大量10得点するも、課題が浮き彫りに

男子ホッケー

 ついに、全日本学生選手権(インカレ)が開幕。春に全日本大学王座決定戦の出場を逃し、今シーズン初めて全国の舞台に立つ早大は、北大との初戦に臨んだ。試合はMF宮口和樹主将(スポ4=滋賀・伊吹)のゴールを皮切りに得点を量産。前半に6点、後半に4点を奪い二桁得点で北大を圧倒し、準々決勝へと駒を進めたが、「攻めも守りももっとしっかりやらなければ」(原聡監督、昭59卒)と、多くの課題が露呈する内容となった。

 北大のセンターパスで試合開始。序盤から早大は積極的にゴールを狙うが、枠をとらえられず、苦しい立ち上がりに。さらには、反則による一時的な退場を宣告され、9人でのプレーを余儀なくされる。それでも前半12分、宮口が抜群のスピードで中央を駆け上がり先制に成功。その後、FW関修平(商3=東京・早大学院)が追加点を決め2―0。勢いに乗ったかに思われたが、一瞬の隙を突かれ相手にPC(ペナルティーコーナー)を許すと、1点差に詰め寄られるゴールを献上。「守り切れていない」(DF中嶋鍊、スポ2=島根・横田)と、大きな1点を失った。その後、意地を見せたFW清水拓登(スポ1=滋賀・伊吹)、FW大野誠弥(政経2=東京・早大学院)らの得点で、何とかリードを広げ前半を折り返す。

痛恨の失点を喫した

 後半に入っても本調子を取り戻せない早大。ボールを支配しながらも細かなミスが続き、チャンスを生かせずにいた。厳しい状況が続いた中で後半14分、FW倉田登志矢(スポ4=静岡・伊豆中央)が鮮やかなシュートでゴールを揺らすと、ドリブルで突破した大野が3得点目を決め、ハットトリックを達成。徐々にペースをつかんだ早大は、さらに相手を突き放し、結果は10―1。北大に力の差を見せつけた。しかし、「自分たちのプレーがあまり出来なかった」(大野)と、選手たちの表情は決して晴れやかなものではなかった。

2得点を決めた清水

 大事な初戦で勝利を手にした早大。しかし、精彩を欠いたプレーや、チャンスを逃す場面が目立ち「ことしに入って一番悪い試合だった」(宮口)と悔しさをにじませた。次戦の相手は、9年ぶりの優勝を目指す強豪・天理大。攻守共に高い完成度を誇る相手に、厳しい戦いが予想されるが、やるべきことは変わらない。ワセダの全てをぶつけ、戦い抜く。ただ、それだけだ。

(記事、成瀬允 写真、榎本透子、安本捷人、新藤綾佳)

全日本学生選手権
早大 10 6-1
4-0
北大
コメント

原聡監督(昭59卒)

――試合を振り返ってどのような印象ですか

スコアは二桁取っているので形はできたんですけど、内容的には攻めも守りももっとしっかりやらなければ、いけなかった試合かなと思います。

――ペナルティコーナーから失点がありました

ペナルティコーナーはお互い得点チャンスですから得点が入ることはあると思うのだけれども、その前にああいう形で(ペナルティコーナーを)取られてしまった。あの場面だけじゃなくて他にも失点の可能性はあったので、そういうところはしっかり反省して臨まないと、あしたはすごくきつい試合になっちゃうかなと思います。

――10得点を奪いましたが、特に動きのいい選手はいましたか

今日はどっちかというと、あしたを意識していることもあって悪いところばかり見えてしまったかなと思います。

――あしたはいよいよ天理大戦。どう戦っていきたいですか。

あしたはこういうふうには行かないので。相手をスピードに乗せてしまうと一気にやられてしまいますので、きっちり一人ひとりがついていく。それから、きょうミスありましたけど、しようと思ってしているわけではないので、そのミスのあとにどうリカバリー出来るか。本人ももちろんですし、周りがしっかりカバーして被害を最小にして、チャンスは少ないですがそこをついていくと言うことをしなければいけないかなと思います。

――明日のキーマンになりそうな選手はいますか

この大会トーナメントですから、4年生が負けてもう終わってしまいますので、宮口主将始め、三人の四年生にしっかりしたプレーをしてもらいたい、さらにいいプレーを彼らがするというように、周りがさせるようなゲームになればいいなと思います。

MF宮口和樹主将(スポ4=滋賀・伊吹)

――初戦を迎えるにあったての心境はいかがでしたか

4年生にとっては最後の大会になるかもしれないということで、しっかり勝負にこだわっていきたいと思い、きょうの試合に臨みました。

――きょうの試合を振り返っていかがですか

もっと点を取れるかなと思ったのですが、ことしに入って一番悪い試合だったのかなと思います。

――どのような点が悪かったですか

前半の立ち上がりから、決めるチャンスは多かったにも関わらず、しっかりと決め切れなかったこと。トラップなどの基礎的な技術が日頃は出来ていたのに、こっちに来てから出来ない選手が多かったことが、悪かったところかなと思います。

――連戦が続いたことの影響はありましたか

連戦になったんですけど、それは関係ないと思っていて、いくつか要因はあると思うんですけど、グラウンドが変わっているということで、同じ感覚で出来なかったのかなと思います。

――一時的に9人での戦いを余儀なくされました

まさか2人同時に抜けるとは思っていなかったので、1人なら対応が出来たんですけど、2人抜けられるとどうしても、普段とは違った戦術をしないといけなかったので、困りました。

――ご自身の得点シーンを振り返っていかがですか

1点目をなかなか取れなかったので、悪い流れを断ち切ろうと、自分でゴールに切り込んでしっかりと先制点を取れたので、少しでもチームに流れを持っていけたかなと個人的に思っています。

――チーム全体で2桁得点を獲得しましたが、スコア面ではいかがですか

もう少し取りたいという気持ちがあって、1点失点してしまったところが、良くなかったところで、完封勝利を目指している以上、1失点でもしたらきょうの試合は負け試合だと思っているので、いろいろとこの後、もう少し話し合わないといけないと思っています。

――天理大との戦いに向け、意気込みをお願いします

天理さんと戦う権利を得たということで、きょうのような試合をしてしまうと、大敗をしてしまう恐れがあり、それは少しでも避けたいので、チームでしっかりと話し合って、天理さんといい勝負が出来るように、後悔の残らないような試合をしていきたいと強く思います。

FW大野誠弥(政経2=東京・早大学院)

――今試合を振り返って

最初の方から少しバタバタしちゃって、自分たちのプレーがあまり出来なかったのがチーム全体の印象で、自分も細かいミスを繰り返しちゃって、大事なところでボールをキープできなかったのが反省です。

――プレーがうまくいかなかった要因は

相手が格下ということもあったので、個人個人がボールを持ちすぎちゃったりとか、足を動かしていなくて、ボールを持っていない人へのサポートが足りなかったのが原因かと思います。

――秋季リーグ戦、早慶定期戦と連戦が続いていますが

選手もみんな結構疲労が溜まっていて、2日間空いたんですけどどうかな、ってところで挑んだので、明日が1番本腰を入れなきゃいけない試合だと思うので頑張っていきたいと思います。

――前半、2人退場処分となった場面がありました

チーム的にも焦っちゃった部分があったんですけど、しっかりFWを引いて、帰ってくるまでは時間を自分たちで作って、戻ってきてからもう1回組み立てて攻撃しようっていう形で話し合いました。

――ハットトリックを達成されましたが、ご自身の得点シーンをそれぞれ振り返っていかがですか

1、2点目は触って入った、って感じなんで自分的にはぱっとしない得点だったんですけど、3点目は個人技で、行けると思ったのでドリブルで仕掛けて、ゴールまでつなげることができたので良かったと思います。

――あすの天理大戦への意気込みをお願いします

かなり格上の相手で、自分たちも厳しい戦いになると思うんですけど、このチーム最後の大会なので頑張って一矢報いたいと思います。

DF中嶋鍊(スポ2=島根・横田)

――きょうへの意気込みと試合を振り返っていかがでしたか

きょうの試合への意気込みは、早慶戦が終わって少しみんな熱が下がっていると思うのですが、しっかり気合いを入れていこうと思っていましたがいまひとつな試合でした。早慶戦があったからかもしれないのですが、相手が北大で格下だったいうこともあり、みんなロースタートだったので最初からボルテージを上げて行ければよかったのというのと1点取られてしまったことも反省点ですね。

――PCからの得点を決められましたが、その場面を振り返っていかがですか

あれは2回目だったのとどフリーだったので、決めなくてはいけない場面でした。本当は1回目から決めたかったので反省もあります。点を決められたことは嬉しかったです。

――相手にもPCを与えてしまう場面もありましたが、そういった点は守備としてはいかがでしたか

最初のPCで決められてしまい、守りきれていない部分がありました。あしたは天理大なので、もう少し強めのPCが来ると思うのでしっかりビデオを見るなり対策をして失点しないようにディフェンスとしてはやっていこうと思っています。

――試合前半でワセダの2人が抜けてしまうとう場面がありましたが、その時DF陣としてはどのように乗り切りましたか

僕はフルバックなので、とりあえず自分たちのボールで試合時間を稼ぐように、相手にボールを渡してしまうと僕らの方が人数少ない分やられてしまう場面が多くなってしまうので出来るだけ自分たちのボールで時間を過ごすようにフルバックでまわしたりする努力をしました。

< p>――最後に次戦への意気込みを聞かせてください

< p>天理大は代表の方や強い方が勢ぞろいしているので胸を借りというか、しっかり勝つ気で行くのですが様々なことを学べるようにディフェンスとしては出来る限り失点をしないようにしたいです。また4年生が良いチームだったと思って卒業できるように下の学年から盛り上げて行きたいと思います。