目前に迫った日本学生選手権(インカレ)。早大ホッケー部にとって今季はここまで苦しい戦いが続いている。しかし、年に一度のインカレでは意地を見せたいところだ。今回はMF対談として、4年生から岸本昌樹副将(教4=鳥取・八頭)、3年生から宮口和樹(スポ3=滋賀・伊吹)と倉田登志矢(スポ3=静岡・伊豆中央)の3人に話を伺った。
※この取材は10月4日に行われたものです。
「今シーズンはあまり結果を出せていない」(宮口)
宮口
――今シーズンここまでを全体的に振り返っていかがでしょうか
宮口 今シーズンはあまり結果を出せていないなと思っていて、昨年はリーグ戦でも上位4チームに入ることができていたのに今年のチームは上を狙うことができない現状にあると思います。どうしても失点が多くなってしまっていて、それが敗因として結果につながっていないんだなと感じます。
岸本 結果を見ればわかると思うんですが、春(春季リーグ戦)が5位で王座(全日本大学王座決定戦)も初戦敗退、秋リーグも下位になることが決まっていて、結果としてすごく不甲斐ないなと感じています。和樹もさっき言っていましたが、去年は春秋2位だったので、(今シーズンの結果は)4年生としてすごく申し訳ないなという気持ちでいっぱいですね。
倉田 新チームを結成した時は、今度は自分たちもチームを引っ張っていくということで期待感とやってやるぞという気持ちがあったんですが、思うようにはいっていないですね。でも、冬休みの練習や夏休みの練習は密度のある内容ができたと思いますし、4年生がリーダーシップをとってやってくれていたと思います。なので、この結果というのは3年生が下を引っぱり切れていないし、上を支え切れていないのかなと思って反省しています。
――昨シーズンの主力だった4年生が一気に6人抜けましたが、大変だったことはどのような点でしょうか
宮口 後ろのディフェンスラインが去年の4年生を中心に編成されていたので、4年生が守るという責任感があったと思います。ですが、今年はどうしても昨年に比べて4年生の数も少なくて、ディフェンスも1年生主体になってしまっているので、そこが大きな差だなと思います。
岸本 まずは他のチームと比べて人数が少なくなったというのと、単純にチーム全体の力が落ちてしまったなというのがあります。1個上の先輩方は、ディフェンスと中盤とフォワードでそれぞれリーダーシップをとる方がいたので、その点ですごくありがたかったなと思っています。
倉田 和樹も言っていましたが、ディフェンスラインですね。4分の3が抜けてしまって、今は1年生が3人プレーしているということで、大学のホッケーは個人の技術も大事ですが、経験値と責任感が大きくものを言うのかなと思っていて、1年生の責任感がないわけではないけど、やっぱり3年生や4年生の方がいざという時に本気になれるのかなと思っています。そういった意味で1年生はまだ経験が少ないですし、リスクマネジメントもうまくできないと思うので、そこがうまく機能しなくてこういう結果になってしまっているのかなと思いますね。
――春のシーズンで印象に残っている試合はありますか
岸本 どれだろう。
倉田 俺、もう決まってるよ。東大戦。
岸本 なんで?
倉田 初めて早スポさんにインタビューされたから絶対忘れない。アシストなのにインタビューしてくれて、なんか申し訳なったけど(笑)。
一同 (笑)。
宮口 王座の福井工大戦かな。やっぱり王座は年に2回しかない全国大会ですし、トーナメントなのでリーグ戦とは違って負けは許されない状況の中で実際に試合をしてみて、この今のワセダのホッケー部は人数が少ない中で誰一人欠けてはいけないにも関わらず、DFの中嶋(鍊、スポ1=島根・横田)がボールに当たって退場してしまいました。DFで活躍している選手が一人でも抜けてしまうと、安定した守りができなくてそこから失点してしまうということがわかりました。今のチームにとってケガでベンチに下がるということが、大きなことなんだと感じる試合でした。
岸本 僕は5決(春季リーグ戦の5位決定戦の駿河台大戦、○5-2)ですね。理由としては春の5位以内に入らないと王座に行くことができないということで、1年生の時に春で入れ替え戦に回ってしまって出場できなかったことがあったので、春のリーグで5位以内に入ることがすごく重要でした。その中で、5、6位決定戦で勝つことができて、王座に出場することが決まったという点で印象的だったかなと思いますね。
――秋季リーグ戦はここまで3試合を戦ってきましたが、夏のトレーニングの効果などは感じていますか
岸本 どうだろうね。ちょっとは走れているのかな、とは思いますね。
――宮崎俊哉主将(スポ4=福井・丹生)は走れているとおっしゃっていました
宮口 じゃあ走れているのかな。
岸本 客観的に見たら走れているのかもしれない。
倉田 中盤は交代のシステムを春と変えて頻繁に休憩できるようになったので、単純に比較はできないなとは思うけど、キャプテンが言うなら走れているのかもね。
宮口 実際にあれは効果あったよね。中盤としてはうれしかったよね。
――夏の立命大での合宿はいかがでしたか
宮口 大学でも2強の一つの立命館と、試合をする機会もあまりない中で一緒に練習をする機会をつくってくださったにも関わらず、試合をやってみて相手にならないくらい点を入れられてしまったので、そこの差を感じました。
岸本 本当にボコボコにされてしまったんですが、盗む部分はたくさんあったなと思っています。僕がFWになってあまり経験がなかったのですが、立命館相手に通用する部分と通用しない部分がわかったので、その点では収穫だったと感じています。
倉田 立命館にはボコボコにやられましたね。
宮口 メンタルもね。
倉田 そうだね。今村(光成、商1=東京・早大学院)とかうまくいかなくて泣いてたもんね。
岸本 俊哉に怒られて?
倉田 うん。
宮口 まあみんな俊哉さんに怒られてるけどね(笑)。
倉田 でも、初日の第1ハーフでボコボコにされて、そこで監督にもキャプテンにも喝を入れられたんですよ。
宮口 気合いが入ったよね。
倉田 それがあって、そのあとは勝ってはいないけどまあまあできた部分もあったなと思いますね。立命さんも国体で人があまりいなかったんですよ。向こうは少人数で何本もやるっていう経験をしていないから後半はバテていたとは思うけど、俺らはずっと少人数でやってきたから慣れていることもあって、3本目とかは良い試合ができたと思いますね。
岸本 ラントレの成果だな。
倉田 そうだね。だから、3本目とかの試合内容を1本目からできれば良いんじゃないかなと思います。
――ホッケーのプレーでお互いの良いところを教えてください
宮口 岸さんは試合の時は頼りになりますし、点も取ってくれる人で中盤の僕としてもパスを安心して出せるなと思っています。岸さんが決めると勝つという…。
岸本 そのジンクスはこの前初めて崩れたんですけどね(笑)。
一同 (笑)。
宮口 倉田の良いところ…。倉田くんは粘り強いプレーですね。最後まで諦めずにボールを追いかけたりしてくれていますし、大学に入ってからも伸びているなと感じています。らいねんは4年生になりますけど、同期として一緒に頑張っていく中でもっと頼りにしていきたいなと思います。
岸本 和樹の良いところは挙げたらきりがないので、どれを言おうかなと思うんですが、強いて挙げるならドリブルかな。和樹にボールを渡しておけばどうにかして抜いてくれるし点も取ってくれるので、チームのエースだと思います。信頼しかないというか、本当に自分から見たらかっこいいプレーしかしていなくて、僕が求めているようなプレーをしているので、目指すべき姿だなと思います。倉田の良いところは、人一倍練習を頑張っているので、その点については後輩の鑑だなと思います。
倉田 宮口くんはきっしーも言っていたけど、何やらしてもできるのでホッケーに関しては全てにおいて信頼しています。ちょっとホッケー外ではね。
宮口 今はホッケー外の話じゃない(笑)。
一同 (笑)。
倉田 きっしーは意識高い系だね(笑)。
岸本 オンとオフの切り替えがうまいからね(笑)。
倉田 ホッケーに関しては器用なのでなんだかんだボールをとられないし、きっしーがさっき和樹にボールを渡しておけば安心って言っていたけど、それは僕からするときっしーも同じで、中盤としてフォワードにパスを出す時はまず4年生を探すようにしています。俊哉が上がっているときは俊哉を探すけど、きっしーも探して、ボールを通せるかなって確認していますね。だから、尊敬しているのかな。
岸本 いやー、泣きそうになるわ。
一同 (笑)。
――ホッケーはケガがつきものの競技だと思いますがみなさんは今までに大きなケガをされたことはありますか
宮口 僕はありますね。高校2年生の時に顎にボールが当たりまして、顎の骨が折れるというケガでした。一週間から二週間入院して、手術もして、顎にボルトを入れて骨をくっつけました。病院がこんなに暇なんだなと実感しました(笑)。だから、ケガはあまりないように心がけています。岸さんはあるんですか?
岸本 俺はケガしかないんだけど(笑)。強いてあげるとしたら、大学1年生の時に右目にスティックが当たって失明したかなと思ったんですが、今は見ての通り見えているので(笑)。大丈夫でした。あとは、歯にボールが当たって歯がどっかにいきました。
宮口 それなんでしたっけ。
岸本 俊哉のパスを崇仁(FW渡邊、法4=東京・早大学院)が触って(ボールが)浮いて、翼(GK戸田、社4=滋賀・伊吹)がそれを見て笑ってるっていう(笑)。同期みんなひどい子っていうね(笑)。
宮口 歯はやばいですよね。
岸本 やばいね。
倉田 僕は、高校は特に何にもなかったですね。手がすりむけるのもいやなくらいケガがいやで、グローブをしていたくらいでした。大きいケガは、頭にヒットが当たって病院に行ったけど、たんこぶで済んだっていうのがありましたね。
「(ホッケーは)スピード、テクニック、戦術どれを取っても他の球技に負けない」(倉田)
倉田
――それぞれの他己紹介をお願いします
倉田 和樹がお酒入ると泣きやすいとか?
一同 (笑)。
宮口 倉田と僕はよくのみにいきますね。
――岸本選手から見た後輩の印象はいかがですか
岸本 和樹はなかなか寮から出ないということで有名で、『寮の番人』というあだ名があるんですけど。
倉田 監督から「お前はもっと大学生なんだから外に出て遊びなさい。」っていうことをメールで言われるくらいなんもしてない。でも最近バイト始めて。
宮口 ちょっとずつ大学生っぽくなってきているという。
倉田 ちょっと遅いんだけどね。
一同 (笑)。
岸本 倉田はよく女の子と遊んでるって聞く。
倉田 それはね、事実無根(笑)。
一同 (笑)。
岸本 思い付かないくらい、プライベートで接点がないっていう(笑)。倉田は一緒に自主練をする仲なので、一緒に高めあって切磋琢磨(せっさたくま)し合ってる関係ですかね。
――初対面の印象は覚えていますか
宮口 岸さんは、中学校で何回か対戦したことがあったので、顔も名前も知っていて。中学校のころも代表に入っておられた選手だったので、すごいプレイヤーだなと思っていましたし、大学に来てからも衰えずに頑張ってきているな、と。倉田くんは大学入ってから知り合いました。当初僕が知っている中では、(倉田選手が)スポ推でも自己推でもなかったのでホッケー部に入る部員と知らなくて。実際来て、数少ない同期ということで僕はうれしかったです。
岸本 和樹に関しては、とってもかわいい後輩が入ってきたな、と。本当に頭なでなでしてあげたいなと思っているんです、今でも。ちょっと恥ずかしいんであんまりできない。第一印象はそんな感じです。倉田の第一印象は、いきなりため口で話してきて、あれ?後輩だよね?って思ったら、まさかの同い年ということを聞いて。ああ、同い年か、と。
倉田 いや、それ違うと思うよ。最初絶対敬語でいってるよ、俺。最初会ったのは山梨合宿じゃん。誰が先輩か分からなかったから、とりあえずみんなに敬語でいって。そしたらこいつらが、「同級生だしタメ語でいいよ」って言ったからタメ語にしたの。
岸本 記憶があいまい過ぎて・・・。
倉田 うそしか言わんやん(笑)!
岸本 最初は好印象な青年でした。
一同 (笑)。
――倉田選手はお二人の第一印象は覚えていますか
倉田 予餞会っていう4年生を送る会と新チームの決起集会を兼ねた会があるんですけど、そこで和樹と初めて会って。僕はめちゃめちゃうまい伊吹高校出身のやつがいるというのだけを聞いていて、すごいいかつくてごついやつを想像していたんですよ。仲良くなれるかな?めっちゃ生意気でわがままなやつだったらどうしよう、って思いながらで行ったら…。この子が出てきて(笑)。握手を交わし、この子となら4年間やっていけるわって思ったのが第一印象です。きっしーは、3月入学する前にあった山梨合宿で始めて会って。彼は審判講習会で初日の練習試合に来てなくて、遅れて来たんですよ。夜から合流して、来てそうそう先輩にいじり倒されていて。ああ、そういうポジションの人なんだと。
一同 (笑)。
倉田 部内の力関係をそこで把握しました。
――3人の共通点はありますか
倉田 おでこ広い、おでこ広い…。俺そんな広くないわ。
一同 (笑)。
岸本 たしかにいい線いったなって思ったけど。惜しかった。リーチだったな。
一同 (笑)。
岸本 学業優秀じゃない?俺ら。
倉田 ちゃんと文武両道してる!いいこと言ったな。
岸本 すごい部のイメージ上がるよな(笑)!
一同 (笑)。
倉田 彼(岸本選手)、WAP(早稲田アスリートプログラム)ので表彰されてるしね。
宮口 あれ、すごいですよね。
――岸本選手は、教育学部の何学科所属しているのですか
岸本 社会科学専修です。マーケティングを勉強しています。
――倉田選手と宮口選手はゼミが同じだと伺いました
倉田 ゼミではスポーツ組織論の変革とリーダーシップについて勉強しています。
――ことしのチームの印象を教えてください
岸本 みんな本当に努力家が集まっているチームだと思います。時間の練習では足りずに本当に練習を頑張っているイメージがあります。本当に努力できる人が集まっているかな、と。
――宮崎俊哉主将(FW、スポ4=福井・丹生)の印象はいかがでしょうか
倉田 背中で語るタイプの人で、圧倒的なプレーでチームの信頼を勝ち得て、さらに彼がシニアとかで経験したことがあるので、彼の言う一言一言を僕たちは純粋に納得して、尊敬して、受け入れられています。統率がちゃんと取れているチームをつくってくれているんじゃないかなと思います。
宮口 ことしのキャプテンは、ホッケーが純粋に好きな人なんだなと思いました。やっぱりキャプテンである以上、戦術面とかも誰よりも一番考えてくれていますし、僕じゃ思い付かない戦術を考えてくれます。こういう攻め方守り方もあるんだなって知らなかったことを学ばせてくれている人だな、と。らいねんのキャプテンが誰になるか分からないですけど、今のキャプテンと同じくらいホッケーに対して色々言えるかなって心配です。
岸本 俊哉は本当に後輩からは怖がられるような、実力で引っ張っていく人間なんですけど、本当にホッケーだけがうまい人がチームを引っ張れるんじゃなくて、俊哉も俊哉なりにチームのことやOBのこと、ホッケー全体のことを考えて行動している人間なので、本当にそこは尊敬できる部分だなと思います。僕があいつのように同じようにキャプテンをやれって言われても絶対にできないです。そこは本当に尊敬できます。かっこいいですよね、あいつは。
――下級生の印象はいかがですか
倉田 1年生は色が強すぎて個人個人、いまだにつかみきれていないところがある(笑)。
宮口 バラバラだもんね。
岸本 個性的で、伸ばしたらかなりおもろいですよ。磨けば光る原石みたいな。去年の4年生くらい面白いと思います。2年生は静かだよね。後輩はみんないい子。みんな俺のこといじってくるけどな。
一同 (笑)。
――チームの推しメンはどなたでしょうか
宮口 僕はやっぱり1年生の山本くん(GK山本健悟、社1=滋賀・伊吹)ですね。小学校から今まで一緒にホッケーしてきた仲で、関わってきた年数も1番長くて。相変わらずおもろいやつだなと思いました。寮でも一緒なんで、いつも部屋に来てよくラブライブのゲームをしています。
一同 (笑)。
宮口 僕はそのゲームあんまり知らないんですけど、一人で歌ったりしているのでおもろいやつです。
岸本 糸賀(糸賀俊哉、スポ2=島根・横田)が推しメンです。純粋にかっこいいし、背も高くて頭もいいし、僕が持っていないものを全部持っています。
倉田 髪もあるし。
岸本 髪もあるし、同じ山陰地方なのにずるいな、と(笑)。あとホッケーも上手なので、今後の活躍を楽しみにしています。
倉田 是澤くん(是澤勇志、文3=東京・早大学院)ですかね。部室で一緒にしゃべったりして、話が合うやつですし、個人的には。向こうはどう思っているか分からないですけど(笑)。
一同 (笑)。
倉田 ご飯もよく行くし、ホッケーに関してはすごくガッツのあるやつで、体張ったプレーをしてしょっちゅうけがしていて。相手だけじゃなくて味方もけがさせるんですけど、練習を一生懸命やって攻めたプレーをした結果けがさせちゃっただけって感じで。けがさせたらどうしようってちょっとびびっちゃうところが自分はあるんですけど、そこをためらいなくできる(笑)。ある意味吹っ切れてる人間なので、そういう意味では推します。(笑)。
――今はまっていることはなんですか
宮口 漫画を読むことですかね。漫画好きなんで、結構色んな種類の漫画を集めていたりしていますし、暇なときあれば何回も読み返すことがあるくらいで。また面白いものがあったら紹介してほしいです。
一同 (笑)。
倉田 僕はスマブラです。きょねん知り合いだった先輩に頂いて、スマッシュブラザーズっていうカセットをずーっと1人でやっています。コンピューターと1対1でするんです。弟がいるときは、弟をボコボコにするんですけど、弟がいなくて暇なときは一人でずっとやっています。
岸本 是澤とか今村(FW今村光成、商1=東京・早大学院)がアニメ好きで詳しいんですけど、ネットフリックスでおすすめのアニメを最近聞くことで、徐々にアニオタへの道に行っているのかなって(笑)。
一同 (笑)。
――皆さんがホッケーを始めたきっかけはなんですか
倉田 僕中学のとき野球部だったんで、高校も野球やるつもりでグローブも買ってたんです。でもちょっと色々あって、入部を断念し、他の部活を探していたときに、たまたまホッケー部に見学に行って。そこにいた顧問の先生に、「静岡県にホッケーある高校4校しかないから、2回勝てば全国大会に行けるよ」って言われたのと、「野球やってたなら、ヒットシュートとかめっちゃうまくなって1年から活躍できるよ」っていう口車に乗せられました(笑)。ヒットシュートに関しては、ホッケーは右打ちしかなくて、僕野球左打ちだったので、全然役に立たなかったです(笑)。
一同 (笑)。
岸本 僕は兄がホッケーをやっていて、単純に兄に勧められてホッケー部に入ったのがきっかけです。本当はサッカー部に入りたかったんですけど、小学校にサッカー部がなくてホッケー部とバスケ部と野球部とバレー部しかなくて。どうしてもサッカーをやりたかったんだけど本当にホッケーしかないから、ホッケーやるかあって(笑)。
宮口 僕は、親の友達の子どもさんがホッケーをやっていて、その紹介で始めたのがきっかけです。自分の小学校にホッケーをやるスポーツ少年団がなくてわざわざ別の小学校のスポーツ少年団まで家から車で送ってもらっていました。
――早大への進学を選んだ理由はありますか
宮口 僕がワセダに入ったきっかけは、僕が高校のときからワセダのホッケー部は強くて、大会でもしっかり結果を残しているチームでしたし、優秀な選手も多かったからです。自分もそこに入って、一員として活躍したかったというのが一番の理由でワセダに進学しました。
倉田 ワセダって、スポーツ競技歴とセンターで受験する方法があって。ネットで見た感じ、競技歴のボーダーがインターハイ出場でインターハイには高2高3と出ていたから、行けるんじゃないかと思って狙い始めたのがまず最初のきっかけでした。1年目は受験に失敗したんですけど、高3の秋にOBの方にホッケー早慶戦に連れて来てもらって。めちゃくちゃかっこよくて、もう1年勉強頑張ってワセダに入りたいと思いました。
岸本 きっかけとしては、前監督に(小田洋一郎氏)「ワセダでホッケーしてみないか」と誘われたことです。その声掛けがあったからこそ、今もホッケーを続けられているのかな、という感じですね。
――試合前のルーティーンはありますか
倉田 ネット情報をうのみにするんですけど、僕(笑)。ネットで見たのは、試合の4時間前にご飯を食べると、ちょうど試合のときに胃のなかは空っぽだけど、エネルギーは満タンみたいな状態をつくれるということで。胃に入っていると消化にエネルギーを使っちゃうから、本来の力を出しきれないみたいで。それだけは守るようにしています。
岸本 試合前はよく寝て、早起きしてご飯を食べることがルーティーンですね。
宮口 僕のルーティーンは、髪型をしっかり整えることです。
一同 (笑)。
宮口 やっぱり注目されたいというのがあるので、髪の毛をピシっと決めてから試合に臨むようにしています。
――皆さんが考えるホッケーの魅力はどこですか
宮口 やっぱりスピーディーなボール展開と、攻守の入れ替えが激しいスポーツなので、そこが見所だと思います。
岸本 ホッケーは紳士的なスポーツじゃないかなと思っています。ホッケーのボールって固いじゃないですか。歯が折れたりとかけがが多いスポーツで、足に当たると相手の反則とかでしっかりルールで守るようになっているんです。相手のためを思うとかじゃないんですけど、相手をしっかり抜き去るとか、相手をけがさせないようにしっかり低空のパスを出したりとか、そういう心遣いがあるスポーツなので、本当に紳士的なスポーツだなと僕は考えています。
倉田 スピード、テクニック、戦術。どれを取っても他の球技に負けないくらい高次元なものではないかな、と。スピードはストロークがめっちゃ早いし、パスとかのスピードもサッカーとかより全然早いです。テクニックは宮口とか見れば分かるように、何人も抜ける選手がいて、それを見たら圧倒されると思います。戦術はだいたいセオリーは決まっているんですけど、チームの色があって。こういう攻め方をしているんだなということがある程度分かると、見ていて面白いんじゃないかなと思います。
「最後なのでベストを尽くしたい」(岸本)
岸本
――インカレが目前に迫っていますがインカレでの目標はありますか
倉田 後期は秋リーグベスト4と、早慶戦優勝という目標を立てているので、今年はインカレでの目標は設けていないんだよね。
岸本 でも、(初戦で対戦が予想される)朝日大や天理大とかの上位校に勝てるようにというのを目標にはしています。
――インカレに向けて強化していきたい部分はどこでしょうか
倉田 重点的に練習しているのは個人の能力を強化しています。キャプテンにミーティングで言われたのが、戦術を練っても圧倒的な個の前ではうまく機能しないから、戦術を機能させるために全体のレベルをあげる必要があるということでした。なので、そのために今は個人の能力を高めるために練習しています。
――組み合わせをご覧になっていかがでしょうか
宮口 くじ運ないよな。
倉田 でもシードもらえたから。
岸本 一番あの山が激戦区だなとは思いますね。関学大もいるし。
倉田 初戦から手強いので厳しいですね。
岸本 でもよく言うやつですが、結果的に優勝するにはやっぱり強いところにも勝っていく必要があるので、最初に当たろうが最後に当たろうが関係ないですからね。
――岸本選手は4年生ということで最後のインカレとなりますね
岸本 そうですね。最後のインカレなので、気持ちよく胴上げをされて十年以上やってきたホッケーを気持ちよく終えたいなと思います。社会人で続けるかはまだわからないんですけど、とりあえずこれが一区切りなので、結果を残せるように、後輩にしっかり胴上げをしてもらえるように、必死に頑張りたいと思います。
――みなさんそれぞれインカレではこんなプレーをがんばりたいというのはありますか
宮口 4年生とも最後の試合になるので、4年生のために何としても活躍したいという思いがあります。なので、チームに貢献できるようなシュートやドリブルを積極的にしていきたいと思います。
岸本 まだフォワードか中盤で出るかわからないんですが、点をとるか点に絡むようなプレーをしたいですね。あとは、僕らは失点ゼロを目標にやっていて、その上で得点を取らなければ勝てないので、しっかりと点に絡むプレーをしていきたいと思います。
倉田 僕は宮口みたいにドリブルで何人も抜ける選手ではないので、中盤としてフォワードを生かすプレーをしたいです。あとは、3年生として声も出して、守りでのリスクマネジメントをできるようにしていきたいです。
――最後にインカレへの意気込みを一言お願いします
岸本 最後なのでベストを尽くしたいです。
宮口 悔いの残らない試合をしたいです。
倉田 粘り強くプレーしたいです。
――ありがとうございました!
(取材・編集 大森葵、中村ちひろ)
プレーで注目してほしい部分を一言で!
◆宮口和樹(みやぐち・かずき)(※写真左)
1995(平7)年5月18日生まれ。167センチ。滋賀・伊吹高出身。スポーツ科学部3年。お互いのプレーで良いところを挙げる際に、岸本選手と倉田選手のどちらからも「全てにおいて信頼している」という言葉を受けた宮口選手。チームのエースとして、インカレでも得点を決めて欲しいです!
◆岸本昌樹(きしもと・まさき)(※写真中央)
1994(平6)年9月2日生まれ。165センチ。鳥取・八頭高出身。教育学部4年。今回の対談では唯一の4年生だった岸本選手。最後のインカレへの強い思いをお聞きすることができました。色紙には細かなこだわりがつまっているのでぜひよく見てみてください(笑)!
◆倉田登志矢(くらた・としや)(※写真右)
1994(平6)年10月30日生まれ。171センチ。静岡・伊豆中央高出身。スポーツ科学部3年。今回の対談を明るく盛り上げて下さった倉田選手。3年生になり、上級生としてチームを支えなければいけないという思いが伝わってきました。インカレでの泥臭いプレーに注目です!