快勝も目標達成とはならず

女子ホッケー
 PCを高確率で決め喜ぶ選手たち

PCを高確率で決め喜ぶ選手たち

 秋季関東学生リーグ(秋季リーグ戦)初戦の立大戦では勝利を収めたものの、攻撃面の課題が露呈した早大。第二戦の相手も格下の成城大。ライバル・駿河台大との試合に向けて、弾みをつけたいところだ。試合はFB荒川知里(スポ3=島根・横田)のゴールを皮切りに終始早大ペースで進み、最終的に10-0。結果だけを見れば快勝だが、目標である15得点を達成することはできなかった。

 早々に試合は動いた。開始4分、猛攻により早大がペナルティーコーナー(PC)のチャンスを得る。ここで荒川は丁寧にシュートを決め先取点をもぎ取る。その後も積極的に攻め続け、8分と15分にはMF高橋可奈(スポ3=栃木・今市)がそれぞれPCを活かしてゴールネットを揺らす。また、要所ではFW瀧澤育未(スポ1=滋賀・伊吹)が華麗にパスをカットし、攻撃の起点となった。そして前半25分、再びPCを得ると荒川が相手ディフェンス陣の間を抜く痛烈なシュートを放ち、4点目を決める。以降も早大は攻撃の手を緩めないが、相手の必死のディフェンスに阻まれ、そのまま前半を折り返した。

球際の強さを見せた瀧澤

球際の強さを見せた瀧澤

 後半に入っても早大がボールを支配し続けた。まずは開始2分、PCで荒川が相手の堅いガードをもろともせずにゴールにねじ込む。その後も早大はゴールに襲いかかり、瀧澤がシュートを決める。ディフェンスをドリブルでかわしての見事なシュートだった。直後に得たPCのチャンスも高橋が確実にものにし、成城大の反撃の芽を摘む。そして後半17分、相手GKのこぼれ球を荒川がゴールに押し込む。荒川はその後も同じような形でゴールを決め、今日5得点の大活躍だった。終盤にはその荒川のシュートコースをMF小澤眞帆(教1=埼玉・飯能)が絶妙のスティックさばきでずらし、10点目を生み出す。そのまま早大はゴールを脅かされることなくタイムアップを迎えた。

 危なげない試合運びで2勝目を手にしたが、指揮官・選手達の顔はどこか晴れない。早大はきょうの試合で、目標を15得点としていたからだ。この高い目標は、ライバルである駿河台大に対する意識の表れだろう。来週はその駿河台大との対戦。長年の雪辱を果たし、春季リーグの3位よりも良い成績でシーズンを終えることができるか。

(記事 落合修平、写真 田島光一郎)

秋季関東学生リーグ
早大 10 4-0
6-0
成城大
得点者(早大)
前半4分、25分、後半2分、17分、26分・荒川、前半8分、15分、後半14分・高橋、後半7分・瀧澤、後半29分・小澤

コメント

澤谷保典監督(明大OB)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

きょうの試合も納得いっていません。選手が立てた目標は15点だったのですが、私もそのくらい取れるかなと思っていたので、そこに届かなかったのは残念かなと思います。

――攻撃面では課題は見えましたか

PCからの得点が多かったのですが、フィールドゴールでどれだけ取れるかがポイントだと思っているので、フィールドゴールが少なかったのが残念かなと思います。

――PCは精度が上がったように見えました。いかがですか

基本的なことを一つひとつもう一回一からやり直すという形で、出す人、止める人、打つ人はもう一回時間を割いて練習していたので、その辺の決定率は高かったかなと思います。

――ボール保持率も高かったですね

そうですね。相手が格下ということもあるので、あのような展開にはなると思いますが、問題は来週の駿河戦でどのように勝つかということなので。来週もあのぐらいの展開になればいいのですが、なかなか難しいかなと思うので。まあ、どこまでうちのホッケーができるかというところですかね。

――来週は守備面も重要になってくると思いますが、いかがですか

守備する時間はきょうよりも格段に長くなると思うので、どこまで集中力を切らさずに試合できるかですね。どういう展開になるかわかりませんけども、かなり厳しい戦いが予想されるので、そこで集中力切らさずというところですね。

――次の試合の目標はスコアというよりも絶対に勝つことですね

そうですね。どんな展開、内容問わず、とにかく勝つことですね。春は引き分けだったので、秋は春以上の戦いとなると勝つしかないので。

MF高橋可奈(スポ3=栃木・今市)

――きょうの試合を振り返ってみていかがですか

目標が29日、来週の駿河台大戦を目標としているので、そこを見ると、自分たちの形ってものがまだ完成してなくて、試合の中で調整することもできずに、あまり良い試合ではなかったかな、と思います。

――ご自身の出来はいかがでしたか

MFとしてパス回しをしないといけないところで自分で持ってしまったり、パスの精度が悪かったので、あまり良くはなかったです。

――今のチーム状態はどう思いますか

フィールドゴールがなくて、PCでしか点が取れていない状態で、そういう風に形を作ることができていない以上フィールドゴールも厳しいと思っているので、もう少しFWは決めきるということを中心にやっていかないといけないし、DFはもうすこしつなぐということを意識してやっていかないといけないと思います。

――来週の駿河台大戦ではどのように戦っていこうと考えていますか

春がリーグ戦で初めて引き分けることができたんですけど、自分たちが勝ちきるということと、最後のダメ押しができなかったので、自分たちの形を作っていくことが一番大事なことかな、と思いながら、勝つことを目標にやっていきたいと思います。

――次戦への意気込みをお願いします

関東リーグ制覇を目標にしていて、駿河台大に勝つこともひとつのステップで、その次のステップも見ていかないといけないので、次戦は勝ちにこだわりたいと思っているんですけど、ひとつのステップとして自分たちの力になれるような試合ができたらいいと思います。

FW瀧澤育未(スポ科1=滋賀・伊吹)

――きょうの試合に臨むにあたって、どのような気持ちでしたか

前回の試合ではあまり点を取ることができなかったので、目標を15点とし、少しでもショートコーナーを多くすることを意識して得点に結びつけようとしました。

――試合全体を振り返っていかがでしたか

目標を達成することができず悔しいですが、いつもより得点を多く取ることができたので良かったと思います。

――ゴールを決めた自身のプレーを振り返っていかがでしたか

あそこは絶対に決めなければならない場面だったので、落ち着いて決めました。でも、他にも決めなければならない場面があったので、次戦からしっかりと決めきりたいです。

――来週の駿河台大戦に向けての気持ちをお聞かせください

春季リーグでは引き分けという形に終わってしまったので、次こそは勝ちたいです。