちたいなと思います。

DF瀧澤璃菜(スポ2=岩手・沼宮内)

――きょうの試合はどのような意気込みで臨みましたか

昨年の試合で駿河台大と練習試合をさせていただいたときは、正直自分たちよりも上のチームだなと思って、実力的にも上だなと感じていました。ことしに入って練習試合をさせていただいたとき、競った展開ができたりとか攻撃できたりする場面があって、少し手応えがあったと感じていたので、今回は勝つつもりで臨みました。

――1得点目を決められていました。振り返ってみていかがですか

自分たちのチームは、立ち上がりはエンジンがかかるのが遅くて、練習試合も含めてなのですが、前半が始まって5分以内に決められることが多かったです。それを無失点にしよう、なんとか5分とか10分の間は決められないようにしようと言っていて、そこから打てるチャンスがあったらどんどん打っていこうと言っていたので、いいところにパスが来てそれをとにかくゴールに打ち込むという気持ちでやりました。

――個の力が強い駿河台大相手に引き分けたことに関してはどのように捉えますか

まず、相手の主力の4番の小川さんにボールを持たせてしまうとドリブルもうまいですしパスワークもすごく上手なので、中に打ち込まれたりすると一気に相手の一列目につながったりしてしまいます。それがないようにとにかくマークする子には内側に立って、内側を打たせないようにしてもらって、マンツーマンでその人に対してはやりました。

――きょうの一番の反省点はどこにあるとお考えですか

チャンスがあった中で決め切れなかったところが2本あったと思うので、チャンスがあったら絶対にその1点を決め切りたいなと思いました。

――次の試合への意気込みをお願いします

次の山梨学院大は王者で、自分たちは下から這い上がってくるチャレンジャーみたいな感じだと思うので、臆することなく自分たちの攻撃をしていきたいです。きょうだったら打ち込みやワンツーでサイドを崩していくことなど、駿河台大相手にもやったことを山梨学院大に対してもやりたいですし、やっぱり点を決めたいです。