惜敗するも善戦

女子ホッケー

 どんよりとした灰色の空の下行われた春季関東学生リーグ(春季リーグ戦)順位決定予選。相手は絶対女王である山梨学院大。試合前から予想された通り、絶え間ない相手の華麗な攻めに苦しめられる。厳しい状況の中、ワセダは観客が思わず声をあげてしまうような素晴らしい守備を見せ、強豪校に対して2失点に抑えた。結果は1-2。惜しくも下剋上とはならなかったものの、自信が得られた試合となった。

 序盤から容赦ない女王に防戦を強いられる。相手のFW陣はパスの正確さ・ドリブル力・スピードでワセダを圧倒し、一寸の隙も見せない。終始、自陣でのプレー。ここで守護神GK南有紗(スポ2=埼玉・飯能)が大いに存在感を発揮する。前半だけで6回ものペナルティーコーナー(PC)を許し、幾度となくゴールを狙われるも、身をていした守備で相手の気勢をそぐ。しかしDF陣から前線へのロングパスは、相手DFの素早く絶妙なカットに断ち切られ、守備から攻撃への展開ができない。シュートどころか相手陣のサークル内での攻撃も許されず、課題を残し前半を0-0で折り返す。

何度もファインセーブを見せた南

 後半も女王・山梨学院大は攻撃の手を緩めない。開始早々3分、遂にワセダの守備が崩された。PCからのシュートをまたも南が好セーブをするも、こぼれ球により失点。この失点により、攻撃陣のスイッチが入る。前半からの混戦に疲れを見せ始めた相手の隙につけこみ、徐々にロングパスが通るように。FW瀧澤育未(スポ3=滋賀・伊吹)を中心にドリブルで前進し、好機をうかがう。中盤、さらにPCからの1点を奪われるも、最後まで粘りのホッケーを見せるワセダ。そして試合終了まで残り10分、ようやくPCを獲得する。フェイントで相手を惑わしたところをFB瀧澤璃菜(スポ1=岩手・沼宮内)がシュート。その跳ね返りをFB藤本晴菜(スポ3=栃木・今市)が落ち着いて決め1点を返す。

守備の中心として活躍した八木澤

 前後半70分のほとんどを守りに徹するという、一瞬の油断も辞せぬゲームとなった。試合は1-2と勝利を逃す結果に。しかしながら相手は、関東では負けなしの山梨学院大。前半を無失点に抑え、試合終了間際まで諦めず、わずかなチャンスに必死に食らいつき、後半には1点を奪い返した。堂々たる試合内容であろう。これはFB八木澤江里主将(スポ4=栃木・今市)の「強い気持ちでチーム一丸となって戦っていた」という言葉通り、部員たちの勝ちへの強いこだわりが導いた結果である。次戦はワセダが苦手とする駿河台大との3位決定戦。全員ホッケーでの勝利に期待が膨らむ。

(記事 戸出彩水、写真 中村ちひろ)

春季関東学生リーグ
早大 0-0
1-2
山梨学院大
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コメント

FB八木澤江里主将(スポ4=栃木・今市)

――山梨学院大との順位決定予選となりましたがどのような意気込みで試合に臨みましたか

山学(山梨学院大)は全国的にも強いチームなので、下剋上という感じで試合に臨みました。

――きょうの試合を振り返って

前半は0ー0で折り返すことができて後半も粘れるかなと思ったのですが、ちょっとした気の緩みがあって、その部分に関しては反省点ではあります。しかし粘ってワンチャンスを決めて1点取ることができた点に関しては、自分たちの自信になったと思います。

――前半を0点で抑えたことについて

強い気持ちがみんなにあったので、そこはチーム一丸となって頑張っていたなと思います。

――後半はペナルティコーナー(PC)からの2失点となりました

やはり失点してしまうと自分たちの気持ちも落ち込んでしまうので、相手の方がそういう面では気持ちの切り替えが少し上でした。

――それでも少ないチャンスをものにして、PCから1点決まりましたね

やはり攻める回数が少ない分、少ないところで決めなければいけなかったので、そのワンチャンスを生かして決めることができたのは良かったと思います。

――きょうは前後半を通して集中して守備をしている印象がありました

ポジション的にもディフェンスを固くしたので、その面では守れたかなと思います。

――収穫と課題は

1点決めることができて、全国上位の山学にも自分たちのプレーが通用して、(自分たちが)全国的にも通用するということが分かったので、そこは収穫です。しかし失点してしまうということは自分たちの気の緩みだと思っているので、その点は反省するべきだと感じています。

――次は3、4位決定戦となりますが、意気込みをお願いします

次は駿河台大との試合になるので、ここで勝ちにいって3位を目指して頑張ります。

FW瀧澤育未(スポ3=滋賀・伊吹)

――山梨学院大との順位決定予選を振り返って

あともう少しで勝てた試合だったので、本当に悔しいです。チャンスメイクを積極的につくれなかったことが反省点だと思います。

――前線から見たワセダのDF陣の印象は

体全体でゴールを絶対に守ろうとしている気迫がすごく伝わってきて、自分もFWとしてチームに少しでも貢献しなければならないと真摯に感じました。

――山学(山梨学院大)のDF陣について

フィジカルが強くて、きっちりと抜ききれませんでした。

――試合前から意識していたことは

山学は強豪校なので、胸を借りるつもりでとにかく一生懸命プレーしようと試合に臨みました。

――次戦の3位決定戦について

駿河台は相性が悪いチームなので、気を引き締めてまた臨みたいです。

GK南有紗(スポ2=埼玉・飯能)

――強豪・山梨学院大との試合でしたがどのような意気込みで臨みましたか

きょねんの春も1点差の惜しいゲームだったので、気持ちで負けないように絶対に勝つぞという気持ちで臨みました。

――実際に戦ってみていかがでしたか

全体的にチームの雰囲気がすごく良くて、相手に対してひるんだりせずどんどん攻めていけたので、すごく良いゲームだったなと思います。

――試合中はどのような指示を出していたのですか

自分たちが守るときは絶対守りきるぞということを多く言って、DFに具体的な指示を出すことを意識していたのと、全体的には良い雰囲気になるようにできるだけ誉めて盛り上げるように声を出していました。

――何度もファインセーブをしていましたが、振り返ってみていかがですか

本当に危ない場面で何回もギリギリ守ることができたので、チームが安定できるような、もっと確実なセーブをこれからしていきたいと思いました。

――きょうの試合で良かった点は

関東1位の相手に1点取れて、すごくチームが盛り上がったことが良かったです。また、失点した後も全体的に落ち込まないですぐ切り替えることができたので良かったと思います。

――収穫は

全体としては関東1位の相手でも大きな力の差があるわけではなく、対等に戦えるということが分かったことと、自分としてはチームの助けもあってきちんと守れるということが分かったので、それが収穫だったかなと思います。

――きょうの試合はご自身の中では何点と評価しますか

良かったのですが、勝ちきれなかったということと同点に持ち込めなかったことを合わせて、70点か80点くらいです。

――次戦への意気込みをお願いします

次は駿河台大戦で、ずっと負けている相手なので、きょうみたいに良いゲームをして最後結果が絶対に出せるようにしたいです。勝てるチームだと思うので、自信をもって臨みたいと思います。