【連載】インカレ直前特集『KEEP POUNDING』【第4回】稲田くるみ×南有紗×安達里奈

男子ホッケー

 『打倒4強』へ向け闘志を燃やす女子部。今対談では、持ち味のスピードを武器に得点を狙うFW稲田くるみ副将(スポ4=佐賀・東明館)、GK王を5期連続で受賞した、早大の守護神GK南有紗(スポ4=埼玉・飯能)、鉄壁の守りでチームに貢献するDF安達里奈(スポ4=神奈川・洗足学園)のお3方にインカレへ向けて、意気込みを伺った。

 

※この取材は10月4日に行われたものです。

「チームを盛り上げる」(南)

今シーズンを振り返る南

――春はどのようなシーズンでしたか

安達  ケガしたり教育実習で、全員が揃わないシーズンでしたね。その中でも駿河台大に0―0で引き分けたり。

稲田  陽加(片柳主将、スポ4=栃木・今市)が抜けちゃったり。

 東農大戦でSOで勝ったり。

安達  人がいないながらも、その中でベストなプレーが出来て、結果は出せたかなと思います。

――人数が揃わないながらも戦えた要因は

 キャプテンの陽加が抜けちゃった時は、みんなその分も頑張ろうとなって、絶対に負けられない気持ちになって頑張れたのかなと思います。

――主将の印象はいかがですか

稲田  明るくまとめているなと思います。

安達  チームのムードメーカーでもあるので、練習以外の時は、結構おちゃらけたりする子で、みんなを笑わせたりするので、オンとオフがしっかりしてて、盛り上げてくれるキャプテンですね(笑)。

――下級生のGKの存在は大きいですか

 高橋(詩帆、スポ2=栃木・今市)も古屋(萌杏、スポ1=埼玉・飯能)も凄く上手で、2人とも自分と違った強みがあるので、2人のいいところを盗めるように、春も秋も負けられないという気持ちになっていると思います。

――他のポジションの下級生の印象はいかがですか

安達  私は同じポジションに村山陽香(創理2=東京学芸大附属)がいて、同じポジションを争う敵でありながらも、一緒に切磋琢磨する仲間なので、お互いいい刺激を与え合えていると思っています。私のモチベーションの1つになっています。

稲田  FWは初心者の子が多いので、まだまだこれからだと思う反面もあるんですけど、その中でもいいプレーをしてくれるので、そういうところを見ると自分も凄く刺激をもらえるというか、いいモチベーションになります(笑)。

――最上級生となり意識の変化はありましたか

安達  私は、去年DFの先輩が多くいらっしゃったので、その上手い先輩からマンツーマンで教えてもらうことが多かったんですけど、その先輩たちが抜けて自分たちで考えなきゃいけない事が増えて、後輩とか同期にも教えてもらうんですけど、自分でもどうしたらいいかを考えるようになりました。

 春のチームのミーティングでも同期が言ってくれた事なんですけど、今までに比べて練習中に、感情的になることが減ったのがあって、自分も意識して1番上でやる中で、チームを盛り上げるというか、いいところを見て自分には厳しくするけど、ずっと安定するようなプレーとかで、そういった存在になれるようにことし意識しているかなと思います。

稲田  去年は頼りになる4年生の先輩がいらっしゃったので、自分はついて行く立場だったと思うんですけど、ことしは上になって自分とか井上燦(スポ4=福岡・玄海)が引っ張って行く形になってきたので、自分だけの技術とかだけじゃなくて、周りのことをもっとよく見ていくことが大事だと、練習の中でも意識するようになりました。

「人生の転機」(安達)

 

優しい口調で話を進める安達

――休日はどの様に過ごしていますか。マイブームとかはありますか。

安達私はすごく食べるのが好きなので、オフの日は友達と美味しいものを食べに行ったり、飲んだりすることが多いです。

――最近はどちらに行かれましたか

安達すごく韓国が好きで新大久保によく行っています

――韓国料理では特に何がお好きですか

安達最近美味しかったのはタッカンマリと言う鶏肉料理ですね。水炊き鍋みたいなもので、鶏をしょっぱすっぱいタレに付けて食べるんですよ(笑)。韓国料理大好きですね。

 

――お二人は休日をどのように過ごしていますか

稲田休日の過ごし方ですよね、休日は外にはほとんど出ないので家でのんびりしています。最近は掃除にはまっていて朝から掃除しています(笑)。

――結構キレイ好きなのですか

稲田 最近はキレイ好きになったなと思っています。何もないのにずっとコロコロとかしちゃいます。

私も今、社会人になって引っ越す前にと思いゴミを車に積んで収集センターを行き来しています。あと、ホラーゲームの実況をユーチューブで見ています。

 

――ホラーゲームをやられるのですか

やる方はあまりできないのですが、見て楽しんでいます。

――試合以外の下級生はどのような印象ですか

3年生はしっかり

安達真面目で努力家ですね。

安達素直ですね。

稲田他の学年が素直じゃないみたい(笑)。

安達そういう訳ではないけど(笑)。

3人というすごく少ない人数なのですがみんな優しくていい子たちですね。

――今年入ってきた1年生の印象とかはどうですか

安達1年生は関西出身が4人中3人いて、結構激しいツッコミとかを飛ばしていますね。

喧嘩がすごい、でも仲がいいからこそ喧嘩する感じですね。

稲田きついよね(笑)。

 

元気な学年ですね。

――仲の良い後輩はいますか

だっち(安達)結構いっぱいいるよね。

安達私、結構後輩とご飯行ったりしますけど特に誰と多いかと言われると難しいですね。3年生の中村咲(教3=東京・成城学園)とはとても話が合うので仲いいですね。

――お二人はどうですか

稲田ご飯はあまり行かないのですけど、私も基本的に色々な後輩と訳の分からないことをしています(笑)。1番仲いいのは3年の瀧澤璃菜(スポ3=岩手・沼宮内)ですね。練習中や練習後によく1対1をひたすら練習していますね。

私も3年の瀧澤かもしれないです。結構ポジションが近くてなんでも言ってくれるので、そういうことを話すことが多いかなと思います。

 

――稲田選手と安達選手は大学からホッケーを始められたそうですが、なぜホッケー部を選んだのですか

安達私は1年間サークルに所属していたのですが、やっていたら真剣になってしまうところがあって楽しんでスポーツをするというサークルが合わず、週2しか練習がないところも物足りないと感じていました。それで最初の頃から体育会にはいれば良かったかなと思っていたのですが、いまさら手遅れかなと思っていて、1年ほど経った時に体操部の子にそのことを話したら「体操部はまだ入れるよ」と言われたのですが体操を20歳から始めるのは違うなと思って(笑)。でも体育会にその時期からでも入れることに気がついて色々見るようになって、陸上の競技経験から走るスポーツを考えていて、ラクロスとホッケーに絞りホッケーを見学したら「あっ、もうここだ」と思えたのでホッケーに決めました。

――陸上をされていた経験はホッケーをする上で活かされていますか

安達活かせているかな(笑)。

稲田 足がとっても速いです。

 

安達短距離は得意なのですが長距離がすごく苦手で、長く走っていることが苦手なので瞬発的な動きには活かせれているかなと思います。あとPCの時には早く当たれるほどいいのでそこで瞬発力を活かせているかなと思います。

――稲田さんはどうですか

稲田 同じです。

安達同じではないでしょ(笑)。

稲田 私は何かに打ち込みたくて、友達が行くというのについて行ったら楽しかったので入りました(笑)。

 

――以前何かスポーツはされていたのですか

稲田ハンドバールをやっていました。

――ハンドボールの競技経験は活かされていますか

稲田そうですね。結構動きが同じだったり、同じチーム競技で基本が変わらないのでそういった場面では結構活かされていると思います。

 

――理想の選手像はありますか

安達私は2学年上の八木澤江里(平28スポ卒)さんですね。いつも後ろにいてくださることで安心感の塊なんですよね。みんなに安心感を与えられるようになりたいです。

稲田具体的な憧れの人物はいないのですが、自分的にはセンターフォワードというポジションをいただいているので最後決め切る選手ですね。

私はくる(稲田)とは逆で1番後ろにいるのでこの人が1番後ろにいたら大丈夫だなと思ってもらえるような安心感のある安定した人になりたいと思っています。

 

――ご自身にとってホッケーとはどういうものですか

安達就活っぽくなってしまうのですが(笑)。ホッケーは人生の転機かなと思っています。ずっと私は個人競技をやってきて初めてチーム競技をやることになり、やはり全然違って自分の責任がみんなの責任になってしまう時もありまた他の人の責任も負うことがあり、そういった面でとても学ぶことがありました。チーム競技の良い面も苦労する面も知ったことで学ぶことが多かったので、私にとって人生の転機になりました。

被ってしまうのですが、私にとっても人生の転機です。高校生の時にホッケーをたまたま始めて、もし始めてなかったらワセダに来ることもなかっただろうし、このチームに入ったからチームメイトや同期にも恵まれてプレーできているので本当に人生の転機です。

稲田私にとっては確かに人生の転機でもあるのですが、すごく自分を成長させてくれる場であります。もしホッケー部に入っていなかったら、自分の欠点とかもそのままだろうし、みんながいたから成長させてくれる部分もあったのでホッケーは成長させてくれる場です。

「最大限努力する」(稲田)

 

インカレへ向け、意気込みを語る稲田

――全日本大学王座決定戦での立命大との戦いを振り返っていかがですか

 ケガを春リーグの最後にしてしまって、王座も一回戦も出られなくて、二回戦の立命大戦で後半に少ししか出られなかったので、すごく悔しかったというのもあるんですけど、このインカレや早慶戦に懸ける思いが変わったので、ケガも意味のあるものだったと思うし、少し出られたことですごく幸せを感じたし、このチームで頑張ってて良かったなと春に思ったので、すごくいい試合だったのかなと思います。

安達  負けたんですけどみんな試合が終わった後に晴れ晴れした顔だったのが印象的でした。自分たちのやりたいことが出し切れてたことを思い出しました。夏練もやって来ましたし、こっちも成長しているので、秋はもっといい試合が出来るんじゃないかと思っています。

稲田  技術の差はまだまだあるんですけど、頑張れば倒せるんじゃないかなと、驕り高ぶる訳ではないんですけど、つかめた気はしました。

――秋へ向けて夏に強化したところはありますか

安達  トレーニングかな。

稲田  トレーニングいっぱいやったね。

 ことしからトレーナーさんが就いてくださったので、トレーナーさんが考えてくださったメニューを、みんなすごく頑張ったかなと思います。体力も付いて、フィジカルも強くなって、いままでとは違った強みができたかなと思います。

――インカレの目標はいかがですか

 チームとしては4強を倒すことです。

――個人としての目標はいかがですか

安達  DF的な面では春リーグでは押し上げが出来なくて、夏練で「押し上げ、押し上げ」って言って来たので、DF陣も攻撃に参加出来るように、私は個人的に目標にしています。

稲田  相手が強いチームになるとなかなか攻めきれないで、シュートで終われないところがあったので、インカレでは最後まで攻めきって、点につなげるようにするのが目標です。

 DFとしては押し上げられるように後ろからしっかり声をかけていくことと、4強に勝つためには、チーム全体で守ることが大切だと思うので、チームのみんなでゴールを守り切れたらなと思います。

――インカレでの対戦校の印象はいかがですか

 北大はいままでに戦ったことのない相手なので、実力もあまり分からなくて、相手がどんなチームなのかも分からないのが、少し怖いというか不安かなという部分もあるんですけど、自分たちがやって来たことを北大にしかっり出せれば、勝つことが出来ると思うので、2回戦目の立命大に向けて、しっかり勝ちきりたいと思います。

――インカレでキーマンだと思う選手は誰ですか

安達  的場朱音(教2=滋賀・伊吹)と瀧澤璃菜が私の中ではキーマンだと思っていて、的場朱音はハーフセンターというポジションにいて、ど真ん中にいるので、みんなそこを経由して朱音に散らしてもらうことを意識しているので、こんなことを言ったら責任が重くなっちゃうかもしれないんですけど、朱音が機能しなかったら上につなげないので、頑張ってもらいたいということで選んだのと、瀧澤璃菜はDFの要でもありますし、来年は主格になる選手だと思うので、期待を込めて頑張って欲しいです。

稲田  キーマンなのかちょっと分からないんですけど、村山陽香が最近ディフェンスとしてすごい上手になって来ているなと思っていて、結構1対1のディフェンスをするのも上手で、強い相手でもやっていけると思うので、試合でいい流れが出来たりするのかなと思います。

 キャプテンかな。陽加がチームの何よりも支えであって、かつ盛り上げてくれるし安心もさせてくれる人だと思っていて、陽加はケガも多くてことしの春もちょっと出られなかったりだとか、いままでも一緒に出られなかった時があるので、最後のインカレで一緒に戦う中で、心の支えになるキーマン的な存在だと思います。

――最後になりますが、インカレへの意気込みをお願いします。

 最後なので、やっぱり4強に勝って、いままでに達成したことはないんですけど、全日本選手権に出場する目標を達成して、チームの歴史を変えたいなと思います。応援してくださる方がワセダは多いので、結果で恩返し出来るように頑張ります。

安達  泣いても笑っても最後なので、相手が誰であろうと、ワセダのホッケーをして、積極的にやってやりきって、後悔なく終わりたいと思います。

稲田  最後なので、自分が伸ばせるところはたくさんあるので、出来るところは最大限努力をして、試合に臨んで勝ち進んで、全日本選手権に行きたいと思います。

――ありがとうございました!

 

(取材・編集 成瀬允、新藤綾佳)

 

意気込みを力強く書いてくださいました!

◆稲田くるみ(いなだ・くるみ)(※写真右)

 

1996年(平8)3月10日生まれ。身長158センチ。佐賀・東明館高出身。スポーツ科学部4年。チームの副将を務める。ポジションはFW。背番号は7番。大学からホッケーを始められた稲田選手。最近は部屋の掃除を欠かさず、キレイ好きになられたそうです。勇猛果敢なプレーで、チームを勝利に導いてくれることでしょう!

◆南有紗(みなみ・ありさ)(※写真左)

 

1996年(平8)1月6日生まれ。身長167センチ。埼玉・飯能高出身。スポーツ科学部4年。ポジションはGK。背番号は1番。ユーチューブの実況をよく見る南選手。同じポジションの後輩に刺激を受け、さらなる高みを目指して日々奮闘。抜群のセンスでゴールを死守する姿に注目です!

 

◆安達里奈(あだち・りな)(※写真中央)

 

1995年(平7)4月30日生まれ。身長160センチ。神奈川・洗足学園高出身。スポーツ科学部4年。ポジションはDF。背番号12番。韓国料理が大好きで新大久保によく行かれる安達選手。陸上競技で鍛えた持ち前の瞬発力を生かし、インカレで大暴れしてくれること間違いなしです!