【連載】早慶戦直前対談『捲土重来』 【第3回】MF吉野真啓×MF中島丞一郎×FW戸川晴貴

男子ホッケー

 今回の対談はルーキーながら試合で活躍している男子部の中島丞一郎(スポ1=富山・石動)、戸川晴貴(スポ1=京都・立命館)、女子部の吉野真啓(スポ1=富山・石動)の3人の組み合わせ。男女部が練習で一緒になることは少ないというものの、対談は終始和気藹々(わきあいあい)と進んだ。大学1年目、初めての早慶定期戦に向けた意気込みを伺った。

※この取材は11月17日に行われたものです。

1年生から見た早大ホッケー部

仲の良い1年生たち

――ホッケーを始めたきっかけは

戸川 僕は、お二人と違って、中学生になるまでホッケーを知らなかったんですけど、出身の立命館中学にホッケー部があって、どの部活に入ろうか悩んでいるときに、ホッケーの体験に行ってすごく楽しかったので、そこからはホッケーをずっとやっています。

中島 自分が小2のとき、お姉ちゃんが小4でホッケーをしてたんですけど、その時にお姉ちゃんがやっていて面白そうだなと思って始めたのがきっかけです。今年で12年目になります。

吉野 私も丞(中島丞一郎)と一緒で、お姉ちゃんがホッケーをしていて、小1のときに姉が小4で自分もホッケー始めようと思いました。

――中島さんと吉野さん高校一緒だと思いますが、高校から交流はありましたか

吉野 高1のとき一緒のクラスで。

中島 仲は良かったです(笑)。

吉野 はい(笑)。 仲はまあまあ(笑)。

――女子部と男子部で練習での関わりはありますか

吉野 練習試合とかはたまにしますね

中島 本当にたまに。

吉野 まあ、ボコボコにされるんですけど(笑)。

――大学進学を早稲田に決めた理由は

戸川 自分の場合は去年立命館大学に進学して、1年間立命館で過ごしたんですよ。それで、大学でもホッケーしたくて、立命館大学のホッケー部に入部しようとしてたのですが、入部して、日本では結構強い大学なので周りのレベルについていけず、それで挫折というか諦めちゃって、ホッケーはやめようと思ったんですけど、でもやっぱり自分はホッケーがすごい好きなので、ホッケーのできる環境を探していたら早稲田大学が見つかったので、早稲田に競技歴、センター利用で受験して、早稲田に来ました。

中島 自分はそこまで、高校入ったぐらいはあまり早稲田大学は考えていなかったのですが、高2の11月ぐらいから父の勧めというか、いいんじゃないかみたいな、言われて、もう一つの大学と迷ってたのですが、運良く、運命でここに受験で受かって、入らせていただきました。

吉野 私は高1のときから早稲田大学でホッケーしようと決めてて、それでずっと勉強はしてたのですが、アスリート選抜がだめで、自己推薦の形で早稲田大学に入学しました。

――高1のときから早稲田を目指していた理由は

吉野 早稲田大学の女子ホッケー部の監督さんに高1のときに声かけていただいて、それでもう、ここに決めてました。

――ホッケーを続けることに関しては、皆さん、ずっと迷いなく決めていましたか

吉野 自分は、国公立の大学とかも考えていて、高校の時もホッケーをするかやめるか、節々で考えていた感じですね。

――それでも続けようと思った理由は

吉野 小さいときからホッケーしているのが当たり前で、それがなくなったとき自分がどうなってしまうのか、と思ったからです。

――生活面でも競技面でも良いのですが、高校までと大学での違いは何が大きいですか

中島 高校の時は自宅通いだったのですが、それが大学に来てから寮生活になったのが一番の変わったところですね。あと練習場が近いので、たまにオフの日とかも練習すぐできるので、とてもいい環境だと思います。

――実家暮らしと比べて大変になったなと感じることはありますか

中島 洗濯ですかね。言えばお母さんが料理とか作ってくれてたのですが、お昼とか自分で作ったり、自分の事は全部自分でしなくてはいけないので、それが大変です。

戸川 僕も丞と一緒で一人暮らし始めたので、一人暮らしがまず大変というところがあります。

――競技面では何か違いはありますか

戸川 競技面では、高校の時は練習がもうちょっと長かったのですが、大学に入って練習が3時間なので、練習中は集中しようと思っています。

吉野 私も一人暮らしになって生活面が変わったことと、競技面で、高校の時はみんな周り経験者で、すごいあれだったんですけど、今は経験者は4年生さんに2人いるだけで、抜けたらもう自分だけという環境になったのが一番大きな変化です。

――経験者が少ないことで大変なことはありますか

吉野 やってて、楽しんでホッケーできる分には全然良いんですけど、自分の同級生とかが他の大学で活躍している姿とか見るとちょっと悔しいなって思います。

――男女部のそれぞれの部の雰囲気はいかがですか

中島 自分たちは上下関係あんまりなく、楽しい雰囲気で和気あいあいとやっています。

――戸川さんも同じように感じていますか

戸川 はい。上下関係がないので。

中島 あるけどな(笑)。

戸川 あるけど!(笑) みんな優しい先輩なので、楽しく過ごさしてもらってます。

――特に仲のいい先輩は

中島 岡田先輩(岡田凌弥、スポ2=愛知・明和)と一番仲がいいです。

戸川 僕も岡田先輩と仲がいいです(笑)。

――吉野さんは部の雰囲気とかいかがですか

吉野 女子部は、雰囲気的には楽しいと言うより自分に厳しくみたいな感じで、先輩も結構言うんですけど、普通にプライベートとか、練習終わった後とかはめっちゃ良い雰囲気です。

――それぞれの学年のカラーはいかがですか

中島 みんなとても仲が良いです。部活終わったらみんなでご飯食べに行ったり、休みの日とか会って遊びに行ったり。

戸川 仲は良いです。昨日もディズニーに行ったので。丞君はいなかったんですけど(笑)。

中島 ほぼ多数の人で行きました(笑)。

戸川 丞君以外で(笑)。

吉野 何で行かなかったの?(笑)

中島 誘われてないからです(笑)。

吉野 ほんま?(笑)

中島 後から誘われた(笑)。

――オフの日はどんな感じで過ごしていますか

中島 寝るか、ホッケーしに来るか、遊びに行くぐらいですかね。

吉野 自分はめちゃくちゃいろんなとこ行ってます。買い物とか。

中島 行きすぎな(笑)。

吉野 行きすぎ?(笑)

――どこら辺まで行くのですか

吉野 最近でちょっと遠出したのは、川越のほうに食べ歩きしに行ったりとか。

――女子部員さんで仲が良い人は誰ですか

吉野 同期はみんな仲良くて、特別仲良いとかもないくらいみんな仲いいです。

――1年生の学年のカラーはどうですか

吉野 女子部の1年生はみんな何か、女子高生みたいなフレッシュさですね(笑)。 すごいきゃぴきゃぴしてます(笑)。

――大学1年目のシーズンを振り返って、印象に残っている試合はありますか

戸川 インカレの2戦目の福井工業大学かもしれないですね。福井工大ってチームは結構強いチームで、ベスト4にも入ってるチームなのですが、そのチームと試合させてもらえる機会があってレベルを感じて、自分に比べて、やっぱり相手の選手はフィジカルも技術もあったので、そのレベルに頑張って到達しないといけないなと感じました。

中島 秋リーグの1試合目の開幕戦で駿河台大学さんとした試合ですね。その試合で負けたら下位トーナメントに進んで、インカレも出場権が無くなってしまったんですけど、自分のアシストで戸川君がシュートを決めてくれてその試合で勝つことができて、それが一番印象に残っている試合ですね。

吉野 関東リーグのインカレ出場をかけた慶応戦、0-2で負けちゃったのですが、勝った試合よりも負けた試合のほうが印象が強いというか、すごく先輩たちにとってめちゃくちゃ大切な試合だったので、すごく悔しい気持ちです。

――大学で競技をしていく上での目標や、プレー時に心がけていることはありますか

吉野 高校の時とかは周りが経験者で自分のことを支えてもらっている立場にいたのですが、大学では周りが初心者ばかりなので、初心者の人たちを支えられるようなプレーをするために、一番コートで走らなきゃいけないなと思いながらやっています。

中島 目標は、まずは全国大会でベスト4以内に入ること。あと、個人的には21歳以下の日本代表に頑張って入れればいいかなと思っています。

戸川 僕も大学ベスト4を目指して練習を頑張っていきたいと思っています。

――ご自身の強みはどんな点だと思いますか

戸川 ドリブルです。FWなので、相手のサークル内に侵入するドリブルとか、サークル内でペナルティコーナーとるドリブルが得意です。

――他己紹介的な感じで、お互いから見た印象とかでも大丈夫です

吉野 丞一郎は、足が速い。あと、ときどき強引なプレーするよね?(笑)

中島 ちょっとね(笑)。

吉野 それが良いなと思いますね。

中島 真啓は、何やろな。プレーが正確で、ハードワークをたくさんして、たくさんボール呼び込んで、頑張ってやっていると思います。

早慶戦に向けて

今期の戦いを振り返る中島

――今季を振り返って、課題を挙げるとしたらどんな点ですか

中島 高校の時までは交代が頻繁にあったのですが大学ではあまりできなくて、60分近く出場することが多く足がつってしまったりしてチームに迷惑をかけたこともあるので、筋力的な持久力が足りないかなと思いました。またミスが続いたときに冷静さが足りなかったかなと思います。

戸川 僕が思うチームの課題は、自分がフォワードなのでそこに関して言うと得点力に欠けると思います。他のポジションに比べて人数が多いのになかなか試合で貢献できなかったり、そういうところでまだ課題があるかなと思います。

吉野 女子部はまだ基礎が完璧じゃないので、まずは基礎固めが大切かなと思います。

――それぞれリーグ戦で慶大と対戦していますが、どんな印象ですか

中島 めっちゃフィジカル強いよね。

一同 うん。

中島 早大よりも一体感というかパスとかも連動している感じがして。自分たちも見習うべき点かなと思います。

戸川 僕もそう思います。あと慶大は早大みたいにスポーツ推薦がないんですが、それで負けているってことはやっぱり技術とかじゃなくてフィジカルとか丞の言ったように連動がしっかりできていたりとか。そういう点は早大も今後見習わなきゃと思います。

吉野 慶大は男子部と一緒でなんか軍隊みたいな(笑)。すごい連動していて早大の中心的な選手に集中してわーって来てボールを取っていって、組織的なプレーをするチームだなと思います。

――早慶戦勝利への鍵はどんな部分ですか

吉野 (中島に対して)僕です、って。

中島 僕…もそうなんですけど……、僕ですね。

一同 おー!(笑)

中島 ちょっと待って(笑)。後がないやん。

戸川 どういうところが?

中島 自分はミッドフィルダーの真ん中なんですけど、攻撃の起点というかパスを後ろからもらって前に出すポジションなので自分が沢山フォワードにパスを出してチャンスをつくってもらえるような、しっかりしたパスを出すことが重要になると思います。

戸川 大事なのはポゼッションを高めることかなと思っています。ボールを取り返しても後ろのビルドアップがうまくいかなかったり、フォワードに向けたパスがカットされるなど簡単なミスが多かったので、次はそういう部分を改善するのと、慶大みたいに連動することでチャンスを増やすのが大事だと思います。

中島 あとは立ち上がりかな。慶大戦も第一クオーターとか本当にすぐ決められたので、やっぱりそこをしっかり克服しないとと思います。

吉野 女子部はやっぱり未来さん(南家未来、教4=京都・立命館)が経験者でフィールドプレーヤーなので、未来さんと自分でどれだけチームの攻撃とかディフェンスをつくっていけるかということと、あとは一人一人の気持ちの持ちようも鍵になってくると思います。

――では最後に、早慶戦に向けた意気込みをお願いします

吉野 女子部は過去13連覇していて、自分が大学にいる間は絶対に勝ち続けたいので、もう本当に全身全霊で戦います。

戸川 僕も同じで早大は近年負けていないので、それを4年生たちの代で負けるのは申し訳ないので、絶対勝てるように頑張ります。

中島 今年2回慶大と対戦していて一勝一敗で勝ち越しもかかっているので、それをしっかり成し遂げることと、あと今季前半思うようにプレーできなかった分の思いも込めて絶対勝ちたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 布村果暖、七澤拓未)

フレッシュな1年生とともに、打倒慶応!

◆中島丞一郎(なかしま・じょういちろう)(※写真右)

2002(平14)年2月9日生まれ。172センチ。富山・石動高出身。スポーツ科学部1年。主要キャラクター4人しか知らない状態で鬼滅の刃の映画を見に行き、思ったより面白い話で今鬼滅熱が急上昇中とのこと。早慶戦も心を燃やして戦いましょう!

◆吉野真啓(よしの・まひろ)(※写真中央)

2001(平13)年5月12日生まれ。164センチ。富山・石動高出身。スポーツ科学部1年。自粛期間のおうちカフェでいろんなお菓子づくりをしていたそうです。お気に入りはガトーショコラ。中島さんとは高校同期で、対談でも仲良くお話しされていました。

◆戸川晴貴(とがわ・はるき)(※写真左)

2000(平12)年12月29日生まれ。181センチ。京都・立命館高出身。スポーツ科学部1年。マイブームは自炊で得意料理は豚汁。東伏見のご飯屋さんを開拓するのが趣味だったということで、お気に入りランキング3位はひょうたん、2位は三晃庵、1位が中華料理暁。東伏見を訪れる際はぜひ立ち寄りたいですね。