女王相手に善戦

女子ホッケー

 前回、目標としていた駿河台大戦で敗れ、肩を落とした早大。その結果を受け、この日行われた春季関東学生リーグ(春季リーグ戦)順位決定戦予選。相手は山梨学院大だ。関東学生リーグ戦215連勝中という驚異的な記録を有する女王に早大は苦戦を強いられ、前半だけで3失点を許してしまう。しかし後半に入ると、自分たちの持ち味である素早いパスを駆使し反撃。2点をもぎ取った。惜しくもあと1点が届かず、2-3で黒星を喫するも、大健闘。試合後、選手たちの表情は晴れやかだった。

 開始早々より早大は厳しい展開に持ち込まれる。まずは9分、山梨学院大にペナルティーコーナー(PC)を堅実に決められ、先制される。その後もサークル内の混戦を抜けだされ、失点。悪い流れを断ち切ろうと、早大はFW青山睦実(スポ4=愛知・向陽)、FW瀧澤育未(スポ2=滋賀・伊吹)、そしてMF高橋可奈主将(スポ4=栃木・今市)を中心に攻め立てるが、相手DFの執拗なチェックに合い、なかなか得点には結びつかず。一方、守備陣もGK南有紗(スポ1=埼玉・飯能)、FB長谷川彩花(スポ4=富山・石動)、FB片柳陽加(スポ1=栃木・今市)らが必死に相手の追撃を振り切ろうとするも、24分、とうとうダメ押しの1点を奪われる。0-3。この点差を埋めることができないまま、前半を折り返した。

果敢な守備を見せる片柳

 山梨学院大に一矢報いようと、早大は後半、より積極的なパス回しを繰り広げる。これが功を奏したのか、7分。ゴール内でパスを受けたFW柏戸萌子(商3=東京・西)が相手GKのブロッキングを押し切り、ネットを揺らす。ガッツ溢れるプレーがチームに待望の1点をもたらした。勢いに乗る早大はその後も素早い連携を中心に相手のゴールを脅かす。そして18分、ついにPCを得る。このチャンスをものにしたのはFB八木澤江里(スポ3=栃木・今市)。痛烈な打球を放つと、ボールは相手DFに当たり、そのままゴールに吸い込まれた。貴重な追加点を手にするが、人数が少ないチーム事情が影響し、徐々に疲れの色が見え始める。しかしながら、チーム一丸となり、走ることをやめない早大。最後の瞬間まで守りぬき、後半を無失点に抑える。守備で手一杯なのか、結局追いつくことはできなかったものの、女王相手に讃えられるべき大善戦を演じた。

見事得点を奪取した柏戸

 試合後、選手たちの間には笑顔が咲いていた。高橋も、きょうのゲーム内容について「私たちのチームがどれだけやれるのかを見せつけることができた」と語っている。チームにとって、大きな収穫を得ることができたこの試合。早大はこれからも成長し続ける。宿敵へのリベンジの日まで――。まずは目先の慶大戦を制し、春季リーグ戦を3位で終えることを目指す。

(記事、写真 落合修平)

春季関東学生リーグ
早大 0-3
2-0
山梨学院大
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コメント

安岡裕美子監督(平16卒)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

前半で多く失点したのですが、後半に2点取り返せたというのは、大きな成長だと思います。

――前回の駿河台大戦から変更した点はありますか

大きな変更はしていませんが、マークの部分などを意識するよう指示しました。

――ここまでのリーグ戦を振り返っていかがですか

駿河台大戦は思うような試合ができなかったのですが、それ以外の試合では自分たちのプレーができていましたね。

――次戦の意気込みをお願いします

次は3位決定戦となってしまうのですが、相手が慶大ということもあり、しっかり勝ちたいと思います。

MF高橋可奈主将(スポ4=栃木・今市)

――きょうの結果についてどう思われますか

先日、目標としていた駿河台大戦で敗れてしまったので、まだ気持ちの切り替えができずにいました。また、きょうの相手が強豪校なので、なかなか自分たちのリズムが掴めないのだろうとも思っていました。しかしながら、今まで自分たちが意識していた「パスで繋ぐこと」を上手く活かせたことがこの結果に繋がったのではないかな、と思います。前回と比べると、自分たちのパスのリズムを無理矢理作りにいったことが、結果的には成功しました。

――次戦に向けての気持ちをお願いします

前回の駿河台大戦の大敗の一番の原因は、自分たちのリズムを作ることができなかったことにあると思っています。きょうの試合では、私たちのチームがどれだけやれるのかを見せつけることができました。なので、この良いリズムを一週間後まで保ち、3位と4位の差を見せられるような試合をしたいと思っています。