秋リーグ3位決定戦、慶大に敗れ早慶定期戦でのリベンジを誓う

男子ホッケー

 関東学生秋季リーグ(秋リーグ)3位決定戦が大井ホッケー競技場で行われた。対戦相手は慶応義塾大学で、今季2度目の早慶戦となった。インカレ初戦同様、試合開始直後から慶大優位。早大陣地での勝負が続く。前回は慶大の猛攻を何とか耐えて無失点で終えたが、今回は第1クオーター(Q)序盤に早くもゴールを割られた。さらに第2Q開始直後に追加点を許し、試合序盤で差が2点に開いた。その後は早大も徐々にペースを掴み、慶大と互角の戦いを繰り広げたが、1点も返せずに試合が終了した。

 試合開始以降、慶大が試合を支配し続ける。早大陣地での試合が続き、何度もサークル内まで追い込まれた。第1Q約4分、早大ゴール前での攻防の末、慶大が先制。インカレ初戦では耐え忍いだ序盤の慶大の勢いに今回はあっけなく押し切られた。その後も相手の攻撃に振り回され、第1Q終了。第2Qで巻き返したい早大だったが約1分、第1Qの流れのままゴール前に追い込まれて慶大に追加点を奪われた。第2Q約4分、早大がペナルティコーナー(PC)を獲得しFW清水拓登主将(スポ4=滋賀・伊吹)が打つもGKに弾かれる。その後は時々ゴール前に攻め上がるも、そのたびにボールを奪い返されて慶大の攻勢に戻った。結局、第1Qの流れを引きずって第2Qを終えた。清水は、試合前半を振り返って「前半はやっぱり向こうのペースで、自分たちは立ち上がりが悪くて2点入れられてしまって」と語った。

ボールを奪い合うFW平岩佑利(スポ2=新潟・天理)

 第3Q、早大がペースを掴み、両チーム互角の試合となる。ボールを持つ時間が延び、慶大陣地での戦いが増えた。何度も得点のチャンスが訪れたがどれも決めきれず、0-2のまま試合は動かない。第3Q約11分、早大がPCを獲得。清水が打つが今回もGKに阻まれる。第3Q約14分、慶大がPCを獲得したが、守備陣の健闘で3点目を免れた。第4Q後半、追い詰められた早大はGKを下げて11人全員をフィールドプレイヤーにし、全力の攻撃を仕掛ける。MF山下翼副将(スポ4=滋賀・伊吹)が「フィールドプレイヤーを全員、11人出して、人数が多い状態にするというのは作戦のうち」と述べたように、あらかじめ想定していた作戦である。それでも慶大の守備を破れず、逆にGKがいない自陣に攻め込まれて何度か失点の危機となる。第4Q約14分、早大がPCを獲得。最後の得点チャンスだったが、MF中島丞一郎(スポ1=富山・石動)のシュートはゴール横に流れ、試合が終了した。

PCに臨む早大選手たち

 2度目の早慶戦は早大の完敗だった。これで1勝1敗で、次回の早慶定期戦が決戦となる。加えて、直前の2年間は早慶定期戦を引き分けで終えている。さらに、これが4年生にとって最後の公式試合にして最後の早慶戦であり、何重もの意味で重要な試合である。今年の経験すべてが活きた悔いのない試合となってほしい。

(記事 七澤拓未、写真 小出萌々香)

結果
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大
慶大
コメント

原聡監督(昭59理工卒)

――今日の慶応の印象はどうでしたか

前回と比べて、全般通して見ると、前回の方が強かったかなと、正直そんな気持ちはあります。

――リーグ戦がすべて終わりましたが、秋リーグとインカレを振り返ってみていかがですか

まず、こういう情勢の中で、何とかゲームできたのは良かったかなと。学生、学生というかその学連の担当の学生も含めて、みんなが色々こう工夫して、何とかやってもらえたのかなと思います。ありがたいと思います。

――公式戦は残り一試合で、しかも慶応へのリベンジ戦となりますが、選手たちにはどのような心持ちで臨んでもらいたいですか

まず、やっぱり今日ですね。悔しいの一言なので、慶應相手、まあ去年の順位取れなかったのもそうですけど、その相手が慶應だっただけにね、すごいやっぱり、悔しさは普通の試合以上なので、ただまあそれを、来週取り返すチャンスがあるというのが、ある意味いいことなので、何とかね、今日の倍返ししてやるんだということで言っております。

FW清水拓登主将(スポ4=滋賀・伊吹)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

前半はやっぱり向こうのペースで、自分たちは立ち上がりが悪くて2点入れられてしまって。後半は自分たちのペースでできたと思うのですが、PCなどを中心に僕が決められなかったところもあったので、そこら辺がよくなかったところかな、と思います。

――点を取れなかった原因はどういったところにあったのでしょうか

PCが全部外れてしまった、決められなかったというのは一番大きくて、そこのところは来週までにしっかり修正したいです。あと、フォワードのところでしっかり収まる回数が前半は少なかったので、そこですかね。

――今回の関東学生秋季リーグ(秋リーグ)を振り返って、いかがでしたか

結局、勝った試合は最初の駿河台戦だけだったので、内容というか、勝ちたいところでしっかり勝ち切れなくて結果として(よい結果が)残らなかったのは残念ですが、この結果をしっかり来年にも生かして欲しいなと思いますし、まだ早慶戦もあるので、そこまではしっかり来週1週間で修正してがんばりたいと思います。

――最後に、早慶戦への意気込みをお願いします

僕が1年生のときに一回勝って、その後は2年生、3年生どちらも引き分けに終わっているので、ことしこそはしっかり勝って、今回のリーグ戦のリベンジと、2年分の引き分けの悔しい思いというのをしっかりぶつけて、絶対に勝ちたいと思います。

MF山下翼副将(スポ4=滋賀・伊吹)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

やっぱり、率直に悔しいかなって思いますね。やっぱり、慶応だけあって。本当に永遠のライバル的な存在なので。(今季)1回目の(慶応戦だった)インカレの一回戦では勝てて、インカレ(二回戦)に出られたのですが、今回3位決定戦で負けてしまったというのは、やっぱり悔しいかなと思います。

――前半に2点を取られ、去年の早慶戦と同じ展開となりました。意識した部分はありますか

そうですね、去年は確か第4Qで0ー2から2ー2まで引っくり返して両校優勝だったのですが、そのときと確かに心理的には似ているかなと思っていて。あとは、全体の得点の3点目が大事かなと思っていて、3ー0と1ー2だとやっぱり点数の差やメンタル的にも大きな差だと思うので、そこは意識できたかなと思います。

――終盤、GKを下げてのプレーは想定していましたか

そうですね、想定済みで。負けていたら残りの5分くらいでキーパーを1人外して、フィールドプレイヤーを全員、11人出して、人数が多い状態にするというのは作戦のうちというところもありました。

――今回の秋リーグを振り返っていかがでしたか

秋リーグは去年は3位、ことしが4位で一つ順位を落としたのですが、自分的にはベストを尽くせたのではないかと思っていて。実際にコロナの状況の中でも、僕たち4年生もそうですが、皆が本当に粘って、それで4位。4位だったのですが、そこはまあいいかなと思います。

――最後に、早慶戦に向けての意気込みをお願いします

早慶戦はやっぱり、僕にとっても4年生最後で、負けてしまったら一生の後悔のような、そういう部分もあると思うので、本当に自分のホッケーに今まで費やしてきた時間、ホッケー人生を全て懸けて勝ちにいきたいと思います。