早慶戦】直前対談『Believe in yourself』第三回 MF黒川理希選手 DF岩井怜太選手

男子ホッケー

 いよいよ21日に迫った早慶戦。最後の早慶戦を前に4年生の大学ホッケーを振り返る。第3回はMF黒川理希副将(東京・早大学院)と、DF岩井怜太選手にお話を伺った。

※この取材は11月14日に行われたものです。

大学ホッケーを振り返る黒川選手・岩井選手

――まず、お互いの初めて会った時の印象と現在持っている印象をお願いします

黒川 僕は高校からホッケーをやっていたんですけど、岩井は中学から一足先にホッケーやっていて、最初からボールこねるのが上手いなと。それもあって先輩かと思っていたんですけど、同期ってことに気づいて。(笑)最初はホッケーの右も左も分かんないなか、上手い人がいたので先輩かと思いました。ずっと一緒にホッケーをやっての印象は、ムードメーカーっていうのは感じますし、4年になってからはチームのために的確にものを言うようになりましたし、頼れる存在だなという感じです。

岩井 黒川の第一印象は、最初から大人しい感じで、あんまりファーストインプレッションは無いんですけど、動きがサッカーっぽいなというのは思いました。でも、最初はそんなに喋る感じでもなかったですね。それからだんだん、一緒にやっていくにつれて、大学2年生からスタメンを張ってますし、ホッケーのセンスは抜群ですし、プレー面の信頼度も高まってきました。人格面でも、ここまでずっとやってきて分かったのは、あんまり感情を表に出さないタイプなんですけど、裏でよくみんなのことを考えてくれて、黒川は一時期キャプテンをやっていたんですけど、文句を言わず裏方で忙しくやってくれたり、みんなが気づかないところで頑張ってくれるいい人っていう感じですね。

黒川選手の印象を語る岩井選手

――ホッケーを始めたきっかけを教えて下さい

岩井 自分は中学に少しだけホッケーをカジったんですよね。中学3年生でサッカー部を引退して、高校の部活を体験できると言われた時、サッカーとかアメフトとかホッケーとか色んな選択肢があったんですけど、アメフトは体格的に向いてないと思ったし、サッカーもそんなに上手くないしやってもつまらないだろうと思い、初心者からでも始めやすいホッケーというところで体験してみたのがきっかけですね。今はいなくなってしまったのですが早大学院のホッケー部顧問だった中川先生もそうですし、先輩も優しかったし、雰囲気も良かったので入ったという感じです。

黒川 最初はサッカー部に入ろうと思ったんですけど、色んな部活を見学していく中で、初めてホッケー場に来てみたらすごく珍しいなと言うのが第一印象でした。そもそもホッケーの存在とかも知らなかったのですが、部の雰囲気も良くて、初めて2個上の先輩の公式戦を見てみて、2年間でここまで上手くなるのかと、まあ凄く強い代だったんですが、それを見てすごいなと思って、入ってみようかなと思った感じです。

――今年の4年生のカラー・特色はありますか

岩井 面倒見がいいということか、人当たりがいいというか、クセがないんですよね。いい意味で上下関係を作らずに、仲良くして、壁を作ってないところがいい所かなと。あとは、真面目ですね。先輩に何も言われなくても準備したり、だらけたりしている下の代よりは真面目なのかなと(笑)

――だらけているとはどんな感じですか

黒川 準備が結構雑だったりしますね。(笑)僕らは準備は入念にする方ですね。やっぱり、学年によっては適当な代もありますね。

岩井 確かに(笑)

――村上主将についてはどのように感じていますか

岩井 キャプテンシーはすごいなと思っていて。ある目標を掲げて、みんなをそこに引っ張っていこうという熱い気持ちがあるとは思います。高校の時はチーム全体の目標を追い求めている感じではなかったんですけど、今はチーム全体のことを考えてくれて、後輩一人一人とミーティングしたりしているので、ホッケーにかける情熱は本当に凄いと思いますし、行動で示してると思います。オフでも意外と可愛い一面があったりしますね。

黒川 僕は高校の時からクラス一緒で、仲良くやってきたんですけど、部活やっている時と、やってない時でスイッチのオンオフがしっかりしてます。普段は厳しいこととかは言わないタイプなんですけど、部活になるとチームのために時には厳しいことを言えるタイプです。自分の学年にはそんなにそういうタイプがいないので助かってますし、キャプテンとしてチームのことを色々考えて、ミーティングなどで行動で示してくれますし、プレーでも足が速いというのは特徴で、グラウンドを駆け回る姿を見ると、自分も頑張らないとなという気持ちにさせてくれますね。

――話題を変えて、おふたりの趣味などについて聞かせていただきます。オフの時はどんなことをされているのですか

黒川 :あんまり暇な時間が好きではなくて。理工学部ということで授業が沢山ありまして、授業期間中は中々週6で練習にいくのは厳しいくらいで、課題やってバイトやってという感じであんまり趣味に時間をさけないんですが、深夜に海外サッカーを見てたりはしてました。あとは、コロナで練習ができなかった期間は、流行りのアニメとかを見たりはしましたね。

自分の趣味について語る黒川選手

――海外サッカーがお好きということですが、推しのチームとかはありますか?

黒川 マンチェスターシティですね。

岩井 最近は見てないんですが、ドルトムントは好きです。ちなみに村上さんはリパプールファンです。

――岩井さんいかがでしょうか

岩井 :部活とバイト以外だと、自分は甘いものを食べに行ったりします。最近はやってないんですけど、一眼レフを持って風景を撮りに行ったりしてます。 長期休みでは旅行行ったりもするんですけど、それ以外は寝てるか、サッカーゲームをやったりしています。

――今季は上位リーグ進出、4位以内に入りたいというのは仰っていたと思いますが、結果として春季秋季共に下位となってしましたが、それについてどのように考えていますか。

黒川 春季リーグは僕が主将やっていたんですけど、運がないなとは思いましたね。グループの組み合わせもそうですし、1、2点の得失点差でギリギリのところで下位に回ってしまったりしたところもそうですね。また、コイントスとかでも勝ったことがなくて。だからなんだと言う話ではありますが、ついてないなというのは常に思ってました。そこで春季が終わり、院試の関係で主将を村上にチェンジしてもらって、チームが変わるところがあって。「チェンジ」というスローガンを掲げた通り、いい意味で変わったところも沢山ありました。しかし、1歩慶應におよばず0-1で負けてしまい、秋も下位リーグになってしまったというところで、後輩にも申し訳ない気持ちがありますが、結局、早慶戦で取り返すしかないと思っているので、これからも残り少ないですが、みんなで頑張っていこうと思います。

岩井 黒川も言ってましたが、ここがこうだったらなと言うところはありますが、最後の最後で点取るのは自分たちなので、コロナもあって試合がなかなか組まれず、試合勘というか経験が足りてなかったのはありますね。そういうところから夏は個人練習にフォーカスしました。その結果として、攻撃は噛み合いませんでしたが、明治戦や慶應戦ではいい守備が出来ました。逆に立教戦や駿河台戦では、攻撃面でも上手く行って点が取れました。しかしそこでも、下位リーグに行ってしまって。慶應戦では、相手方の得点に繋がったペナルティコーナーがちょっとフライング気味で(笑)。そういうのもあったんですけど、ちょっと上のレベルで相手の気持ちが強いと、負けてしまっている所がありますね。学習院戦もそうだと思いますが。個人の気持ちが勝ててないところがあるので、今背水の陣でみんな勝ちたいという気持ちが強まってるので、このまま突き進んで法大・慶大に勝ちたいと思います。

――チームの課題を一つと上げるとしたらなんでしょうか

岩井 技術はもちろんのこと、一生懸命さですかね。みんな一生懸命にやるんですけど、ふとした瞬間に気持ちが切れてしまうことがあって。そういった所を無くせば、法政にも慶應にも勝てると思ってます。一生懸命さは練習ではどうこうならないんですけど、この前の敗戦で気持ちが変わったと思うんでそれをきっかけに、今年だけじゃなくて来年再来年にも早稲田の特徴として受け継いでくれればなと思います。

黒川 ひとつあげるとしたら、執着心ですね。慶應は、毎年変わらないチームだなと思いますが、早稲田は年によって特徴が異なるチームだと思います。慶應は、ボールに対する執着心が極めて強いチームだと思ってるので、お互い高校から始めたプレーヤーが多い中で、執着心で慶應に負けるとまた負けてしまうのではないかなと思いますので、ボール取られた後の切り替えとか、そういうところで全員が慶應に勝てるくらいのものがあれば、勝てるのではないかと思います。

――今までの早慶戦で印象に残った試合、選手はいるでしょうか。

岩井 慶應はどの世代にもキーマンがいて、私たちが1年2年のときは、吉川大地さんや金田翼さんというU21の日本代表の選手がいて。今年は、中山正輝というU21日本代表の方がいて、そこは記憶に残らないくらい完封したいですね。あとは、今は無観客なんですけど、私たちが1年生2年生のころはかなり観客が入ってて。会場が異様な雰囲気に包まれていたのは印象的でした。本当に、早慶戦は気持ちと気持ちのぶつかり合いなので、そこは勝っていきたいと思います。

黒川 1番印象に残った試合は、自分が2年生の時の 試合です。リーグ戦では4-1くらいで勝っていたと思うんですけど。その試合では、開始早々2点決められて、相手のU21代表の吉川大地さん1人にやられたという感じで流れを持っていかれたんですが、そこから追いついたんですけど、ギリギリで勝ちきれなかったので印象に残りましたね。その中で早稲田で印象に残ってるのが、前年度主将の清水拓登さんです。後半覚醒モードみたいになっていて(笑)ボール渡したら全員抜いてゴールまで行ってしまうのでは無いかくらいの勢いで(笑)その時はひろとさんは3年生だったんですけど、次期キャプテンになるということはほぼ確定してたので、新キャプテンの凄みを感じた試合で、僕らも来年はこんな風にならないとなというプレッシャーも感じましたし、そういう選手が僕らの一つ上の代にいたっていうことはいい意味で緊張感を与えてくれるような存在でした。また、相手の吉川大地さんも印象に残っているプレーヤーでした。

――1週間後に泣いても笑っても最後の早慶戦があると思いますが、チームとしての意気込み、選手としての意気込みをお願いします。

岩井  僕は、今までのホッケー生活で満足した試合があまりないなと思っていて。自分の技術的なところあるんですけど。高校の時も中途半端な感じで終わってしまいましたし。試合に出始めた大学3年生、4年生でも早慶戦は勝てず。今年も下位リーグでなおかつ、学習院に負けるという。本当に満足出来ない試合ばかりだったので、最後の締めくくりとして早慶戦は満足のできる試合をしたいです。自分はディフェンダーなので、どちらかと言うと点を取るというより、相手の選手を完封して、無失点に抑えて勝つというような、そういうところで円満な終わり方をしたいです。

黒川 結局、自分がどうというより、勝てばなんでもいいと思っています。どんな形でも、ラッキーゴールであっても、早慶戦は勝てばいいかなと。結局、如何に勢いに乗っていくかが大切だと思うので、ここから1週間毎日試合のことを考えて、イメトレじゃないですけど、流れに持っていったもの勝ちかと。それでも、流れを持っていったとしても、簡単に最後までいけるわけではないのが早慶戦だと思っているので、今までで最も長い60分になりそうです。ですから、長い60分間を戦い抜ける体力と精神力を付けて、あと1週間ですが万全な状態に仕上げたいです。

――ズバリ早慶戦のキーマンは誰でしょうか

岩井 やっぱり僕はジョウ。中島丞一郎で。やっぱり彼は司令塔として、中心になると思うので。彼の活躍には期待ですが、自分も頑張りたいと思います。

黒川 僕も中島選手について、去年早慶戦であんまり思い出したくないミスをして・・最後の最後追いつかれるミスをしてしまい、本人が涙するところを見たので、当時1年生ながら熱い気持ちを持ち、責任を感じてたと思うんですが、僕らもこういう選手を引っ張れる選手にならないとなと思いましたね。あとは、村上主将もキーマンになると思います。やっぱり、チームで1番早慶戦に対する気持ちが見えやすいのが村上だと思ってます。僕らも強い意気込みで臨んでいますが、やっぱり彼の気持ちの見えやすさというのは、分かりやすいものがあって。そこで、彼は得点をとる事に関しては長けている選手なので、僕は去年村上にアシストしているんですけど、そういう感じで今年もあとは決めるだけといった感じのパスを出せればなと思ってます。そこで彼が決めればチームも乗ってくると思うので、キャプテンのゴールには期待しています。

――卒業後の進路の話なんですが、このあともホッケーを続ける予定はありますか

黒川 東伏見ホッケークラブに入るかどうか悩んでます。僕は大学院に行くことが決まってるんですけど、どれくらい忙しいか正直分からなくて。何も決めてないんですが、急にホッケー辞めるのも寂しいですし、かと言って今回みたいに大学院の試験が控えてるのに毎日無理をしたりするのも後々良くないかもとも思いますし、悩んでいるというのが正直なところです。

岩井 自分は、東伏見ホッケークラブに入ろうかなと。東京の辺りだと、メトロであるとか色々ホッケーチームがあるんですが、ちょっと忙しいというか(笑)東伏見ホッケーは一段階下、緩めというか(笑)楽しんでホッケーやりたいなと。ホッケーは続けるんですけど、一段階レベルを下げて東伏見ホッケークラブで、ここ(東伏見)でまた早稲田の大学生と関わりながらホッケーが出来たらなと思います。

――最後に皆さんにとってホッケーとは

――ありがとうございました!

◆黒川理希(くろかわ・さとき)(※写真右)

2000(平12)年2月6日生まれ。169センチ。東京・早大学院出身。先進理工学部4年。早大の中盤を担う冷静なMF。早慶戦当日も攻守で存在感を発揮します。

◆岩井怜太(いわい・れいた)(※写真右)

1999(平11)年12月10日生まれ168センチ。東京・早大学院出身。政治経済学部4年。チームのムードメーカー。当日も最終ラインから、チームを鼓舞して、早大を勝利に導きます。

(記事・編集 伊勢崎晃 秋田豪)