早大、慶大に競り負けて悔しい連敗

男子ホッケー

 秋季リーグ初戦を落としてしまった早大は、ライバル慶大との絶対に負けられない一戦に臨んだ。試合は第1Q、第2Qを通して、慶大がボールを支配して、積極的に攻撃を仕掛けるのに対して、早大が堅い守備で応戦するという構図が続いた。しかし、早大は第3Qに先制点を許してしまい、そこから徐々にボールを握り反撃したが、ゴールを奪うことはできず無念のタイムアップとなり、上位進出に向けて手痛い連敗を喫してしまった。

 第1Qは序盤こそボールを奪い合いっていたが、徐々に慶応がボールの支配率を高めていき、早大が自陣で向かえ打つという展開となった。この間5分、8分、12分に慶大にPCを奪われてピンチに陥るが、GK西本京平(スポ3=大阪・大阪星光学院)のセーブ、DF陣の守備で冷静に対処をして、慶大に得点を許さなかった。続く第2Qでも慶大の攻撃に耐え続ける苦しい展開が続いたが、約9分に、早大は慶大陣内でPCを奪うことに成功する。試合展開的にも先制点を奪うことができれば相手に大きなプレッシャーを与えられたが、ここは慶大の必死の守備の前にゴールを奪うことはできなかった。その後は、再び慶大の攻撃に耐える展開が続き第2Qは終了した。

慶大選手からボールをキープするFW戸川春貴(スポ2=京都・立命館)選手

 カウンターからチャンスを掴んで先制点を奪いたい後半第3Q、時折慶大陣内に攻め上がることはあるものの、やはり引き続き慶大にボールを握られ、守備に周る時間が長く続く。8分には相手に決定的なシュートをGK西村のファインセーブでゴールを死守し、さらに続く慶大のPCでも、チーム一丸となって、慶大の攻撃を跳ね返したが、11分の慶大のPCでついに先制点を許してしまった。これで後がなくなった早大は、ここからボールを握り慶大ゴールへ迫ろうとする。MF中島丞一郎(スポ2=富山・石動)のパスカットからのカウンターで良い形を作るが、相手の鋭い寄せの前にゴールを奪うことはできなかった。第4Qではこれまでと打って変わり、早大がボールを支配する時間が大幅に増えた。早大は慶大の攻撃を防ぎつつサイドを起点に慶大陣内に攻め上がる時間を増やし、FW戸川春貴(スポ2=京都・立命館)のドルブルからPCを獲得する。何としても決めたいPCだったが、またしても決めることができなかった。その後も早大は、猛攻を仕掛けかけるが、慶応の堅い守備に阻まれ続け、このまま試合終了かと思われた14分、再び慶大陣内でPCを獲得することに成功する。正真正銘のラストチャンスで引き分けに持ち込みたいところだったが、これもゴールを奪うことができず、そのまま無念のタイムアップとなった。

体を張ってゴールを守る早大の選手たち

 明大、慶応戦を通して、早大の守備は、春季と比べても非常に硬く粘り強いものとなっており、この試合でも、相手にボールを握られ、PCを7本与えても1失点で凌いだ。逆に攻撃では、ボールを慶大に握られる時間帯が長く続いたため中々シュートを放てず、数少ないPCのチャンスも得点に結びつけることができなかった。次戦の駿河台戦までに攻撃をチームで修正して、今日のような粘り強い守備ができれば、必ず勝ちはついてくるように思われる。慶大に負けた悔しさをこのままにしないためにも、ホッケー部のさらなる奮闘を期待したい。

(記事 伊勢崎晃、写真 大貫潤太)

結果
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大
慶大
コメント

藤本一平コーチ

――今日の試合を振り返って下さい

悔しいの一言につきますね。準備してきた慶応対策をいろいろ選手中心で考えて、それは出せた部分もありますけど、やっぱりPCを7本取られて、失点1に抑えられたのは、頑張った部分はあるんですけど、攻撃面で得点を取れなかったというのは、本当にチャンスを作りながらも取れなかったというのは、今後の課題になりますね。

――相手が慶応ということで意識した所はありますか

やっぱり、ずっとライバル校ですし、相手が気合を入れてくるのは分かってましたし、こっちも負けないでいくぞということで、ウォーミングアップのときから向こうが大きい声を出して来たら、こっちも負けじと池田を中心に声をだして、主将の村上も凄い情熱的な男なので、本当に日ごろの練習から絶対に慶応には負けないというのを、すっと言ってくれていたし、我々指導陣もそういう気持ちで臨んだという形です。なので気持ちの面では全然負けていなかったというか、退かずに戦う気持ちを持って戦えたと思います。

――攻撃面の課題があったとのことですが、次回の駿河台戦までに2週間ありますが、具体的にどのような準備をして試合に臨みたいでしょうか。

まあ一つは、やっぱりPCを3本取っていて決めきれてないので、シュートを打つ選手だけではなくて、パスを出す選手、止める選手、そこを三位一体となってというか、まあタッチするバリエーションを使ったときもしっかりと枠を捉えて決めきれるように、回数を重ねて、いい準備していきたいです。後は、フィールドゴールは中々きれいには打ち切れない、サークルはスペースが狭いので、その中で苦しい状況でも打ち切って、リバウンドを決められるような。そういう練習を、明治戦からそこが課題になっているので押し込んでいきたいなと思っています。

FW村上和亮主将(政経4=東京・早大学院)

――今日の試合を振り返って下さい

上位進出だったりとか、そもそも早稲田対慶応という戦いにおいて、必ず勝たないといけない試合、内容、どんな勝ち方であれ、本当に結果が全てだった試合で勝てなかったというのは、本当に最悪な気分というのが正直な所かなと思います。本当に審判に対して言いたいことはたくさんあるし、誤審も多かったなという所はありますけど、本当にGK、DF、MFとかFWもみんなよく頑張ってくれたなと思う一方で、キャプテンとしてチームを勝たせられなかったというのは凄い申し訳ないなと思います。

――相手が慶応ということで、非常に意識したと思うのですが、前回の明治戦からどのような準備をしてこの試合に臨んだのでしょうか

しっかりと慶応の、これまでの練習試合を振り返って、慶応対策というものは、チームでミーティングを重ねながら、繰り返してきましたし。本当に早慶戦というのは、気持ちという部分が大きいのかなと思うので、本当に気持ちで負けないこと、本当に必死さ、熱い気持ちを持って練習から取り組むというのは、この2週間ずっと言ってきましたし、それはこのチーム全員が練習からやってくれたと思いますし、本当にアップを含めて、今日の試合もそうですけど、ピッチに立っている11人だけではなくて、ベンチの選手だったりとかベンチ入りできなかった選手だったりとかを含めて、みんなで“One Team”で熱い気持ちを持って戦えたというのは良かったと思います。ただ今のままでは足りないというのが率直な感想です。

――今“足りない”という言葉があったのですが具体的に何を修正して次回の駿河台戦に臨みたいですか

明治、慶応戦振り返ってみて、本当にGKであったりとか、DF、勿論中盤も守備の面では凄い良いパフォーマンスができている一方で、2試合連続で無得点に終わっている部分には、やはり今のチームの大きな課題かなと、得点力という部分が大きな課題なのかなと思うので、そこはしっかり見直して、守備面での戦術の対策だけでなくて、攻撃面での対策もしっかりと練って、上位はまだ消えてはないので、しっかりと自分たちができること、大量得点で勝つということを意識してあと2週間準備していきたいなと思います。

西本京平(スポ3=大阪・大阪星光学院)

――本日の試合を率直にどのように振り返られますか

最初のクオーターから結構押し込まれていて、不利な状況が続いたなかでも前半を無失点で終えることができました。後半はなんとか糸口を見つけて先制をしようと思ったのですが、むしろ1点取られてしまいました。結局、相手が1枚上手のまま試合が終わってしまったので、悔しい気持ちでいっぱいです。

――終始攻められていたなか、1失点に抑えられたのは良かった点でもあるのではないですか

守備の面では僕が注目されがちなのですが、大多田(一真、政2=東京・早大学院)や周(小比類巻周、政2=東京・早大学院)、大地さん(本橋大地、スポ4=埼玉・飯能南)、岩井(怜太、政4=東京・早大学院)さんなどのお陰でゴール前での攻防では負けずに済みました。たしかに失点1で抑えられたのは良かったかもしれないですけど、攻撃面で得点が入らなかったのは悔しいですね。

――今後に向けて課題が見つかった試合にもなりましたか

そうですね。(ホッケーは)フォワード3人だけの力で点が入るスポーツでは決してないと思っているので、ゴールキーパーからも声を出して、全員で粘り強く1点を取りに行くようにしたいです。

――相手は慶大ということで、『早慶戦』ということに意識した部分は

とても意識していました。早慶戦ということもそうですが、ここで負けたら上位リーグか下位リーグかある程度決まってくる試合でもあったので、緊張していました。緊張から、自分の思っているプレーができるか不安だったのですが、試合にはうまく臨めたことに関しては良かったです。

――今後の大会に向けての意気込みをお願いします

次の駿河台戦では絶対勝たないといけないと思います。春と同じような状況になってしまいますし。そのため、必ず勝ちに行きます!