女王・山梨学院大の牙城を崩せず初戦敗退

女子ホッケー

 ついに全日本学生選手権(インカレ)が開幕した。初戦の相手は、昨季の優勝校である山梨学院大。秋季関東学生リーグ(秋季リーグ戦)で苦杯を喫しているだけに雪辱を果たしたい早大だったが、前半から主導権を握られ失点を重ねる。後半に入ると相手ゴールに攻め込む場面も幾度となく見られたが得点にはつながらず。山梨学院大の固い守りの前に屈し、インカレを初戦敗退で終えた。

PCでは守備の良さが光った

 試合開始早々、ペナルティコーナー(PC)を与え先制点を奪われると、流れは一気に山梨学院大に傾く。素早いパスワークに翻ろうされ立て続けに失点し、前半20分までの時点で4点を追う苦しい展開に。この悪い流れを断ち切ったのがGK堀部晶瑠主将(スポ4=大阪・羽衣学園)だ。絶体絶命のここぞという場面で好セーブを連発。たびたびサークル内に攻め込まれるものの追加点を許さない。何としても点差を縮めたい早大はロングパスを駆使し前線につなごうとするがシュートまで持っていけず、無得点のまま前半を折り返した。

 山梨学院大のセンターパスで後半は開始した。6分、ドリブルする相手をMF小澤眞帆(教1=埼玉・飯能)が体を張って止め、相手のファールを誘い初めてPCを獲得。まずは1点返したいところだったが、シュートが浮き惜しくも得点には至らなかった。その後は相手の猛攻が再開。ディフェンス陣が奮起し攻撃をしのぎ続けたが、17分、PCで放たれたシュートがゴールの左隅に吸い込まれ、これで0-5。格上相手に果敢に攻め込んだが早大だが、最後まで相手のゴールポストを揺らすことはできず敗北した。

堅守をみせた長谷川

 2週連続で女王・山梨学院大に黒星を喫した早大。点差こそ開いたが、「点を取れそうな場面も多かった」と小澤は振り返る。実際に、粘り強いディフェンスから得点チャンスをつくり出したように、1週間前の試合から成長した姿を要所で見せた。1週間後には秋季リーグ戦の3位決定戦も控えている。FB荒川知里(スポ3=島根・横田)が「3位と4位の差は違うんだぞ、というところを見せつけたい」と意気込むように選手たちの気合は十分だ。必ずや3位を奪取し格の違いを見せつけるべく、次週、慶大戦に挑む。

(記事 加藤千暁、写真 石丸諒、角田望)

全日本学生選手権
早大 0-4
0-1

山梨学院大
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結果

○早大0-5山梨学院大

コメント

GK堀部晶瑠主将(スポ4=大阪・羽衣学園)

――きょうの試合を振り返って

先週に秋季リーグ戦で試合した時に結構失点をしてしまったので、前半は守備重視でいこうという感じでやりました。

――後半特にディフェンスが良く守っていましたがディフェンス全体としてはいかがですか

前半は守備重視でハーフプレスしていたんですけど、後半は点を取りにいこうということでいつもやっているプレスをしました。ハーフプレスよりはいつもやっているプレスの方が守りやすかったみたいなので失点は少なかったのかなと思います。

――ご自身のプレーを振り返ってみていかがですか

先週の秋季リーグ戦の試合でもPCからの失点が多かったので、PCの守り方は結構守備陣で話をしていたんですけど、一人ひとりが絶対止めようという気持ちでやったので抑えられたのかなと思います。

――2週連続で山梨学院大が相手でしたが何か心境の変化はありましたか

秋季リーグ戦では前半1対1といういい試合ができたので、今回もそれなりに戦えるとは思っていました。絶対に勝ちたいなとは思っていました。

――0-5という点差についてはいかがですか

秋季リーグ戦の時は攻め重視でやっていて多少リスクもあったので失点が多くなってしまったんですけど、きょうは最初は守備重視だったのでこんなもんかなあと思います。

――順位決定戦に向けて一言お願いします

きょうの全員が絶対勝ちたいとか抑えたいという気持ちを継続して次の試合でもやっていって、点差をつけたワセダらしい試合ができたらいいなと思います。

FB三柴明日香副将(文4=東京・鴎友学園)

――きょうの試合を振り返って、いかがですか

6日前に一回山梨学院大とやったので、その時より良い内容で試合をしたいというのが一番ありました。インカレはリーグ戦とは違って勝たないと上に行けないので、とにかく勝ちに行くという気持ちで臨みました。

――前回の山梨学院大戦からチームの方針として変えていったことはありますか

前半は完全に引いて守り重視でいきました。前回の試合では攻めに攻めてという形だったのですが、体力が持たないので。向こうは交代人数がいるのに対して、こっちはいないので、まずは守り重視でいこうという話でいきました。

――前半は4失点でしたが、後半は1失点に抑えることができました。意識したことはありますか

後半は攻めに行こうという形で、完全にプレスをかけに行ったので、引かないでプレスでどんどん切って行こうという形に変えました。

――攻撃面はいかがでしたか

前半は引いている分、1トップの形で1枚上に残して、ワンチャンスでなんとか点を取るというのを目指していたのですが、後半は完全に前に切りに行ったので細かいパスで短く繋いでいこうという形で攻めました。

――前回と比べてはどうですか

PCを一本しか取れなかったので、もう少しPCが取れればなというのはありました。

――次戦はリーグ戦の3位決定戦です。意気込みをお願いします

このチームで戦える最後の公式戦になるので、まずは勝ちきる、3位をしっかり確保すること。あとは早慶戦になるので、慶応にはやっぱり負けられないという気持ちがあるので、その次の定期戦に向けても良いスタートが切れるようにまずは勝ち切りたいと思います。

FB荒川知里(スポ3=島根・横田)

――きょうの試合を振り返ってみていかがですか

失点を防ぎたかったのですが、前半4失点もしてしまったので良くなかったんですが、後半は結構攻められていたのでその部分は良かったと思います。

――先週に続いて山梨学院大との試合だったのですが、先週と比べて違うところはありましたか

今回は守り重視のポジション取りにしたんで、前回の8失点と比べると3点ほど抑えることができたんですけど、その代わり1点取ることができなかったので、どこかで点を取れたらなと思います。

――全体的に守備面はどうでしたか

PCを多くとられてしまってそこから失点があって、フィールドゴールも多かったので。守れていたんですが最後踏ん張らないといけないところで失点してしまったので、粘り強くいくディフェンスができたらなと思います。

――前半と後半で攻め方が変わりましたが、ハーフタイムではどのようなことを話したのですか

失点をした分、勝ちにいくには点を取らなければいけないので。勝ちにいくということで、守り重視のポジション取りから攻め重視のポジション取りに変えようと話しました。

――攻撃面はどうでしたか

相手にプレッシャーをかけられていて、私から1本でフォワードにつなぐとか二列目につなぐとかしかなかったんですけど、最後のゴールまで行ききれていなかったです。PCも1回しか取れていなかったので、シュートを打って終わったりPCを取ったり、最後まで攻めることができたらなと思います。

――次戦に向けてどこを修正していきたいですか

守りもそうなんですが、点に絡むような守りや得点を取りにいかないと勝てないと思うので、攻め重視というか、得点にこだわっていけたらなと思います。

――3位決定戦に向けての意気込みをお願いします。

3位と4位の差は違うんだぞ、というところを見せつけたいので、大量得点で勝ちたいと思います。

FB長谷川彩花(スポ3=富山・石動)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

この前のリーグで対戦したときは先制点も1点決めましたが、そのあと8点決められていたので、きょうは失点を少なくすることを目標にみんな頑張りました。

――前半20分で4失点でしたが、前半振り返っていかがですか

ハーフプレスにしていたのですが、いつもやっていない形ということもあって、ばたばたしてしまった時もあったのですが、それを踏まえて後半立て直して攻めにいこうという気持ちでみんな戦えたと思います。たしかに前半の4点は大きかったですが、その分後半は良かったと思います。

――相手PCは良く止めていましたね

自分の守るべき場所があるのでそこだけはしっかり守ろうと思っていました。

――先週対戦したときと比べて感触はいかがでしたか

得点を決めたいというのもありましたが、いつもは1点決められちゃうとそのあとばたばたと決められてしまって、この前もそれで結局8点決められてしまったのですが、今回はフォワードからしっかり守れたと思います。

――あまりチャンスはありませんでしたが、オフェンスに関してはいかがでしたか

守りから攻めにつながるボールも少なくて、フォワードはよく走っていてくれたのですが、後ろからの押し上げをもっとできたら良かったと思います。

――次週はリーグ戦の3位決定戦で慶応と対戦しますが、意気込みをお願いします

慶応戦が11月にありますが、その前の試合ということで、慶応とワセダはこれだけ差があるんだというところを見せつけたいと思います。

FW瀧澤育未(スポ1=滋賀・伊吹)

――きょうの試合にどのような気持ちで臨みましたか

先週のリーグ戦では悔しい結果に終わってしまったので、前半は守備を重視して好機を伺おうとしました。

――きょうの試合全体を振り返っていかがでしたか

早大にとって、攻撃こそが最大の防御だと思います。なので、もう少し攻め重視でも良かったのかな、と思います。

――先週の山梨学院大戦と比べていかがでしたか

先週は前半から積極的に攻めた為に、後半は体力が持ちませんでした。一方、今週は前半を守備重視にしたので、全体を通して締まったプレーができましたね。

――自身のプレーを振り返っていかがでしたか

相手守備陣全員をドリブルで抜くことを個人的な目標としていました。フィールドの中央から切り込みましたが、あと一人を抜くことはできませんでしたね。悔しかったです。

――来週の秋季リーグ順位決定戦に向けての意気込みをお願いします

相手が慶大ということで、何としても勝ちたいです。また、ただ勝つだけでなく、自信になるようなプレーもしたいです。

MF小澤眞帆(教1=埼玉・飯能)

――きょうの試合に臨むにあたってのお気持ちをお願いします

先週戦って敗れた相手だったので、きょうも苦しいゲームになると思っていました。残念ながら思った通り苦しいゲームになってしまいましたが、点を取れそうな場面も多かったです。

――試合全体を通していかがでしたか

前半はいつもと少し形を変えたので、少しゴタゴタしてしまいましたね。そこが反省点だと思います。

――先週の山梨学院大との試合と比べていかがでしたか

後半はDFの方々が前で止めてくれたこともあり、よく粘ることができたと思います。フォーメーションをいきなり変えたので、向こうが上手く対応できなかったのかもしれませんね。

――自身のプレーを振り返っていかがでしたか

もう少しボールをキープできたら良かったな、と思います。

――きょうのプレーでは特に左サイドからの切り込みが光っていました。あのプレーについてはいかがでしたか

中へ切り込む時に、もっと上手く体を使えれば良かったと思います。まあ、最後は盛大に転びました(笑)。

――瀧澤さん(育未、スポ1=滋賀・伊吹)との連携でも良いプレーがありましたね

たまたま、一回だけですよ(笑)。ですが、今後はもっと練習して、上手く合わせられるように頑張りたいです。

――来週の秋季リーグ順位決定戦に向けての意気込みをお願いします

きょうの試合で点を取ることができなかった分、来週はシュートをたくさん決めたいと思います。