多くの主力選手が卒業し、新体制となって迎えた春季関東学生リーグ。今後の戦いを占う意味でも重要視される初戦は、成城大との対決。試合はMF高橋可奈(スポ3=栃木・今市)が6得点をあげる活躍を見せたのを始めとして、最後まで相手を寄せ付けず。最終的に9-0と大差をつけ今季の初陣を飾った。
試合開始早々、ルーキー・FW瀧澤育未(スポ1=滋賀・伊吹)が果敢に攻め上がり、シュートを放つ。惜しくもゴールを捉えることはできなかったが、早大に流れを作った。その後も早大ペースで試合が進む中、迎えた前半9分。瀧澤がゴール前の混戦を押し込み、先制点をあげた。これを皮切りとして早大の得点が続く。同11分には高橋のミドルシュートがゴールネットを揺らし、その2分後には再び高橋が冷静にゴールを決めた。早大が試合の主導権を握る中、初めてピンチが訪れる。同18分、相手にペナルティーコーナー(PC)を献上。シュートを放たれるも、危なげなく対応した。その後、前半終盤には高橋がこの日3点目をあげ、早くもハットトリックを達成。スコアを4-0としてゲームを折り返した。
この日6得点を挙げた高橋
前半の勢いそのままに、後半開始早々に猛攻を見せる。早大の攻撃陣が何度も相手ゴール前に襲い掛かり、流れの中から高橋が2点を奪取。相手を大きく突き放したが、早大は攻撃の手を緩めることはない。後半28分にDF小澤眞帆(教1=埼玉・飯能)が放った力強いシュートは、キーパーに当たりながらもゴールへと吸い込まれた。試合終了間際にはPCからDF荒川知里(スポ3=島根・横田)が得点。最後まで相手を圧倒し9-0で試合を終えた。
1年生ながら活躍が光った瀧澤
完封で大量得点という結果にも「出来れば2桁取りたかった」(DF三柴明日香、文4=東京・鴎友学園)と反省の言葉を口にした選手たち。この発言からも、早大が目指す所の高さがうかがえる。次戦の相手は宿敵・駿河台大。早大が高みをねらう上で、乗り越えなければならない相手だ。果たして成長した姿を見せつけることはできるのか。来週早大の真価が問われる。
(記事 近藤万里奈、写真 岩本剛志)
結果
○早大 9-0成城大
【得点者】(早大) 前半9分・瀧澤 前半11分、13分、29分、後半1分、7分、33分・高橋 後半28分・小澤 後半36分・荒川
コメント
澤谷保典監督(明大OB)
――今季初めての試合でしたが、どのようにこの試合に臨まれましたか
リーグ戦初戦でみんな緊張していたので、楽に戦ってもらえばそれでいいかなと思っていました。普通にやれば、負ける相手ではないので、どれだけリラックスしてやれるかというところで指示を出しました。
――きょうは9-0という結果でしたが
点差については特に指示は出していないのですが、内容にこだわって指示はしました。どちらにしても次の試合が山になるので、そこに向けて自分たちでどこまで高められるかということを課題にしてやりました。
――新しく入ってきた1年生についてはいかがですか
1年生はのびのびやってくれれば、みんないい選手なので、しっかりうまくなるようにこちらも指導して、あとは彼女たちが一生懸命やってくれると思うので、型にはまることなくやってもらえばそれでいいかなと思います。
――去年の4年生が抜けた穴は大きいでしょうか
正直いたいのはいたいですけど、代わりに新戦力が頑張ってくれるので、そこは問題ないかなと思います。
――今リーグを通しての目標は何でしょう
リーグ戦決勝進出することを目標に今季もやっていきます。あとは全国大会に関してはベスト4以上を狙う形でみんなで一生懸命やろうと目標を立てています。
――次戦に向けての意気込みをお願いします
ずっと負けている相手ですが、駿河台に勝たないと先はないと思うので、なんとか勝って、決勝に行きたいと思います。
GK堀部晶瑠主将(スポ4=大阪・羽衣学園)
――開幕戦を終えた率直な感想は
新チームが始動したばかりだったのでうまく戦えるか不安だったんですけど、得点も取れて初戦にしてはいい感じだったのではないかと思います。
――どのような気持ちで試合に臨みましたか
今後、得失点差が関係してくるのでとにかく点を取ろうという気持ちでみんなで頑張りました。
――守備面について
最初ミスが少し目立ってしまったので、もう少し選手間で細かい声をかけていけばよかったなと反省しています。
――これまで重点的に取り組んできたことは
このチームはこれまで得点があまり取れなかったので、シュート練習を多めにやってきました。ディフェンスはアウトレットをしっかり完成させるように練習してきました。
――春季リーグ戦での目標をお願いします
いままでもそうだったんですけど、まずは駿河台大に勝てるように頑張りたいです。
DF三柴明日香副将(文4=東京・鴎友学園)
――初戦ということでしたが、試合前はどのような意識でしたか
初戦をしっかり勝ちきるというのを目標にして、来週の駿河台大戦に向けてしっかり弾みをつけようと考えていました。
――相手は昇格してきた成城大ということでしたが
とにかく来週につなげるという意識を持っていたので、まずは自分たちの形を試そうと思ってやっていました。
――結果、9-0という結果でした。全体的に振り返って
あとで得失点差も絡んでくるので、出来れば2桁取りたかったんですけど、そこを取りきれなかったのが残念です。
――途中からの出場ということでした、ご自身のプレーを振り返って
もう少しラインが上げられるところは上げるというのは意識して枚数を多くして攻められれば良かったなと思います。
――次は強豪の駿河台大ということですが、それに向けて
どんな形でも良いので、とりあえず勝つことを目標に今までやってきたので、まず勝ち切れるようにがむしゃらにやりたいと思います。
――最後に1年間の抱負をお願いします
いま新入生も入ってきてチームとしてはまとまってきたなと思うので、しっかり1年間通して失速することがないように、皆でモチベーションを保って笑顔で終われるように頑張りたいと思います。
MF高橋可奈(スポ3=栃木・今市)
――きょうの試合を振り返って
目標にしているのが来週の駿河台大になるので、この試合はそれのための調整という形でした。初戦ということで波に乗れるようにやっていこうというのをずっと言っていて。もう少し全体で点数が取れたらよかったんですけど、悪いスタートではないかなと。次につながるいい試合だったかなとは思います。
――6得点をあげる活躍でした
攻めに関して今まで得意としていなかったので自分の自信にもつながりました。自分でも6点も取ったのは初めてだったので。でももう少し決められるところはあったと思うんで、修正していきたいなと思います。
――完封勝利でしたがディフェンスの方はどうでしたか
来週の相手を想定すると自分たちのラインを作ることやミッドフィルダーにつなぐのが遅かったりとか、課題点はまだたくさんあります。来週はプレスが早いチームとやるので、来週までに修正できればいいなと。きょうは相手に合わせすぎたという感じがあったかなと思います。
――次戦への意気込みを教えてください
ずっと目標にしていた駿河台大との試合が来週あるので、二人しかいない4年生にとっていい試合になるように頑張っていきたいと思います。
DF荒川知里(スポ3=島根・横田)
――今日の試合を振り返っていかがですか
初戦で勝ちきれたという事は良かったですが、自分たちの目指しているところはもっと上なのでそれに合わせた試合ができればさらに良かったのではないかと思いました。
――今シーズンの開幕でしたがどのような意気込みで試合に臨まれましたか
とりあえずしっかり得点を取って自分達のプレーをしていこうと思っていました。
――9-0というスコアはチームとしてみていかがですか
シュート数もかなり多かったですし、サークルにも何回も入れたのでもっともっと点数は取れたのではないかと思います。
――相手キーパーのファインプレーにゴール阻まれた場面が多く見られましたが
キーパーのファインプレーに見えますが、自分たちがシュートをど真ん中に打ってしまっている事が(得点を阻まれた)原因だと思います。コースを狙ったり、真ん中を狙ったならリバウンドをしっかり決めきるなどができなかった自分たちのミスなので、ファインプレーとは思っていません。
――点を与えなかった守備に関してはいかがですか
フォアードの人が前にどんどん攻めていって後ろに相手をこさせる事があまりなかったので良かったです。
――9点目はなかなか点が取れなかったPCからの得点でしたが
笛がなっていて最後のプレーだったのですが、ここで最後しっかり取りたいと思った中で決められたので個人的にはとてもうれしいですし、チームとしても良かったです。
――次の試合に向けて一言お願いします
次の試合はあまり勝てていない駿河大ですが、自分たちは駿河大に勝つ事を目標にしてやって来たのでしっかり勝ちきってリーグ戦を終わりにしたいと思います。
DF八木澤江里(スポ2=栃木・今市)
――きょうの試合を振り返ってください
練習では合わなかったこともあったが、きょうの試合でだいたいの雰囲気やボールつなぎがわかってきた。今回は勝てたのですが、まだまだだと思うので、来週の試合に向けてまたみんなで頑張って練習していきたいです。
――今シーズンを迎えるにあたり、どのような練習を積んできましたか
パスを強く出せる練習をしたり、新1年生が5人入ってきたのでチーム一丸となれるようにチームワークを大切にして練習してきました。
――その結果、9-0という結果になりましたが手応えは感じていますか
はい。いつもより点数を取ることができたので次もこの調子で頑張りたいです。
――次戦に向けて抱負をお願いします
まずは声掛けが一番大切なので、盛り上げながらもワセダのプレーをしっかりやっていけたらと思います。
FW瀧澤育未(スポ1=滋賀・伊吹)
――入学後初の公式戦でしたがいかがでしたか
緊張して、なかなか自分のプレーができなかったんですけど、次からはもっと自分の力を出して点をとれるように頑張ります。
――初得点もあげましたが
でも、もっと決めきらないといけないところがあったので、これから頑張っていきます。
――ご自身の持ち味は何でしょう
ドリブルが人とタイミングが少し違うので、そこを活かして人をかわして行ってシュートまでいけることです。
――ワセダのホッケー部の雰囲気はどうですか
すごく明るくて楽しくホッケーをさしてもらってます。高校はとても厳しいなかで練習してきたので、すごい自分の持ち味が出しやすい雰囲気でプレーさしてもらっていると思います。
――きょうの試合では9点とって、0点に抑えたというのは良かったのでは
はい。これからもこの勢いで勝ち進んでいけたらいいと思います。
――最後にこのリーグ戦での抱負をお願いします
絶対に駿河台大に勝って決勝に行けるように頑張るので応援よろしくお願いします。
DF小澤眞帆(教1=埼玉・飯能)
――きょう開幕しましたが、感想を
やはり、大学生は高校生とスピードとパワーが違ったので、最初は緊張しました。けれど、(試合を)やっていくうちに、だんだん適応できるようになり、楽しく試合を行えました。
――意気込みは
初めての試合だったので、チームに貢献できるようなプレーが出来たらいいと思っていました。
――試合内容を振り返って
もっと(シュートが)入るチャンスがあったと思うので、次の試合も積極的にシュートを打っていきたいと思います。
――大学と高校の違いとは
やはり、スピードとパワーが全然違うと思いました。
――ワセダの一員として、これからの意気込みをお願いします
チームの一員として貢献できるようなプレーを出来るようになることと、個人としても実力をつけて目立つプレーヤーになりたいと思います。