シーソーゲームにヒヤリ!なんとか逃げ切り今季初白星

男子ホッケー

 秋季関東学生リーグ2連敗中の早大はどうにか勝利を収め、順位決定予選に進みたいところ。きょうのリーグ戦第3戦は一橋大をホームに迎えた。格下相手なだけに快勝して勢いを付けたい。しかし試合は接戦となった。ルーキーのFW大野誠弥(政経1=東京・早大学院)が押し込み先制するも後半にペナルティコーナー(PC)から失点。一度は逆転するが再び失点し同点に追いつかれる。流れは一橋大に傾いていたものの最後は意地をみせた早大。終盤得点を重ねなんとか逃げ切り貴重な白星を手にした。

 前半、DFラインでのパス回しが目立った。前線にボールを当てるチャンスをうかがうも中々中盤との連携が取れない。前へ無理やり通そうとした球が、相手にカットされ逆にピンチを招く場面もあった。前にボールを送り出したい早大はFW宮崎俊哉主将(スポ4=福井・丹生)で溜めを作り、MF宮口和樹(スポ3=滋賀・伊吹)を絡めたサイド攻撃で攻めの形を作る。ゴールを奪えないまま迎えた前半23分。芯で捉えたシュートではなかったもののFW大野がリバウンドに反応し先制する。一方、一橋大はロングパスでカウンターをついてくるなど早大ゴールに迫ってきた。ゴール前で粘る相手に対しDF中嶋鍊(スポ1=島根・横田)も踏ん張り1-0で前半を折り返す。

必死の守備を見せた中嶋

 「自陣でのミスが多い」(松本剛毅監督、平6卒)。後半早々、早大はPCを与えてしまう。ここはGK戸田翼(社4=滋賀・伊吹)が反応するもきれいに左隅に決まり同点に追いつかれた。このままでは終われない早大は宮崎主将の個人技でチャンスメイク。華麗なドリブルで相手をかわしゴールを決め再び勝ち越しに成功した。しかしその後は、立て続けにPCを与えてしまいピンチを迎える。一橋大の確実なPCからまたもや失点し追いつかれてしまう。終盤は焦りもある中で早大の時間帯が続いた。ゴール前で守りを固める一橋に対し厳しく攻めた宮崎主将のゴール。PCのこぼれ球を大野が押し込みなんとか逃げ切った。

自らのプレーでチームに勢いを与えた宮崎主将

 「課題しか残らなかった」と宮崎主将が語るように終始苦戦をしいられた早大。試合後、反省点が露呈した選手たちは厳しい表情を浮かべていた。2週間後からは順位決定予選が始まる。きょうの課題を克服しさらに上を目指して戦い抜いていかなくてはならない。

(記事 難波亮誠、写真 大森葵)

秋季関東学生リーグ
早大 1-0
3-2
一橋大
コメント

松本剛毅監督(平6卒)

――試合全体を振り返っていかがでしょうか

簡単には勝てないと思っていたのですが、思った以上にうちの方の動きが固かったですね。

――相手は一橋大ということでどのような作戦をお考えでしたか

相手が引いてくるということは分かっていたので、それをどう打開するかということでもっと大胆にミスを恐れずにと思っていたのですが、いざ始まってみるとミスを恐れて慎重になりすぎてなかなか点を取ることができませんでしたね。

――特に序盤は最終ラインでボールを回すシーンも見受けられましたが、そういったプレーも慎重になりすぎていたということでしょうか

そうですね。完全に(相手が)引いてきたので、自陣で消費する時間が多くなりました。その中で一つのミスが失点の危機につながるようなプレーもありましたので、そこはやはり固さが目立ってしまったのかなと思います。

――失点は2点ともPCからでしたが、その点に関してはいかがでしょうか

PCはなかなか止めるのは難しいです。これに関してはやむを得ないと言いますか、くじのようなものだと思っています。ただ、PCを取られるまでがよくないと思いますね。自陣でのプレーが多くてミスがすぐPCにつながってしまうので、そこはよくなかったですね。

――それでも最後に2点を追加してなんとか勝利を収めることができましたね

最後は意地みたいなもので、なんとか結果を残すことができてよかったですね。ですが、あまりすっきりはしないですね。

――次戦からは順位決定戦が始まりますが、そこに向けての意気込みをお願いします

一つでも上の順位を目指してやっていかなければいけないですし、ミスを恐れず大胆に攻められるように、その点は修正していきたいと思います。

FW宮崎俊哉主将(スポ4=福井・丹生)

――今試合を振り返っていかがですか

課題しか残らない試合だったと思います。決めきるところで決めきれない、リズムを作れない、失点してはいけないところで失点してしまうというところがこのチーム始まってからの重点的な課題になっていたんですけど、きょうはその課題が顕著に現れた試合だったんじゃないかと思います。

――決めきれないのはやはり大きな課題ですか

そうですね。決めきれない部分と守り切れない部分、両方あるんじゃないかと思います。決めきるときにはそこで決めていれば必ず試合のリズムができるはずなのにそういうリズムは作れないし、相手はちょっとしたカウンターとかちょっとしたチャンスとかでしっかり得点してくる、それをしっかり守り切れないというところでリズムがさらに悪くなっていく、それが永遠の課題で、きょうも顕著に表れていました。

――一橋大は戦いにくいチームでしたか

そうですね。ずっと引いてくるチームでした。引いてきてカウンター1本とか、ときどき前からかけてきて1本狙ってくるとか、そういうチームだったので攻めにくいっていう部分は正直ありました。サークル付近とかに敵が集中していました。一橋大がすごいのはボールに対して厳しくチェックしてくるところで、粘り強くディフェンスしてきたり粘り強くボールを持ったりするのは見習わなくちゃいけないところだと思いました。

――今回PCからの得点がありましたが、前回の試合から改善されましたか

1週間ひたすらPCの練習をしてきたので、それが結果として表れたのはよかったんじゃないかなって思います。

――順位決定予選への意気込みをお願いします

負けたら下位決定戦へ進むことになるので、絶対に負けないように、勝ちきれるように頑張りたいと思います。

FW大野誠弥(政経1=東京・早大学院)

――連敗で後がない状況でどのような意気込みで試合に臨みましたか

ここでしっかり勝って順位決定戦に向けて弾みを付けようと思っていました。

――快勝できる相手でもあったと思いますが

一人ひとりがワンプレーごとに雑になってしまいました。全体として(流れが)切れてしまったのかなと思います。細々としたプレーになってしまい攻められなかった、守れなかったというのが苦戦に繋がりました。

―一DFが前線の選手の動きを待っているようにも感じましたが連携はどうでしたか

FWのスペースを空ける動きというのも前半はできていませんでした。DFもボールを受ける前の視野が狭かったのかと思います。そこがお互いにボール繋がらなかった原因でもあります。

――2ゴールの活躍でした

1点目はだふってしまったのですが、なんとか入ってよかったです。4点目は自分のところに転がってきたので、リバウンドを決めようと思っていました。結果的、勝利に貢献できてよかったです。

――試合中、宮崎主将の喝が入ってチームの雰囲気も変わったと思います

喝を入れてくれる人が主将の宮崎さん、キーパーの翼(GK戸田翼、社4=滋賀・伊吹)さんで4年生としてチームを引っ張ってくださっているので。下級生はまだ試合中も静かですので、喝が入って気持ちが引き締められるということはいい影響かと思います。

――チームの課題は

きょうの試合前からですが、戦術よりも個人技術に不足があると言われています。ベースのスキルがまだまだです。

――順位決定予選に向けて

相手がまだ決まらないのですが、秋季リーグ始まる前からチームとして後ろで(ボール)を回してFWが前で残して点を決めきる形をスタンスとしています。それを忘れずにプレーしたいです。期間がまだありますので個人技術を上げてチームの連携も高めたいと思います。