慶大に完敗、悔しさ残る早慶戦

男子ホッケー

雨が降りしきり、冬を感じさせるような寒さの下行われた第96回早慶ホッケー定期戦。今年の慶大との対戦成績は、1勝3敗。秋季リーグで、慶大に勝利したことをきっかけに勢いに乗った早大は、インカレベスト8の成績を残し、確かな「自信」を携えた。そんな中迎えた伝統の一戦だったが、慶大の壁は高かった。第1クオーター(Q)に先制を許すと、そのまま悪い流れを断ち切れず慶大ペースで試合が進んだ。続く第2Qも5分、9分と得点を決められる。後半になっても、慶大は攻撃の手を緩めず得点を重ねた。蓋をあけてみると、早大は0-5で宿敵慶大に完敗した。

早慶両校の応援団の声援が響き渡る中、早大のセンターパスで試合が始まった。開始早々、早大はPCを献上してしまう。このピンチをGK飯島圭佑(スポ1=栃木・今市)が好セーブで防いだ。しかし6分に、再び慶大に陣地までボールを運ばれ、先制を許す。焦る早大は、DF池田大翔(商3=東京・早大学院)からMF加藤航太(政経3=東京・早大学院)の縦パスから攻撃をしかけるも相手にカットされつながらない。MF中島丞一郎(スポ3=富山・石動)が、相手のDF陣をかいくぐり単騎で攻め込み、フリックシュートを打つもポストに嫌われる。2Q開始早々、慶大の息の合った攻撃による苦しい時間が続いた。5分に慶大の追加点を許し、完全に試合の主導権を渡してしまった。9分に、PCを献上すると、鮮やかにシュートを決められ3失点となった。

ドリブルで相手ディフェンスを崩し、シュートを放つMF中島

ハーフタイムを挟んで、反撃の狼煙をあげたい早大。しかし第3Qも、慶大の連携のとれた攻撃によってピンチに陥る。2分に4点目を決められ、6分にはPCから5点目を許した。早大も負けじと攻勢を強めるが、相手のフィジカルの強さや全員での守備に阻まれて、サークル内に入ることすらできない。無得点のまま迎えた第4Q。4分にFW平岩佑利(スポ4=奈良・天理)が慶大ディフェンスに囲まれるも、ドリブルで突破してチャンスを作るも、慶大のシュートを打たせない堅い守備に歯が立たなかった。そのまま試合終了のホイッスルが響き、早大にとって悔しい結果となった。

観客に対して挨拶あいさつする早大選手たち

慶大のプレースタイルを「技術よりもフィジカル」と振り返ったMF中島。言葉通り、個々のプレーは決して早大も負けていたわけではなく、慶大の球際の強さやプレス、息の合った攻撃に苦戦を強いられた。「ゼロからの気持ちで」と主将西本が語ったように、3日後には4年生の引退試合を控える。対戦相手は、関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)で惜しくも0―1で敗れた東農大。今回の早慶戦の悔しさをバネに早大の有終の美に期待したい。

(記事 板東萌 写真 髙田凜太郎)

結果
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL SO
早大
慶大
コメント

原聡監督(昭59理工卒)

――今日の試合を振り返ってみていかがでしたか

思わぬ大差になってしまって、言葉で言い表せないほど悔しかったです。

――5点という大差になってしまった要因は何だと考えていますか

やりたいことができなくなった時間が冒頭にあって、そこに先に点を取られて、そこから挽回するというか修正する力がまだまだ無かったのかなと。最初の入りがそこまで悪いわけではなくて、攻め込んだところもあったので、やられてしまった後に自分たちがするべきことは変わらないはずなのに、攻め急いだり、守りのケアが遅れたりするところが出て、逆境になったときに、そういうところでやるべきことをやりぬく力が足りなかったのかなと。

――来年の早慶戦に向けて改善するべき点を教えてください

まずは、早慶戦に限らず、ホッケーでやる上での技術だったり今年は怪我人が非常に多くて、怪我をしないような体づくりだったり基礎的なところの底上げをして、その上で格上のチームはたくさんあるので、どう戦っていくかやり方をきっちりと決めて、決めた作戦をやり抜きたいです。

GK西本京平(スポ4=大阪星光学院)

――今日の試合を振り返ってください

結果、内容を見ても本当に完敗だったと思います。何がダメだったとかこれができなかったから負けたとかではなく、本当に根本の部分で負けてしまったなというのは反省するところです。

――具体的な敗因はどこだと思いますか

対策不足というよりは、こちらが想定していた実力より相手が明らかに上回っていて、自分たちが思うような攻撃ができなかったのは力不足というところももちろんありますが、相手の方が守備、攻撃両方の面で上で、レシーブとか細かいところから負けたなと思います。

――早慶戦での勝利を後輩たちに託すかたちとなります。後輩たちに向けて何か残す言葉はありますか

僕が主将に就任した理由は、一個前の主将を自分のミスで早慶戦で優勝させてあげられなかったから就任したので、本当にこの悔しさというのは忘れずに来年勝ってほしいなと思いますし、後1試合で引退ですがサポートできればなと思います。3年生とは仲が良かったので、本当に勝ってほしいなと思います。

――3日後に順位決定戦が控えていますが、どのように迎えたいですか

忘れるというか、早慶戦で起こってしまったことはもちろん取り返しのつかないことですし、5-0で負けてしまったのも事実なのですが、それをずっと引きずっていても良いことはないですし、ゼロからの気持ちで勝てるように頑張っていきたいなと思います。

――次戦が引退試合となりますが意気込みをお願いします

早慶戦がこういったかたちで0-5で負けてしまって、先程忘れるとは言ったのですが、自分自身はこの悔しさがあるので、完勝できるように結果が一番大事で、内容、結果共に良いかたちで終われて後輩に託せられればなと思います。

中島丞一郎(スポ3=富山・石動)

――今日の試合を振り返ってください

前回(慶大に)勝っていて、油断というものはなかったと思うのですが、何か自分たちに足りないものがあって、慶大は前回負けていたので反骨精神というかそういう気持ちで自分たちは立ち上がりから負けていたのではないかと思っていて、切り替えればいいところで自分たちはどんどんミスをして、相手の流れを切ることができなかったのが一番の敗因かなと思います。

――終始慶大に主導権を握られてしまいましたが、そこの差はどうして生まれてしまったと考えていますか

やはり実力というのはそこまで自分たちが上とか慶大が下とかということはなくて、気持ちの問題というかこの試合に臨むために早稲田よりも慶応が準備してきて勝ちたいという気持ちがあった、その勝ちたいという気持ちの差だったと思います。

――今年の早慶戦の敗戦を受けて、来年以降どのようにチームとして改善したいきたいところはありますか

マークのディフェンスやプレッシャーとか、ボールが50:50の時に球際の強さというのは慶大の方がガツガツいっていて、レシーブ際のプレッシャーとかそういうところは慶大の方が優れていて、うまさは両チームにある中、強さが早大にはないと思っているので、強さを磨く練習や考え方をチームに浸透させることが早大が強くなるところだと思います。

――今は慶大の方がフィジカル面で上回っているという感じですか

そうですね。技術というよりはフィジカルを使って対抗してきて、そういうところは早大は今シーズンを通じて弱いなと感じているので、課題かなと思います。

――今シーズンも残り1試合となりましたが、次戦への意気込みをお願いします

今日負けてしまいましたが切り替えて、次3日後、水曜日で気持ちの切り替えは難しいと思いますが、今シーズン一番のプレーをして勝って、最高の終わり方をして4年生にスッキリ卒業してもらいたいなと思います。