東農大の攻撃に食い下がるも、今季最終戦を黒星で終える

男子ホッケー

9月に開幕した関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)もついに最終戦となった。途中で全日本学生選手権(インカレ)や早慶定期戦を挟み、チームの成長が著しい三か月間であった。そして、今試合を持って4年生は引退を迎えた。第1クオーター(Q)に2失点し追い込まれる中、第2QにFW平岩佑利(スポ4=奈良・天理)を起点として、MF山田和輝(創理3=東京・早大学院)とFW大島新(商4=東京・早大学院)が立て続けに点を決め、同点に追いついた。しかしすぐに逆転を許し、その後2点差となる。3Q終了間際に山田が得点を決めて、1点差にまで詰め寄るも、再び2点決められる。試合終了間際に大島がシュートを決めて点差を2点に縮め、4-6で敗北した。

大粒の雨の下、早大のセンターパスから試合が始まった。第1Qから東農大のスピードのあるプレーに苦戦し、攻め込まれる時間が続く。8分にPCを献上し、シュートを防ぐもこぼれ球を押し込まれて、先制される。14分にも再びPCを与えて、フリックシュートを決められ、痛い2失点目となった。これ以上点差を広げられたくない第2Q。攻撃陣が奮起すした。8分にFW平岩がドリブルでボールを相手陣地まで運びMF山田がシュートを決めて得点する。直後9分には、FW平岩がパスしたボールをFW大島がゴールに押し込み2-2の同点となった。互いに譲らない一進一退の攻防を繰り広げ、13分に東農大にPCを与えてしまうが、GK飯島圭佑(スポ1=栃木・今市)が好セーブで防いだ。しかし14分に守備の隙を付けれ、東農大に鮮やかなフリックシュートを決められ再びリードを許す。

怪我からのリハビリを乗り越え、今試合2得点の活躍を見せたMF山田

4年生に勝利をプレゼントしたい早大は、ハーフタイムでも互いに鼓舞し合う声を欠かさない。今年のチームで行う最後の円陣を終え、迎えた後半。ところが開始早々失点し、2-4となった。早大は攻勢を強め、2分にPCを獲得するが、このチャンスを活かすことができない。その後も早大は攻めあぐねる時間が続いた。14分にPCを獲得し、FW平岩のパスを再び、MF山田がゴールに流し込み、3-4になる。そして最終第4Q。焦りからか、1分にPCを与え、失点してしまう。9分に早大は、ゴールキーパーをフィールドプレイヤーに変えるパワープレーを仕掛けた。13分に、自陣でのミスがきっかけで東農大にボールを奪われ、GKのいない早大ゴールにシュートを簡単に決められ6失点目となった。このまま終われない早大は、最後まで追加点の糸口を探し続けた。試合終了間際、FW大島が守備陣の隙間から、リバースヒットで得点を決めて、4-6で試合を終えた。

得点を決めることができず苦しんでいたと語っていたが、引退試合で2得点の活躍を見せたFW大島

「今年は、悔しい思いを散々した」とFW平岩が語ったように、勝ち星の遠い、苦しいシーズンだった。それでも、チームとして勝利という1つの目標に向けて「挑戦者」であり続けた。1試合、1試合を通して課題に対して進化する姿を見せてくれた。来年のチームに対して、「本当に(インカレで)優勝できる」と今年1番チームを見てきた主将西本は語った。4年生の果たせなかった、インカレ優勝へーー。来シーズンさらに強くなった早大男子ホッケー部に期待したい。

試合後、観客に向けて挨拶する早大選手たち

(記事、写真 板東萌 )

結果
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大
東農大
コメント

原聡監督(昭59理工卒)

――今日の試合を振り返ってみていかがでしたか

今日は最後の試合なので、総決算という意味で今までやってきたことを一人一人がやりつくして、その結果チームとして最大のパフォーマンスを出していこうと話していました。結果的にまた、序盤に押し込まれる場面が多くて、向こう(東農大)もそれなりにスキルの持ったチームなのでペースを握られて2失点したんですけど、2Qで追いついて要するにちょっとずつ我慢しながらまた自分たちの時間を作って、得点して追いつくというそういう流れができたのは良かったです。全般的には、勝ちたかったし勝たないといけない試合だったのですが、最後まで1一人一人がフィールドに出ているメンバー、それからスタンドからも色々情報を流してもらったし、最後まで自分たちの力を出し尽くすという点でやり抜いたと思ってます。

――4年生がこれで引退ということになるますが、4年生に向けて何かメッセージはありますか

4年生一人一人が特に個性があって、キャプテンの西本に関しては、ホッケーをすごく自分で彼なりの、彼にしかできないキャプテンをやってくれてチームを引っ張ってくれてすごく素晴らしかったと思います。キーパーという特殊なポジションで、、キーパーは1人しか試合に出れなくて、試合に出てない時間も長かったんだけどその中で、みんなからキャプテンとして慕われて、リーダシップを発揮したのは素晴らしかったです。一人一人に言いたいことはありますが、そのほかのメンバーもホッケーのプレーや技量もそうですが、色々な意味で変わった、成長した、進化した部分が見られたので、この経験を糧にして卒業後、社会人としても素晴らしい実績を上げてくれたらなと思います。

――来年以降はどのようなチームにしていきたいですか

来年は、主将中島で、3年生以上の上級生の多いチームになるんですけど、そういう年は期待はされるけど、就活もあって中々難しい時期もあると思っていて、新チームだけど今年は色々な良い場面、苦しい場面の方が多かったけどその中でチームが進化するという貴重な経験をしているので、これを引き継いで基本的なことをしっかりやって良いチームにしていきたいです。

GK西本京平主将(スポ4=大阪星光学院)

――今日の試合を振り返ってください

1Qという早い段階で2失点してしまって、そこから2点巻き返すことができたんですけど、結果4-6という得点はできたけど失点が多かったというのが反省です。

――1年間主将としてチームを引っ張てきましたが、振り返ってみていかがでしたか

僕自身、スポーツ推薦で大学に入学したわけでもないですし、ずっと試合に出てたわけでもないのでそういった中で、主将に選んで下さって、期待に応えようと思って、まずは1人でできることをやりながらも、丞(中島丞一郎(スポ3=富山・石動))や大多田(DF大多田一真(政経3=東京・早大学院))に頼りながらこの1年頑張ってこられて自分としても頑張ったなと思ってます。

――来年はどのようなチームになってほしいと思っています

やっぱりインカレでの優勝を目指してほしいです。インカレでも天理大に負けてはしましましたが、3-6というスコアで戦えて、これまでの良かったところや悪かったところもあると思うんですけど良さは引き続き継続して、改善点をしっかり直せれば本当に優勝できると思っているので高みをもって臨んでほしいです。

――後輩に向けてメッセージをお願いします

ホッケーはやっぱり楽しいっものだし、大学スポーツってやっぱり楽しいものだから楽しんでやれば技術力や実力が向上していくし嫌々やっていれば実力は伸びないので、そういった中で全ての練習をひっくるめて、ラントレとか色々あると思うんですけど、上級生が良い雰囲気を作っていければ良いチームになると本当に思っているので、そこは頑張ってほしいです。

FW平岩佑利(スポ4=奈良・天理)

――今日の試合を振り返ってください

学生最後の試合で、早慶戦は負けていしまったので勝ちたかったんですけど、相手の攻撃力に負けてしまったのでそこは残念です。

――試合の中で、ご自身がドリブルで突破して後輩が得点するシーンがありましたが、後輩に関してはどのような思いを持っていますか

今年は、悔しい思いを散々したと思うので、その悔しさをバネに来年は日本一を取ってほしいです。

――来年以降はどのようなチームになってほしいですか

粘り強いチームになってほしいと思っていて、今年ちょっと序盤に失点してそのまま立ち直れない試合が多かったのですが、来年はしっかり粘り強くやっていって最後には勝てるようなチームになってほしいし、早稲田のホッケー部の良さは仲の良さだと思っていてそこをもっと活かしてチームの運営をしていってほしいなと思います。

――今は慶大の方がフィジカル面で上回っているという感じですか

そうですね。技術というよりはフィジカルを使って対抗してきて、そういうところは早大は今シーズンを通じて弱いなと感じているので、課題かなと思います。

FW大島新(商4=東京・早大学院)

――今年無得点の中、引退試合で得点を決めることができましたが振り返ってみていかがでしたか

今シーズンは中々点に結びつかなくて、自分自身も苦しんでいたんですけど最後の試合で何としても決めると挑んで、結果的に2点決めることができて自分としては、ほっとしています。

――今日で引退となりますが、率直な気持ちを聞かせてください

まだ実感がわいていないというのが率直な感想です。振り返れば4年間あっという間っだったなと。最後のシーズンは中々結果が出せなくて、3年生をはじめとするみんなには来年こそ良い結果を残してほしいなと思っています。

――来年以降はどのようなチームになってほしいですか

今の3年生はかなり主体的にチームのために考えていて、試合でもかなり主力なメンバーが多くそろっていて、キャプテンの中島と副キャプテンの小比類巻と大多田を中心に良いチームを作り上げて、今年達成できなかった全国優勝を目指してほしいなと思います。

――後輩に向けてのメッセージはありますか

ホッケー全てが楽しいことばかりではないと思っていて、実際に練習はラントレだったり筋トレだったりきついメニューがあると思うんですけど、そういった1つ1つの積み重ねで試合に最終的に活きてくると思うので、練習を大切に、試合は楽しんで、勝ってほしいなと思います。

MF山田和輝(創理3=東京・早大学院)

――今日の試合を振り返ってください

点自体は、個人として取れたのですが、もっと決められるシーンもあったし序盤とか特にボールが収まらない場面もあって、正直もっとできたのかなと思っています。

――4年生の引退試合ですが、4年生に向けて何かメッセージはありますか

3年間、一緒に練習してきてそれぞれに思い出があって、僕は今シーズン怪我で試合に出れていなくて、満留(優太郎、政経4=東京・早大学院)さんとかずっと一緒にトレーニングしてきてトレーナーの由衣(永澤、スポ4=岩手・釜石)さんとかにはお世話になっていて、満留さんは最後試合出れなくて、僕は出れるというか形だったので、少しでも貢献してプレーで恩返ししたいと思っていて、点自体は取れたのですが、もっとやれたかなというのが正直なところです。

――今回の試合で見つかった課題を教えてください

チームとしては、ビルドアップのところではまることが正直多くて、中盤のところで丞に頼り切っているところがあって、捌いているところはあったんですけど他の選手ももっと助けられるようなプレーができたら良いなと思ってます。

――来シーズン以降の目標を教えて下さい

4年生がいなくなって、またメンバーも減ってしまうと思うんですけど、チームの目標はみんなで決めるので、個人の目標としては攻守に渡ってもっと走って、貢献できるような選手になりたいです。