いよいよ目前に迫ったインカレ開幕戦。力強いストロークで得点を奪うFW糸賀俊哉(スポ3=島根・横田)と、スピードを生かしチャンスを演出するFW関修平(商3=東京・早大学院)の存在はチームにとって必要不可欠だ。得点源となるFWでチームを支える3年生コンビに、今シーズンの振り返りながら、インカレへ向けて意気込みを聞いた。
※この取材は10月3日に行われたものです。
「悔しいシーズン」
これまでの試合を振り返る2人
――春を振り返っていかがですか
糸賀 自分はDFとして出場していたのですが、失点の数が多くてDFの仕事を果たすことが出来なくて、最低目標である王座(全日本大学王座決定戦)の出場も叶うことが出来ず、悔しいシーズンでした。
関 自分も悔しいシーズンでした。最後に慶大に負けて6位ということで、王座に出られなかったことが大きな要因ですし、東農大にも歯が立たずに1-4という大差で負けてしまって、冬にチームで一丸となって取り組んだことが発揮出来ない悔しいシーズンでした。
――春で印象に残る試合はありますか
関 法大戦ですかね。東農大に負けてしまったんですけど、法大に勝てばベスト4に入れる可能性があって、いい試合をしていてこのまま行けば勝ってベスト4になれるという思いがあった中で、最後の最後で失点して2-3で逆転負けをしてしまい、あそこで勝ちきれなかったところがワセダの弱いところで、勝てたらなという悔しさもあって、法大戦が印象に残っています。
糸賀 自分は慶大と対戦した5、6位決定戦ですね。 前の早慶戦では大差で勝っていて、実力的にはこっちが上かなと思っていたので、それなりに厳しい試合になるとは分かっていたのですが、実際に負けて自分が入学してからずっと出場してきた王座に出られなくなって、悔しさがこみ上げてくる試合でしたね。
――今シーズンから原聡監督(昭59卒)が指揮を執ることになりましたが、いかがですか
関 原監督はグラウンドに来てくれることが多いので、自分たちをよく見てくれるので、練習後の話し合いでは的を射ていることを言ってくれるので、チームに生かさなければならないと思う点が多々ありますね。
糸賀 松本剛毅監督(平6卒)に比べると、端的に自分たちの弱点を言ってくれて、分かりやすい指示をしてくれる印象ですね。
――宮口和樹主将(スポ4=滋賀・伊吹)の印象はいかがですか
関 和樹さんは明るくて優しいので、1年生から3年生まで、上級生に意見を言える環境が整えられているし、和樹さんや倉田(登志矢、スポ4=静岡・伊豆中央)さんが、チームのムードを明るくしてくれるおかげで、チームの一体感がすごく出てきていると思います。
糸賀 和樹さんがキャプテンになってから、曜日ごとに学年で練習のメニューを考えるようになって、自分たちの意見が反映されやすい環境を作ってくれて、去年に比べると自分の考えていることを、試合や練習で表現しやすくなったのは、すごく良かったと思います。
――少数精鋭で戦うからこその強みはありますか
関 他のチームがどうなのか分からないですけど、ワセダは学年の人数も少ないですし、俺らなんて2人しかいないので、学年だけで固まることがあまり無いからこそ上の学年も下の学年も仲良くする機会が多いので、その連鎖でチームの一体感は他のチームと比べて強くて、そういうところが少数精鋭で戦うことの強みだと思います。
糸賀 他のチームと比べて人数が少ない分、同じ練習時間でも一人あたりの練習時間が長くなるので、一人一人が成長する度合いは他のチームに比べて高いと思います。
「普段通りにやる」(糸賀)
プレースタイルについて語る糸賀
――では、ここからプライベートな質問を。だいぶ遡って頂くんですが、ホッケーをお二人が始めたきっかけは
糸賀 小学校4年生から始めたんですけど、本当に自分の地元は自分の小学校みんなホッケーやるみたいな、そういう地元だったので。ホッケー本当に盛んで、逆にメジャーなスポーツの野球とかサッカーとか小学校のときクラブでなかったんですよ。だからなんかみんなの流れでホッケーやろうかなみたいな、最初はそれがきっかけで始めました。
――ホッケーをやっていて一番楽しいときは
糸賀 やっぱり点入れたときですかね。自分長い間FWやってたんで。
――小学生のときからずっとFWですか
糸賀 そうですね。小中高ずっとFWで、大学の2年生のときにちょっとDFやってて、それ以外ずっとFWっていう感じですね。
――ワセダに入ろうと思った理由は
糸賀 ワセダっていうチームを高校3年生くらいまで知らなかったんですけど、そのとき総監督だった原監督から高校のほうに話をいただいたときに、ワセダにホッケー部があるっていうのを知って、一昔前は結構いい成績残してましたし、有名な大学だったので、その話を聞いたときにワセダに入りたいという風に思いました。
――では、関選手のホッケーを始めたきっかけは
関 自分は中学校までずっとサッカーをやってたんです。附属の学院(早大学院)で、学院でもサッカー部に入ろうと思ってたんですけど、仮入部期間で、木曜日がオフだったんですね。それで、木曜日友達と一緒に帰ろうかなと思ったら、その友達がたまたまホッケー部の仮入部に行くって言って一緒に帰れなかったんですよ。入学当初だから結構寂しいじゃないですか。一人で帰るの寂しいなと思って、もう暇だから付いていったんですよ。そしたら「あ、ちょっとなんかこのスポーツ楽しいな」と思って、そのまま流れで入っちゃいました。
――大学でも続けようと思ったのは
関 高校のときから、一緒のグラウンドでやってる大学生たちがちょくちょく声を掛けてくださってて、流れで一緒に練習させていただくようになってから、そのまま「よっしゃ。ホッケー部入ろう」って決断することもなく、ズルズルと1、2、3月と迎えて、4月には入部してましたね。
一同 (笑)。
――大学に入って、初めてお互い会ったときの第一印象などは覚えていらっしゃいますか
関 どう?めっちゃ気になる。
糸賀 結構全体を見ちゃってて、関一人を見てることはあんまなかったんですけど。
関 悲しい。俺は(笑)。最初とかじゃなくて、だんだんどういう印象になっていったっていう。
糸賀 なんかすごい入ったときにいじられキャラみたいな感じだったんですよ。
一同 (笑)。
関 そうですね。正しい。
糸賀 なのですごいフランクな感じで話し掛けやすかったですね。他の先輩とか知らない人ばっかりで、自分が入ったときは。結構自分も緊張するタイプだったし、なかなか仲良くなれてなかったんですけど、最初の頃は。関は本当に親しみやすい感じで、最初の方から。
関 これ太字で。
一同 (笑)。
――では、関選手の糸賀選手への印象は
関 今は全然そんな感じはないんですけど、初めて会ったときは本当に静かで、人見知りで。全然話し掛けても返ってこないし。「ああ、俺こいつと四年間一緒にやっていけないわ」って思いましたね。第1印象はこれです。
一同 (大笑)。
――今はいかかでしょうか
関 今は面白いとこ出してきて、なんならよくしゃべりますし。
――お二人で遊びに行ったりすることはありますか
関 二人だけはないな。こないだ一緒に二人でドライブして、茨城にいる友達のとこまで泊まりに行きました。二人だからこそなんか二人で遊ぶっていうのはちょっと恥ずかしいので。ディズニーとかも結構行ってますし、仲はいいかもしれないです。
――お二人は休みの日はどういったことをされていますか</
糸賀 自分もともと結構東京に強い憧れがあって、地元がすごい田舎なので。東京のいろんな観光地っていうか、都会っぽいとことかに結構行ってますね。
――どういったところでしょうか
糸賀 ベタな所なんですけど、お台場とか結構何回か行きましたし、あと原宿とか。
関 誰と行ったの
糸賀 まあ友達ですね。
一同 (笑)。
関 まあ、そこは友達ということで(笑)。
糸賀 いろんな人と買い物とかはよく行ってますね、休みの日に。
――関選手は
関 月曜日が練習オフなので、日曜日の夜にちょっと友達とお酒楽しんだり。月曜日に新宿に友達と映画を見に行くことが多いですね。
――最近はどういった映画を見ましたか
関 最近は『三度目の殺人』を見ました。あの是枝監督の。
――福山雅治の
関 ああ福山雅治!
糸賀 ホラー系だよね
関 いやなんか、ちょっとね、難しかった。ミステリアスな。
糸賀 自分も結構映画見に行きますね。そういえば。
関 あ、二人で見に行ったじゃん。
糸賀 あの、『君の名は』じゃないや。何だっけ。
関 違うよ(笑)。あれだよ。
糸賀 ダンスするやつ。
関 『ラ・ラ・ランド』!
糸賀 『ラ・ラ・ランド』二人で見に行きましたね。
関 『ラ・ラ・ランド』二人で見ました。気持ち悪いな(笑)。
――では少しプライベートから離れて、お互いのプレーのいいところはどういったところでしょうか
糸賀 関は学院生で、高校から始めてるのに、すごい技術も全然あって、自分と大差ないぐらいのドリブルもシュート技術もあるし、粘り強いっていうところもあって、プレスとかも人一倍頑張るところがすごく尊敬してるところですね。
関 ちょっと恥ずかしいですね。糸賀はやっぱり小学校から横田という名門でやって来てるだけあって、全てのプレーがうまいですね。
糸賀 ああ、ありがとうございます
関 ドリブルもそうですし、シュートもうまいですし、糸賀をFWに置いとけば大丈夫かなっていう安心感が俺にはあるし、普通にうまいと思います。
――お二人が目指す理想の選手像はどういったものでしょうか
関 FWをやるなら、二年前の主将の宮崎俊哉さん(平28スポ卒)です。最近中盤もちょっとやるんですけど、中盤をやるなら三年前にいた拓郎さん(中村、平27社卒)とかそういう方は1年生の頃からうまいなと思って見てたので、憧れの存在です。
糸賀 僕は、結構大学のFWのうまい選手って人一倍ドリブルがうまかったりとか、人一倍足が速かったりとかするんですけど、正直自分はそういうのないので。なんだろう、目指している選手としたら・・・。ホッケー選手じゃなくてもいいですか(笑)。
――大丈夫です(笑)。
糸賀 サッカーで言ったら佐藤寿人さんですね。サンフレッチェ(広島)の。すごいポジショニングがいいんですよね。一瞬のDFとの駆け引きとかうまくて、そういうのをずっと高校のときから参考にしてますね。全然なれてはないですけど。
関 意外だわ。
――サッカーにはホッケーに通ずるものが多かったりしますか
糸賀 ルールとかゲーム展開とかも基本的には同じなので、FWのリードの、DFを引き離したりする動きは結構見てましたね。
――ことしの1年生の印象は。プレーでも、それ以外でも
関 あ、みんなかわいいです。
――1年生と遊びに行ったりしますか
関 いや、一緒に遊びに行くってことはないですけど、みんな接しやすいし、一人一人個性があって、しかも全員接しててかわいいなって感じです(笑)。
――プレーの面ではいかがでしょうか
糸賀 伊吹高校から入って来てる二人は本当に技術が高くて、ワセダのトップクラスの技術があるので、自分も参考にするところもあったりとかして尊敬してます。他の依田(星也、商1=東京・早大学院)と一色(岳登、国教1=東京・早大学院)は学院から始めてて、まだホッケー始めて4年目なんですけど、意欲はすごい感じてて、「自分さっきのプレーどうしたら良かったですかね」とか聞いてきたりする時もあるので、自分あんまり人に指導するタイプじゃないんですけど、なんか聞かれると嬉しくなっちゃって、合ってるかも分かんないことをベラベラしゃべったりとかしてます。
一同 (笑)。
糸賀 あと、伊吹の子は二人とも寮に入ってるので自分は何回か遊びに行きましたね。
関 あれ。
一同 (笑)。
糸賀 関には内緒でお願いします。
関 ちょっと俺が仲良くしてたって思ってただけかもしれないです(苦笑)。
糸賀 映画見に行ったりとか、花火に行ったりしてますね。実は。
――これからですね
関 これからですね(笑)。
――試合の日にやるルーティンなどあったりしますか。試合の朝はこれを食べる、など
関 結構食事には気を使っているというか、パスタに含まれてるデュラムコっていうのが運動にいいっていうのを高校時代に聞いて。試合の3、4時間前にはパスタ食べるようにして、1時間前くらいにウィダーを飲むようにしてます。それ以外は特にないです。
糸賀 恥ずかしい話なんですけど本当に僕は何も無く。
一同 (笑)。
糸賀 強いて言うなら普段通りにやってますね。なるべく直前まで試合のことを考えないようにするタイプですね。
――ホッケー部で今はやっていることはありますか
関 『FaceDance(challenge)』っていうアプリがあるんですけど、顔のポーズで得点出るみたいな。最近はやってます。
――誰が強いんですか
関 例のごとく倉田さん(登志矢副将、スポ4=静岡・伊豆中央)がまたなんか、流行らせだしたんですけど。なんか結構みんなインスタのストーリーとかに載せたりして面白いです。
――お二人は得意ですか
関 いや(笑)。
糸賀 いやー僕はどっちかというと苦手な方ですね。あれ結構恥ずかしいんですよ、やってると。結構変顔みたいになっちゃうんですけど、それをストーリーに載せられちゃうっていうのは萎えますよね。
「全てを出しきる」(関)
インカレへ向け力強く語る関
――秋のリーグ戦の中で、夏合宿の成果を実感する部分はありましたか
関 東農大戦は、結果を見ていただければ分かるように惜しい試合で、前半4-1まで行けたというのがスコアも大分変ったんですけど、チームとしての共通認識であったり、まとまりや一人一人の技術であったり確実に成長しているなと思ったんですけど、やはり勝ちきれないという点で、他のチームと比べて弱いのかなと少し感じました。
糸賀 東農大と明大と合わせて5得点出来ているので、春に比べると得点力が上がっているという実感があって、前半だけで見たら東農大戦も勝ってたし、明大も1-0で勝っていて戦えるスコアだったのに、後半で自分たちが人が少なくて体力が無いということを分かっているのに、前半と同じような戦い方をしてしまって、もちろん相手の方が人数が多くて体力が残っているので、どんどん押されていくじゃないですか。そこにうまく対応出来ていないところが、いままでの秋リーグであるので、体力が無い中でどのように守っていくのかをもうちょっと考える必要があるかなと思います。
――後半の攻守の切り替えが大事になりますか
糸賀 やはり後半の戦い方ですね。
関 夏にやって来たことだけじゃ少し足りず、後半の戦い方や戦術の部分で足りないところがあったので、東農大戦でも勝ちきれなかったという思いがあるので、2試合終えて改善点を見直してやって来たので、これからのリーグ戦とインカレ(全日本学生選手権大会)に期待して頂きたいと思います。
糸賀 終わりみたいになっちゃった(笑)。
一同 (笑)。
――インカレの目標はいかがですか
関 2回戦目の相手が天理大で凄く強敵なんですけど、まずはそこで勝つということを目標にやっていきたいと思います。
糸賀 合宿でも天理大とやっていい試合をやったんですけど、勝ちきれなかったので合宿から成長した姿を天理大に見せつけてやろうと思います。結構、高校の同級生や後輩、先輩もいるので自分の成長した姿を見せたいという思いもあります。
――インカレでキーマンだと思う選手は誰ですか
糸賀 やっぱり、キャプテンの和樹さんだと思います。ワセダの攻撃は和樹さんから始まることが多いので、逆に和樹さんが天理大に抑え込まれちゃうと全然攻められないと思うし、和樹さんが相手を圧倒すればFWまでボールがつながってチャンスが出来ると思うので、和樹さんがキーマンだと思います。
関 俺は健悟(山本、社2=滋賀・伊吹)ですかね。各上に勝つ時というかジャイアントキリングを起こす時は、キーパーの好セーブでチームを盛り立てることが必要不可欠だと思うので、攻められてシュートを打たれるシーンも多くなると思うんですけど、そういうところで健悟が好セーブしてワセダに流れを戻して、ロースコアで最後に点を取って勝つことが試合展開が理想だと思うので、そういった意味で健悟に期待したいなと思っています。
――ご自身の注目ポイントはありますか
糸賀 自分はFWで得点を期待されているポジションなので、得点を決めたいです。
関 自分もFWで出ることになると思うのですが、得点はもちろんなのですが、FWからの守備ということで運動量とかの面で、守備から貢献できるFWを目指しているので、そういった点を見て頂けたらなと思います。
――最後になりますが、インカレへの意気込みをお願いします
関 4年生とは今いる学年の中で一番長く接していて、その分プライベートでも仲良くさせて頂いてますし、お世話になっている時間も長いですし、本当に仲がいいので、そういった意味で4年生最後の大会ということで、笑顔で終わらせてあげたいという気持ちがあるので、いままでの恩返しという気持ちで勝つために全力を尽くしたいと思います。
糸賀 ことしは本当に勝ててなくて、王座も出てないですし、リーグ戦でもいい結果が残せなかったので、インカレは自分たちがやって来たことを全国に見せる最後の舞台だと思うので、そこで今までやって来たことを全て出しきって天理大に勝ちたいと思います。
――ありがとうございました!
(取材・編集 皆川真仁、成瀬允)
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仲良く「W」のポーズをとっていただきました!
◆糸賀俊哉(いとが・しゅんや)(※写真右)
1996年(平8)4月19日生まれ。身長179センチ、体重70キロ。島根・横田高出身。スポーツ科学部3年。ポジションはFW。背番号は10番。都内の観光名所を巡ることが趣味の糸賀選手。グラウンドに立つと普段のシャイな一面とは一変し、アグレッシブなプレーを連発。インカレでも強烈なシュートを放ち、チームを勝利に導いてくれるでしょう!
◆関修平(せき・しゅうへい)(※写真左)
1996年(平8)11月5日生まれ。身長165センチ、体重62キロ。東京・早大学院高出身。商学部3年。ポジションはFW。背番号は4番。最近、映画に行くことが多い関選手。対談では糸賀選手との仲の良さが伝わってきました。息の合う3年生コンビから、得点を量産してくれること間違いなしです!