伝統の一戦を勝利で飾る

女子ホッケー

 ことしで第22回を迎える早慶女子定期戦。伝統の一戦を観に、両校応援席を埋め尽くす多くの観客が集まった。試合は序盤から早大ペース。前線からのディフェンス、素早い動き出しで得点を積み重ねる。後半もFW瀧澤育未(スポ2=滋賀・伊吹)を中心に相手ゴールに迫り6-1。通算で勝ち越している覇者・早大がことしも勝利を収めた。

 前半開始早々、ペナルティーコーナー(PC)を獲得しチャンスを作るも得点にはならず。しかしFB藤本晴菜(スポ2=栃木・今市)の痛烈なシュートを起点に、ゴール前の混戦を制し先制点を奪取した。このまま流れに乗りたい早大は11分、FW青山睦実(スポ4=名古屋・向陽)がサイドから突破し、クロスに合わせたのはFW井上燦(スポ1=福岡・玄界)。スピード生かした攻撃で相手ディフェンスを翻弄(ほんろう)する。さらに2点を追加し、『紺碧の空』で盛り上がる応援席。その後も何度か攻め込むが、「絶対的な場面で決めきれなかった」(瀧澤)と慶大の固い守りに更なる追加点は奪えず。4-0で前半を折り返す。

攻めの姿勢を崩さない高橋主将

 後半も早大の攻撃は止まらない。サークル内に何度も進入しシュートを放つ。計7回のPCを得るが、相手GKの好セーブで得点には結びつかず。両サイドのスペースを使い幅広いホッケーをする早大だが、相手DFの体を張った守備になかなかゴールが奪えない。逆にファールで相手にチャンスを与えてしまう場面も。そして、このままでは終われないと陸の王者も意地を見せる。後半26分、軌道が変わった浮き球が自陣ゴールに突き刺さり、痛恨の1点を許す。しかし、反撃はそこまで。その後はDFラインの落ち着いた対応で、相手に詰め寄る隙をあたえず。後半も終了間際に得点を重ね、6-1と快勝した。

笑顔で早慶定期戦を締めくくった

 インカレでは悔しい結果となった早大にとって、次のリーグ戦へ向けて流れを変える大きな勝利となった。両校ともに見せ場を作り会場を沸かせたこの定期戦。改めてお互いの雄姿に励まされた一戦であった。きょうの試合を境に早大、慶大ともに残りのリーグ戦での健闘を期待したい。

(記事 難波亮誠、写真 田島光一郎)

早慶定期戦
早大 4-0
2-1
慶大
コメント

MF高橋可奈主将(スポ4=栃木・今市)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

定期戦ではありますが、伝統の一戦ということで、また私たちがホームでできる最後の試合でした。早慶戦となるといつもの練習試合のようには点が入らなかったりするなど、雰囲気が悪くなってしまうことが多くなってしまうのですが、ことしは序盤から点数が入ったので良かったなと思います。

――早慶戦ということでしたがどのようなところを意識して試合に入りましたか

向こうも早慶戦となるといつもと違ってガツガツくるプレースタイルになると思いました。私たちはそういうプレーが苦手だったので、自分たちのペースに持っていこうと話していました。

――前半からリードを奪い優勢に試合を運びましたね

自分が4年間やってきた中で一番余裕がある、自分たちが楽しんでプレーができたのがことしだったのかなと思います。

――高橋選手は最後の早慶戦になりましたがいかがでしたか

毎年苦しんだり、きょねんまではこれが引退試合になっていました。ことしは引退試合ではないにしても、ここで勝ちにこだわるというのは私たちにとっても大きな課題でもあったので、6-1で1失点してしまったものの6得点できたというのは終わり方としてはすごく良かったのかなと思います。

――次戦に向けて意気込みをお願いします。

ことしは2位以上を目指してやってきたのですが、駿河台大に敗れてしまって、なかなか難しい時期もあったと思うのですが、そこを乗り越えてやってきたと思っているので、3位決定戦はきっちり3位と4位の差を見せつけられるような試合にしたいと思います。

FW瀧澤育未(スポ2=滋賀・伊吹)

――早慶戦へのいきごみは

慶應は早慶戦になると普段とは違う、がつがつしたチームになりとても強くなってくるので、油断せずに勝ちに行こうという意気込みで臨みました。

――実際に戦ってみていかがでしたか

やはり、がつがつきて苦しむ場面もありました。最初から点を取りに行けたのは良かったと思います。

――ご自身のプレーを振り返って

絶対的なシーンで点を決めきれなかったのが残念です。後ろがしっかり守ってくれているから前が安心して攻められるのだと、きょう改めて感じました。

――次の試合に向けてどのような準備を

次の試合は今年最後の試合になるので、良い形で4年生を送り出したいと思います。